スキマにこき使われ、九尾に教えを乞い、化け猫に笑われながら、幻想郷を駆け巡る 作:エアロスミス
「さて、どういうことか説明してもらおうか」
「…」
藍は海堂を正座させる。その奥ではルーミアが縄で縛られ札をありったけ貼り付けられてる。
「…あのー」
「ン?どうした?」
藍の顔はとても健やかな笑顔だ。海堂にとってその笑顔は恐怖でしかなく思わず冷や汗をかく。しかしその重圧を切り抜けて口を開く。
「えっと、その…あの…」
「…」
何か弁明しようともその言葉が何も出てこない。そんな自分に海堂は心がキュウと締める感覚に襲われる。喉がヒリヒリと乾いていきだんだんと目の前が白くなっていく。顔面蒼白な海堂を見て藍はそろそろ場を緩めにかかる。
「…海堂?」
「は、はい!」
「なぜこんなことになってるかわかってるか?」
「ルーミアを…妖怪を連れて帰ったから…」
人里は妖怪禁制の場所だ。むしろそこにしか人間の居場所がないのでそうなるのも当然だ。そんな所に野生の妖怪なんぞ連れて行ったら追放処分を受けるか悪ければ処刑*1される。
「まだ、そいつの顔が割れていなかったから良かったが…」
「あああ…あああ…」
海堂は頭を抱えて震える。自分のしでかしたことはでかい。彼はどんな処罰でも受けるつもりだが相手は妖怪なので普通の罰が降るわけない。
一方藍も困っていた。まさか海堂がこんなアホみたいなことをするとは思わなかったからだ。退治しろと言われて退治せず連れて帰ってきた時は持っていた筆を落とした。ここで処罰を与えるのは簡単だが、また同じことを繰り返すことを考慮するとなると罰に意味がなくなってしまう。
藍は一つ呼吸を入れて海堂と顔を合わせる。
「処罰は後で決める。なぜこんなことをやったのか説明してくれないか?」
それを聞いて海堂は目を見開く。しかしすぐに俯いてしまった。何か隠し事をしていると藍は推測して、続け様に問いを投げかける。
「…そうか。言いたくなければそれでいいが」
「…その答えは少し待っててもらえないか?」
「ほぅ、わかった。だが近いうちに聞かせてもらうからな。その代わりしっかりルーミアを森に戻してこい絶対だ」
藍は戸から外に出て姿を消した。そして万屋には正座したままの海堂と縛り付けられたルーミアだけが残った。
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日が登って新しい朝を迎えた。今日も万屋休業していた。海堂は役所からの書類に目を通し筆を走らせる。
税に関しての書類を書き終えたタイミングで裏口の戸*2が開く音が聞こえた。海堂は書類を綺麗に整える。
「カイドー。久しぶりー」
現れたその少女は緑の帽子に茶髪のショートヘアー、リボンが付いた赤と白の長袖のワンピース服、頭には猫耳とピアス、そして二本の尻尾『猫又』が生えている。
明らかに人間ではないその少女の名前は『
なお当の海堂は何処か嫌な予感を感じ取り口元に力が入る。橙は一体何しに来たのだろうか。
後編に持ち越しです。日曜日ぐらいに投稿します。大丈夫ですよこっちがメインなので。
では第六話でお会いしましょう。