カムラの里を出たい少年と、少年に里に残って欲しい竜人族の双子姉妹の700日戦争   作:メリバ上等

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1日2話投稿なので初投稿です。




12話 ぬるぬるでつるつるなあの子

 

 ──そのタマミツネは、森に溶け込むようにそこに存在していた。

 タマミツネの体毛は白色と菫色を基調としている。色の比率として緑色や茶色、鼠色が目立つ森林とは調和しない。

 けれど、その鮮やかな色は、渓流に咲く一輪の花のように、そこに居た。

 

「あれが……泡狐竜タマミツネ」

 

 獣の骨格と蛇を連想さる胴体。

 人間がその体躯に激突されれば、全身の骨が砕け散るだろうと怯むサイズと、そのサイズに過不足なく搭載された筋肉。

 大型モンスターが放つ絶対強者としての威圧感に、ヒノエの体が一瞬だけ竦む。

 しかし、次の瞬間にはモンスターを睨み弓を構えていた。

 

「打ち合わせ通り、私とツミキが前に出て、ヒノエ姉様は後ろで援護をお願いします。ツミキはくれぐれもやり過ぎないように」

 

「りょーかい」

 

「りょーかいです」

 

「タマミツネはまだ私たちに気づいていません。厄介な泡を出される前に……初手で、勝負をかけます。……今ッ!!」

 

 ハンティング・スタート。

 開戦の狼煙は、ツミキとミノトの間を縫うように放たれた2本の矢。

 蟠を巻くように休んでいたタマミツネのこめかみにヒノエの射撃が直撃する。

 突然の衝撃に身を跳ね上がらせるタマミツネ。

 休息を邪魔した不届きものはどこだと頭が持ち上がる。

 その真上へ飛び上がる青い影。

 空へと伸ばされる鉄蟲糸。纏うは防具、カムラノ装シリーズ。宙に引かれる青い軌跡は彗星の如く。

 抜き放った錆褐色の盾をタマミツネの頭に叩きつけた。

 

「潰れろッ!!」

 

 ツミキの盾とタマミツネの脳天がぶつかり、鉄と鉄がぶつかったような硬質な音が木々を揺らす。

 叩き落とされる頭。そこに、空間を引き裂くように飛来した4本の矢が突き刺さった。

 

「ふ──」

 

 腰を深く落とし、長弓を地面と並行に構え、限界まで引き絞った矢を放った後の残心を取るヒノエ。剛射による一撃、その精度に狂いなし。

 

 一息の間に頭部に叩き込まれた三連撃。脳を揺らす攻撃に怯むタマミツネが、癇癪を起こした子供のようにのたうった。

 纏わりつく虫を追い払うような不規則な動き。しかし、モンスターの巨体によるパワーは健在。触れようものなら防具の上から潰されるだろう。

 ヒトに対してのデットゾーン。

 迷うことなく飛び込む黒い風、一陣。

 

「はぁああああッ!!!」

 

 前方へ射出した鉄蟲糸は彼女が加速するためのレールだ。

 糸に引かれピンポン玉のように弾かれたミノトのランスが、勢いをそのままにタマミツネの前脚を裂く。

 ランスの鉄蟲糸技、流転突き。

 自身も高速で動く中、がむしゃらに暴れていたタマミツネの前脚を狙い澄ますように突く集中力と、飛び込む胆力。

 ミノトの実力は、マガイマガドと相対した時とは比べ物にならない。

 

「……ッ!」

 

 努力が結実した手応えにミノトが拳を握る。

 その横を、ツミキが駆け抜けていく。

 

「ケリをつけてやる!!」

 

 強く地面を踏み込み、飛び込みながら片手剣を抜刀。

 振りかぶった瞬間、タマミツネが“跳躍“した。

 海竜種としてはあり得ないほどの異常発達をした四肢を用いた大跳躍。獣の本能か、ツミキの背後に回り込むようにその巨体を滑り込ませた。

 一瞬の鮮やかな不意打ち。奇襲への起点となる一手。

 その一手を、ツミキは神速の反応速度で潰した。

 

 ノールックで背後へと投げられた翔蟲により、ツミキの体が斜めに落ちる。

 0.5秒前までツミキの体があった空間を、タマミツネの巨顎が噛み砕く。

 その時にはもう、ツミキは片手剣を振り抜いていた。

 脚、腰、背中、肩、腕、手首。全ての筋肉の理論上の最高効率と寸分違わぬ動きをした回転斬りが、タマミツネの尾ヒレの一部を斬り飛ばす。

 

「おぉおおおおおッ!!」

 

 ツミキの左腕が閃き、一呼吸の間に三撃を叩き込んだ。

 右脚を軸に舞うような回転斬り上げ。刹那、ツミキの身体が深く沈み込む。

 空を走る剣、それは空間そのものを鞘にしているかと錯覚させるほどの剣速で振るわれた。

 渾身の旋刈りがタマミツネを斬る──直前。

 

