スキマにこき使われ、九尾に教えを乞い、化け猫に笑われながら、幻想郷を駆け巡る   作:エアロスミス

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この小説では2回目の節の目です。というか投稿はめちゃくちゃ遅れましたねごめんなさい。それでは第十話をお楽しみください。


第十話 ツケは必ず帰ってくる 後編

「……」

 

藍に先ほどまでの出来事を話した後に、海堂は気絶するように倒れて寝た。今ここにいるのは橙と藍の2人のみになっている。

 

「橙、お前が海堂に思う所はわかる…すまないが、もう少し慎重に彼を扱ってくれないか?」

「…藍様、私はカイドウは危険だと思う。()()()()()()()()()()()()()()()()だよ?今は従順だけど、その腹で何を企んでいるか…」

 

橙は自身の不安を語る。紫、藍、橙の三人の妖怪で今までやってきた。しかし、部外者が現れて橙としては納得がいくものではなかったのだ。

藍は倒れている海堂に目をやり、口を開く。

 

「コイツは…紫様でもわからない事が多い、いわゆる厄ネタと区別される人物だ」

「なら、なんで?」

「海堂の思考回路は()()()()()という目的だけで行動している節がある」

「両親?」

「そう、両親だ。ここに来る前の彼はその目的をずっと完遂するために、周囲にバレずに行動していた」

 

八雲家に運び込まれた時も、紫が海堂の全てを知っていると口に出した時に豹変したことを思い出した。あの状況で、「お前は誰だ?」とか「なぜ自分のことを?」の前に自分の両親について聞き出そうとしたぐらいの執着だ。

 

「じゃあカイドウの両親って生きてるの?」

「それはわからない。どのみち、見つけるまで彼は探し続けるだろう」

「カイドウが両親を見つけた時、その後はどうなるの?」

「…考えたくないな」

 

海堂は両親への執着で生きている。まるで、大事な人を殺された者の復讐のように。

ここからは藍の考えになる。

彼はここまでの人生を両親の捜索に捧げているのではないか?社会人としての枠組みを外れず、当てのなく探す。

自分の体が女性の物になっても、驚きはするが元の体に戻ろうとはしてないのが、彼の異質な思考を裏付けている。むしろ、寿命というタイムリミットがなくなったという利点がついてきた。

幻想郷に迷い込んだのは一種の運命。遠からず海堂は両親に出会うだろう。両親が生きていれば共に過ごすこともあり得るかもしれないが、20年も前に行方不明となっている。期待は薄い。

 

両親が死んでいた場合…彼の目的だった「両親の捜索」は無くなる。そして、海堂の生きる目的がなくなる。それだけなら別に構わないのだが、何をしでかすのかわからない。何しろ、両親の捜索に人生を丸ごと捧げた人間だ。論理や思考回路が人間とはズレている。

 

「…紫様はどう考えているのだろうか」

 

紫の式神として、ずっとそばに仕えていた藍でさえも八雲紫の考えを模索することはできない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




これ一話で書けばよくないか?(今更)
とりあえず、海堂の掘り下げはここまで。次回から色んなロケーションを周ります。戦闘も多くなるので乞うご期待!
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