登場人物
時雨 僕、寝られるのかな?
夕立 どうしても寝られないなら気絶させるっぽい。
萩風 名前だけ登場。呼んでくださるのなら、喜んで♡
利根 名前だけ登場。吾輩の扱い……
提督 久々の本編登場。
満潮 リーダーよ。
飛鷹 まさかの工廠担当。
熊野 リーダーですわ。
若葉 名前だけ登場。執務室を掃除した。
瑞鶴 リーダーね。
初霜 名前だけ登場。可愛い。
朝潮 名前だけ登場。異常ありません。
川内 ついに本編登場。
時雨Side
夕立に声への対抗策を聞いたところ、ヘッドホンを渡されてしまった。……まさか、これを着けただけで聞こえなくなるとかいう、簡単な話なのかな?
「これを着けたら、その謎の声を防げるのかい?」
「それは無理よ。それを着けてても、耳栓をしてても、何故か聞こえてくるっぽい」
「…………じゃあ、これはいったい何のために?」
「重要なのは、声自体を聞かないことじゃなくて、内容を理解しないことっぽい!」
「内容を?」
「引き込まれるヤツは、内容を理解して同調しちゃうらしいわ。だから、これで音楽とか聞いて、注意を分散させるっぽい」
……なるほど。防ぐことはできないから、他のことに気を逸らさせて、その声に集中できないようにする作戦なんだね。
「夕立もヘッドホンをするの?」
「もう慣れたから、夕立にヘッドホンは不要っぽい。それに、何言ってるのかわからないから、もともと夕立にはそんなに危険じゃないっぽい。」
やっぱり個人差があるのか……
「それなら、慣れる前は使ってたの?」
「………………夕立の部屋は、萩風の声の方がよっぽどうるさかったっぽい……」
「萩風の声って…………あっ、……そ、そういえばそんなこと言ってたね////」
そういえば夕立の案内係は、萩風だったって話だったね。
「思い出させないでほしいっぽい…………………………、はっ!も、もしかして、夕立にそれを求めてるの!? ……さ、さすがにそれは、恥ずかしいっぽい//////」
「ちっ、違うよ!そんなことお願いするわけないじゃないか!…………だいたいそんなことされたら、僕も恥ずかしいよ///」
する方じゃなくて、される側もかなり恥ずかしいよ!……いや、する方が絶対により恥ずかしいけれども。
「それなら、良かったっぽい。もし、どうしてもしてほしかったら、萩風を呼ぶしかなかったっぽい」
「絶対に呼ばないでね!」
なんで、僕が求めてるみたいな流れになってるのさ。
「まあ、言われなくても萩風を呼ぶ気は無いっぽい。あいつを連れてくるくらいなら、利根さんあたりを騙して連れてくる方が、ましっぽい」
「…………夕立は、利根さんをなんだと思ってるのかな?」
さっきから、利根さんの扱いが酷すぎるんじゃないかな?
「利根さんはいい人っぽい、チョロくてのせられやすい便利な人よ」
「………………そうなんだね」
うん、利根さんに会ったら優しくしてあげよう。……………………いや、それよりも僕自身が、今夜生き残れるかわからないんだった。人のこと心配してる場合じゃ無いね。
「このヘッドホンは、どうやって使うのかな?」
「ハンモックを吊してる線に、コードが一本付いてるから、それにつなぐと良いっぽい」
「そんなのが付いてたんだね。何が聞こえるんだい?」
「落語」
「……落語?」
「落語」
「…………なんで落語?」
「一番用意するのが楽だったからって、提督さんが流してるっぽい」
「ふーん」
そうなんだ。たしかに普通の音楽を聴いてるよりは、それだけに集中しやすいのかな?……聞いたことが無いから、よくわからないや。
「提督が流してるんだね」
「ここだと、ラジオもテレビも入らないから、何か用意して流すしかないっぽい。正直落語は、二晩くらい聞いちゃったら全話聞けちゃうから、もう飽きたっぽい」
そうなのか、これで乗り切れるのかな?……いや、別にこれを使わなくても、さっさと寝ちゃえば良いんだよね。頑張って早く寝よう。
「いつの間にかもうすぐ、9時半になるっぽい。さっさと寝ましょ」
「…………フタヒトサンマルじゃないのかい?」
「面倒くさいから、別に良いっぽい」
面倒くさいって…………、いや、まあ、別に良いけどね。
「それじゃあ、一応トイレに行ってから寝ようかな」
ペットボトルとか、絶対に嫌だし!
