ゴールドシップは密室に閉じ込められていた。どこからともなく現れた喋るデッキケースから、デュエマのスタートデッキを受けとると、宿敵であるアイツとのデュエルを始めるのだった。

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突然書きたくなったので初投稿です。
キャラ崩壊多めなので、苦手な方はブラウザバック推薦。


ゴルシちゃんのデュエマ!

「......やべえ! バイトの時間じゃ!」

 

 

 ゴールドシップは布団から飛び起きた。頭の飾りを探していると、ふと何かに気づいて手を止めた。

 

 

「ここはどこなのだよ?」

 

 

 ゴールドシップがいた部屋は、忍者屋敷のような和室にただ布団が置いてあるだけであった。驚くべきことに部屋には隙間がなく、文字通り密室に閉じ込められているのだ。ひとまず布団を端に退けて辺りの壁を触ってみるも、仕掛け扉のようなものはどこにもない。

 

 

「全く、デジャブを感じるぜ。もう何回ここで名推理を披露したのやら......」

 

 

 するとゴールドシップの頭上から何かが落ちてきた。それは手のひらサイズの四角い箱のようなもので、手を伸ばそうとすると浮き上がり意気揚々と話しかけてきた。

 

 

「こんにちは! デュエル・マスターズの世界へようこそ!」

 

「ここから出せ~、このサポートカード!」

 

「待って待って、違う違う!!」

 

 

 ゴールドシップは四角い箱を右手で掴むと、勢いよく壁に投げつけた。壁にめり込み目を回している箱はゆっくりと体を動かすと、ため息をついて再び話し出した。

 

 

「滅茶苦茶ですねあなた......少しは人の話を聞いてほしいものです」

 

「お前一体何者だ? いたいけなゴルシちゃんをこんな所に連れ去って、全国50万人のゴルシファンが黙ってねえぞ」

 

「まず知っておいてほしいのが、私はあなたの味方ですから。私はデッキー、とある異世界の喋るデッキケースです」

 

 

 四角い箱、デッキーはくたびれた様子で自己紹介をした。ゴールドシップも続こうとしたが、突然デッキーの口から紙束のようなものが吐き出されゴールドシップの前に散らばった。若干引きぎみのゴールドシップに、デッキーは先程と変わらずどこか誇らしげに説明を始めた。

 

 

「先程申し上げたデュエル・マスターズとは、その40枚のカードを使って対戦相手と熱く激しくぶつかり合うド迫力のカードゲームです!」

 

「これ使うのかよ......」

 

「デュエル・マスターズを略して、デュエマと言います!」

 

「いや聞いてねえし。てか出してくれよ、もうすぐドーナツの穴開けるバイトの時間なんだよ~」

 

「残念ですが、この部屋から抜け出すには彼とデュエマで戦ってもらわないといけません」

 

 

 その時、2人の前に二輪の付いた機械が現れた。機械からは赤色のオーラが常に放たれており、今にも爆発しそうな激しい怒りに包まれていた。

 

 

「ゴールドシップ......俺を覚えているか?」

 

「お前は、ゴルシちゃん号!?」

 

「そう、突然2期に現れたかと思いきや一発ネタに終わりゲームでも全然触れられないお前の愛機だ!」

 

「最近使ってなかったからすっかり忘れてたぜ......」

 

 

 ゴルシちゃん号。それは、ウマ娘のアニメに登場したゴールドシップ所有のセグウェイである。トウカイテイオーやミホノブルボンもこのゴルシちゃん号を愛用していたとの噂も立っている程の彼であったが、今はゴールドシップに愛憎入り交じる程の感情を向けている。

 

 

「悔しかった......去年の7月に仲間の生産が終了し、道交法もあってか人々の記憶から俺の存在が薄れかけていた。プリティーダービーでゴールドシップ参戦と聞いて、俺はチャンスだと思っていたよ。でも......」

 

「悪いな、偉い人に掛け合っても出番がなかってたみたいでよ」

 

「だから俺は忍者屋敷に遊びに来たお前を拉致監禁した。俺と勝負しろゴールドシップ、俺が勝ったら次のゴルシウィークとアニメ3期の活躍を保証してもらうぞ!」

 

「へへっ、やってやろうじゃねえか! いくぜ、デエマスタート!」

 

 

 意気込むゴールドシップであったが、すぐにデッキーに止められてしまう。今にも飛びかかりそうなゴルシちゃん号を宥めつつ、デッキーはデュエマのルールをゴールドシップに伝授するのであった。

