島流し鎮守府   作:レイノス

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提督と朝潮は、後書きにのみ登場しています。

登場人物

満潮 普通だった頃の間宮食堂を知っている。

熊野 清掃部署のリーダー。

夕立 最高にステキなパーティしましょ!

間宮 いた。

時雨 僕の質問って、たいていスルーされるよね。

白露 名前だけ登場。この鎮守府にはいない。

提督 鎮守府唯一の人間。食堂の奥に入れる。

川内 名前だけ登場。夜中でも食堂を利用できる。

朝潮 食堂の奥に入れる。



第6話

 

食堂にやってきた一行は、夕立を先頭に和気藹々と会話を続けていた。

 

「この時間なら食堂も誰もいないわね」

 

「まあ、皆さん仕事のある方も非番の方も、お夕飯の時間は遅い方ばかりですからね」

 

現在時刻は、午後5時半頃。ここの艦娘は、一部を除いて午後7時を回ってから食堂にやってくる。ちなみに、食堂を普通の艦娘が利用できる時間は、午前7時~午後9時半までとなっている。

 

「間宮さんにパーティー用メニューを頼んであるから、みんなで取りに行くっぽい!」

 

「主役の時雨さんも取りにいきますの?」

 

「普通こういうときは私たちで準備するもんじゃないの?」

 

夕立の発言に、熊野と満潮が疑問を呈する。

 

「あ、僕はできればいっしょに取りに行きたいな。せっかく仲間になるんだからいろんなことをいっしょにやっていきたいし」

 

「時雨ならそう言ってくれると思ってたわ。夕立の読み通りっぽい」

 

こう言っているが、実際には特に何も考えていない。

 

「夕立さんの読みはあれですけれど、時雨さんは随分と真面目な方ですわね」

 

「……ほんと、性格だけならこんなとこに飛ばされてくるような艦娘じゃないわね」

 

「あ、あはは…………」

 

実は時雨が一番気にしていたのは、この怪しい鎮守府内で一人になってしまうことへの恐怖だったのだが、それに気づいたものはいなかった。もっとも時雨が語ったこと自体も、決して嘘ではないのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時雨Side

 

「ここが食堂か、前に僕がいたところよりだいぶ綺麗な気がするね。というよりこの鎮守府どこもかなり綺麗だよね」

 

僕が建造された鎮守府は提督がちょっとアレだったからね。まあ、今頃病院で流動食のお世話になっているだろうけど……、いい気味だね。命があっただけでも感謝してほしいよ。…………あいつのせいで白露は………………

 

「当然ですわ。わたくし達清掃部署が、毎日くまなく清掃を行わせていただいてますもの」

 

「……え?艦娘が清掃をやってるのかい?」

 

普通そういうのは、担当の職員とかがやってくれるんじゃないのかな?

 

「ここは事務員とかの職員も誰もいないもの、人間は提督1人しかいないわよ」

 

「え?提督が言ってた俺1人っていうのは、提督が一人って意味じゃなくてそういう意味で1人ってことだったの!?」

 

どうやって1人で運営してるんだろう?…………妖精さんがいろいろやってるのかな?

 

「ちなみにわたくしは清掃部署のリーダーですので、体験の際にはよろしくお願いいたしますわね」

 

「あ、そうだったんだね。僕も知ってる人がいると心強いよ」

 

たしか、全部の部署を体験することになるんだっけ?遠征は満潮がいるみたいだし、清掃にも熊野さんがいるなら少し安心できるかな。…………というか、清掃部署なんてあったんだね。戦闘以外にやることがあるとは思わなかったよ。遠征と清掃があって、後は何だろう?出撃とか開発とかかな?あ、演習とか建造とかもあるね。そういえば、哨戒に出てる人もいるみたいだし、本当に4日で全部できるのかな?

 

「どうせ大変なのは4日目だけだから、特に心配する必要無いっぽい」

 

「……それもそうね」

 

「え」

 

それってどういう……

 

「間宮さーん、料理取りにきたっぽーい!」

 

夕立が行っちゃったから話を聞きそびれたけど、今のはどういう意味だろう?なんとなく3日間が楽なんじゃなくて、4日目がとんでもなく大変なんじゃないかな。もうなんとなくパターンがわかってき……って、え?

 

「ちょっ、な、なにこれ!?」

 

「……急にどうしたのよ?」

 

「い、いやいやいや、これどうなってるの!?何で食事の受け渡し口がこんな厳重に固められてるの?」

 

なんか本来普通の食堂の受け渡し口だったと思われるところに、でかい金属板見たいなのがいっぱい溶接されてるんだけど。唯一空いてる恐らく料理を受け取る場所と思われる空間も、真っ暗で向こう側が全く見えないし。

 

「さあ?わたくしが着任したころには、もう既にこうなっていましたわ」

 

「そこの穴に話しかけたら間宮さんが答えてくれるっぽい」

 

「なにそのシステム!?」

 

よく見れば、受け渡し口の横に500㎖のペットボトルくらいの穴が空いてる…………

 

「わたくし、未だに間宮さんはお声しか伺ったことがないですわね」

 

「みんなそうっぽい」

 

……………………は?ちょっとまて!

 

「……え?夕立?その話は冗談って言ってなかったっけ?」 ※3話参照

 

「全部が冗談とは言ってないっぽい」

 

「なんの話ですの?」

 

「いや、さっき夕立が、ここの間宮さんはベルトコンベアを動かす幽霊だって…」

 

「ベルトコンベアーなんて、ここにはございませんわよ?」

 

「からかった夕立が悪かったのかもしれないけど、時雨の捉え方もだいぶおかしいっぽい。もうちょっと違う言い方だったはずよ」

 

「………………………………」

 

「あら?満潮さん、どうなされましたの?」

 

「………………なんでもないわ」

 

どう考えても、何かある表情だったよね……結局何が本当の話なんだろう?

