登場人物
夕立 また時雨の質問が増えてきたっぽい。
時雨 相変わらず、わけがわからないよ。
満潮 べ、別に心配してなんかないわよ!
瑞鶴 実はこの人も哨戒部署のリーダー。
熊野 特別手当は淑女の嗜みですわ。
不知火 名前だけ登場。時雨さん頑張ってください。
白露 名前だけ登場。時雨が思い出す度に登場人物欄に。
鳥海 名前だけ登場。ディオハ○コンを埋め込まれるのは回避した。
初霜 名前だけ登場。整備能力も今ひとつ。
大井 名前だけ登場。実は川内と満潮も何か知っている。
利根 名前だけ登場。吾輩の扱い他の人に比べて雑ではないか?
時雨Side
「楽しそうなところ悪いけど、残念ながらそろそろお開きっぽい」
僕が瑞鶴さんと話していると、夕立が歓迎会の終了を告げた。…………もう終わりか。今までこれほど時間が早く感じたことは無かったね。
「瑞鶴さんが帰ってきてるし、そろそろ他の人も食堂に来る時間よ」
「面倒なことになる前に、解散した方が良さそうですわね」
…………特に気にせずに楽しんでたけど、ここにいる人たちはこの鎮守府内では数少ないまともな人だって話だったね。明日からは他の人とも顔を合わせることになるだろうけど、上手くいくかな?……うん、大丈夫だよね。瑞鶴さんみたいに予定が合わずに来てない人もいるはずだし、…………………………それに不知火の話だと、今夜僕に何か大変なことが起きるらしいからね。そんなこと考えてる余裕は無いよ。…………ホントに大丈夫かな?
「あら、残りは私が食べて良いの?」
「チケット使ったのは夕立よね、いいの?」
「問題ないわよ。楽しかったから、十分使ったかいがあったぽい!」
「食べ終わったものは、わたくしたちが片付けておきますので、残りの片付けはお願いいたしますわね」
「わかったわ。………………提督さんにも持って行ってあげようかな」ボソッ
「へ~」
「…………何か言いたいのかしら?」
「いえいえ、別に~」ニヤニヤ
「ほら、瑞鶴さんで遊んでないで行きますわよ」
「別に私は遊ばれてるわけじゃ無いわよ!」
「私が遊んでるだけよ」
「ぐぬぬ………………」
あはは、満潮も瑞鶴さん相手だとこんな感じなんだね。…………っとそうだ解散する前に……
「最後に僕から一言、言わせてもらっても良いかな?」
「そうね、時雨の歓迎会なんだし、最後の締めは主役にお願いしましょ」
「それじゃあ、……さっきも言ったかもしれないけど、僕のためにこんな素敵な場を用意してくれて、本当にありがとう。準備してくれた夕立も、参加してくれた3人にも本当に感謝してるよ。今までこんなに楽しかったこと一度も無かったから、……正直もう思い残すことは無いくらいの感覚だよ」
「……その言い方だと今夜死んじゃうみたいに聞こえるわよ」
「そんなのダメよ!この鎮守府には、まだまだ楽しいことも、嫌なことも、辛いことも、苦しいことも、大変なこともたくさんあるっぽい」
「ほとんどマイナス要素じゃない…………」
「嘘は仰ってませんわね」
「ははは…………もちろん死ぬつもりなんて無いよ。ようやく、自分の本当の仲間と居場所になりそうなところに巡り会えたんだ、死んでる場合じゃ無いさ」
簡単に死んじゃったら、白露に笑われちゃうよ。
「ま、不知火じゃ無いけど今夜一晩くらいは乗り越えなさいよ」
「ええ、せっかくわたくしたちがこうして歓迎しているのですから、それくらいはやっていただかなければ」
「いっしょに哨戒行くの、楽しみにしてるわよ」
「この夕立が案内係をしている以上、なんの心配も無いっぽい」
「うん、……みんなありがとう」
本当にいい人たちに出会えたね。今日は人生最高の日だね、僕にとってすごく大切な日になりそうだよ。
「はっ!今時雨さんが、とてもわかりやすいフラグを立てられた気がいたしますわ」
「いきなり何言ってるのよ…………」
Side OUT
瑞鶴を残し食堂をあとにする一行。ここで時雨は、これまで気になっていたことを、尋ねてみることにした。
「そういえば、ここに来てから一度も妖精さんの姿を見て無いけど、どこにいるんだい?」
「ここには、妖精さんなんておられませんわよ」
「………………え?」
「さっき久しぶりに聞いたって言ったっぽい」※8話参照
「いやいや、いないなんて事ありえないでしょ!」
「そう言われてもね、いないものはいないわけだし…………………………………………それこそ、大昔ならいたけど」ボソッ
「じゃあ、艤装の整備とかどうしてるの?」
「ほとんどの方が、ご自身でなさってますわね」
「嘘でしょ!僕そんなことできないよ。…………いや、普通できなくて当然だよね?」
「できないヤツは、工廠担当の艦娘にやってもらえるから心配しなくても大丈夫よ」
「鳥海なんてホントはできるくせに、楽だからってやってもらってるっぽい」
「…………あの人はマジで一回初霜あたりに、性根をたたき直してもらうべきなんじゃないかしら?」
「初霜だと返り討ちにあうだけっぽい」
「そもそも、初霜さんはいつもご自身で整備なさろうとしては失敗して、涙目になってるではありませんか」
「やる気はあるのに、仕事増やしてるだけっぽい」
「さっきから、夕立は辛辣すぎないかな…………」
「ただ、鳥海さんも此の間、ハイブリットバルカン砲と収束ビーム砲を勝手に取り付けられて、顔が引きつってましたわよ」
「それどう考えても艦娘用の装備じゃ無いよね!?」
