ヴォルデモートなんていない   作:taku1531

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本日から2年度の終了まで連日の投稿となります。
(12話見込み)


70.ラジオスターの悲劇(1)

 もう、土壇場も土壇場だ。引き返そうにも引き返せないのはわかっている。

 それでも……ここに来るのが私でよかったのか不安になる。

 やはりパーシーさんに頼むべきだったか? それともリーさん? アンジェリーナさんに頼む手もあったかも?

 そもそもこのタイミングで私が来るのが正しかったかもわからない。

 スリザリンのフリントさんが「最後に本命が来るなんてわかりやすい真似は避けてもいいかもな。タイミングを外すのはクィディッチでも有効だ」という進言を行い、それを受け入れた形になったけれど……どれほど有効なのかわからない。

 

 ぐるぐると頭の中でいろいろな案が駆け回っていたが……背中を叩く手で中断される。

 ロンドンのラジオ局まで来るにあたっての引率である、ポッター教授だ。

 

「ほらほら、落ち着けミス・ハーマイオニー。顔色ちょっと悪いぞ。帰っとくか?」

「き、教授! みんなが託してくれたんです、そんなわけには!」

「いーんだよ。まず自分のことだけ考えとけ。それに撤退が頭から抜けてるのは悪い兆候だぜ? 都合が悪いなと思ったら適当に仮病をでっち上げて別の日に変えさせるのも一つのテクニックだよ。向こうさんだっていろいろ準備してるみたいだし、空振りさせるのは悪くない。何度も空振りさせられると否が応でも士気っつうのは落ちるからな」

 

 ポッター教授は私の肩に手を置き、落ち着かせてくれた。なるほど、仕切り直す手を常に考えていないのは確かに良くないかもしれない。

 

「なるほど……よくマクゴナガル教授から逃げ回っていたのはそういう意図があったんですね」

「いや、あれは怒られるのを先延ばしにしているだけだが……」

 

 思わずずっこけそうになるが、ポッター教授はニッと笑ってこちらを見た。緊張を解いてくれたのだろう。

 

「よーし、調子は戻ったか? 行って来い。ロックハートなんかにビビんなよ、授業中のスネイプとかのほうがよっぽどやりづらいだろ」

 

 そう言ってポッター教授は私を送り出してくれた。ホグワーツの皆が用意してくれた資料を片手に、収録室の扉を開ける。

 

「やあやあ、ようこそいらっしゃいました! おや……ずいぶんな量の資料ですな!」

 

 ロックハートは、私が両手で抱えていた分厚い紙の束についてまず指摘した。

 

「はい。適時使わせていただきます。問題ありませんよね?」

「……ええ! もちろんです。しかし、いったいなにが書かれている資料なのでしょうか? 私としては気になりますな!」

 

 ロックハートの探りを無視し、席につく。

 フリントさんが話していた通り……ロックハートはしばしば視線を下に向けていた。あそこに鏡があるのだろう。

 

「では、そろそろ放送スタートです。ミス・グレンジャーも準備はよろしいですか?」

「ええ、いつでも」

 

 私はそう頷きながら、ちらりと周囲を見る。

 周りは皆魔法ラジオネットワーク(WWN)のスタッフ。圧倒的なアウェイだ。だが、そんな中でも……ガラス板越しに目があったポッター教授は親指を立てて、こちらにエールを送ってくれた。

 放送が始まる。

 

「5、4、3…………はい! グレートブリテンならびにアイルランド、および周辺島嶼、あるいは海外から違法視聴している魔法使いの皆さん! ロックハートのロッキン・マイハートが今宵もスタートです! さて大人気のホグワーツ生との公開討論! 今日はグリフィンドール寮の二年生をお招きしました!」

「グリフィンドール二年生のハーマイオニー・グレンジャーです。ホグワーツのラジオ局では統括班の一人として努めさせてもらっています」

「ワオ! すばらしい才媛のようだ! もし私がいまホグワーツに在学していたら、きっと私の部下として八面六臂の活躍をしてくれていたでしょう!」

 