 

「あ、料理が来たっぽい。間宮さんありがとう!ほら、時雨も挨拶しとくっぽい」

 

「え、う、うん」

 

こっちの小さい穴に話しかければ良いのかな?なんか、これまでで一番わけわかんないことになってるような…………でも、これからお世話になるんだから挨拶は大事だよね。

 

「こ、こんにちは」

 

『いらっしゃいませ。甘味処「間宮」へようこそ!』

 

「うわっ!」

 

本当に向こうの方から声が聞こえるよ。この穴も暗くて向こう側が全く見えないし、なんか怖いなぁ。それにさっきから提督にもらったブレスレットが微妙に振動してるんだけど、これ着けてて大丈夫なのかな?……とりあえずこっちも自己紹介した方が良いよね。

 

「えーと、僕は白露型駆逐艦2番艦の時雨だよ。これからよろしくお願いします」

 

『こちらこそよろしくね。毎日美味しいご飯を準備しておきますね』

 

「それは、楽しみだね」

 

間宮さんのご飯は美味しいって、評判だからね。間宮さんが着任している鎮守府と、そうでない鎮守府では、転属時の倍率もかなり違うみたいだし。………………………………まあ、僕はどっちにしても断られたわけだけどね……

 

『ただ、普段のご飯は仕入れの関係上、今日みたいにいろんな種類は作れないの、ごめんね』

 

「いや、そんな謝るようなことじゃ……」

 

『その代わり、精一杯美味しく作ってるから期待しててね♪』

 

状況のおかしさに目をつぶれば間宮さんもいい人そうだね。穴越しだから声もなんかエコーがかかってるみたいに聞こえるけど……っていつのまにか夕立たちが料理をはこんでるし!

 

「もうほとんど運び終わってる…………あ、じゃあ僕はもういくね、今日はパーティー用の料理を作ってくれてありがとう」

 

『いえいえ、24時間いつでも利用してくださいね♪』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕立Side

 

時雨が間宮さんと話してる間に粗方運び終わったっぽい。間宮さんが24時間営業みたいに言ってたけど、夜中に食堂を利用できるのなんて提督さんか朝潮と川内さんくらいじゃないかしら?時雨が真に受けないように後で言っとかないと。

 

「ごめんね、みんなにほとんど運んでもらっちゃって」

 

「気にする必要ないっぽい。時雨は本来主役なんだから夕立達に全部任せちゃってもいいのよ」

 

「アンタさっきと言ってること違うじゃない……」

 

満潮がなにか言ってるけど、夕立は過去にはとらわれない女っぽい。

 

「それにしても、すごいご馳走ですわね」

 

「そうね、特にいつも単品だから品数に圧倒されるわね」

 

「選り取りみどりっぽい?提督さんに仕入れを頼んだ甲斐があったっぽい!」

 

チケット10枚頑張って貯めて良かったっぽい!けど全部使い切っちゃったからそろそろまた提督をスマ○ブラでボコボコにして巻き上げようかしら。

 

「うわー、美味しそうだね」

 

「時雨が主役なんだから早く席に着くっぽい!みんなも早く早く」

 

「……まったく、少しは落ち着きなさいよ」

 

「そういう満潮さんも、普段よりそわそわなさってますわよ」

 

「そ、そんなことないわよ///」

 

「みんなジュースを持つっぽい」

 

みんながコップを手に取ったのを確認して開始の挨拶をする。

 

「これから時雨の歓迎会を始めるっぽい。さあ、ステキなパーティしましょ!乾杯!」

 

「「「乾杯!」」」

 

みんな、元気よく乾杯してくれたっぽい。

 

「ステキなパーティって……」

 

「ソロモンの悪夢の方が良かったっぽい?」

 

「そんなわけないでしょ……」

 

決めゼリフは重要っぽい。

 

「とっても美味しいですわ」ゴクン

 

「あ、もう食べてるっぽい」

 

熊野さんったらいつの間に。

 

「……負けてられないわね、満潮、出るわ。私がいなきゃ話にならないじゃない!…………って美味っ!」アムッ

 

満潮も自分のセリフ言っちゃってるし……人のこと言えないっぽい。

 

「僕も負けてられないね、時雨、行くよ!…………うん、美味しい」モグモグ

 

時雨も楽しんでくれてるみたいで良かったっぽい。夕立も遅れをとるわけにはいかないっぽい。

「駆逐艦夕立、出撃よ!」

 

 

 

 




「ふー。これで全部かな」

『はい、ありがとうございます。……すみません、わざわざ提督自ら運んでいただいて』

「いや、普段は川内に任せてるから、こういう臨時の時くらいはな」

『朝潮ちゃんもありがとう』

『いえ、これくらいはどうってことありません。むしろ司令官のお手を煩わせてしまって申し訳ないです」

「この量1人で運ばせるのはなぁ、他のヤツらじゃここには入れないし」

『…………申し訳ありません』

「ああいや、間宮さんが悪いわけでは……」

『その通りです!全てはこの程度の仕事も1人でこなせないこの朝潮が原因です!」

「いや、そういう意味でもなくてだな……」

『もっと司令官のお役にたたねば。司令官! ご命令を」

「……だめだこりゃ」

『うふふっ♪』




自動車の運転免許を取得しているので、執筆のペースは落ちていますが、話のストックがあるので、投稿ペースは変わらない予定です。
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