ホロライブラバーズ『幸福論者』獲得RTA なんでもありチャート   作:かとしょう

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 砂糖を吐かせたいから初投稿です。

 200人突破記念閑話投稿しているのでまだ見てない人は見てね。
 https://syosetu.org/novel/256656/11.html


.mp9 (怪我特訓回)/こじらせメイド

 ケガも関係なく特訓する畜生RTAはーじまーるよー。

 前回の続きから。今は腕も足もケガしているホモ君を特訓させています。オラ!休むな!

 

 それにしてもちょこ先生はどうされたんでしょうね?いないのではこの腕を自然治癒で治さなければならず、その期間なんと数週間のガバとなるんですが……?(チャートが)壊れる~^

 

 さて怪我のせいでデバフがかかっているのに、なぜ事故も恐れずホモ君を特訓させているのかというと、とんでもないフラグが立ったせいです。

 そう、旧魔王軍会合イベントです。

 

 百鬼あやめ嬢からの情報にあった魔王軍がこの町に近づいているというのは近いうちに出会う可能性があるということです。

 

 出 会 う 可 能 性 が あ り ま す 。

 

 あああああああもうやだああああああああ!!!無理無理無理終盤を想定したLVの奴がこんな序盤に来てるんじゃないよふざけんな!こんなの試走時だったら即リセ案件だぞバカ!

 

 さて皆様にはお話しなくてはなりません、魔王軍幹部の存在を。

 たびたび魔族関連のストーリーで出てくる存在で、一人一人が一騎当千で推奨LVが中盤から終盤の強敵です。魔界の騎士デュラハンとかいやがらせかと疑う位、序盤で出会う人もいるでしょう。このゲームが糞ゲーと言われる要因の一つです。

 

 この人魔戦争ルートでは当たり前のように強化された奴等が出てきます。特にちょこ先生が名前を挙げた四天王の内の『誓約の騎士』と『魔導皇帝』は出会ったら今のホモ君は死にます。『魔導皇帝』はホモ君のLV不足、『誓約の騎士』はそもそもホモ君のビルドでは絶対に勝てません。出会いは死への直行便です。残りの二人は逆にいくらでもやりようがあります。

 

 これでは皆様の頭に?が浮かぶこと間違いなしなので軽ーく説明をいたします。

 『誓約の騎士』の厄介な所さん!?はなんといってもその硬さにあります。こいついつも硬い敵に難儀してんなと言われそうですが育て方がもうね……。

 

 お話を戻しますがこいつは各種耐性が鬼がかっており、素の状態異常のかかり辛さはホロラバの五本指に入ります。スピードは遅いのですが、当然のようにスーパーアーマーを持っており攻撃をキャンセルさせることができないため、時間のかかるヒットアンドアウェイ戦法が基本になります。

 ここまでなら何とかなるのですが本題はHPを削った後です。なんとこいつHPを削り切ると1だけ残し覚醒、発狂します。

 一定以上のダメージカット、常時アーマーのハイパーアーマーへの進化、全能力値が2.5倍上昇という製作者の頭を疑う出来になります。

 

 特にダメージカットがイかれています。実は後半に戦う敵なので序盤のホモ君はこのダメージカットを貫けないんですよね……。しっかり育てたキャラの重い一撃前提なので威力の低さを手数で補う「短刀」の天敵みたいな存在です。

 もし戦うならこちらも魔族の天敵である「白銀ノエル」に丸投げして勝つのを祈るくらいしかやることがありません。実質詰みに近い運ゲーです。

 

 ですので狙うのは四人のうちの二人!確率は50%ですがなぁに私はRTA走者!二分の一を引けなくて動画投稿なんてできるもんじゃないぜ!

 

 でも怖いので特訓はしておきます。

 『誓約の騎士』だけはやめてよ?ここまで来てリセは嫌だよ?

