「ウーン、やっぱりマダ飛べないナア」

操作盤を叩きながら、困ったように呟く青色のフード。一度手を止め大きく伸びをすると、丸く開いた搭乗口から外へ出た。

「ローアの故障でも無いナラ、空間の乱れはコノ場所のせいダヨネェ」

はぁ、と溜息をひとつ。長距離航行の末に辿り着いたこの星で、これ程までに足止めされるとは思ってもいなかった。今のままでは、ローアは安全に飛び立つことが出来ない。ローアが飛べないのならば、自分もまた、この星から出ることが出来ないのだ。

「乱れの中心ハ、この山の地下にあるみたいダケド……」

ローアの調査によれば、どうやら半ば不時着のような形で着陸する羽目になったこの山に原因があるようで。飛べないローアを置いていく事は不安でしかなかったが、とはいえ動けないならば仕方ないと、重い腰を上げて捜索に乗り出したのだ。

「ローア、ボクが戻るまで誰も入れちゃダメダヨォ。モシ飛べそうになっタラ、安全な場所に避難シテ良いからネェ」

青色のフード――マホロアがそう言うと、承知したようにローアの扉が閉まる。そして、任せてくれとでも言うように、薄くバリアを張ってみせた。マホロアはそんなローアに手を振ると、地下へと乗り込めそうな場所を探し始める。

「コノ現象が人為的なものナラ、ドコカに入口があると思うんダケド…」

ブツブツと呟きながら、山の周りをぐるりと回るようにして、山頂へと登っていく。不運なことにどうやらローアが着陸した場所は麓付近だったようで、山頂付近、ようやく怪しい大穴を見つけた頃には、マホロアの体力はほぼ尽きかけてしまっていた。

「コ、コノ穴カナ……」

思考能力の低下した頭を無理矢理動かして、穴の底に視線を向ける。穴は随分と深いようで、辛うじて底が見える程度だった。とはいえ、浮遊のできる自分が飛び降りられないような高さではない。早く乱れの原因を解決してローアに戻りたいという一心で、マホロアは穴へと飛び降りた。

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※この小説は、pixivに投稿している同名作品を細かく区切ったものです。一気に読みたい方はそちらをご覧下さい。
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