スキマにこき使われ、九尾に教えを乞い、化け猫に笑われながら、幻想郷を駆け巡る   作:エアロスミス

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後編です。お楽しみください。


第六話 帰宅、そして説教 後編

海堂は少し橙に苦手意識を持っている。橙は八雲藍の式神なので言うなれば式神の式神である。

そんな感じで今まで八雲の立場関係は『八雲紫』→『八雲藍』→『橙』という分かりやすい関係だったのだが、ここに海堂が紫の従者として加入したことにより、そこらのへんの関係が曖昧になってきている。

海堂本人は一番下だと思っているが橙は結構気にしてるらしくかなりの頻度で突っかかってくる。恐らく彼女の主人である藍が最近現れたぽっと出の海堂に構っているからだ。

 

橙はなんと捉えていいのかわからない笑顔をして海堂を見つめる。そんな視線を向けられてる海堂は冷や汗をかいていた。

 

「何しにきたの?」

 

乾きに乾いた唇を湿らせ橙に問う。

 

「ンー?長い間その顔を見てなかったから見にきただけ」

「そ、そうか。お茶でも出そうか?」

「あっ、よろしくね♪」

 

海堂はこの前人里の茶屋*1で買った緑茶の茶葉を急須に仕込みお湯を入れる。しばらくして出来たものを湯呑みに汲んで橙に出す。

 

「で、マジで何しにきたの?橙さん俺の事嫌いでしょ」

「そんなことないよ、アチ!…ただ私は藍様の式神として悪い虫が近寄らないようにしてるだけ」

 

橙は出されたお茶に舌を火傷させながらも海堂の質問に答える。内容はあれだが。

 

「その悪い虫俺の事だよね?」

 

海堂が問いただすと橙はハハハと笑い出す。

 

「大丈夫。納得はまだしてないけど流石にもう学んだから。それに藍様は同性愛者でもないもんね〜」

「そうだ!俺女だった…っておい!藍さんに恋感情は向けてないって!」

「そういうのって大体向けてる人間がいう言葉なんだよ?喰われたいの?」

 

そう言うと橙の目からハイライトが消えて口がほんの少しだけ開かれる。そこには肉を噛みちぎれる鋭利な歯と血で濡れたような真っ赤な口内が広がっていた。

 

「喰われることで無実が証明できるなら喰われてやってもいいけど死んじゃうからだめ。てか本当に何しにきたの?」

「実はね…藍様の命令で万屋(ここ)で海堂を監視…見守ってくれと頼まれたのだ。本当は嫌だけどね」

「あらら、藍さんの命令か。てかいいの?猫の里*2はどうするの?」

「うまく行かないからとりあえず保留?保留であってるかな。やり方考えてるからしばらくは暇なの」

 

海堂にとって橙が入ってくるのは予想外だが、色々な事を任せれそうなので受け入れることにした。問題はしっかりと言うことを聞いてくれるかどうかだが、藍さんの命令なら大人しく聞いてくれると思う。

 

「じゃあ早速今日の昼から行かないといけないから留守番頼めるか?」

「何しに行くの?藍様に報告しなきゃいけないから」

「今から退治屋の道場で稽古して、その後魔法の森でイオに会いに行く」

「へぇ、アイツに会いに行くんだ。あっルーミアの話だけど…」

「じゃあ俺行ってくるから!」

 

橙から昨日の話を掘り下げそうになったのですぐに家を出た。橙は逃げるように出かけた海堂を見てため息をついたとさ。

 

 

 

 

 

*1
茶屋(ちゃや)は、日本において中世から近代にかけて一般的であった、休憩所の一形態。休憩場所を提供するとともに、注文に応じて茶や和菓子を提供する飲食店、甘味処としても発達した。茶店(ちゃみせ)とも言う。<出典:ウィキペディアより抜粋>

人里の茶屋では茶葉の販売も行っている。

*2
山奥にある廃村に猫を集めて、猫の里を作ろうとしている。しかし、手下のはずの猫はあまり橙の命令を聞かず、うまくいっているとはいえない




結構遅れましたが投稿です。九月ももう終わりですね〜今月は上手いように書けなかったです。10月はもっと投稿できるように頑張ります。
では第七話でお会いしましょう。
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