 

 画面が戻って特訓中のホモ君、怪我しているにも限らずウォーキング中です。

 ここからどれだけ伸ばせるかはホモ君の頑張りと運次第でしょうか。がんばれ♡がんばれ♡

 

 

 

 「はぁ~~~~~~~」

 

 玄関で靴を無造作に脱ぎベッドにダイブすると大きく溜息をついた。

 疲れた。心も体も鉛が圧し掛かっているようだ。怪我している中外を歩き回るのもそうだが……まさかやり返すために助けるとはね……。してやられたよ、あの公園に罠を張っていたとは。落とし穴以外にも色々あるのではないだろうか?

 

 時刻は六時を回ったところ。晩御飯の用意を始めなければならないのだが、体が重くベッドの心地よさが俺の活動を阻害する。あまり昼寝はしない人間なのだが慣れない環境と最近の忙しさから眠気がひどい。

 

 「少しだけ……少しだけでいいから……」

 

 遠くでバイクの音が走るのを聴きながら俺は夢の世界へと落ちた。

 

 

 

 「たっだいま~!!」

 

 玄関の鍵を開けるとドアを勢いよく開け放ち大声で中にいるであろう相手に挨拶する。

 昨日からお世話になっている宿泊先に私は元気よく帰宅する。バイト先兼宿泊先をクビになってからどうしようかと悩んだものだが、ぐずった甲斐があったのか、それとも家主(ご主人)が優しいからか何とか寝床を確保できた。

 今日は学校終わりに新しいバイト先に面接に行ってきたところだ。昨日ネットサーフィンをして見つけたところは前のバイト先より条件は落ちるけどなかなかに悪くない。蓄えはあるが一月に三万円入れなければならないから少しは稼がなきゃいけないしね。

 

 「ご主人~!お腹すいた~!」

 

 夕ご飯を作ってくれているはずの私のご主人に玄関から催促する。今日の献立は何だろうか?昨日の晩と今日の昼に食べたご主人の手作りの料理はとてもおいしかった。今回のも楽しみだ。

 え?メイドなんだから自分が作れ?それは分業ってことで。私がお皿触るとなぜか割れるし。

 

 「ご主人~?」

 

 おかしい、返事がない。短い付き合いだけど分かる。彼のことだから帰ってきた私に向かって「うるさい!手を洗ってさっさと席に着け駄メイド!」と言ってきそうなのだが……。

 まだ帰ってきてないのだろうか?いやでも靴が無造作に脱がれていた。ちなみにその脱ぎ方から男の子と一つ屋根の下ということを改めて意識してしまったのは内緒だ。

 

 なにか事件があったのだろうか。スカートの中の武器を取り出し構えながらリビングに入る。そこには――

 

 「スーーーーーッ、寝ているだけか」

 

 気持ちよさそうに寝ているご主人だった。スプリング式の安そうなベッドに枕を抱きながら一定の寝息を繰り返している。昨日は早く寝ていたのに、もしかして昼寝が趣味だったりするのだろうか?

 

 そこまで考えたところで気が付く。部屋は快適な温度に保たれているのに髪や額が汗でしっとりと湿っている。腕の包帯は激しく動かしたかのように乱れて解けかけている。

 ワイシャツは快適さを求めてか、ボタンを上から3つも外しており、胸元をだらしなく広げていた。少しセクシー。

 じゃなくて。

 

 「運動していたの……?」

 

 わずかながら服に染み付いた汗と脂の酸臭から激しく動いていたのが推測できる。四月の過ごしやすい気温の中ここまで汗を掻くのも珍しい。そもそもご主人は片手片足を怪我していて動くのは難しい――というよりも禁物のはずだ。なぜわざわざこんなに辛い体で動き回ったのだろうか。

 

 「うーん?」

 

 普段使わない頭脳をフルに回しご主人の身の回りを探ってみる。

 