 ぞくり、とツミキの第六感が最大級の危険信号を鳴らした。

 

「後ろですっ!!!」

 

 僅かに遅れてヒノエの声が鼓膜を揺らす。

 ふわりと漂う濃いピンク色の泡が、ツミキの背後から着弾しようとしていた。

 ツミキの背後に回り込む際、タマミツネは少量の泡を周辺にばら撒いていた。

 ミノトから散々注意するように言い含められた媚薬泡の記憶が蘇る。

 回避は必須。泡を破れないため迎撃は不可能。

 

「知るかァ!!!」

 

 ツミキは、回避しながら攻撃を続行した。

 

 土を削りながら足のスタンスを広いものへ。地面を這うぎりぎりの超低姿勢。ツミキの頭上数ミリのところを泡が通過するのと同時に、斬り上げ型の変則的な旋刈り一閃。

 尾に深々と切創を刻まれたタマミツネが、たまらないとばかりにガムシャラに四肢を動かして距離を取る。

 頭上近くで破裂した媚薬泡の被液を前転することで避け、獰猛な目つきでモンスターを睨むツミキの脚が、ぐっと力を溜めるように曲げられた。

 

「ストップ! ストップですツミキ!! 討伐するつもりですか!?」

 

「ぁ」

 

「忘れないでください! これは捕獲クエストです!」

 

 ミノトの静止でツミキが止まる。

 

「あ……ツミキ! ミノト! 前を!!」

 

 その僅かな間で、形勢が大きく変わった。

 

「タマミツネが泡を……!」

 

 ぐるぐると狂ったように回転するタマミツネから、夥しい量の泡がばら撒かれる。

 体から分泌される液を体毛で擦ることで生まれる、子供一人ならすっぽりと包んでしまえそうな大きさの泡が、次々と空間を埋め尽くしていく。その生産スピードの異常さたるや。

 

 仮に、空を見上げた時に目に映る空とそれ以外の比率を10:0とした場合。

 

 空と泡の比率が2:8になるような地獄がそこにあった。

 

「なんですかこれぇ!?」

 

 まだエリア全体に泡が広がっているわけではない。

 しかし、タマミツネの周囲に近づくのが実質不可能と言えるだけの泡の防壁だ。

 文献には載ってなかった異常な光景に、ミノトの思考が止まる。

 

「これは、まさか……」

 

「ッ! 知っているのですか、ツミキ!」

 

「うん。あれは女ハンター生態調査タマミツネ編〜とろとろ粘液でとろけさせて〜の45ページにあった……確か、媚薬成分を含んだタマミツネの粘液は気泡ができやすいんだ! 擦る時に空気の音がしてエロいらしい!」

 

「考えうる限りで最低の知識の出どころですね!?」

 

「でも、あんまり下品すぎると僕は嫌だな……」

 

「聞いてないッ!」

 

 そうこうしている間にも加速度的に泡は増えていく。

 ここまでくると満足に動くのも難しくなるのにそう時間はかからないだろう。

 

「ど、どうすれば……!?」

 

「それにしてもあのタマミツネ泡出すの早いな。液体の分泌が異常に早いのか? ……あれ? 液体を擦って泡を出すのが早い……あっ」

 

「今日本当にことごとくが最低ですよ?」

 

 思考の裏で、ツミキは“今なら飛び込んでも泡を全部避けながら狩れる“と考えていた。

 だが、当然それができるのはツミキだけだ。ミノトは近づけすらしない。

 一人でモンスターと相対して、途中で剣を止められるかどうか。

 ツミキには、自信がなかった。

 

「……参ったな」

 

 打開策に窮するツミキとミノトの頭上を、一本の矢が突き抜けていく。

 

 漂う泡を次々と貫く矢が、泡の世界を引き裂くようにタマミツネへの道を切り開いた。

 地面に膝を立て、竜の一矢を放った体勢のヒノエが叫ぶ。

 

「私が泡を打ち落とします! だから、二人は前へッ!」

 

「流石ですヒノエ姉さま!」

 

 一秒の迷いもなくミノトは駆けた。

 これ以上泡が増えると本当に動けなくなる。勝負所は今だと判断した。

 それ以上に、ヒノエを信頼していたから。

 必ず、行手を阻む泡を打ち落としてくれると。

 ミノトの信頼に応えるように後方から放たれた矢が次々と泡を打ち落としていく。

 それを見て別ルートから動くツミキは特に援護なしでも普通に泡を避けていた。

 

「行けます……! これなら……!!」

 

「行って、ミノト……! ……あっ」

 

「え?」

 

 思わず振り返るミノト。

 風に乗ってヒノエの後方に回り込むように移動していた“濃いピンク色“の泡が、ヒノエに当たって弾けた。

 