 ロックハートが明らかな挑発をしてくるが、動じないよう心がける。

 ……いや、挑発ではなく素なのかも。

 

「では、本日のテーマは『マグル生まれと暴力犯罪』で……」

「お待ちください。今日はホグワーツ全体で、ロックハートさんにお尋ねしたいことを用意してきました」

「ほう! 私にお聞きしたいことが! なんでもどうぞ、熱心なファンが多くて嬉しいものですね!」

 

 手元の資料をめくる。

 ここはチョウ・チャンさんがまとめてくれたあたりだ。

 

「アルメニアを舞台にした『狼男との大いなる山歩き』の記述には大きな矛盾があります。私達は、これが創作ではないかと疑っています」

「おや! それは心外ですね。とんでもない! あれは私がアルメニアまで足を運んだときの出来事、間違いなくノンフィクションです!」

「では、まず一つ目です。著書には1983年7月の出来事だと書かれています。ロックハートさんのアルメニアへの出入国記録も魔法省に問い合わせて1983年にあったことを確認しており、まず間違いないものとは思われます。このときの満月は7月25日。その年の水祭り(ヴァルダヴァル)は7月10日の日曜日に行われており、日程に矛盾が生じています!」

「なるほど……ここで一つお断りしたいのですが、私には記憶違いがまったくないとはいえません。加えて、登場している匿名を希望する人物の保護などのために、日付や行事などについて本筋には影響のない程度に変更しわからなくしている場合があるのです! しかし、それに気付くほど私の本を読んでくれるとは、著者として冥利に尽きますね!」

 

 これは、以前にもラジオでレイブンクロー班が指摘したことだ。おそらく反論を用意していたのだろう、ロックハートは淀みなく答えた。

 

「なるほど。ひとまず理解しました……では、2つ目の質問です。まず確認なのですが、『狼男との大いなる山歩き』によると、ロックハートさんは狼男を追跡するために湖を一周し……島へと渡り、そこで狼男と決戦をしたんですよね?」

「ええ! その通り。流石の私もあのときはわずかに怯える気持ちがありました。ですが、東洋には『背水の陣』という言葉があります。お互いに逃げ場のない島におびき寄せることによって自らを奮い立たせ……」

 

 ロックハートは私の確認事項についてしっかりと頷いた。

 かかった!

 私は下調べをして発見した事実を突きつける。

 

「島など、ないのです」

「……はい?」

「ロックハートさんがアルメニアを訪れた1983年には……アルメニア最大の湖であるセヴァン湖に浮かぶセヴァン島は、なくなっているのです」

 

 そう。あのときフリットウィック教授が部屋に入り、マグルと歴史の話をしたから……マグルの歴史のうち、魔法史にも影響を及ぼすものに思い当たった。

 その最たるものは、地形の改変。

 

「い、いや! そんなバカな! そんなはずはありません、あそこに島があるはずで……」

「かつてはセヴァン島は存在しました。しかし、ソビエト連邦――マグルがロシアに建てた国です――は農業のための灌漑用水を求めました。もっとも著名な例はアラル海の消滅につながった水量の低下ですが、このセヴァン湖も例外ではありませんでした。ロックハートさん。あなたが訪れた1983年……セヴァン島はセヴァン()()になっていたはずです。作中に書かれている通り、セヴァン湖もぐるっと回って狼男を追跡したなら、半島であることに気付かないわけがないのです!」

 

 私が語気を強めて糾弾してみせると、ロックハートは一瞬絶句した。

 私の予想はルーナが話していたとおり、誰かが話していたエピソードをロックハートが奪い取ったというものだ。

 その奪われた彼(または彼女)から記憶を奪ったか、殺したか、はたまた俗世に興味のない隠遁者なのかまではわからないけれど……とにかく、その相手はかなり年上だったのだろう。彼の話す武勇伝は相当に昔のもので、セヴァン湖の水量が減る前のものだった。ロックハートは島が半島になっていることなど露知らず、そのままそのエピソードを盗み本にしたのだろう。

 ロックハートに対して、この指摘は予想外の打撃を与えているようだ! 私は彼を相当に追い詰めているはず!

