スキマにこき使われ、九尾に教えを乞い、化け猫に笑われながら、幻想郷を駆け巡る   作:エアロスミス

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さあ五話目です。一日空いてすまんかった。


第五話 森林浴に行こう!

自転車でいくこと30分。外は冬特有の肌寒さはあるが、海堂にとっては涼しい気温である。自転車を駐輪場に停めて少し歩くとテレビの森林浴場が見えてくる。

 

「森というか、樹海じゃないか?」

 

冬なのに木には葉が生い茂っており、目隠ししてここに連れてこられたら確実に迷うほど、木々が密着している。まあ、せっかく来たので海堂は森林浴*1を楽しむことにした。森林の空気はいつもの混み込みとした町と違って空気が澄んでおり、とても体に優しい空気が彼の身体に入ってくる。

樹木の香りが、たまに来る社長の研修期間(ブートキャンプ)で荒んだ心を癒し、枝木のざわめきで気持ちが安らいでいく。ここで初めて海堂は森林浴に来て良かったと心から思った。目で楽しみ、耳でも楽しめる。どうせならインスタントカメラでも持ってくれば良かったと少し悔いる。ところが、海堂が落ちた葉をサクサクと踏みつけながら歩いていると、彼の目の前に縄を持ち思い詰めた様子でズンズンと男が歩いていく。海堂は訝しんで声をかける。

 

「おい、そこのアンタ。縄持って何しにいくんだ?」

「…ッ…関係ないだろ!」

「どうした?大声出して?」

 

男が海堂に振り向く。その目が血走っており、髭もボーボー。顔には自分でつけたような引っ掻き傷も付いている。おおよそ仕事か何かでやらかし、思い詰めてしまったか、自殺願望*2を患ってしまったと海堂は考える。

 

「まあ、落ち着いて。酒なら奢るから」

「だめだ。僕は死ぬんだ。家族と友人が死んだ。ニュースみたいなバラバラ殺人事件みたいに!」

「どうしました?」

 

男が叫んでいると、少し年の行った巡回員のおっちゃんが来た。海堂は男について話すとおっちゃんは宥めるように男に話しかける。

 

「まあ、お茶を出しますので、私に話してみてくださいよ」

「ああ!来た!僕を殺しに追いかけてきた!嫌だああああああああああ

 

男は叫び、森の奥へと走り出す。二人は一瞬呆気に取られるが、直ぐに追いかけることができた。

 

「くそ!あいつ自殺する気だ!てかおっちゃん早くない!?」

「舐めるな!元陸上のインターハイ優勝だ!」

 

海堂は木々を不器用に避ける一方で、おっちゃんはアスリートのようにスイスイと追いかける。

 

「このままだと埒があかない。私が先回りするから兄ちゃんはこのまま追いかけていってくれ!」

「わかった!」

 

そう言っておっちゃんは道を逸れていく。海堂は一人で男を追いかけることになった。

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数分後…

 

ドラシャァァァイ!!

 

海堂がなんとか追いかけていくと、突如横からおっちゃんが男にタックルを喰らわせて取り押さえた。スト2の本田を連想させる飛び込みだったと海堂は思った。おっちゃんは男を立ち上がらせる。

 

「ふん!ここで自殺しようなど100年甘い!」

あああああ!来た!来た!来た!

「全く…何がき

 

 

 

 

ズシャ ボトリ

 

 

 

何が起きたのかわからなかった。頭が追いつかなかったのだ。突然、おっちゃんの頭が()()()()()。吹き飛んだ頭は海堂の足元に転がる。そして海堂の理解が追いつかぬまま、今度は男の体が縦半分に裂けた。海堂はあまりの出来事に息をすることすら忘れ、頭が真っ白になる。そして後ろから声が聞こえてきた。

 

 

「ようやく見つけたぞ。海堂直也」

 

 

 

東方魔人録 〜人と妖と外来人〜

 

 

 

 

 

*1
「冬は森林浴できないでしょ」というツッコミはやめてね♪

*2
疾病や人間関係など解決し難い問題から逃れるために死を選択しようとする状態。海堂はこれを鈴木から聞いたことがあるため知っている。




今回で現代編は終わりです。さてここからが物語が大きく動いていきます。次もお楽しみに…
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