俺が見た白昼夢。

※あくまで妄想です。自分の1年ほど前からの想いを、書きたいものを書いたので、実在のご本人様方の経歴、発言を全て辿った上での作品にはなっていないことを承知の上で目を通して頂ければ幸いです。
また、こんなことがもしあったらいいなくらいの妄想なのでオタクとして彼ら、彼女らの今現在の活動はリスペクトしており、とても大好きです。



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俺が見たdaydream.

あっという間の一年だった。

世界情勢、界隈の巨大化、LIVE、MZMの十万人突破。まぁ、その他にもいろいろ。

本当にあっという間の一年。

「忙しかったから」それが理由になる訳ではないけれど盆の休暇を取れたから海沿いの街に来ていた。ひまわりの花束を抱えて。

 

電車を降りて駅舎を出た途端、何処かノスタルジーな気分にさせてくれる磯風の心地良い街だ。

古き良き日本の情景だ。これだけでも来た甲斐があると思えるが俺の目的はここに来ることではない。

 

駅近のバス停のベンチで座って目的地行きのバスを待っていると大きな風呂敷を抱えたお婆さんが俺の隣に座ってきた。

「こんにちは」

お婆さんが人の良さそうな微笑みを浮かべて挨拶をくれた。

「こんにちはッス」

お返しと言わんばかりに俺も笑いながら挨拶を返す。お婆さんは微笑み浮かべたまま頷くとこちらの抱えてる花束に目を向けてから話しかけてきた。

「お兄さんはひまわり畑に?」

「はい。これから行くところです。」

「あら、そうなのね。……誰か亡くされたの?」

お婆さんは逡巡の末、俺の目的地、ひまわり畑に行く理由を訪ねてきた。

今日行くひまわり畑は、崖の上に子供の背丈位の高さのひまわりが一面に広がっているという何処か幻想的な場所である。

しかしひまわり畑から海に向かっての飛び込みが多いことから、ひまわりの花束を海に向かって投げることで魂の供養をすることを目的にこの場所を訪れる人が全体の三割程を締めているからこそお婆さんは俺にこの質問を投げかけたのだろう。

「いえ、違うんです。久しぶりに会う友人へのプレゼントなんです。向日葵がよく似合う奴だったので。」

「そうだったの。ごめんなさいね、変な事聞いちゃって」

「いえ、大丈夫っすよ。そちらも大きな荷物ですね。」

世間話程度に俺からも聞き返すと、お婆さんは「フフッ」と軽く笑うと風呂敷の結びを開く。

すると風呂敷の中からは瑞々しいたくさんのマンゴーが姿を現した。

「おぉ……大きくて美味そうっすね」

「うちで採れたのよ。親戚に持ってく途中で疲れたから休むために座ったんだけど……お兄さん何個か持っていくかい?ここで隣に座ったのも何かの縁ってことで」

「え、いいんですか?」

思いがけない提案をお婆さんからされた。

こういうところに地方の暖かさを感じる。俺は貰えるなら貰う精神の男だから有難く、頂くことにしよう。

「じゃあ、貰います。ありがとうございます、おかあさん」

「いえいえ、いいのよ。お友達と食べてね。」

俺がそう言うとニッコリと笑ってお婆さんは俺に四つのマンゴーを手渡してくれた。

俺は肩から下げていた鞄から手提げの袋を取り出してその中にマンゴーを入れた。

そんなやりとりをしていたら目の前にバスが来ていた。

「それじゃ、ありがとうございました。おかあさん、お元気で」

「えぇ。お兄さんもお元気でね。」

短いやり取りをして、俺がバスに乗車して別れた。

 

再会の前に心の暖まる出会いを貰ってホクホクしながら車窓から見える海を眺めていた。

それから20分程揺られているとバスのアナウンスがなる。

「うみかぜひまわり畑〜。うみかぜひまわり畑〜。お降りの方は停車ボタンを押してください。」

ボタンを押して程なく、目的地に辿り着きバスが止まる。

290円の運賃を払ってバスから降りる。

「ッー!着いたぁ〜!」

伸びをして息を吐く。

バス停から坂が見える。この先がひまわり畑だ。

夏の太陽を背に受けて、坂を登る。

うだるような暑さだ。そのせいなのか実際の距離か、とても長く感じる。

脚を動かしがら頭では色々なことを思い出していた。

 

「またあんな風に暗くなったりするのはいやだから」「笑って終わるのが俺ららしいね」

そんな会話をして、結局顔が見れなかった。そんな別れが一年半前。

ひまわりと笑顔が良く似合う正義のヒーロー。バカ騒ぎしたり、遊んだり。

悲劇のヒロインぶる性格の俺とあいつはよく合った。すごく楽しい日々だった。

 

この一年半、色んなことがありました。

俺は成長出来たかな?そんなことは誰にも分からない。分からないけど、前には進んでる。それだけは断言出来る。

 

あいつも、この一年半。色んなことがあった。

苦労も楽しいことも嬉しいことも。色々あったと思う。あいつにも今がある。

けど久しぶりに、今日くらい――この手に抱えるサンリッチオレンジのひまわりが似合うあいつに贈りたい。

 

坂を登りきる。景色が開けて、綺麗な黄色い絨毯の前にあいつがいた。――よく見た青い髪だ。

 

「――久しぶり。」

 

「――おう。これ、やるよ」

 

「ひまわり?――コーちゃん洒落てるねぇ」

 

「――まぁな」

 

サンリッチオレンジのひまわり――花言葉『未来を見つめて』。

 

「そういえばさっき、バス停にいたお婆さんからマンゴー貰ったんよ。食おうぜ〜」

 

「へぇ〜。……わっ、美味しそ〜!」

 

前に進む貴方へ。

 

fromユルミラー・ヴァン・コーサカ


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