「ヒノエ姉さまーっ!?」

 

 媚薬泡を浴びたヒノエの変化は劇的だった。

 

「ぁぅ」

 

 かくん、と糸が切れた人形のように崩れ落ちる。

 

「……ぇ? ……な、に……、これ……?」

 

 心臓を鷲掴みされたのかと錯覚するほど、血流が早い。

 体温は上がり、体表に赤みとして現れる。

 焦点が定まらないのか、目はとろんと溶け。

 小さく開いた薄い唇からは、は、は、と荒い呼吸が漏れている。

 

「ぁ、ぇ? 体が、あつ……何……? なに、これ……!?」

 

 何より。

 お腹のちょっとした、おへその方から感じる、頭を焼き焦がしそうなほどの、初めて感じる熱。

 狂おしいほどの焦燥感。泣き叫びたいほどの飢餓感。胸を掻きむしりたいほどの寂寥感。

 その全ての感覚が未知。

 

「ぁ、は……ッ、はぁ、ぁ……なに、これ……だめ、これ、おかしく、なる……っ!!」

 

 欲しい、欲しい、欲しい。

 寂しい、寂しい、寂しい。

 満たして、満たして、満たして。

 

 体の芯が、狂ったように何かを求めている。

 地に手をついた状態から一歩も動けない。少しでも動いてしまえば、何かが決壊してしまいそうだった。以前の自分には戻れなくなる何かが壊れてしまいそうだった。

 

 命を賭けた生存競争をしているモンスターが、動かない的に成り下がったヒノエを見逃す道理はない。

 

 本能で敵の状態を察知して回転を急停止したタマミツネの口に、エネルギーの奔流が集まった。

 

「水ブレス……!? 避けて、ヒノエ姉さまっ!!!!!」

 

 ランスの盾を構えて守りに行こうとするが、動けない。

 むしろ、適当に石を投げたら10個は泡に当たる、というような空間で、ヒノエの援護なしにミノトが泡を躱し続けていることがもう奇跡だった。

 

 砲弾のような水ブレスが発射される。その威力は、岩をも砕く。

 ヒノエは動けない。

 ミノトは間に合わない。

 

 しかし、間に合うやつがここにいる。

 

「させるかぁッ!!!」

 

 ヒノエの窮地と見ると否や、“当たっていい泡と当たったらいけない泡“を瞬間的に判別して、媚薬泡は避けつつも他の泡でぬるぬるになったツミキがかっ飛んでくる。

 摩擦をほぼ失った体で、走るというよりは滑走に近い状態。

 ギリギリ水ブレスとヒノエの間に割って入ったツミキが、盾で水ブレスを弾く。

 

「ツミキ!!」

 

「うわああああああああっ!?」

 

「ツミキ!?」

 

 もちろんぬるぬるのツミキは踏ん張って衝撃に耐えることができないので、水ブレスの威力そのままに吹っ飛んでいくが、鉄蟲糸で空中に己の体を固定することで戦線離脱は免れた。

 体の向きを調整してヒノエの側に降り立ったツミキが、手を差し出す。

 

「ヒノエ、大丈夫?」

 

 目の前に差し出された手を見て「あ、ツミキの手だ」と思ったヒノエは、他のどの思考も追い越して、その手を握る。

 

 瞬間、ヒノエの脳内に幸福が溢れ出した。

 

『ヒノエちゃんの手は、白くてキレーだね』

 

『僕がずっと側にいるよ』

 

『……うん。僕も、好きだよ……。ヒノエのこと、好きだ』

 

『ヒノエ……愛してる。僕と結婚してください』

 

 幼少期から今まで(妄想込み)の記憶が瞬時に駆け抜ける。

 ヒノエはどちらかといえば確信さえあれば自分から告るタイプだった。

 

『ツミキ。お腹、触ってみますか?』

 

『いいの?』

 

『ふふっ、いいもなにも、私と貴方の子どもですよ』

 

『……わ、動いた! 今動いたよヒノエ!』

 

 大きくなったヒノエのお腹に手を当てて、感動しているツミキと微笑むヒノエ。

 

『この子が……』

 

『はい、貴方と、私の……私たちのところに生まれてきてくれた子です』

 

『ちっちゃいなぁ……あったかいなぁ……。はは、気持ちよさそうに眠ってる……ははっ』

 

『ツミキ……? 泣いて、いるのですか……?』

 

『うん……嬉しくて、涙が止まらないんだ。ヒノエ、ありがとう……。僕と一緒になってくれて……僕に、家族と会わせてくれて……本当にありがとう……』

 

『……これから、ですよ、ツミキ。これから、この子と一緒に……一緒に、楽しい思い出をいっぱい作っていくんですから。頼りにしてますね、お父さん』

 

『今度こそ、絶対に守ってみせるから。……ありがとう、ヒノエ。今までも、これからも……ずっと、愛してる』

 

