(あぁ~今日も疲れた~。)
そんなことを思いながら帰り支度を始める。
慣れたには慣れたけどやっぱりマネージャーというのは忙しい。とくに16人もの人数をやってれば尚更だ。かと言ってやめたいとも思わない。それはこの事務所の人手が足りないからやらされてるなどというわけじゃなく、好きでやってるからだろう。
「社長、お疲れ様です。お先に失礼します。」
「マネージャー、お疲れ様。明日もまたお願いね。」
「はい。」
オフィス内の座談室で、美晴に声をかけられた。
「あ、マネージャーさん。」
「あれ?美晴、どうしたの?」
「今日、マネージャーさんのおうち、行ってもいいですか?」
「え?良いけど.......」
「なにかありますか?」
「いや、チームの皆には言ったの?」
「言いましたよ。」
「反応は?」
「大丈夫ですよ。皆、ちゃんとOK出してくれました。」
WindのみんなとのLINEを見せながら、美晴は言う。
「うん。それは良いんだけど.......僕の車、普通の車じゃないの分かってて言って
るよね・・・?」
「もちろん。」
「まぁ、いいか。うるさい車なわけではないし。助手席だったら、そんなに狭くないしね。」
――――――――――――――――
「何度見てもこの車、かっこいいですよね。」
「まぁスポーツカーだしね。あとお金高いけど・・・さ、乗って乗って。」
「はい。」
「この車じゃ、Windの四人が乗り込むには狭いかな・・・」
「マネージャーさん、私たち太ってるって言いたいんですか?」
「まさか。皆小学校や中学校の女の子じゃないでしょ?大人ってこと。」
「うふふ。冗談ですよ。」
「もう....やめてよね・・・////」
な~んてことを言いつつ、なんか嬉しかった。
「さて、ちゃんとシートベルト締めた?」
「もちろんですよ。」
「じゃあ、行くよ。」
――――――――――――――――
「マネージャーさんって、車の中だとラジオ流すんですね。」
「音楽流しちゃうと、速度出し過ぎちゃうからね。事故はしたくないでしょ?」
「もちろんですよ。....やっぱりマネージャーさんの運転って安心します。」
「そう?いつも通り運転してるだけなんだけどね。」
「マネージャーさんの運転は、乗っててすごく心地いいですよ。」
「ありがと。(なんか...照れるな....///)」
――――――――――――――――
「さ、着いたよ。」
「運転お疲れ様でした。」
「どうも。さ、はやく家入るよ。」
「はーい。」
「そういえば美晴、ご飯ってまだ食べてない?」
「そのことなんですけど、今日は私に作らせてもらえませんか?」
「全然良いよ。むしろ僕が作ったら多分大変なことになるだろうし(笑)でもその前に風呂入ってきたら?」
「お風呂は寮で先に済ませました~。」
「あ、そうか、分かった。じゃ、よろしくね。」
「はい。」
―――――――――
風呂から上がってから、僕は部屋で仕事を始める。まだ向こうでやり残したことがあるし、そういうのはできる限り早く終わらせたい。しばらく作業をしていると、
「マネージャーさん、ご飯できましたよ。」
「ありがと、美晴。よし、これで終わり。
「何してたんですか?」
「スケジュール管理とレッスン室の割り当てみたいなもんかな。ほら、チーム皆で練習するときとかあるでしょ?そういうのの時間は書きこんどかないとね。あとはオーディションとかあったりするとそこに向けた特訓プラグラムとかもあるしね。」
「ずっとパソコンに向かってるんですか?」
「そ。もう中学くらいからの癖でね。スイミングやめてから全く運動しないようになっちゃって。中三のときだったかな。担任に、あなた肩凝りすぎ!!って言われたの。」
「そんなにですか....!?」
「触ってみれば分かるよ。多分異常なくらい肩凝ってると思う。」
「じゃあ、失礼しますね......マネージャーさん、大丈夫なんですか・・・この
肩。」
「正直言って分からない。もうとんでもないことまで行っちゃってるかもしれない。運動が大事だって言うのは知ってるよ十分。でももう無理なんだ。仕事が忙しいとかじゃなくて、もう運動が嫌いな体で運動したくないってスイミングやめてからなっちゃってるから。」
「体操とかしてみたらどうですか?」