「夕立も行くっぽい!」
Side OUT
場面は変わって、ここは第1会議室。ここでは、本日の最終報告会が行われていた。
「それでは、全員揃ったようなので、本日の最終報告会を始めたいと思います。……………………まあ、開始の挨拶だけは真面目にやったけど、後はいつも通り順番に報告してくれ」
秘書艦なんてものは存在しないため、会議の進行なども全て提督が行うことになっている。
「それじゃあ、最初は私ね。遠征部署は、予定通り旗艦萩風以下4人の合計5人で、いつもの場所に遠征に出たわ。萩風からの報告だと、予定通りの資源が確保できたし、島の様子も特に変化無かったらしいわ」
最初に、遠征部署のリーダーである満潮が、報告を行う。
「あの島になにかあったら、私達出撃できなくなるものね」
「…………アンタは、改造できなくなるのが嫌なだけでしょ」
「エー、ソンナコトナイワヨー」
満潮の指摘に対して、棒読みで答える飛鷹。図星であることは、誰の目にも明らかであった。
「まあ、異常ないならそれでいいだろ。次、清掃部署」
「わたくしは本日参加しておりませんが、若葉さんが中心となって滞りなく行われたそうですわ。報告では、特に異常は無かったようですね。強いて挙げさせていただくのであれば、提督が執務室でゲームをなさっていたそうですけど、……別にいつも通りですわね」
「…………そういえば、提督さん利根と仲良くゲームしてたわよね」
熊野の報告を聞いて、その場に出くわしたことを思い出した瑞鶴が、提督をジトッとした目で見つめる。
「あれは、執務が終わってからだろうが、……若葉のヤツ、余計なことまで報告せんでいいのに…………」
実は若葉の報告は、執務後では無く執務中にゲームをしてたことを指していたが、それもいつものことなので、全員特に気にすることは無かった。
「…………まあ、いいわ、次は私ね。午前は夕立が旗艦で、5人編成で哨戒に出たわ。死にかけのツ級と、ヌ級の残骸みたいなのが流れてきたみたいね。ツ級は夕立が遊んだ後とどめを刺して、ヌ級の残骸といっしょに工廠の方に送ってあるわ」
「ちゃんと届いてるわよ。軽空母の部品は珍しいから、なかなか良かったわ」
「…………いったい、何に使うつもりよ」
「ふふふ…………秘密よ」
怪しげな笑みを浮かべる飛鷹、彼女の頭の中には既に
「……続けるわよ。午後は私が旗艦で、5人編成で哨戒に出たわ。午前と違って特に何も出てこなかったわね。……結局午前午後ともに、特に問題になるようなことは無かったわ。哨戒部署からは以上よ」
「そんなもんだろうな。工廠はどうだ?」
「工廠も別に問題なかったわよ、…………お昼に艤装の整備に来た初霜が失敗して泣いてたけど」
「またかよ…………」
「……あの子午前の哨戒の後、自分で整備やってたのね」
「飛鷹さん……そろそろちゃんと整備の仕方教えてあげなさいよ」
満潮が飛鷹を責めるような目で見る。
「いや、初霜にはちゃんと教えてあげてるのよ。あの子なんか健気でかわいいし、……でも、恐ろしいほどセンス無いのよねぇ」
「さすがの飛鷹さんでも、初霜さんにはお優しいのですね」
初霜は、やる気や情熱などは人一倍持っているものの、それに見合った能力は、何一つ持ち合わせていないのであった。
「……いい加減、整備は自分でやらずにやってもらえって、初霜ちゃんに言ったら」
「いや……、そりゃ俺が言ったら聞くだろうけどさぁ……、なんかめっちゃ落ち込みそうだしなぁ…………」
瑞鶴に促されるも、あまり気が乗らない様子の提督。
「前から思ってたけど、…………提督さん随分と初霜ちゃんには甘いわよね」
「いや……その……、ほら、俺ももう若くないし、孫には甘くなるというか…………」
「身体は20代のままでしょ!」
「……まったく、いちゃいちゃしてないで、話を進めなさいよ。それに、多少疎まれようがはっきり言ってあげるのも指揮官の仕事でしょ、しっかりしなさいよ」
「べ、別にいちゃいちゃなんてしてないわよ、なに言ってんの!」
満潮の指摘に慌てる瑞鶴。提督も思うところはあるものの、話を進めることを優先することにした。