 我が子を間に、優しく抱擁を交わすツミキとヒノエ。

 

 ツミキと愛を囁き合う光景があった。

 我が子と三人で過ごす光景があった。

 

 笑顔があった。温かみがあった。幸せがあった。愛があった。

 

 一生分の幸せをツミキと子どもにもらった感覚があった。

 

 まあ、そんな想像は現実には全く関係なくヒノエの体は大変なことになっていたが。

 

「ツミ、ツミ、キ……」

 

 その手を取った瞬間、ヒノエの中の訳のわからない飢えが一気に膨れ上がった。

 胸の中で暴れ狂う何か。おへそのあたりでかあっと熱くなる何か。

 危険な大型モンスターと相対していることなんて一瞬で頭から吹っ飛んだ。

 気が狂いそうだった。

 気が狂いそうだったから、助けて欲しかった。

 ちょうど、ヒノエの目の前には信頼している男の子がいた。

 だから、ヒノエは。

 

「──って」

 

「ヒノエ?」

 

「取ってください、ツミキ、この変なやつ、取って!!」

 

 胸の中を暴れ狂う苦しいやつがあったから、それを信頼している男の子に取ってもらおうと、巫女服の胸元をインナーごと一気に開いたのだ。

 

「ぃいいいいいいいぃっ!!?」

 

 曝け出される眩しい白い肌! 

 締め付けていた圧から解放され滑らかに形を変えるおっぱい! 

 ぽよん、なんて擬音がつきそうな勢いで飛び出してきたのに、張りはきちんとあって美しい形のおっぱい! 

 おっぱい! 

 頂点の桜色の蕾こそ見えていないが、南半球は完全に外気に晒されていた。

 ここはモンスターが跋扈するフィールドである。

 

「ちょっ、ヒノ、ヒノエ!!?」

 

「ツミキぃ……早くこれ取って……ッ! じゃないと、私、私、頭が変になりそうなんです……!」

 

「僕の頭が先に変になりそうなんだけど!? なのに、くそっ、視線を引き剥がせない!!!」

 

「ツミキ、早く……早くぅ……!! この変なの取ってください……!」

 

「何を!? え、もしかしておっぱいを揉むことの隠語なのか? そうなのか……!?」

 

 それはお前の願望だ。

 

「あっ」

 

 ぬるぬるだったツミキはヒノエを支えることができず、縺れるように倒れる。

 仰向けのツミキの上に跨がるヒノエは、袴を腰で止める紐が解けかけており、インナーが丸見えになっていた。

 

「薄い橙色! あれ、濃い……いや違う! 考えるな今はやばい!! 僕の理性とかタマミツネに狙われてることとか!!!」

 

「ツミキぃぃぃ!!!!!!!!!!!」

 

「人を殺せそうな竜人族の声も聞こえるし!!」

 

 ツミキはぬるぬるになっていたが、媚薬泡を浴びたヒノエもまたぬるぬるになっていた。

 お互いにぬるぬる。ぬるんぬるん。

 踏ん張れない、ということは立てないということだ。

 立てない、ということは動けないということだ。

 それでも普段のツミキならこの窮地を抜け出せたが、ヒノエの女の子の部分に視線と脳の容量を奪われているツミキの思考力は塵に等しいものになっている。

 

 おっぱい。

 柔らかい。

 いい匂い。

 おっぱい。

 ヒノエちゃん。

 おっぱい。

 熱い。

 モンスターを殺さないと。

 おっぱい。

 おっぱい。

 

 今のツミキの脳内はこれが全てだ。

 おっぱいのことしか考えていない。

 ヒノエが首筋に顔を埋めて鼻を擦り付けるようにして匂いを嗅ぎ出したのでハンマーに脳みそを直接殴られているような顔をしている。

 

 そんなツミキたちを、タマミツネの水ブレスニ射目がロックオンしていた。

 珍しく……本当に珍しく、本気で鬼気迫る声でツミキは叫んだ。

 

「やばいやばいやばいやばいやばいってぇ!?」

 

「ツミキ……どうして? どうして取ってくれないんですか? こんなにも熱くて、苦しいんです……!」

 

「待って今は本当にやばいマジでやめて手をおっぱいに持って行こうとしないでそれしたら本当にやばいヒノエちゃん待ってお願い今はまずいんだって!!」

 

 熱に暴走するヒノエは当然聞く耳を持たない。

 

 ツミキがどすけべ野郎なのは間違いないが、命の危機に瀕してまでエロいことを優先するような男だったか? 