 

 

 

 

 

 狭い空間の中、ゴールドシップとゴルシちゃん号のデュエマが始まった。先攻はゴルシちゃん号、手札のカードをマナゾーンにチャージしてクリーチャーを召喚した。

 

 

「«凶戦士(きょうせんし)ブレイズ・クロー»を召喚。ターンエンドだ」

 

「おい攻撃しなくていいのかよ? 芦毛の暴君舐めんなよ!」

 

 

 疑問に思うゴールドシップ。デッキーは頭を抱えつつも、ルールを再び教えるのだった。

 

 

「ゴールドシップ様、バトルゾーンに出たクリーチャーはそのターンは攻撃できません。召喚酔いが起こってしまうルールなんですよ」

 

「そうだったぜ。サンキューな、ベッキー!」

 

「デッキーです。さあ、ゴールドシップ様のターンですよ」

 

 

 後攻1ターン目、ゴールドシップのターンだ。ドローした後、同じようにカードを手札からマナゾーンに置く。しかしこの時、ゴルシちゃん号の時とは違いカードは横向きの状態だった。

 

 

「何で横向きなんだ?」

 

「ゴールドシップ様が置かれたカードである«滅将連結(めっしょうれんけつ) パギャラダイダ»は多色カード。多色カードはタップした状態でマナゾーンに置かれるのです!」

 

「ということは、ゴルシちゃんは何もできない?」

 

「そういうことになりますね」

 

 

 ターンが回ってゴルシちゃん号の番。マナを置いて2枚のマナを解放し、手札からクリーチャーを召喚した。

 

 

「«不死身男爵(ふじみだんしゃく)ボーグ»を召喚。攻撃に入る、ブレイズ・クローでゴールドシップに攻撃!」

 

 

 ゴールドシップのシールドゾーンにあるカードがブレイズ・クローによって割られてしまった。割られたシールドはゴールドシップの手札となり、ゴルシちゃん号のターンが終わる。するとデッキーがゴールドシップに耳打ちしてきた。

 

 

「恐らくゴルシちゃん号のデッキは、赤青ヴァルボーグで間違いないでしょう」

 

「何だよそれ?」

 

「マナゾーンに置かれてあるカードが水文明と火文明、そして先程召喚したボーグなどのコストの小さいクリーチャーを使ったデッキです。このままボーグを残しておくと大変ですよ」

 

「だったらこのゴールドシップ様に任せとけ! ドロー!」

 

 

 ゴールドシップもドロー、マナチャージをして2マナを解放する。

 

 

「よし行ってこい、ビワハヤヒデ!」

 

「あー......«霊峰(れいほう) メテオザ-1»ですね。確かに頭は大きい気がしなくもないですが......」

 

「ビワハヤヒデ、あの男爵をやっておしまい!」

 

 

 メテオザ-1の効果は相手のパワー2000以下のクリーチャー1体を破壊するというものだ。丁度パワーが2000だったボーグは破壊され、墓地に送られてしまう。何とか危機を免れたゴールドシップはターンを終わらせたのだった。

 

 

「なかなかやるなゴールドシップ......流石宝塚で2連覇しただけの事はある」

 

「それはいいからさっさとターン始めてくれよ。将棋がアタシを待ってんだよ」

 

「バイトは......まあいい、俺のターンだ。3マナで«襲撃者(しゅうげきしゃ)エグゼドライブ»を召喚だ」

 

 

 ゴルシちゃん号は新たなクリーチャーを召喚した。エグゼドライブはブレイズ・クローやボーグとは異なった貫禄を見せており、それは初心者のゴールドシップにも分かるほどだった。

 

 

「フン、お前の思っている通りこいつは一味違う。こいつはスピードアタッカー、登場したターンにすぐ攻撃する事ができる!」

 

「んだよそれ、インチキじゃねえか!」

 

「うるさいんじゃい! まずはブレイズ・クローで攻撃!」

 

 

 ゴールドシップのシールドがまた1枚割られてしまった。手札に加えられる直前、ゴールドシップは不敵に笑い自慢げにそのカードをゴルシちゃん号に見せつけた。

 

 

「残念だったな~、シールドトリガー発動だい! 行ってこいシャコ!」

 

「«黙示(もくじ) ゲンシャコ-1»ですね......まあそれにしても、ここでトリガーを引けたのはいいですよ!」

 

「こいつは活きの良いシャコだぜ! 行け!」

 

 