 ご主人はこの怪我をどこで負ったのだろうか?私と出会ったときにはもう包帯が巻かれていたことから昨日以前なのは確か。

 記憶をたどれば出会ったときには包帯と添え木固定されていたが、きれいに巻かれており新品特有の薬のような、病院のようなにおいがした。ならば出会う直前に巻いたことになる。

 でも出会った場所周辺には病院はない、もしくは時間の関係で閉まっている。そして来た方向から察するに――

 

 「白銀家で手当てを受けた?」

 

 可能性が高い。

 ご主人と白銀ノエルは同じクラスだったが、今日本人が言っていた「やっぱり利き手が使えないと不便じゃない?」という利き手が使用不可能なことを予め知っていたかのような口ぶりからも分かる。

 

 「えーと……えーと……」

 

 頭を両手の人差し指でぐりぐりと押して考える。なんかここまで頭を使うのが久しぶりな気がするが興味が尽きない。

 

 白銀ノエルはご主人の怪我の理由を知っていた。そして治療を施した。つまり怪我をした現場に居合わせたのだろう。

 

 その現場でけがをした理由で考えられるのは二つ。白銀ノエルが戦っているところにご主人が介入したか、ご主人が何らかの戦いに巻き込まれた後に白銀ノエルが来たか。

 前者は考えづらい。白銀聖騎士団を若くしてトップに上り詰めたあの白銀ノエルが一般人を巻き込むなんて考えられない。()()金持ちで、()()権力持ちで、()()末裔がそんなミスするとは思えない。

 つまり後者、何らかの戦いに巻き込まれたのだろう。

 

 交通事故の線も考えたが片手片足だけを怪我する事故というのも考えづらい。そもそもご主人は病院が開いていないという車の少ない時間でも信号を守って渡るタイプだ。暴走車両なんてニュースになっていないしこの線はないだろう。

 

 争いに巻き込まれたと仮定して、その次の日に生傷が癒えていないのに運動するとは。部屋を見渡したがシューズやウェア、ラケットやバットとかは無くスポーツをしているわけではないのはわかる。

 だけどその乱れた衣服から覗くそのセクシーな筋肉は日常生活ではつかない。普段から日常生活以上の運動をしているのだろう。

 

 「怪我をしていても()()()()()()()()()()()()()()()理由があるってこと?」

 

 たぶん……そういうことだと思う……。

 

 なんということだろうか。なぜそんな目にあっているのだろうか。なぜそれを私に言ってくれないのだろうか?

 確かに出会ってまだ日は浅いがそれでも一言言って欲しかった。ただ一言「助けて欲しい」と言葉にしてくれれば力になるのに……。

 信じてもらえていない、秘密にされている、たくさん理由は考えられるけど少し寂しいな。

 

 ベッドに腰かけてご主人の前髪をさわさわする。右手を包帯の上からツンツンする。

 大人と少年の中間の顔立ち、いやまだあどけなさが残るか?薄いタオルのような掛布団を左手でつかみながら顔の前に持っていくその姿はかわいらしい。

 

 頭を使ったからかすごくだるい。なんだかボーッとしてきた。お尻の下の柔らかい物体に思わず寝転がる。

 

 頭を左に向けるとご主人の顔が手のひら一つ分くらいの距離だった。しばらく安らかに眠るそのあどけない顔を見つめる。

 緩やかで規則正しい寝息を肌で触れ、くすぐったくも人の温かさを実感する。思わず頬が緩み胸の鼓動が早まる。

 

 「ん、んん……」

 

 寒いのかご主人が体を軽く丸める。

 

 「ごしゅじーん……。あくたんはここですよー……」

 

 夢に出るように、無意識に刷り込むように小声で何度も繰り返す。

 左手の指を私の指と触れさせ、緩く絡ませる。

 

 聞きたいことはたくさんあるし、言って欲しい言葉がたくさんある。こんな大怪我が増えるならば心配にもなる。

 でも自分から聞くのはやめよう。

 言わないなら言いたくないことなのかもしれない。私のことを案じて言えないのかもしれない。それならそれでいい。私は影からメイドらしく支えるだけだ。

 でも、もしたった一言、「助けて」と言ってくれれば全力で助けるから。たとえ世界の敵になろうともあなたの味方になるから。だから――

 