 ヒノエの巫女服に付着した媚薬泡が、ツミキの思考をも破壊しかけていた。

 

「ツミキ!! ヒノエ姉さま!! 逃げてぇ!!!」

 

 タマミツネの水ブレスが発射される。

 レーザービームのような圧縮された高圧水が、巨木を貫きながらツミキたちへ着弾する──瞬間、ツミキは「ヒノエちゃんを守らないと」という誓いで全ての誘惑と情欲を振り切り、想いが体を動かした。

 

 鉄蟲糸でヒノエの体ごと自分をぐるぐる巻きにし、同時に真横に伸ばした鉄蟲糸で体を引っ張ったのだ。

 無理やりな回避行動。ろくに受け身すら取れやしない。

 それでも、なんとか水ブレスを避けることができた。

 ツミキの手から二匹の翔蟲が離れていく。

 

「あ、危なかった……!」

 

「ツミキ、まだです!!」

 

「嘘だろ!?」

 

 窮地はまだ脱していない。

 

 水ブレスのチャージモーションを終わらせたタマミツネが、ツミキを睨みつけていた。

 

「あいつ、距離を詰めずに戦うつもりか!?」

 

 あからさまにツミキを警戒した行動だった。

 

 翔蟲が戻ってくるまでまだ時間がかかる。

 ヒノエは超密着状態に脳内を幸せホルモンと快楽物質がバシャバシャ分泌されており、心のままに力一杯ツミキを抱きしめた。

 半裸のヒノエに抱きしめられたツミキの理性がKOされた。

 そこに、水ブレスが三度襲いくる。

 もう、回避する術はない。

 

「ヒノエ姉さまっ!!」

 

 この中で唯一まとまな思考状態を維持しているミノトの決断は刹那だった。

 

 ミノトは、大量の泡を回避するのに精一杯だった。

 だから、ツミキたちを助けに行けなかった。

 媚薬泡を食らって、動けなくなることはクエスト失敗を意味するからだ。

 

 泡を避けなければならないから動けず、間に合わなかった。

 なら、泡を全て無視して駆けたなら、どうなる? 

 

「あぁあああああっ!!」

 

 脇目も振らない全力疾走。

 いくつもの泡がミノトに当たり、ぬるぬるにして摩擦力を奪っていく。

 ミノトは天才ではない。ツミキのように、摩擦ゼロの世界を初めて経験して、即座にそれを利用して動き回るなんて芸当はできない。そんなこと、ミノトが一番わかっている。

 足を滑らせ、転げそうになった時、ミノトは前方へ手を伸ばした。

 その先に伸びる鉄蟲糸。

 

 ツミキのように大地を駆けることが出来ないのはわかっていた。

 

「なら、空を翔ければっ!」

 

 翔蟲に引っ張られるようにしてミノトの体が射出される。

 途中、三つの媚薬泡がミノトの体に当たって弾けた。

 一瞬、意識が流されそうなほど熱に頭を焼かれそうになる。歯を食いしばった。それだけでは足りなかったから、ランスを強く握りしめた。

 唇を噛んで、叫ぶ。

 

「私が、この大楯を選んだのは──守りたい全てのものをっ! 必ず守り切るためですっ!!!」

 

 着地して滑る体を木にぶつけて無理やり止めて、引き抜いた大楯を地面へと叩きつける。

 直後、巨人に踏まれたのかと錯覚するほどの“破壊“がミノトの体を叩いた。

 衝撃が骨の奥を痺れさせ、内臓を掻き回していく。

 背にしている木からミシミシとへし折れる寸前の断末魔が響く。

 それでも、構えた盾だけは絶対に離さない。離してなるものか。

 

「ぁああああああああっ!!!」

 

 裂帛の気合いを迸らせ、激流にも等しいモンスターのブレスに真っ向から抗う。

 足が沈む。

 膝が屈しそうになる。

 心だって挫けそうだ。

 けれど、立ち向かう意志を捨てることは絶対にない。

 絶対に守りたいものが、彼女にはあるから。

 

 一瞬だったか。それとも秋秒か。

 全力を振り絞ったその先で、ミノトの意地がタマミツネの水ブレスを征した。

 

 肩で大きく息をして今にも倒れそうなミノトの後ろでは、理性を失ったケダモノが少女を襲っていた。

 

「ヒノエ……ヒノエ……」

 

「つみきぃ……もっと、ぎゅっとしてください……そしたら、この変なの、少し落ち着くから……!」

 

 お互いに背中に手を回し合って硬く抱きしめ合う二人。

 ヒノエはツミキの旋毛に顔を寄せていて、ツミキはヒノエの谷間に顔を埋めていた。

 ヒノエの体に経験したことのない甘美な電流が走る。その電流は、ヒノエの疼きを少しだけ取ってくれた。ツミキは深呼吸していた。

 かく……かく……と、ゆっくりと、でも確実にヒノエの腰の辺りが動いていた。

 流石にミノトは切れた。

 

「滅べ色魔!!!!!!!!!!!!」

 

「グフゥえ!?」

 

