腹を膨らせたヨツミワドウは、咆哮を終えるとアリスに向かって突進する。彼女は一度狩猟笛を納め、疾駆けで回避する。その間も、ユーリはLv1通常弾でヨツミワドウに僅かながらも着実にダメージを重ねていく。
突進が終わったのを見計らって、アリスは再びボーンホルンでの攻撃を再開するが、ヨツミワドウが立ち上がったことで頭の位置が高くなり、頭部に打撃を当てて気絶を狙ういつもの戦法が取れなくなっていた。
頭を狙えないアリスはやむを得ず腹を攻撃する。多量の水分を含んだ腹部の皮は弾力性と伸縮性に富んでおり、ゴムボールを殴ったように少し弾かれる感触があったが、苔で覆われた他の部位よりは攻撃が通りやすいようだった。しかし、二回ほど打撃を加えたところで、不意にヨツミワドウがアリスとは反対側にいたユーリの方を向き、狩猟笛は甲羅に当たり弾かれてしまう。そしてユーリに向かって再び突進を繰り出すが、距離があった為落ち着いて避ける。
「ゴルルルルッ!」
突進を躱されたヨツミワドウは、アリス達の方を向くと片方の後脚を持ち上げ、
ドゴォォォゥッッ!!!
「きゃぁぁぁあっ!?」
勢いよく振り下ろし、力士の四股踏みのような形で地面を強く踏みしめる。すると、轟音と共に地面が砕けて持ち上げられ、その地点に立っていたアリスは破砕した岩盤と一緒に打ち上げられる。
「アリスはん!」
「くぅっ…………!」
地面に叩き付けられる直前で翔蟲受け身を取り、どうにかダメージを最小限に抑えたものの、かなりの痛手を負ったらしく、着地してすぐにアリスは膝をついてしまう。ヨツミワドウが追撃を加えるのを鑑みてユーリは徹甲榴弾を撃ち込み、頭部に刺さった後に小規模な爆発を起こすと、ヨツミワドウは狙いを変え、ユーリの方を向く。水吐き攻撃を行うが、ユーリは落ち着いて避けた。
その一方で、立ち上がったアリスの近くに、大小様々な大きさの緑色の水泡が浮かぶ。手で触れるとその水泡は破裂し、緑色の液体を浴びたアリスは、身体の痛みが引いていくのを感じる。
オトモアイルーが使うサポート技の一つ、回復しゃぼんの技。ヨツミワドウの四股踏みでダメージを受けたアリスを見て、ヒグラシが使ったのだ。
「ご主人、回復は足りるかニャ?」
「ええ、もう大丈夫です。ヒグラシさん、ありがとうございます」
心配そうに駆け寄って来るヒグラシに対し、アリスは感謝を伝えると同時に明るく笑顔を作って見せると、ユーリのもとに合流する。ヨツミワドウに肉薄し、後脚をボーンホルンで殴りつけ、三音演奏に繋げてパーティ全体を強化する。
その直後、ヨツミワドウはおもむろに地面に両手を突っ込む。
ボゴォンッ!!
すると、自身の身体と同じくらいの大きさの岩を掘り起こしたのだ。河童蛙の腹を殴っていたアリスの攻撃は岩に当たり、弾かれてしまう。
そして、ユーリ目掛けて大岩を投げつける。どうにか前転で躱すが、背後でごうっと鳴る風切り音と重い風圧に背筋がぞわりと冷える。
「ったく、奇想天外な攻撃ばっかりして来るもんやな」
クロスブリッツを構え直すユーリに、岩を当て損ねたヨツミワドウが迫り来る。しかし次の瞬間、河童蛙の足元で爆発が起こる。予め地面に仕込んでおいた起爆竜弾が起動したのだ。その時、
「グワォォォ!?」
今までの攻撃の蓄積も重なり、口から砂利を吐き出してヨツミワドウは横倒しになる。同時に、膨れ上がっていた腹も元通りになった。どうやら、腹に砂利を溜めたヨツミワドウは攻撃を加え続けることで砂利を吐き出させることが可能なようだ。
二人はこの隙を見逃さず、すぐさま攻撃に入る。アリスは先程までは届かなかった頭を殴り、ユーリはLv2通常弾の速射で前脚や腹を狙い撃ち、ヒグラシは剣で後脚を斬りつける。
やがてアリスが震打を決めたところでヨツミワドウが起き上がり、二人と一匹から離れてエリア1へと移動する。それを見たユーリとアリスは砥石を使う、弾の装填行うなどして武器を整え、ヒグラシと共にヨツミワドウの後を追うのだった。
次回へ続く
皆様、お久しぶりです。作者です。
まずは、更新が遅くなって本当にすみません!!言い訳させてください。更新までに、以下のようなことがあったのです↓
・職場で新商品の入荷ラッシュ
・ゲームのセーブデータが消えた(モンハンではない)
・描写の再現の為に何回もヨツミワドウに狩猟笛&ライトボウガンで挑もうとした
・けどモンハンする時間がなかなか取れない
………ということです。まぁつまりは、やる気出さなかった私の責任ですね。
ヨツミワドウ編はもう少し続きますので、しばしお待ちください。
では、今回はこの辺で失礼します。
最後まで読んでくださってありがとうございます!
またお会いしましょう。