 ゲンシャコ-1の効果は相手のクリーチャー1体をタップするというものだ。その効果は次の相手のターンの始め、つまりターン開始時にアンタップできなくなってしまう。ゴルシちゃん号は攻撃の手段を失ってしまったのだ。

 

 

「だが問題はない。エグゼドライブは自分のターンの終わりに手札に戻ってくる。これでまた奇襲が仕掛けられるという算段よ」

 

「手の内知られてたら奇襲とは言わなくね?」

 

「......ターンエンドだ」

 

 

 ゴールドシップのツッコミに返す言葉がなく、歯がゆさを覚えながらもゴルシちゃん号はターンを終えた。

 

 

「ゴールドシップ様、これはチャンスですよ! ゲンシャコ-1のパワーはブレイズ・クローより500高い、相手の打点を減らせます!」

 

「だけどゴルシちゃん号にはそれよりパワーがあるトカゲ頭がいる......ここでシャコを倒されたら、ゴルシちゃんのやりたい事ができねえ。まだシールドは3枚あるし、ここはアタシのやる事を優先するぜ」

 

 

 ゴールドシップは作戦通りターンを開始した。マナを増やして3マナのクリーチャーで対抗する。

 

 

「$マーク、じゃなかったドルマーク行ってこい! これで終わりだぜ!」

 

 

 ゴールドシップの前には3体のクリーチャーが並んでいる。次のターン、ゴルシちゃん号はエグゼドライブを召喚しブレイズ・クローと共にシールドを攻撃した。トリガーに引っ掛からずだったが、何とか持ちこたえる事ができた。

 

 

「あとシールドは1枚です! 大丈夫ですか!?」

 

「平気平気、こういう時にパッと切り札を引けるのがゴルシちゃんなのよ!」

 

「本当に大丈夫なのでしょうか......」

 

「行くぜ! アタシのターン、ドロー!」

 

 

 ゴールドシップは山札からカードを引く。するとゴールドシップは全身が灰のように真っ白になり、どこからともなく現れたパイプ椅子に座って項垂れてしまった。

 

 

「フッ、熱いレースだったぜ......」

 

「何やってるんですか!」

 

「あん時シャコにバンザイ突撃させてりゃな......はあ、一度でいいからにんじん食べ放題の店行きたかったな」

 

「どうやら俺の勝ちみたいだな!」

 

 

 ゴルシちゃん号は持ち手を反らせて高笑いする。自らの悲願であるゲームとアニメ3期の出演、そしてゆくゆくはC●gamesのゲーム全てとコラボする覇道に立つ事ができると思うと今にも爆発しそうになる。デッキーが代わりにドルマーク-2をマナに置いてゴルシちゃん号のターンが回ってきた。

 

 

「最後は俺の切り札で決めさせてもらう。まずは2マナ、ボーグを召喚。そして3マナでボーグから進化だ! 全力全開!」

 

 

 手札のカードがボーグの上に置かれ、ゴルシちゃん号の切り札がバトルゾーンに現れた。

 

 

「«機神装甲(きしんそうこう)ヴァルボーグ»だ! こいつは進化クリーチャー、すぐに攻撃ができるが......まずはブレイズ・クローで最後のシールドをブレイクだ!」

 

 

 ブレイズ・クローが最後のシールドをブレイクした。意気消沈していたゴールドシップだったが、一応中身を確認し効果を発動する。

 

 

「ガードストライク、ピカガシラ。ヴァルボーグの動き止める」

 

「くっ、惜しかったか。だが俺のシールドは5、対してそっちはブロッカーなしのシールド0。これはもう勝ち確だろう」

 

「だな~、アタシのターンドロー......おっ!」

 

 

 マナをアンタップさせ、カードを引いたゴールドシップの目に火がついた。椅子から立ち上がると、マナを増やした後にゴルシちゃん号に問いかける。

 

 

「知ってるかゴルシちゃん号。佃煮はな、3日目が一番旨いんだぜ?」

 

「いや、俺はどんな料理も出来立て派なんだが......それ今関係あるか?」

 

「まだ分からないか? オメーの負けって事がよ」

 

 

 ゴールドシップはバトルゾーンにいたメテオザ-1とドルマーク-2を墓地に置いた。この突然の行動にゴルシちゃん号は呆気に取られるも、その行動をすぐさまデッキーが解説する。

 

 

「これはササゲール! 自らを破壊する代わりに、手札から召喚されるディスペクター・クリーチャーのコストを数字分下げる能力です!」

 