 ヒノエをツミキから引き剥がして、そのままツミキの腰を掴んでジャーマンスープレックス。

 頭から地面に叩きつけられたツミキが潰れた悲鳴をあげる。

 目を回すツミキの胸ぐらをつかみ上げて、木へと叩きつけた。

 

「しっかりしてください!!!」

 

「おっぱい……?」

 

「このままじゃ全滅です! 私もいつまで保つかわかりません!! 今、まともに戦える可能性があるのはあなただけです!!!」

 

「おっ……ぱ……」

 

「しっかりしろ! 目を覚ませ! どうせ……どうせ私たちを捨てて出ていくつもりのくせに、今さら惑わされないで!! 自分で決めたことなら貫き通して!!」

 

「お……」

 

「このまま──守るって誓いもなかったことにするんですか!!?」

 

 吐息が交わる距離で叫ぶミノト。その後ろでは、雄叫びを上げたタマミツネが滑走してきていた。

 獣の息の音が聞こえる距離。明確な命が終わるまでのカウントダウン。胴長の体を丸め、反転させるための体勢。胴と遜色ない密度と太さを誇る尾による叩きつけ。弱った獲物を、もっとも信をおく己の武器で仕留めにくる、獣の本能。

 俯くツミキを瞳に移すミノトは小揺ぎもしない。命の危機が迫っているにも関わらず、その心はぶれない。

 なぜなら──。

 

「──いいや。その誓いだけは、絶対に破れない」

 

 顔を上げたツミキの瞳に宿る信念の強さを、ミノトは知っているから。

 

 ツミキが片手剣を抜刀する。

 タマミツネが巨大な尾を振り下ろした。

 大気を潰しながら迫る尾。ツミキの手の中に翔蟲が戻ってくる。それを、二匹まとめて頭上にアンカーとして固定した。

 

 鉄蟲糸が宙を貫く。

 

「お前……正気に戻った後どうやってヒノエちゃんと接すればいいんだばっかやろぉ!!!」

 

 質量と筋力の暴力で叩きつけられるモンスターの尾を、眼前で構えた小さな盾で弾くという絶技。

 瞬間、ツミキが空を翔ける。

 翔け上がりながら盾の殴打を叩き込み、タマミツネの直上へ身を躍らせ、振り上げる盾が叩きつけられる。

 タマミツネの頭を、地へと叩き落とした。

 

「──ああ」

 

 着地するツミキ。

 ミノトを、ヒノエを守るように立つその背中を見て、ミノトは息を漏らした。

 

「この背中に、ずっと私は──」

 

 木々の間から差し込む光を背負うその背中が、ミノトは普段よりもずっと大きなものに見えていた。

 

 瞬間、ミノトの脳内に性欲が溢れ出した。

 

「……っ!?」

 

 当たり前である。

 一つ被っただけで精神がアヘる媚薬泡を三つも体でぶち抜いてきたのだ。

 今の今まで理性を保てていた方が奇跡というべきだろう。

 もしくは、ヒノエにとっては未知の感覚だったそれも、ミノトに取っては既知の感覚だったことも理由として挙げられるか。

 ミノトは我慢する術を心得ていて、ヒノエはそれを知らなかった。

 

『もっとおっきくなったらさ、父ちゃんみたいなハンターになりたいんだ。そしたらさ、ミノトちゃんもヒノエちゃんも、みんなみんな僕が守ったげる! ……うん! 約束!』

 

『ミノト! だいじょ……う……ぶ……? うわぁ!? ごめん!! ほんとごめん!! 見るつもりはなかった! 本当だって!! 待って待って、殴るならせめて一言だけ言わせて!! ──ミノトの裸、とてもエロいとおもぶへラァ!!!』

 

『綺麗……。僕、あんまりこういうこと慣れてないから、月並みなことしか言えないけど……すごく、綺麗だよミノト……。えっと、その……抱きしめても、いい?』

 

『ミノト……ミノト……っ。好きだ……大好きだ……! 愛してる、ミノト……っ!』

 

 幼少期から今まで(妄想込み)の記憶が瞬時に駆け抜ける。

 ミノトはどちらかといえば確信があっても相手から告られたいタイプだった。

 

『ミノト……』

 

『もう、今日もですか?』

 

『うん。だめ……かな?』

 

『だめじゃ……ないですけど……。こんなに毎日だと、子供が出来ても知りませんよ』

 

『むしろ嬉しいよ。ミノトと僕の子供だ。絶対可愛いんだろうな……僕、親バカになる自信がある』

 

『本当にスケベなんですから……。でも、私も……親バカになりそうです』

 

 ツミキとミノトが、手を取り合って寝室に消える。

 

『──あ、産気づいた。産まれそう』

 

『医者ぁあああああっ!!! 医者を呼んでこい息子たち!!! 娘たちはお湯と清潔なタオルをっ!!!!!』

 

『慌てすぎですよ、ツミキ。感覚的にまだもうちょっと余裕がありそうです。家まで歩いて戻れるかな?』

 