「とりあえず頑張ってみるよ。ありがとね、美晴。」
「いえいえ。マネージャーさんのお役に立てればそれでいいですから。それよりはやくご飯食べましょ?マネージャーさん。」
「そうしようかな。」
――――――――――――――――
「わ。おいしそう。」
「どうぞ召し上がれ。」
『いただきます。』
「うん。おいしい。やっぱり美晴は料理上手いね。」
「そんなことないですよ。」
「明らかに僕に比べたら上手いよ。美晴だけじゃなくて寮に住んでる皆も。」
「マネージャーさん、寮に来てご飯食べたことありました?」
「ん?いや無いよ。まほろ以外のWindのみんなで家に押しかけてきたことあったじゃん」
「そんなことありましたね。」
「あの時はびっくりしたよ。家帰ったら靴が3足くらいあったし。」
「なぜだかみんなついてきたのよね~。」
「なぜだがって....もう、すぐはぐらかすんだから・・・」
「そんなことないですよ~」
「そんなことあるって。ごちそうさまでした。」
「お粗末様でした。食べるのはやくないですか?マネージャーさん。」
「高校生になったくらいかな。別に早食いってわけじゃないんだけど、なんかご飯の時間短くしたいなぁ~ってなって。お昼ご飯食べる時間も遅かったのもあるけど
ね。」
「何時くらいだったんですか?」
「12時はゆうに過ぎてたし、確か13時くらいだね。」
「そんな時間ですか・・・」
「将来誤嚥性肺炎になりそうで怖いなぁ・・・」
「もっとゆっくり食べないんですか?」
「食べようとはしたよ。でも、やっぱり無理だった。やっぱりご飯を一人で食べるのが多かったから、早く終わらせたいんだろうね。あ、美晴は慌てて食べなくていいからね?」
「はーい。」
「食器くらいは洗わないとね。いくらなんでも。」
「マネージャーさん、洗い物は私がやりますよ?」
「大丈夫大丈夫。せめて僕の食器だけは洗わせて。家主として。」
「分かりました。」
「そういえば美晴いつ戻るの?もう遅いでしょ。送っていくよ?」
「う~ん明日かなぁ。」
「えっ?明日!?ど、どゆこと?」
「聞いてませんだしだ?私、マネージャーさんの家に泊まるんですよ?」
「いや聞いてないって。家に来るとは目の前で言われたけど。チームのみんなに
は?」
「ちゃんと取ってますよ。マネージャーさん、よく見て無かったんですね。ふふ。」
美晴から見せてもらった画面をよく見ると「今日はマネージャーさんのおうちに泊まります。」としっかり書いてあり、「りょーかーい。」「分かった。」「美晴、あんたホント好きだね。」とチームのみんなからの返事が書いてあった。
「まぁ、いいか。美晴この後何する?」
「特に何もないですよ。」
「りょーかい。どうすっかなぁ・・・。」
「マネージャーさんのお仕事、見ててもいいですか?」
「いいよ。全然話さなくなると思うけど。」
「全然問題ないですよ。見るだけで十分ですから。」
「そっか。」
――――――――――――――――
「美晴、その辺に紙なかったっけ?」
「はい、どうぞ。」
「どうも。えーと、この日にMoonのレッスン、んで、ここに利恵で・・・ここにほのかね。」
「何見てるんですか?」
「桐香先生からの連絡。レッスンやる日と時間だね。」
「紙に書いたのは何でですか?」
「こうやって紙に書けば、そのままの形でわざわざ画面をいじらなくても入力できるでしょ?こういうのの記憶力は全然なくて、こうしないと無理。最近みんな注目されてるみたいで、仕事増えて来たから。マジで覚えられないよ。」
「そうなんですか?」
「そ。みんなは気付いてなかったり、気にしてなかったりするけどね。」
「そうなんですか。あ、マネージャーさん今21時ですよ。」
「美晴ありがと。んじゃここで一区切り付けてっと。」
「あ、マネージャーさん。」
「ん?」
「今日は....マネージャーさんの隣で寝てもいいですか....///」
「えっ・・・?」
「あ、いやごめんなさい。聞かなかったことに―」
僕は気が付いたら美晴を抱きしめていた
「ま、マネージャーさん!?」
「いいよ、全然。ただ驚いただけ・・・。美晴からそんなこと言われるなんて思っても無かったから。」
「マネージャーさん・・・///」
そして僕は美晴を抱いていた腕を離した。