「メテオザ-«1»とドルマーク«2»、アタシの召喚する切り札のコストはこれで5になった。切り札一丁、召喚でい!」

 

 

 5マナを解放し、勢い良くゴールドシップの切り札がバトルゾーンに叩きつけられた。

 

 

「バロディアス君、召喚!」

 

 

 «聖魔連結王(せいまれんけつおう) バロディアス»。本来はコスト8の大型クリーチャーであるが、犠牲になったメテオザ-1とドルマーク-2によってコストを5支払う事で召喚が可能になったのだ。そしてその効果は単純明快にして強大である。

 

 

「まずはこのEX(エクスト)ライフだな! 出る時の効果でシールドを増やすぜ!」

 

「なるほど、だが俺のクリーチャーは2体。気休め程度にしかならねえな」

 

「あ、あと出た時クリーチャー1体破壊な。ヴァルボーグ墓地に置いてくれ」

 

 

 ゴルシちゃん号の切り札は簡単に破壊されてしまった。ターンを貰ったゴルシちゃん号はドローしたエグゼドライブをすぐに召喚、ブレイズ・クローで攻撃する。

 

 

「どうだ、最後のシールドを割ってやったぞ!」

 

「あー待ってな。まずはシールドトリガーだわ、デーエヌエー・スパーク発動。エグゼドライブはタップ」

 

「何だよもう、またかよ!」

 

「あとシールド追加。そしてバロディアスの能力な、EXライフで増えたシールドが離れたらクリーチャー破壊。ブレイズ・クローを墓地に」

 

「くそう、エグゼドライブを手札に戻してターンエンド!」

 

 

 見事にゴルシちゃん号の猛攻を防いだゴールドシップ。快進撃はまだ止まらない。

 

 

「ボルスレン・バスター召喚、こいつもEXライフあるからシールド増やすぜ。さあこっからボコボコにしてやるぜ! バロディアスでシールドを3枚ブレイク!」

 

 

 ゴルシちゃん号のシールドは一気に破壊され、数はゴールドシップと同じになってしまった。シールドトリガーはなく焦りを募らせるゴルシちゃん号にお構い無く、ゴールドシップは攻撃の手を止めない。

 

 

「ボルスレン・バスターはスピードアタッカーなんだ。2枚ブレイク!」

 

「お前さっき卑怯とか言ってなかったか!?」

 

「知らないでゴルシ」

 

 

 問いかけを一蹴し、残りのシールドを全てブレイクする。すると最後のシールドに対抗札を見つけ、ゴルシちゃん号は藁にもすがる思いで発動した。

 

 

「シールドトリガー、ボルカニック・アロー! パワー6000以下のクリーチャー、つまりゲンシャコを破壊だ!」

 

「よくアタシの走りについてこられたな。だけど、この状況をひっくり返すカードはそのデッキにあるか?」

 

「くっ......6マナではヴァルボーグと共にエグゼドライブが出せない。俺の負けだゴールドシップ。流石は俺の持ち主だ」

 

「そっちのドロミドロテーマパークとやらも悪くなかったぜ。お前の事、忘れるまで忘れねえからな」

 

 

 すると、ゴールドシップの目の前が眩い光に包まれた。側にいたデッキーやゴルシちゃん号、カード、布団などが塵となって消えていく。ゴールドシップは出口に向かって前に駆け出したのだった。

 

 

 

 

 

「おーい、起きろ! ゴールドシップ! 起きろ!」

 

「......んあ? トレーナーじゃねえか。どうしたこんな所で?」

 

「どうしたもこうしたも、お前がアリの数数えてたら突然気を失って倒れてたんだ。保健室運ぶのキツかったんだぞ!」

 

 

 気がつくとゴールドシップは保健室のベットに横になっていた。早朝に校門の前でアリの観察に夢中になっていたが、いつの間にか気絶していたらしい。夢の中で起きた出来事は朧気にしか覚えておらず、頭を回転させてもそれは変わらなかった。

 

 

「全く、今日のトレーニングはなしだな。ゆっくり休んで、明日からまた頑張ろうな。」

 

「なあトレーナー」

 

「ん、どうした?」

 

 

 ゴールドシップはただ1つだけ覚えている事を、トレーナーに笑顔で提案するのだった。

 

 

「デュエマしようぜ」




余談ですが、ディスペクターの使用理由は、ゴルシちゃんのカオスさとマッチするかなと思ったからです。特別深い理由はありません。

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