 

「……なるほど、興味深いご指摘だ! これにはしっかりと返答をしないといけません。ここは一旦コマーシャルを!」

 

 しかし、ロックハートもさすがプロ。すぐに気を取り直し……コマーシャル入りを指示した。

 だが、これは単なる時間稼ぎ。番組終了まで時間稼ぎをしてのらりくらりかわす……というのは流石に無理だろう。リスナーもそこまで露骨なことをやられれば怪訝に思うはずだ。

 明らかに少し長いコマーシャルの間、スタッフはバタバタと走り回り、ロックハートはいらいらした素振りで机を指で叩いている……が。ドアを開け現れたスタッフを見て表情が一変した。

 陽気な表情に戻った彼は、そのスタッフからなにやら書類を受け取り……席に戻っていった。

 明らかに先ほどまでと雰囲気が違う。

 

「はい! いやあ、『発明家アベリーのあなたがここにいてほしい炎』、素晴らしい商品だ! 炎の中に想い人が映り、スマイルを投げかけてくるインテリアとはなんとも……愉快な発想です。イギリス中の私のチャーミングなスマイルが火の中できらめくことでしょう! さて、ロックハートのロッキン・マイハート、まだまだ続きます。今日はホグワーツからお招きしたハーマイオニー・グレンジャーさんをゲストに迎えてお送りしています」

「それで、コマーシャル前に追求した件は――」

「ああ、もちろんお答えしますよ。これは誰かが悪かった、という話ではない。もちろん、いま私の隣にいるハーマイオニー・グレンジャーさんも含めて。強いて言えばファンに不安を与えてしまった私が一番の悪と言えるかもしれません」

「すみません、ちょっと意図が掴めていないのですが……」

「はい、そうですね! 結論から申しますと、私がアルメニアに行ったのは1983年ではない、ということです! 私の記憶違いでとんだ不安を抱かせてしまい、本当に申しわけありません!」

 

 思わず目が点になる。

 そんなバカな! 省から取り寄せた資料でも、彼の本でも1983年と書かれていたのだ。そこからひっくり返されたらなにも話ができなくなる。

 

「ま、待ってください。省から取り寄せた出入国記録が――」

「そう! そこがすべての発端なのです。私も非常に何度も旅をしていましたから、本に起こす際に自分の記録というものを省に発行してもらい、その年号にあわせて著書の時系列を設定しました。しかし……私も確かに違和感は感じていたのです。そこで、改めて魔法省に記録を問い合わせてみることにしました。そして、その結果が……ちょうど今! ここに届いたのです!」

 

 そう言ってロックハートは先ほどスタッフから受け取っていた資料をペロン、と私に広げてみせた。

 そこには……大きく「再調査中」と書かれていた。

 

「おそらく、出入国の記録を管理していたのが私に恋している魔女だったのでしょうね! 今日お聞きした回答によると、どうやら別の人間の記録と取り違えてしまい……私の出入国記録について誤った年が記録されていたそうなのです!」

 

 そんな、バカな。

 そんなことがあっていいの? まさか、魔法省に圧力をかけて書き換えさせ……いや、証拠もない段階でそう決めつけるべきではない。本当に彼が言う通りミスなのかもしれないのだ。

 ここ数ヶ月、ホグワーツの皆で集まって積み上げてきた証拠がすべて崩れ去っていくのを感じる。

 止めようとしても、涙が浮かんでしまう。しかし、まだ収録は続いている。諦めるべきではない。

 