「はぁ、気は進まんが、しょうがないか……。一応、工廠も特に問題なしなんだな。……夜間警備の方も、朝潮から昨晩は特に異常なしと聞いている。今夜は頼むぞ、川内」
「了解。夜戦なら任せてよ!」
「…………別に何も無ければ、戦わなくていいからな」
「えー、でも今日は新人が来たんでしょ。きっと何か起こしてくれるよ!」ワクワク
「お楽しみにしてるところ申し訳ありませんが、今回の新人さんは真面目な方ですので、あなたが期待なされているような事態には、ならないと思いますわよ」
「えー、残念」ガッカリ
「……とにかく、警備自体はちゃんとやってくれよ。後は、間宮さん曰く、食堂も特に問題ないらしいし、放送部署も特に何も無いらしい。執務部署……といっても俺だけだが、それも特に問題は無いな。新人の受け入れも夕立に任せたし」
「そういえば、その新人さんはどんな子だったの?たしか……駆逐艦の時雨だったっけ」
時雨には会っていない川内が尋ねる。
「そうね、事前の情報通り真面目な子だったわよ」
「あの様子であれば、ここでもそれなりに上手くやっていけるのではないでしょうか」
「私は実際に見たわけじゃ無いけど、そんなに真面目な子だと逆にここは合わないんじゃないかしら?」
川内と同じく、顔を合わせていない飛鷹もそう尋ねる。
「まあ、微妙に苦労しそうではあるけど、ツッコミ役が増えそうだし、私は大歓迎よ」
「満潮……そんなこと考えてたのね………………」
「ふーん。みんな結構高評価みたいね。提督はどうなの?」
「え、……あー、……なんというか、まだまともに評価できる段階では無いけど、聞いてる情報通りなら、今まであんまり環境に恵まれてこなかったみたいだから、仲良くしてやってくれ」
「いや、司令官もちゃんと仲良くしてあげなさいよ。あの子、前の提督と上手くいってなかったらしいじゃない」
「まあ、上手くいかない原因は、どう考えてもあちらの提督にあったようですけど」
「それは、別にかまわんが……」
「どうしたの?すっきりしない感じだけど、なにか気になることでもあるの?」
「…………素行だったりは別に心配ないんだが、ここに案内したときの感じだと、どうも感覚が鋭いタイプみたいなんだよなぁ。昼の時点でさえ、なんとなくここに違和感を覚えてたみたいだし。……一応お守りは渡したんだが、あれも別に完璧なものじゃないし」
「あらら、それは結構ヤバいかもしれないわね」
「まあ、とにかく今夜を乗り切れるかどうかが、大事だな。ちょっとドライな言い方になっちまうが、適応できるかどうかは運みたいなものだからな」
「今夜が山田ってやつですわね」
「……山田?」
「……山だ?」
「……何だそれ?」
熊野が何を言っているのか、よくわからない一同。
「………………そんなマイナーなネタ入れないでちょうだい」
満潮だけは、何か知っているようだが、若干あきれ気味な様子である。
「…………とにかく、新人に関しては夕立に任せてあるから、お前たちは多少気にかけるぐらいにしとけ」
「はーい」
「それじゃあ、あんまり遅くなってもあれだからな、ここらで本日の最終報告会は終了ということでいいか?…………特に異論が無いようなら解散してくれ。……あっ、川内は巡回始める前に、ここの片付けだけ手伝ってくれ」
「夜戦なら任せておいて!」
「夜戦じゃねえよ!」
「…………それにしても、提督がお守りまで渡すなんて珍しいね」
「……まあ、久しぶりに随分まともそうなヤツが来たからな。本人の境遇もちょっとかわいそうなものだったし…………」
「なーんだ、一目惚れとかそういうのじゃないんだ。つまんないなー」
「一目惚れって…………もうそんな歳じゃねえよ」
「私達に年齢とか意味無いでしょ」
「肉体的にはそうでも、精神的にはそうも言ってられんよ…………よし、こんなもんで良いか。ありがとう、助かったよ川内、巡回に向かってくれ」
「やった!待ちに待った夜戦だぁー!」
「だから、夜戦じゃねえ!!」
最近忙しくて、なかなか執筆・投稿する時間がありませんが、週1投稿ができるように頑張りたいと思います。