「でも、寝る前に少しやりたいことがあるんだけど、付き合ってくれる?」
「もちろんですよ。」
「確かその辺に車のハンドルみたいなやつない?」
「あ、ありましたよ。」
「んじゃそれちょっと貸して。」
「はい、どうぞ。」
「どうも。・・・これでよし。あ、あとさっきのハンドルの下にペダルみたいなのもなかった?」
「ありますよ、はいどうぞ。」
「ありがと。・・・ここに置いて。あとはここに接続すれば・・・よし、準備完
了。」
「これから何するんですか?マネージャーさん。」
「簡単に言うと、車を運転する。」
「この感じは・・・ゲームで、ですか?」
「当たり。見てるだけになっちゃうかもしれないけど、それでもいい?」
「いいですよ。全然。」
「今9時回ったくらいだし、10時になったら教えてくれる?」
「はい。マネージャーさんはどこを走るんですか?」
「ニュルブルクリンク北コース。別名ノルトシュライフェ。世界一過酷といわれてるサーキットだよ。」
「そんなサーキットがあるんですね。」
「まぁ今やってるみたいにゲームでレースをするっていうのはSIM(シム)レース、略してSIMって言い方をしたりするけね。SIMだと事故っても自分の体に何の影響もないし、変な心配とかさせずにすむからね。」
「そうですね。」
「よっと・・・やっぱりここテキトーに走ってるだけで、いろんなこと忘れられるな。」
「一周何分くらいかかるんですか?」
「どんぐらいだろ。8分とか9分とかかな。10分くらいかかるかもね。」
「ずっと走るんですか?ここを。」
「基本的にはそうかな。よし、ここは休憩ポイントだ。」
「長い直線ですね。」
「全長2㎞とも言われてる、このサーキット最大のストレート。ドッティンガーだ
ね。」
「一番スピードを出せる、ということですか?」
「そうなるかな。ただ、この先が大変なんだよ。減速して低速コーナー曲がってだか
ら。ちょっとでもブレーキのタイミングミスったりすると壁に突っ込んじゃうよ
(笑)」
「そうなんですね。」
「あ、そうだ。美晴ちょっと運転してみる?」
「えっ?いいんですか、マネージャーさん。」
「大丈夫大丈夫。ちょっとだけ設定いじくればいいだけだし。よっと。これで一周。」
「運転お疲れ様でした。」
「あ、どうも。さて、設定ちょっと変えてっと。これでよし。ほい、じゃ座って座って。」
「はい。」
「で、下にペダル3つあると思うけど、今日は右2つで大丈夫。あと、この車ギア入ってるけど、それだけ言っておくね。」
「マネージャーさんの車みたいな操作じゃないんですか?」
「あの操作は大変でね。初心者でいきなりあれはきついと思う。だから、今日はギアの判定はなし。とりあえずアクセルとブレーキだけ踏んでおいて。ギアはゲーム側が勝手にやってくれるから。コーナリングに関しては申し訳ないけど感覚としか言えない。だから、さっきの僕の走りみたいに速く走ることは意識しなくていい。遅くてもいいから、しっかりコース内で車を走らせることを意識して。あ、あとコースの全体像と今いる場所は左上に出てるからね。」
「これですね。じゃ、行ってきまーす。」
それからはあれやこれやと話しながら一周おきに交代で運転し、あっという間に時間は過ぎていった。
「あ、もう10時か。そろそろ寝ようか。明日のためにもね。」
「そうですね。」
いつもは一人でぼんやりと走るからか、今日はとても楽しかった。
「美晴、さっきの楽しかった?」
「とても楽しかったですよ。」
「そう?それは良かった。美晴が喜んでくれたら、それでいいよ。よし、片付けよう。」
「そういえばマネージャーさん、どうしてこれを始めたんですか?」
「元々YouTubeでこういうのの動画見てて、SIMやってるような人と交流ができてきて、そしたらその交流してる人の一人からさっきやったゲームをもらって。って感じかな。」
「そうなんですね。」
「でも、もらったときのパソコンは今のパソコンに比べたら全然スペックが足りなくてね。今やってるのは見ての通りデスクトップパソコンだけど、当時はノートパソコンだったし、どういうわけか、OSはWindows10の64bitで動いてたんだけど、実際にソフト立ち上げてみたら32bitで動いてて、えっ??ってなったり。一番大変だったのはグラフィック、景色かな。今使ってるのはほぼ最新鋭のグラフィックボードだけど、ノートパソコンにはグラフィックボードが無いの。だからパソコンに負荷がかかっちゃうんだよね。」
