スキマにこき使われ、九尾に教えを乞い、化け猫に笑われながら、幻想郷を駆け巡る 作:エアロスミス
「海堂ちゃん!飯食いに行こうよ!」
仕事が終わりタイムカードを押して定時に帰宅しようとすると、鈴木が飯に誘ってきた。海堂はそんな気分では無いので断ろうとする。
「悪りぃ。早く帰りたいんだ…」
「奢るわよ?」
「行きます!」
奢りという素晴らしいワードを聞き、先ほどまでのゲンナリはどこに行った海堂。鈴木もこれには苦笑いだ。
「あんた…その貧乏性はどうにかならないの?」
「いやー、何食おうかな♪」
「聞いてないし…まっいっか!」
ということで、海堂は鈴木と飯に行くことになった。そしてその道中で海堂は今日のことをもう一度聞いた。
「そういやさ鈴木。今日の俺そんなにガタガタだったのか?」
「当たり前ヨ!私は元々医者を目指していたから、人の健康なんて一目で分かるのヨ」
「へー。このスペックなら医者になれるだろ…」
「ああ?」
海堂がボソッとそう言ったら、鈴木が見たことない顔で睨んできたので適当に誤魔化した。どうやらこの話は鈴木にとって禁句らしい。海堂はそっとして置くことにした。海堂は話を切り替えるため、どこに食べに行くか聞くことにした。
「鈴木。そういやどこに食べに行くんだ?」
「牛丼屋だよ?」
「やったー!」
「あれ?思ってた反応と違うわね…」
鈴木は海堂が牛丼屋と聞いてなんか愚痴るかと思っていたが、普通に喜んでいてびっくりした。正直張り合いがない。しかしソレでも海堂はグッとガッツポーズをしているので良しにすることにした。
「いやー喜んでくれて何よりよ!さ、早く行きましょう!」
「あっ待てよ鈴木!」
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鈴木が俺を牛丼屋に連れてってくれると聞いて、俺が喜んだのがそんなに嬉しかったのかさっきの機嫌が良くなり、浮き足立っている。一人暮しを始めてから外食なんて全く行ってなかったし、食事は全部自炊かコンビニ弁当で済ませていたので、この機会に店の牛丼を楽しもうと思う。
「あったわよ。ほらあそこ。あのオレンジの看板の所」
鈴木は指をさしてそう言う。確かあそこはこの地域でも有名な牛丼チェーン店だ。アーケードで良く割引券を配っている所を見たことがある。
「じゃあ、行きましょう♪席が空いてなかったらやだからね」
そう言って鈴木は少し駆け足で店に向かおうとした。その時だった。
ビキっ
自分の頭の中で何かが弾ける。方向は上?そう思い上を見ると、三つほど植木鉢が落ちていることがわかる。すぐに鈴木の肩ガッと掴んで、引き止める。
「ちょ、何すんのよ!?」
鈴木がそう言うと、ガシャンという音を鳴らし、鈴木が進もうとした方向に植木鉢が落ちてきた。
「え…」
「さ、行きましょう。席がなくなりますよ」
口を開けて唖然としている鈴木に声をかけてやると、鈴木は掠れた声で返事をして改めて牛丼屋に行くことになった。
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「いやー食った食った♪」
「……」
海堂は久しぶりの外食に満足し、鈴木はさっきのことを引き摺ってさっきから、黙っている。しばらく歩いていると、鈴木が言葉を紡ぎ始める。
「さっきの何?」
「あれか?俺でもよくわかってないけど、多分
「昔からっていつから?」
鈴木が次々と質問を投げかけてくる。海堂は面倒だと感じながら答えていく。
「うーん。小学生から自覚したけど、赤子の時からソレっぽいのはあったな」
「そう…不謹慎だけど聞いていい?」
「どうぞ」
「あなたの家が火事になって、両親が死んだ時も感じたの?」
鈴木がそう言うと、突然海堂は足を止め、頭を掻きむしり始める。
「鈴木ィ。母さんと父さんは行方不明ですよォ。遺体も燃えカスもなかったですよォ。
「か、海堂?」
「オレェ、ずっと探してんス。見たんすよォ、両親連れて行った奴もォ」
頭を掻きむしる速度が速くなっていき、その目からは光がなくなっていた。鈴木は困惑していた。まるで人格が変わったかのように様子がおかしくなったのだ。鈴木は必死に話を変えようと考えた。
「そうね!あなたの両親はきっと生きてるわよ!」
「そうだよなァ。そうですよね。うん…」
「そうだ!両親が見つかることを祈ってお参りしましょう!この近くに神社があるのよ!」
そして再び海堂は足を動かした。鈴木はこの海堂の豹変から、何かに取り憑かれているのではないかと推測したのだ。他に理由はありそうだが、今の鈴木にはそれしか考えられなかったのだ。何より…鈴木は恐れたのである。あの底が見えない眼球を…
ちょっとホラーチックでしたね。海堂直也は一体何者なのか?
あと書き方がちょくちょく変わりますが、気にしないでほしいかな!かな!
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