「工廠のヤツは、慣れてきた相手にはとんでもないことしだすから、時雨も整備は早めに覚えた方が良いっぽい」
「………………まあ、それが無難ね」
「ええぇ………………」
これから頑張ろうと決意していた時雨に、早くも暗雲が立ちこめる。…………しかし、彼女はまだ気がついていなかった。妖精さんがいないということで発生している、この鎮守府独自のシステムの数々に。
「それでは、わたくしたちはこのあたりで失礼いたしますわ」
「報告会の準備もしなきゃいけないし」
「報告?」
「2人は部署のリーダーだから、休みの日でも最終報告会には参加してるっぽい」
「へー、リーダーはやっぱり大変なんだね」
「その分特別手当とかももらえるから、特に不満は無いわよ」
「報告会も、異常なし以外の時はほとんどありませんわ」
「夕立は、そういう面倒くさいことはごめんこうむるっぽい」
「ま、そういうわけでもう行くわね。夕立、アンタ時雨にちゃんと対処方法教えておきなさいよ」
「任せるっぽい」
「時雨さんとお仕事ご一緒するの、楽しみにしていますわ」
「まあ、……私も、その……楽しみにしてるんだから、頑張りなさいよ」
「2人とも……ありがとう。僕、頑張るよ!」
ただし、何を頑張れば良いのかはさっぱりわからない状態ではあるのだが……、兎にも角にも2人と分かれた時雨と夕立は、艦娘たちの自室がある方向へ向かって歩みを進める。
「今日はこれからどうするんだい?」
「注意事項を説明したら、夜時間になる前にさっさと寝るっぽい」
「え?僕まだそんなに眠くないよ」
「説明とか準備にそれなりに時間がかかるから、今眠くなくても大丈夫よ。それに、眠くなくてもここでは早く寝た方が良いっぽい」
「う、うん」
よくわからなかったが、提督が先輩の言うことは良く聞いた方が良いと言っていたことを思い出したので、そういうものなんだと納得することにした時雨であった。
「あれ?あそこってさっき通ったところじゃないかな?あそこにあるポスターさっきも見た気がするんだけど」
「良く気がついたっぽい!時雨はなかなか注意力が高いのね」
「そ、そうかな///…………ってそうじゃなくて。どうしてあそこからここにまっすぐ来なかったんだい?」
「そこの廊下は時空がねじれてるから、まっすぐは通れないっぽい」
「……はい?」
夕立が何を言っているのか一瞬理解できなかった時雨。
「時雨も通るときは、一個下か上の階を経由しなきゃだめよ」
「時空がねじれてる……………………それは、階が変わるごとに建物の形状が変化してることにも関係があるのかな?」
「おお、それにも気がつくなんてすごいっぽい!夕立は説明されるまで気がつけなかったっぽい」
そう、この建物はどこかおかしいのである。東西方向に伸びていたと思った廊下が、一つ上の階に昇ると南北方向に伸びているように見えるのである。また、明らかに階ごとの広さが違っており、よく考えれば構造上ありえない部分が多数あるのである。
「ここっていったいどうなってるの!?」
「夕立たちも知らないわ。大井さんがなにか知ってるらしいけど…………あの人夕立たちとまともに話す気がないっぽい」
「……誰も気にならないのかい?」
「別に理由なんて知らなくても、構造さえ把握できれば生活できるわ。うちはそんなこと気にする繊細なヤツは少ないし…………あっでも、利根さんがしばらくの間ギャーギャー騒いでたっぽい」
「いや、普通気にするでしょ。その反応が普通だよ!」
「普通のヤツは、こんなとこに送られてこないっぽい」
「うぐっ……、それを言われると痛いところだね」
自分自身も数多の鎮守府で断られた身のため、夕立の言葉を否定できない時雨。しかし、肉体的な面はともかく、精神的にはまともな方である彼女にとっては、素直に受け入れがたいものであった。
「……というか、これ覚えないといけないのか…………」
「基本的に構造がおかしくなってるだけで、あそこみたいに時空がねじれてる場所は少ないから安心して良いっぽい」
少ないだけであって、ここ以外にも存在しているのである。
「ははは……全く安心できないよ…………」
そうこうしているうちに、一つの部屋の前にたどり着く。特に何も書かれていないが、どうやらここが時雨と夕立の部屋らしい。
「ここは昔、満潮が使ってた部屋らしいわ。必要な物は既に運び込んでもらってるから、さっそく準備するっぽい」
「必要な物?」
「替えの制服とかパジャマとか、一通りの生活用品は揃ってるっぽい。追加で欲しいものがあったら、チケットを貯めて提督さんにお願いするといいわ」
「チケットってなんだい?」
「その辺のシステムは明日説明するから、今はさっさと準備を始めるっぽい」
「わ、わかったよ」
そもそもいったい何の準備をするかも教えてもらっていない時雨は、少々釈然としないところはあるものの、夕立に続いて部屋の中に入るのであった。
「ここに夕立たちの名前を書くっぽい」
「あ、みんなの名前がひらがなで書かれてたやつだね。……あれは、何でひらがななのかな?」
「昔、漢字が読めない子がいたときに、全部ひらがなにしたことがあったの。それ以来その子が消えてからも、ひらがなのままにしてるっぽい」
「消えてからって………………僕らもひらがなで書くのかい?」
「別に強制じゃないから、漢字でもカタカナでも問題無いっぽい!選り取りみどりっぽい?」
「…………なんか変に目立ちそうだし、ひらがなでいいんじゃないかな」
第10話をむかえましたが、いまだに一日目も終了していないです。