モンスターハンター 焔の心   作:たつえもん

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第36話:百竜、来たる

 その知らせは、突然やって来た。

 

 

 

 

 

 

 それは、ハルト達のチームがハンターズギルドに向かい、クエストカウンターで依頼を聞こうとしていた、そんな至極日常的な、いつも通りのこと。

 

「あれ?皆来てるのか………珍しいな」

 一行がハンターズギルドに入ると、里の住民ほぼ全員が中にいた。里長フゲンは勿論、受付嬢のヒノエ、ミノト姉妹に、加工屋のハモンやオトモ仲介役のイオリの姿も見える。

「なあ、ゴコクのじっちゃん。わざわざ皆が集まるってことは、何か全員に伝えることがあるんだろ?」

「その通り。詳しくは、フゲンから話があるゲコ。皆揃ってるでゲコな?」

 里の住民が皆集まっていることを確認すると、フゲンは閉ざしていた口を開き、静かに言い放つ。

 

 

 

 

 

「この里に百竜夜行が訪れる。明日か、遅くとも明後日だ」

 

 

 

 

 

 

「…………………っ!」

 フゲンの言葉に、ハルトは息を呑み、他の村民は顔を見合わせながらどよめく。

「百竜夜行って、前に言うてた………?」

「私も、以前からお話は伺っていましたが…………とうとう現実になるのですね」

 

 

 

「……………ついに、ついに来るのか」

 その中で、ただ一人ハルトだけは俯き、思いつめたような表情をしていた。ユーリとアリスもそれに気付いたらしく、

「ハルトはん?どうかしたんか」

「そういえば、ハルト様は前に仰っていました。自分がハンターを志たのは、百竜夜行がきっかけだって」

「あぁ。百竜夜行から里を、皆を守りたい。そう思ってハンターになろうと思った」

「なるほど、ほんで今回はジブンの目標が果たされるかもしれん。せやから武者震いしとるって感じか」

 

 

「勿論、本当はそう言いたいさ。 でも…………」

 そこでハルトは一度口を止め、少しの沈黙の後に再び口を開く。

 

 

 

 

「怖いんだ、俺。本当に百竜夜行を退けることができるのか、不安なんだよ」

 

 

「ハルト、様……………」

「ここまでハンターとして修練を積んできたのは、間違いなく百竜夜行に立ち向かうためだ。だけど、実際にその時になって、本当にやれるのかどうか…………そんな気持ちになる」

 恐らくハルトは百竜夜行による惨状を実際に目撃したことがあるのだろう、今まで他の者に見せたことのない弱気な表情と後ろ向きな発言に、集会所は静まり返り、チームの二人も何も言えなくなってしまう。

 

 

「だから、頼む。アリス、ユーリ、そして里のみんな。俺に、力を貸してくれないか」

 ハルトはつい先程までの不安そうな様子とは一転、純度の高い勇気を含んだ顔と言葉で皆に言う。

「最初から、俺一人の力で百竜夜行をどうにかできるなんて思っていない。でも、ここには仲間がいる。ほんの少しでいい、モンスターを退けることに協力してくれ」

 ハルトの言葉から少しの沈黙が続き、

 

 

「当たり前です!チームメイトとして、ハルト様に協力しないわけにはいきません!」

「せや、ボクもこの里は気に入っとるし、絶対にカムラ(ここ)を守ってみせるで!」

 ハンター二人に続き、里の住民も力強い言葉を口々に上げ、ほんの数分前の重苦しい空気は一変、活気に満ちたものとなった。

 

「ハルトよ、よくぞ言ってくれた。その通り、あのような悲劇は繰り返してはならん。今こそ、カムラの民が力を合わせる時だ。そして────」

 フゲンは皆を奮い立てたハルトを讃えるように優しく語りかけ、不意に言葉を切り、明後日の方を向く。

 

 

「あら、ここはこんなに賑やかな里だったのね。ま、どんよりした空気よりはずっといいわ」

 

 そこには、ハルトとアリスの両名はよく知っている、それ以外の人物も面識こそないが名前は知る一人の男が立っていた。

「我々には、かのように心強い援軍もいる。そう簡単に里を潰されてたまるものか」

 

「エリザベス様!?」

「来てたのか、でもどうして?」

「そこの里長ちゃんにお呼ばれしたのよ、それがハルトちゃんとアリスちゃんの拠点なら助けないわけにはいかないじゃない」

「エリザベス殿はハンターに関わる者ならば誰もが知る腕利き。ハルト達は知り合いだと聞いたのでな、助っ人の要請をしていたのだ」

「そっか、エリザベスが協力してくれるなら頼もしいぜ。今回もよろしくな!」

「ええ、二人とも元気そうで何よりだわ。ところで、そこの彼は新しくチームに入った子かしら?」

「えぇ、はい!ボク、ユーリっていいます!ってかジブンら、あないな人と知り合いやったんか!?言うてや!」

「悪い悪い、タイミング分からなくてよ」

 ユーリはエリザベスと会うのは初めてであり、チームメイトのハルトとアリスが有名人と面識があるのを知ってひどく驚いていた。二人はユーリに比べて普段の口数が少ない為(そもそも比較対象のユーリは多すぎである)、以前ドンドルマでエリザベスとクエストに行ったことも話していなかったのだ。

 

「では、皆の者。これより二時間後、砦へと向かい百竜迎撃の準備を行う。必要な道具などがあれば用意しておけ。行くぞ、気炎万丈!」

 フゲンの言葉に、住民は再び威勢の良い返事をする。そして、里の民は百竜夜行を退けるべく砦へと向かうのだった。

 

 

次回へ続く




 皆様、こんにちは。作者、たつえもんです。

 ということで、ようやく36話更新できました!毎回お待たせして本当すみません。
 次回はライズ本編のテーマである百竜夜行に、ハルト達が初めて挑みます。果たして上手くいくのでしょうか?(上手くいかなかったら里を襲撃されて話が終わる最悪のエンドなので、まぁある程度の予想はできるかもですが。)
 そして、この先の展開を少しだけ話しますと、新しいハンターも登場予定です。そうです、ハルト達のチームに四人目が加入します!(もちろんゲスト的な感じのハンターも出て来ます)いったいどんな人なのか、お楽しみに!(例のごとくすっっっっごく更新が遅くなるかもですが………)

 ではでは、今回はこのへんで失礼します。
 最後まで読んでくださってありがとうございます!
 また次回お会いしましょう。
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