スキマにこき使われ、九尾に教えを乞い、化け猫に笑われながら、幻想郷を駆け巡る   作:エアロスミス

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自分はなかなかのサブカル好きです。なのでこの作品にも影響を受けています。これって○○じゃないの?と指摘してもらえると嬉しいです。fateとか仮面ライダーとか。
この作品はフィンクションであり、二次創作です。不謹慎、不適切、センシィティブ、差別に値する単語が含まれる可能性がありますが、一つの表現として受け入れてもらえると幸いです。


第九話 一睡の幕間と褐色の寝坊助

「ふぅ、やっと落ち着いたわね」

「…」

 

海堂がめちゃくちゃ取り乱し、それを二人はどうにか落ち着かせて隣の部屋に寝かした。海堂はうなされているようだ。紫は一息ついているが、彼女の式神である藍はジト目で紫のことを見つめる。もちろん紫はその視線に気づいた。

 

「藍?どうかしたの?」

「…あれをどうするつもりですか?」

 

間が空いて、藍は主人の考えを問うた。彼女の目には諦めと呆れ、この式神は紫のこれからが手にとるようにわかっている。

 

「うーん…とりあえず彼と話さなければならないわね。考えはあるけど、まずはそこからよ」

「何が目的ですか?()()()()()()()()?」

「…勘違いしては困るけど、別に彼を追い詰めようとか考えてないわよ?」

 

紫は感じ取っていた。最近藍が自分に対して冷たいのだ。無論、藍の忠誠は高い。しかし、主人に対して懐疑的になっているのだ。紫は誤解を解くために一つ話をすることにした。

 

「幻想郷のバランスが傾いてきているのは知っているわね?」

「妖怪の活性化や人間の弱体化ですよね。買い出しの時に里に向かいますが、あまり良い雰囲気ではありませんでした」

「それもあるけど、それだけではバランスはあまり崩れないわよ。問題は流れ者(ワンダラー)よ」

 

それを聞いて、藍は耳をピクリと動かす。紫は気にせず話を続ける。

 

「奴らはいつ、どこで、どうやって現れたか、それはわからない。一つだけ言えるのは奴は全員()()()()()()()()()()()()()()()()()()ということ。エサとでも思っているのでしょう」

 

紫は息を吐き出すように言う。本来は外から来た人間を外来人と呼ぶが、ただの人間に混じってとんでもないのが来ているため、流れ者と名をつけて区別した。そして彼らが紫の悩みの種であり、幻想郷という存在を揺るがしかねない存在なのだ。その後も愚痴を言うように話を続ける。

 

「歴代の博麗の巫女も彼らを退治をしようと奮闘したけど、全然ダメ。相手にもならない。あいつら、妖怪とはトントンなのに人間が相手だと強くなるのはなんでかしら?」

「…フッ」

 

藍は驚いている。自分の主人は幻想郷を守るためなら本当になんだってする。ある時は幻想郷を破壊しようとした妖怪を一人の子供を囮にし、その子供ごと殺した。ある時は、巫女が不在の時に里で祀られていた少年を巫女に仕立て上げ、負の感情で悪霊を集めるため、彼を肉体的にも精神的にも追い詰めた。はっきり言って異常だ。そして、当時は何も感じていなかった自分が怖い。それでもなお自分は紫の式神であり続ける。自分の主人は悪役を引き受けたがるから。

そんな冷徹な紫は今では机に突っ伏して、愚痴を言っているのだから思わず笑ってしまう。

 

「何がおかしいのかしら?」

「いえ、なんでもないです。それで結局どうするのですか?黒幕は懲り懲りですよ?」

 

紫は腕を組み、目を閉じる。そして少し考えたのち目を開ける。

 

「…決めた。ここは無闇に策略は練らない。()()()()()()()()

「思い切りましたね。あまり良い策とは思えませんが…」

 

藍は心配そうに言う。だが紫は海堂について確信していることがあった。

 

「大丈夫よ。彼はまだ力はないけど、今まで来た流れ者に比べてまともで、純粋で、素質もある」

 

『目には目を歯には歯を』という言葉があるように、海堂には彼らに対抗する力を持っている。紫はそれに気づき、藍に写真を渡して、いざとなった時にここに運んで貰えるよう命を出したのだ。

 

「そうですか…そういえば、あの体は何処から持ってきたのですか?無縁塚ですか?」

「あれは贈り物よ。差出人不明でぽっと玄関に置かれてたけど、私でもあれ程精巧な肉体は作れないわよ。だから信用した」

 

紫は扇子で口を隠して微笑む。やっぱりちょっと抜けてる。藍は自分の主人に対してそう考えてしまった。

 

「それに貴方が大切にしている化け猫の(ちぇん)に後輩ができるじゃないの」

「あぁ…確かにあの子の成長に繋がる…」

 

そして、ここでも八雲藍という妖怪は親バカなのだった。

 

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「…んなぁ」

「起きたか」

 

1時間後、海堂は起き上がった。頭がガンガンと響き、あまり記憶が纏っていない。そして自分の細い褐色の腕を見て、全てを思い出して、泣き始めた。

 

「ど、どうした?何故泣く!?それほどもとの体が恋しいのか」

「だって!だって!まだ異性と付き合ったこともないし、フーゾクとかいうやつにもいったことないんだよ!なのに!」

「つまり、童貞ということか?別に気にしなくても良いだろう」

 

海堂はまだ穢れを知らなかった。藍は気にしなくても良いと言われて少し落ち着いた。

 

「気持ちは分かる。性別が変わったのだから動揺するのも仕方ない。だが、そうしなければお前は死んでいたのだ。方法はクセが強いがそれでも紫様はお前を助けたのだ」

「それは…嬉しいけど。なんで?」

 

海堂にとっては当然の疑問だろう。自分は何か特別というわけではない。恩を売ったつもりもない。なので、さっきまで顔も見たことない人に助けられる義理はないのだ。藍は神妙な顔でその問いに答える。

 

「そこは紫様に話してもらうが、君が今の幻想郷に必要な存在ということは言っておこう」

「俺が必要なの?…分からんな」

「まぁ、おいおい説明するとして、いつまでお前は自分の胸を触っているのだ。まな板が如し胸のくせに

 

藍は海堂に対して毒を吐く。彼女にも思うところはあるのだろう。海堂は顔を少しムッとさせる。

 

「…仕方ないじゃん!鍛えていた筋肉がどっか行って、なんかムニムニした物になってんだもん!というか、最後は別に気にしてないからな、俺はこんなんでも一応男だからな…男だからな!

「知っている。何も2回も言わんでいいだろう」

 

海堂はジト目で藍を見つめる。藍は海堂に対して純粋で扱いにくいという感想を得た。確かに今までの奴らに比べると数百倍まともだが、こいつもこいつで厄介なのである。話が通じるならまだマシだ。

 

「…どうせ、男勝りの女性として見られるから別に良いか。さぁ、紫様の元に戻るぞ」

「はーい…変な感じだなぁ」

 

海堂は全体的に緩くなっていることに違和感を感じたがあまり気にしないことにした。

 

 

 




今の海堂の胸は何処ぞのメイド長も同情をするほどのまな板です。本人は気にしてないみたいですね。さて、投稿ペースが落ちてきていますが、完結目指して突っ走ります。
次回もお楽しみに、ほんじゃまたな!
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