スキマにこき使われ、九尾に教えを乞い、化け猫に笑われながら、幻想郷を駆け巡る 作:エアロスミス
この日は自分の誕生日です。これからもよろしくお願いします!
「…ん」
あれからどれ程の時間が経ったのだろうか。海堂は幹の太い木に背を預けていた。その体にはツルも巻き付いている。
「…! カッ、ハッ!」
海堂は声を出そうとするが、喉が枯れているからかまともに声が出せなくなっていた。それでも海堂は懸命に声を出そうと唾を乾いた喉に送り込んで、声を出そうとする。
「…あ、あー!…よし」
まだ掠れてはいるもののなんとか声を取り戻した。次に海堂は木にもたれている身体を起こそうとする。手に力が入らなかった気がしたが、すぐに動くようになり、ツタを千切って身体を起こす。海堂はようやく地に足をつけられた。
「さて、とりあえず帰るか」
どれくらい寝ていたのかはわからないが、とりあえず家に戻ることにした。立ち上がったせいなのか頭痛がするが、気にする程ではないだろう。
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森を歩くこと数十分。海堂はいい加減認めることにした。ここはさっきいた場所ではない。そして自分は今迷子であることもだ。
「なんでこうなるのかな!」
海堂は吠えるがどう考えても自業自得である本当にありがとうございました。
「…なんか遠くでバカにされてる気がする。にしてもどうするかな〜」
頭を掻きながら考えてみることにする。もちろん歩きながらだ。現在の整理すると、海堂は気がつくと木にもたれていて、声が出せなくなっていた。自宅に帰ることにしたが、ここはさっきいた森ではない。そしてそのことに気がつかないで今絶賛迷子ということである。
「…仕方ないよね。同じ光景ばかりなのに、さっきと違うとか気づく訳ないじゃん。つまりは俺はバカではない。QED証明完了」
とんでもないはちゃめちゃ理論くりだした。確かにそうかもしれないが、ちょっとは危機感を持ってほしい。
その後も独り言を言いながら歩き続ける。外からみたらやばい奴だ。しかし、こうでもしないと彼は歩いてられないのだ。皆さんは月明かりしかない夜の森を一人で歩けるだろうか?正直歩きたくはないだろう。海堂もそのうちの一人だったということである。
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そんなこんなで、歩き続けること数分後…
海堂は一人黙って歩いている。独り言のネタがなくなったのだ。だが、目が夜に慣れてきたので恐怖感は薄れていた。だが、歩いていて傷づいたこともある。全身が動かしにくいのだ。足や手を動かそうとすると、ほんの少し遅れて動かせるようになる。つまり初動が遅くなっていたのだ。海堂は自分の欠点に気がつく。
自分の足音以外の音が聞こる。そう、さっきから誰かにつけられているのだ。誰かはわからない。後ろにいるのだが海堂は振り向く勇気がない。振り向いたら死んでしまうかのような…そんな感覚に襲われるのだ。しかし、このままでは埒があかないだろう。海堂は勇気を振り絞り後ろに振り向き…
「誰だ!」
「わっ!?」
そこにいたのは小さい女の子だった。黄色の髪、白と黒の洋服とロングスカート、これだけ見ればいたって普通の少女だろう。その瞳が血に濡れたような赤でなければ。この少女が海堂をつけていたと海堂は推測する。理由はわからないが警戒しておくに越したことはないだろう。すると、少女の方から口を開く。
「あなた、こんな所で何しているの?」
「あっ、えっと…散歩?」
「こんな所を?」
こんな子供に迷子になったなんて言い出せない。流石に恥ずかしいのだ。それを聞いて少女も首を横に捻っている。
「あなた外来人よね。ここだと見慣れない服装してるし」
「多分そうなのかな。てか俺が外来人だとどうなるんだ?」
「うん。私が外来人に向かってこう言うの」
そう言うと、少女はフワッと一息で海堂に近づき、海堂と顔を合わせる。そう、少女は浮いているのだ。口元をニィっとさせ鋭い犬歯を海堂に見せつけこう言った。
「貴方は食べていい人類?ってね」
その質問に海堂は恐怖を感じた。そこしれない恐怖を。だが恐れたら死ぬ。海堂は引き攣らせながらも、言葉を返す。
「それはすごいな。そうだな…君は何者だい?」
「あら、察しが悪いね?私は
「妖怪か、初めて会ったよ。っと名乗られたのなら名乗り返すのが礼儀だろう。俺の名前は海堂直也。海堂とでも」
ルーミアは赤い瞳をゆらゆらと照らしながら、舌なめずりをする。ルーミアはニヤニヤしており、その表情はまるで獲物を見つけた肉食獣が如く。海堂はいつ殺されるかと冷や汗をかいている。
「フフっ、そんな顔しないで…別に今すぐ何かしようというつもりはないのよ?」
「そうか?俺は外来人で君は妖怪だ。この後の結果はCMを待たなくても分かると思うなぁ」
「フーン、意外と理解がいいね。まぁ、その答えは私がさっき人を食べていなかったら正解だったよ」
ルーミアは口を拭う仕草をする。どうやらルーミアは海堂に会う前に食事をしていたみたいだ。海堂はその人間に感謝しつつ話の続きをする。
「じゃあ、お腹いっぱいてこと?」
「いや?満腹でも保存食の確保はするよ?」
「あっ…そうか」
海堂は察した。恐らくここでルーミアに殺される。そして彼女の住処に干し肉のように保存されてしまうと。しかし海堂は逃げない。ここで取り乱して一目散に逃げた所で、捕まって殺されるのが目に見えているのだ。相手はこんな暗闇でも狂いなく後を追いかけることができる人物…いや、妖怪だ。逃走は不可能だろう。それならば、少しでも会話を続けることに意識を集中した。
「なら俺は死んじゃう感じ?」
「そうなのだー」
有無を言わさないルーミアの無邪気な死刑宣告に海堂の顔から希望が消えた。そして湧いて出てきた感情は
海堂は生き残れるのか?絶望が感情を埋め尽くす。光はまだない。