「じゃあ、今のパソコンになって変わったってことですか?」
「ものすごく変わったよ。まぁあのパソコンはパーツ買って組み立てる、いわゆる自作PCってやつだけど、このレベルになると自作の方が安かったりするんだよね。あとは仮に今のスペックに満足できないとしても、必要なもの買えさえすればすぐに取り換えられるし。構造が分かってるからね。スペックに不満持つことはほぼ無いだろうけど、性能自体はすごい飛躍したよ。」
「良かったですね。」
「うん。さてと、そろそろ寝ようか。トイレ行くなら先行っていいよ。」
「じゃあ、お先に。」
(ちょっとマニアックなこと話しすぎちゃったかな。変なふうに思われて無いといいけど・・・)
「戻りましたよ、マネージャーさん。」
「どうも。じゃトイレ行くか。美晴先ベッドで横になってていいからね?」
「はーい。」
――――――――――――――――
「明日はまず美晴を寮に送って.....それからオフィス行って・・・て感じだな。よし。」
トイレから出て手を洗い、寝室及び僕の部屋へ戻る。そこに美晴の姿が無かったので
「もう寝たかな。さすがに。さて、明日に備えて寝ないとな・・・」
僕がベットに横になると、後ろから美晴がそっと抱き着いてきた
「ちょ、美晴。ずるいよ・・・///」
「だって、マネージャーさんの隣で寝るって言ったじゃないですか。」
「だとしてもよ。せめて正面向かせてよ。」
「うふふ。はーい。」
そういうと美晴は僕のことを抱きしめていた腕を離した。
「もう、反則だよ・・・///」
「知りませんよ~そんなの。」
「美晴、最近なんか疲れてない?なんか顔が疲れてそうだよ。」
「そ、そんなことないですよー」
「噓つき・・・///本当に疲れてないならこんなことしないもん。美晴は。」
「マネージャーさん、やっぱりよく見てますね。」
「それならそうとはやく言ってよ・・・」
「ごめんなさい。」
「謝らなくていいよ、もう。僕だって嬉しかったんだから。」
「はい....」
「で、何があったの?話だけでも聞くよ。」
「最近、オーディションに落ちてばかりで....だんだん自信が無くなって来ちゃったんです。私って声優に向いてるのかなって・・・」
「美晴....」
「それでどんどん疑心暗鬼になって行っちゃって・・・自分を見失いそうで.....それで、もう相談できる人がマネージャーさんしかいなくて...お邪魔したんです。」
美晴が声優に向いてない・・・?そんなわけない。僕が落ち込んでいるときに前を向かせてくれたのは、美晴だ。今その彼女が落ち込んでいる。今度は僕が助けてやる番だろ!僕は美晴の腕をつかみ、
「あのさ、美晴。」
「何ですか?マネージャーsきゃっ―」
美晴が言葉を言い切る前に掴んでいる美晴の腕を引っ張る。
「美晴が声優に向いてないなんて、そんなことあるわけないよ・・・美晴はいつも頑張ってるよ。Windのリーダーとして、一人の声優として。でもいつも上手くいくわけじゃないでしょ?今回はたまたま上手くいかなかっただけ。だからそんな自分を責めないで。」
「マネージャーさん・・・」
「僕が落ち込んでるとき、美晴は僕を励ましてくれた。今度は僕の番だよ。疲れてるときは無理しなくていいんだからね。いつでもおいで。もしかしたら仕事の関係で上手いこと返事を返してあげられないかもしれないけど。」
「大丈夫です。話を聞いてくれるだけでも。あれ?なんで私泣いてるんだろ・・・」
「よしよし。辛かったね・・・いっぱい泣きな。こんなときに感情押し殺すのは良くないよ。何も恥ずかしいことじゃないよ。今いるのは僕と美晴の二人だけだから。」
「マネージャー、さん・・・」
「もう大丈夫そう?」
「はい。ありがとうございました、マネージャーさん。」
「お役に立てたならそれで十分だよ。」
「マネージャーさん、これからも一緒にいてくれますか?」
この言葉を聞いた瞬間、咄嗟に僕は美晴の唇を奪った
「っ!?マネージャーしゃん!?」
彼女が驚いたのを確認してから唇を離し、
「.......もちろんだよ。当たり前じゃん。」