『いや、でも、だめだ! 僕がお姫様抱っこで連れていく! ミノトに何かあったらいけないから!!』

 

『もう……。もう10回目なんですから、慣れてください。それに、お姫様抱っこは今は流石に恥ずかし……あっ』

 

『幾つになっても、君は僕のお姫様だよ。と言っても、僕ばかりおっさんになって行って、君はずっとあの頃の……僕が恋した君のままだけどね』

 

『何言ってるんですか。……確かに、ツミキは歳をとりましたけど……どんなツミキでも、変わらず大好きな、私の旦那様です。……子どもたちに揶揄われてしまいますから、お姫様抱っこはちょっとだけですよ』

 

 結局お姫様抱っこをやめてもらえず、子どもたちに囲まれて顔を赤くしているミノトがいた。

 

 ツミキと愛を交わし合う光景があった。

 たくさんの子どもたちに囲まれて幸せに微笑む光景があった。

 

 恋慕があった。情欲があった。幸せがあった。愛があった。

 

 一生分の幸せをツミキと子どもたちにもらった感覚があった。

 

 まあ、そんな想像は現実には全く関係なくミノトの体は大変なことになっていたが。

 

「これ……まず……ぁんっ!!?」

 

 咄嗟に体に伸ばしそうになった手を掴んで止める。

 それだけで精神力を振り絞らなければならなかった。

 だというに、たったそれだけの動作をしただけで、服の中であれやこれやら擦れてしまってはしたない声を漏らしてしまう。

 バチバチと頭に直接電流を流されているかのように視界が明滅して、思考が澱むように真っ白になっていく。

 お腹の奥が切ない、切ないとくうくう哭いて、胸の辺りからは早く、早くと飢えた獣のように催促される。

 体が熱い。

 意識が消えそう。

 胸の中で狂いそうなほどの情欲が渦巻いている。

 常人では一瞬で廃人になりそうなほどのそれを、必死の思いで耐えるミノト。

 なんならタマミツネの水ブレスを防いだ時よりも必死かもしれない。

 

「こんな、もの……を……! ぁ、ヒノエ姉さまは!?」

 

 同じものを浴びたヒノエの身を案ずるミノト。

 

「よかった……」

 

 ヒノエは地面にぺたんとお尻をつけて、タマミツネ相手に猛攻を仕掛けるツミキを熱っぽい目で見ていた。

 とりあえず、今のミノトのように頭がおかしくなりそうなほどの情欲には犯されていないように見える。

 ただ、両手が股の間に収まっているような気がしたがミノトは気のせいだと思うことにした。

 というか、正直誰かに気を使えるだけの余裕がミノトにはなかった。

 端的に言えばエゲツナイほどムラムラしていた。

 カムラのムラムラのミノト。

 

「は、あっ、く……ぁ、力が、はいらな……ひぅ!」

 

 ミノトの精神力は“異常“と言えるほどに強靭だったが、我慢には限界というものがある。

 もうちょっとでも動いたら気持ちよくて、でもそんな弱い刺激じゃ全然足りなくて、でもでも強い刺激なんてこんなところじゃ絶対できなくて、ならどうすればいいかなんてちっともわかんなくて、泣きたくなるぐらい満たされてなくて……。

 理性がぐずぐずに溶けていくのがわかった。

 必死に決壊しそうな感情の波を堰き止めているそれがなくなった時にどうなるのか、恐ろしい。

 

 体に手を伸ばして、止める。

 

 それをもうずっと繰り返している。

 とっくの昔にミノトの精神状態は普通ではなくなっていた。

 

 少し離れたところでは、タマミツネが苦し紛れに放出した泡の弾幕を鉄蟲糸をくくりつけた片手剣を振り回し、叩き切っているツミキがいる。

 虚をつかれたタマミツネの顎を、盾で三連打していた。

 その相貌には常にはない必死さが見て取れる。

 

 彼の懸命な横顔を見るのは、何年ぶりだろうか。

 

 媚薬泡とは別の理由で、ミノトの胸が高鳴った。

 

「頭良くないのに、贖罪とか罪とか難しいことばっか考えて……。昔のあなたはもっと能天気で、ひたむきだったでしょう……。スケベなのは、変わらないですけど」

 

 過去があってツミキは変わった。

 なら、変わる前のツミキだっていた。

 ミノトは、そんなツミキを知っている。

 

 あの時感じていた熱を、覚えている。

 ミノトはずっと、覚えているのだ。

 

「──ミノトっ! あいつ隣のエリアに逃げ出した!! 捕獲するんだろう、罠を渡してくれ!」

 

 ミノトの前に空から降ってきたツミキが着地する。

 記憶よりも成長して、たくましくなった顔があった。

 

「(──ぁ)」

 