「わかりました。ですが、1974年にはセヴァン島が半島になっていたようです。これはロックハートさんがホグワーツを卒業するはるか前のことで――」

「おっと! もちろんまだ納得できないのはわかりますよ。それだけ読み込んでくれたことには、怒りよりもむしろ感謝を覚えます。ですが、やはり水掛け論はよくありません。再調査の結果が出てから改めて資料をまとめるべきではありませんかね!」

「……はい。おっしゃる通りです」

 

 もう、打つ手はない。

 私は頷き、うなだれた。

 

 

 ─────

 

 

 落胆したままのミス・ハーマイオニーをとにもかくにもグリフィンドール寮に送り届けた俺がそのあと向かったのは校長室だった。

 

「戻ったぜ」

「ジェームズ、戻ったか。結果は聞いておる。残念じゃな」

「おいおい、そんな他人事でいいのか? 生徒を利用しろとは言わねえけど、あの番組とロックハートの好感度は今回の選挙に大いに影響してくるぜ」

「巷ではそう言われているようじゃの。投票日の前の週末に行う演説会の前哨戦だと」

 

 魔法大臣選挙において、前の週末にダイアゴン横丁で両陣営の演説会を行うのが恒例となっている。

 これは本人の演説だけが問われるわけではなく、どれだけの人間を呼べるかという点でも注目されており、トム・リドル側はおそらくリドルを支持する純血名家の人間や魔法省の高官に依頼しているようだ。

 もちろん、こちら側もただ手をこまねいているわけではなく、現在ホグズミード村の長を務めているアメリア・ボーンズ(ならびに生徒のスーザン・ボーンズの両親などボーンズ家の面々)やヴィゼンガモット法廷魔法戦士のエルファイアス・ドージなどを招いている。

 このあたりは市井の人間としても容易に予測してる面々ではあるが、現状未だに去就について明らかにしていないグリーングラス家の長であるサイラス・グリーングラスやドージ氏と同じくヴィゼンガモット法廷魔法戦士の一員であるグリゼルダ・マーチバンクスあたりの一挙一動は市民も注視しているところで、このあたりを動かせれば大いに心情にも影響するだろう。

 

 さて、その中で注目は……やはりイギリス魔法界のポップスター、ギルデロイ・ロックハート。今年に入り選挙戦が活発になる中でリドル派を隠さなくなってきた奴だが、そいつがダンブルドアのお膝元である生徒たちとラジオで生討論など始めたものだから、皆それを興味津々で見守っている。

 超有名人と無名の生徒ということで一見、支持は大差になりそうなもんだが……やっぱ判官びいきってのもあるのかね。今のところはそれほど印象は悪くないようだ。

 

「まあ、そちらに関してはわしよりも適任がおる。彼があれほど怒っているのはあまり見たことがないからの」

「……? まあ、それならいいけれどよ。演説会のほうは? ロックハートなんかぶっ飛ばすぐらいのビッグネームを呼べないもんかね」

「わしの古い知り合いに『ロックハートなんかぶっ飛ばすぐらいのビッグネーム』がいての。まあ、ちょいと難航はしとるが、なんとかなりそうじゃ。向こうも問題は重々承知してるようじゃしの」

「なにい? 俺、なんも聞いてませんよ、それは」

「セブルスに一任してたからの」

 

 そんな目玉の人間について俺に一報も入れずにスネイプに投げてただと。

 まるであいつのほうがレセプションについて適性があるみてえじゃねえか!

 

「とはいえ君の息子さんの話をしたところ、意外にも大いに喜ばれた。君もしっかりと貢献しとるぞ」

「ハリーが……? というか今明らかに誤魔化された……?」

 

 ダンブルドア校長から新たな情報を貰ったものの、ハリーに親近感を抱く超ビッグネームだと? いったい誰なんだ……?