「もう、言葉でも十分ですよ。」
「いつものお返しだよ。」
「マネージャーさん・・・/// っ」
美晴は僕に抱き着いてきた
「美晴・・・。あれ?美晴?」
「....スー.....スー...」
「ありゃ、寝てる・・・よっぽど疲れてたのかな・・・」
「んん・・・マネージャーしゃあん・・・」
「え?もう夢見てる??相当来てたのかな・・・この感じ。」
「マネージャーしゃん・・・だいしゅき......」
「え・・・?」
寝言なのか本気で言ったのか。それは本人にしか分からない。と言いつつ、本人もわかってないかもしれないけど。
「美晴、僕は君が大好きだよ。おやすみ。」
そういって、僕は眠りについた。
――――――――――――――――
翌朝
いつもの目覚ましで目を覚ますと
「ふぁ~ぁーって美晴!?って、そっか。昨日あのまま寝たんだっけか。」
「ん~。」
朝日に照らされて、美晴の顔はいつも以上に輝いて見えた。
「美晴の寝顔、昨日の夜は暗くてよく見えなかったけど、やっぱり可愛いな。」
「あ、マネージャーさん。おはようございます。」
「あ、美晴。おはよう。起こしちゃった?」
「いえ。それより今、何時ですか?」
「6時ちょいすぎくらいだね。どうかした?」
「朝ごはん、私が作ってもいいですか?」
「いいよ、全然。じゃあ、またできたら昨日みたいに呼びに行きますね。」
「あ、うん。お願い。多分昨日みたいにパソコンに向かってるから。」
「はい。」
― 一方その頃寮では ―
「美晴っていつ帰って来るのかな?」
「昨日泊まってくって言ってたんだし、今日の午前中には帰ってるでしょ。」
「朝ご飯、どうしようか。」
「美晴の分は作らなくてもいいんじゃない?どうせあの子、マネージャーと一緒に食べてそれから戻って来るよ。まさか本気で行くとは。」
「ホントにね。」
「分かった。」
― 場所は戻って、マネージャーの家―
「マネージャーさん、朝ごはん、できましたよ。」
「うん?あ、ありがとう。」
「何してたんですか?」
「今日のスケジュール管理と今日の仕事を少しだけ。はやめに終わらせたいしね。」
「あまり根詰めすぎないでくださいね?」
「もちろん。よし、これでオッケー。」
――――――――――――――――
『いただきます。』
「目玉焼きおいしい。やっぱり美晴は料理上手いって。」
「そうですか?」
「そうだよ。」
なんてことを話していたとき、不意に昨日の夜のことを思い出した。そのことでぼんひやりしていると、
「マネージャーさん?どうしたんですか?」
「あ、いや。なんでもないよ。」
「そうですか・・・。」
やっぱり、美晴は寝ぼけてたんだな。覚えてないみたい。
(私...昨日の夜、変なこと言っちゃったりしたのかしら。)
「美晴、この後は寮に行く感じ?」
「そうですね。」
「送ってくよ。ちょうどオフィス行かないとだし。」
「お願いしますね、マネージャーさん。」
「もちろん。さて、ごちそうさまでした。」
「お粗末様でした。洗い物やりますよ。」
「じゃ、、一緒にやろ?その方が早く終わるよ。」
「はい。」
――――――――――――――――
「やっぱり、すぐ終わったね。さ、美晴は支度して。」
「はーい。」
さてと、着替えるか。持ち物はそこまで必要ではないから・・・これでよしと。オッケー。
「マネージャーさん、準備できましたよ。」
「はいよ。じゃあ、行くか。」
――――――――――――――――
「着いたよ、美晴。」
「じゃ、行ってきますね。」
「行ってらっしゃい。あ、美晴。」
「はい?」
「美晴は声優に向いてるよ。自信持って。」
「マネージャーさん・・・うふふ。ありがとうございます。」
「じゃあ、また後で。」
「はい。」
――――――――――――――――
無事にオフィスに到着し、車から降りる。
(これでまた美晴がいつもの調子に戻ってくれたらいいな・・・。)
澄んだ青空を見ながら、そんなことを思っていた。
一文でも一行でも一文字でも呼んでくれた方、ありがとうございました。とりあえず中盤とか雑に作ってるのでマニアックすぎて美晴ついていけねぇだろとかいうツッコミは置いといてください....
なんだかんだ初めてのハーメルンだったわけですが、楽しんでいただけたら幸いです。