 なんで、と問われると分からない。

 ただ、その時、ミノトは無性にそれがしたかった。そして、それが全く嫌ではなかった。

 

「ミノト……?」

 

 罠を渡してくれ、と伸ばされていた手を掴んで、引き寄せる。

 体勢を崩したツミキの顔の位置が下がり、ミノトの頭と同じ位置に。

 

 そして。

 

「──ツミキくん」

 

 ちゅ、と。

 とても小さなリップノイズ。

 

 ミノトの瞳の中に、ポカンと口を開けたツミキがいた。

 

 なんで、と問われると理由は分からない。

 ただ、ミノトはきっと媚薬のせいだと顔を真っ赤にして答えるだろう。

 

 そうではないことを、誰よりも知っているくせに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タマミツネは無事に捕獲された。

 ただ、その代償はあまりにも大きかった。

 

「死にたいです……」

 

「えっと……」

 

「殺してください……」

 

「どうしよう、ヒノエが暗黒面に落ちた……」

 

 ベースキャンプの寝台の隅に座り込んで、ツミキに背を向けるヒノエ。

 立ち直る気配が微塵もない。

 まあ……君、だいぶあれだったもんね。

 

「ミノト、助けて……」

 

「どうせ私はヒノエ姉さまと違って淫乱でむっつりな最低の尻軽女……どこでも発情する欲求不満の喪女です……」

 

「お前もか……」

 

 ミノトに助けを求めるツミキだったが、体育座りをして延々と納品ボックスに話しかけるミノトを見て諦めた。

 普段は努めて隠しているが、本来のミノトはネガティブ思考が癖になっている、自己評価の低い女の子。一度このモードになったら長いことをツミキは知っている。

 

「一日開けたけどなんも変わってないな」

 

 タマミツネの捕獲成功から、一日の時間が過ぎていた。

 

 というのも、タマミツネを捕獲して帰ってきたツミキが見たのは“ツミキという異性の目“がなくなったことで心の堤防がほぼ決壊してしまっていたヒノエとミノトの姿。

 彼女たちの名誉のために詳細は省くが、割と女の子に対して幻想を見ていたツミキのファンタジーに少しばかりヒビが入る光景だったとだけ言っておこう。

 それでも、ツミキの幻想の女の子像は壊さない程度で済んだ彼女たちの精神力を誉めてやりたいぐらいだ。

 自分の、もちろんヒノエの限界が近いことも悟っていたミノトは、なけなしの理性を雑巾搾りのように搾り出してベースキャンプまで帰還し、ツミキに一日絶対に入ってくるな入ってきたら殺すとまで言ってベースキャンプに籠城。

 彼女たちの状態をある程度察していたツミキはこれを承諾。ツミキとしても色々とマジで限界だったので、正直助かったというのが実情だ。ツミキとて、色々と引きずっていたり後悔していることもあった。

 

 そして、一日経って戻ってきてみるとこの有様。

 惨状が惨状だけに無理もない。無理もないが、もうなんか死ぬほど空気が重くてツミキは泣きそうになった。

 

 恐るべきはタマミツネの媚薬泡。

 三人の絆にヒビが入りかけていた。

 

「あー……ここにずっといても仕方ないし、とりあえず、帰る?」

 

 このクソボケはこういう時に気を使えないアホだが、ずっとベースキャンプにいても埒が開かないというのはその通り。

 三人に必要なのは、心の休息だった。

 

「お風呂に入りたいです……」

 

 ボソリ、とヒノエがつぶやく。

 ピクリ、とミノトの肩が動く。

 

 ベースキャンプを締め出されたのでフィールドにずっと居たツミキは途中で水浴びなんかもしたが、ベースキャンプにいたヒノエとミノトはもちろんそんなことはできない。する余裕がなかったともいう。

 今、二人の体臭はツミキの女の子ファンタジーをぶち壊す可能性を秘めていた。

 それが良いか悪いかで言えば、カムラの里の未来的にも二人の女の子のプライド的にも絶対ダメである。

 ちなみに、今ツミキは二人の半径10メートル以内には近づけないようになっている。

 

「そういえば……ここから歩いて4日ほどの場所に、ユクモ村という温泉が有名な観光地があった気がします……」

 

「温泉ですか……いいですねミノト……。カムラの里に帰るよりずっと近いというのがとても良いです……」

 

「クエストの報告は……?」

 

 ふらふらと立ち上がり、幽鬼のような足取りで下山し始める二人を見てため息一つ。

 まさか放っていくわけにもいかないので、追いかけた。

 

 その前に、ふと足を止めて片手でおでこに触れる。

 

「……惑わせてるのはどっちだよ」

 

 切なそうに呟きは、風に吹かれて消えていった。

 

 

 

「さて。ユクモ村に行くかどうか……強く引き留めれば二人とも無理にはいかないと思うけど……どうしようか」

ユクモ村に

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