 思案していたところで、校長室にノックの音が響いた。

 

「失礼しますぞ。おや、ジェームズまで」

「やあフィリウス。最近忙しそうだな」

「ええ、まあ。色々とありましてな……まず校長、予想通りグリンゴッツのパリ支店から連絡がありました。彼ら(ゴブリン)はロンドン本店における副頭取の裏切りはトム・リドルによる陰謀であると断定し、私を通してダンブルドア陣営と取引を行いたいと」

「ふむ。こちらも政権を取ったあかつきには従来同様の公正な取引を行いたい、と返事を頼む。彼らに利益あらんことを、とも」

「ゴブリン流の挨拶で締めると。了解しました」

 

 魔法界にはヒト以外の存在も多くいるが……ゴブリンはその中でもかなり特異な存在だ。

 敵でもなく、味方でもなく。支配者でもなく、従者でもなく。彼らは独自の文化や行儀作法がある。

 ハーフゴブリンであったフリットウィック教授はどちらからみてもあまり良い立場とは思われない時期が長かったそうで、若い頃は相当に苦労したそうだ。

 えてして、しなくてもいい苦労を重ねると歪んじまったりするもんだが、フリットウィック教授にはそんな振る舞いは片鱗すら見えないのだからやはり傑出した人物なのだろう。

 

「グリンゴッツがこっちに付くか。結構デカいんじゃないか?」

「難しいところですな。結局の所イギリスの魔法使いが依存しているのはグリンゴッツ銀行ではなくロンドン本店という物件です。ゴブリンは世界中に影響力を持つとはいえ、人気があるとはとても言えませんからね。選挙にあたっては伏せておくほうが良いまであるかもしれません」

「なんにせよ、窓口としてフィリウスがいて助かるの。味方として頼れるかはさておいて、余計な敵まで増やしたくはないところじゃからのう」

「ですな。さて、次ですが……ギルデロイについてです。相当手がかりは少なく、省の助けも期待できないことからなかなか調査は難航していますが、残念ながら私の勘ではほぼ黒かと」

 

 ギルデロイってえと……ロックハートか。

 

「ここんとこ忙しそうにしてたのは、フィリウスが独自になにか調べてたのか?」

「ええ、まあ。生徒たちの自主性を重んじてはいましたが……結局のところ、彼は私の教え子ですからな。手を付けられないとすれば、私がなんとかしなければならないと」

「ああ。レイブンクロー出身とか言ってたな、そういや。世代的にはばっちり面倒見てた頃か」

「ええ。彼は学生時代、確かに問題児の類でしたが、悪人ではないと思っていました。しかし単なる創作、あるいは盗作ならともかく……彼はやってはならぬことに手を染めてしまったようです」

「つうと?」

「彼の本には、どうやら語り部がいるようです。そして……彼はその話を聞き出したあと、記憶をほとんどすべて奪っている。忘却呪文は現代の魔法機密保持において欠かせない存在となってしまい、軽く見られることもしばしばですが……聖マンゴですらしばしば治療不可能である不可逆のそれは、闇の呪文に準ずる呪いと言えるでしょう。断固として許しがたい」

 

 単なる愉快なラジオスターと思いきや、とんだ凶悪犯じゃねえか。話を聞き出した後証拠隠滅で記憶を消すとか、マンダンガス・フレッチャーとかのほうがまだ可愛げがあるぜ。

 トム・リドルが唆したのか、それともその悪事の尻尾を掴んだトム・リドルが利用しているのか知らないが、あいつにお似合いの輩なのは間違いねえな。

 

「……思ったよりえげつねえな。生徒に任せていたのは間違いだったか?」

「かもしれません。現段階では疑義に留まっていますが、証拠隠滅のためには相手が幼い魔法使いであっても躊躇うことはなさそうです」

 

 ホグワーツを代表する教授の一人にして決闘チャンピオンであるフィリウスは、対戦相手を見据えるかのような目で、抱えた本の表紙で笑うロックハートを見つめていた。

 

 

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