 「ごしゅじーん……。あくたんはここですよー……」

 

 繰り返し呟いた。

 

 

 

 深い場所から浅い場所に上っていく感覚。蛍光灯の人工光に眼球を攻撃されながら体を起こす。

 なんだろうか、寝起き直後の気怠さが体に無い。10時間以上寝て早朝に起きたようなすがすがしさがある。時刻は俺が帰宅してから3時間ちょっと。あまり長いこと寝ていたわけではないが……質のいい睡眠をとれたのだろうか?

 

 「ってもう9時じゃん!」

 

 やばい夕食の用意を何もしていなかった。我が家の誇る駄メイドが催促してくると思って目覚ましもかけていなかったのだけど、まさかまだ帰ってきていないのか?

 

 布団から飛び起きて気が付く。台所で液体が沸騰する音が聞こえてくる。

 忍び足で中を覗くとそこにはなぜか電気をつけず、鍋の前で体育座りをして顔を膝に埋めているあくあの姿があった。

 

 「なに……しているんですか……?」

 

 江戸時代の妖怪絵巻に出てきそうなその光景に思わず敬語になる俺。妖怪鍋蒸かしかな?

 

 「ひゃあああああああああああああああ!?」

 

 面白いくらい体を跳ねさせて叫ぶあくあ。人間に見つかった妖怪ってこんな声なんだ、じゃなくて。

 

 「ごっごごごご主人!?いたの!?」

 

 「そりゃいるよ俺の家なんだから。そもそも俺より後に帰ってきていたのに気が付かなかったのか?」

 

 「いや、気が付いていたよ?気が付いていたんだけどぉ……」

 

 しどろもどろになりながら口元をむにむにと動かして慌てているあくあ。心なしか顔が赤くなっているような?

 

 「まぁいいか。もしかしてごはんの準備してくれていたのか?ありがとう。何を作っているんだ?」

 

 「…………袋ラーメン」

 

 うん、まぁ、このポンコツメイドにそんな期待していなかったよ。これから準備すると食卓に着けるのは10時過ぎになるからな。簡単かつ素早くできる袋ラーメンはいいかもしれない。

 

 なんだか元気のないあくあをリビングに戻して俺が引き継ぐ。ネギやもやしなどの薬味を味付けして盛り合わせて作り上げた。あくあにはその俺を起こさずご飯を作ろうという気概を買ってお肉を二枚多くつけておいてやろう。

 

 お盆に乗せてリビングに運ぶとまたあくあが体育座りをしていた。何を落ち込んでいるんだこいつは?

 

 「ほら伸びるから早く食べな」

 

 「……うん」

 

 のそのそと自分のお箸を手に取って小さく「いただきます」と呟くとズズーと啜り始める。

 一緒に昼食を食べた経験から食事中でもうるさい奴だったけど今回は一段と静かだな。相変わらず顔が赤いな。

 

 「何かあったの?」

 

 見かねて問いかける俺にまた肩をビクッと震えさせるとあくあはもごもごとしゃべる。

 

 「とても恥ずかしいことしちゃった」

 

 「ふーん?」

 

 どうも話が見えてこないがあまり深堀はしないほうがいいだろうな。きっと新しいバイト先でそのポンコツ性でも発揮したんだろう。

 しばらく麺をすする音だけが場を支配していた。だが唐突にあくあが口を開く。

 

 「ねぇご主人……」

 

 「うん?」

 

 「……(あてぃし)、場の空気に流されない人間になる」

 

 「……?」

 

 なんだそりゃ。




 そういえばツイッターを始めました。皆さん気軽に見に来たり絡みに来てくださいね。たまーに裏話や裏設定を呟きます。

 https://twitter.com/kohuku_hameln
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