「ベル、これが今日のお小遣いです。大切に使ってください」
「ありがとう姉さん、行ってきまーす!」
僕、ベル・クラネルは冒険者だ。お爺さんの教えに従って出会いを求めて、ちょっと子供っぽいと僕自身も思うけど英雄に憧れてこのオラリオまで来た。だけど最初は大変だったよ……トホホォ。
いろんな所を訪ねて入れてくれるファミリアを探したけれど見つからず、門前払いをくらい途方に暮れていた。でも一番大変だったのが僕の姉、テオス・クラネルに湧く蛆s……どこの馬の骨とも知らない奴らに関してだ。僕の姉は身内の僕から見ても顔が良い。まぁ身内って言っても血が繋がってるわけじゃないからいつも見ていた顔って意味だけどそれでも顔が良い。弟としてこれほど誇らしい事はないだろうと僕は自負するね!
だからかなのかその姉さんだけを狙ってファミリアへと何度も勧誘に来たり大変だった。まぁ、姉さんは姉さんで僕の事ばかり心配してたみたいだから似たもの同士だね。そんなこんなで頑張って所属できるファミリアを探してる時に女神ヘスティア、神様と僕は
朝日がダンジョンまで走る僕を照らし、気持ちのいい風が僕の肌を撫でる。あぁ、今日はいい天気だなぁ。姉さんも朝からご機嫌だったみたいだし今日は何か良い事がありそうだ。
ルンルンと心を弾ませ僕はダンジョンへと向かう僕。でもこの時の僕は気付かない、この予感が本当の事になるとは、まさか今日潜ったダンジョンであんな出会いを果たすだなんて……思ってもみなかった。
そしてダンジョンから帰った僕はこう思う。
でもなぁ~、まさか僕の初恋が姉さん似の人になるだなんて思ってもみなかったなぁー……でも―――
「アイズ・ヴァレンシュタインさん……ハァ~、いいなぁ~可愛いなぁ~カッコイイなぁ~」
―――そんな風にね。
※※※
どうも、テオス・クラネルこと転生者です。今は何かサイボーグ的な存在になって弟みたいな白兎君と一緒にモンスター湧き出る塔でお金を稼ぎながら生活しています。意味が分からないって? 大丈夫、オレも分かってません。でもそんな世界で俺は生きています。
「ヘスティア様、朝です、起床してください」
「ん~、テオスぅ~ あと五分ぅ~」
「オーダー了解、朝食を準備します」
朝のお決まりを流れるように熟す。はぁ、ヘスティア様はいつも道理お寝坊さんですね~……このロリ巨乳が、俺にもその乳よこせ。
自身の胸の大きさとヘスティア様のド巨乳比べて内心ため息を吐きながらも俺はキッチンに設置されている竈へと火を入れ朝食を準備し始める。さて、野菜はまだ残っていただろうか?
フライパンを温め、市場では出回っておらず俺自身がオリジナルで作った食用油をひき、ちょこっと高めの卵を落す。ふむ、今日は上手く割れたな。……スクランブルエッグにするつもりだったが目玉焼きの方が今回は良いかな。
白身が固まりはじめるのを眺めながら俺はふと過去を振り返る。そういえばベルふ振舞った最初の料理も目玉焼きだったなぁ。
俺の始まりは今から1~3年前の事になる。前世で死んだ俺は気付いたら埃だらけの倉庫に座っていた……埃だらけで。そして頭から何故かオレンジジュースを被り酸っぱい、独特な匂いが嗅覚を刺激していた。色々と意味の分からない状況の中、今に思えば俺はこの世界でこの瞬間生命活動が始まったと思う。
その直後だろう、あの時、初めて対面したベルの顔は忘れられない。
「えっと……大丈夫、ですか?」
目は曇り、生きる希望もないと言わんばかりの様子でこちらを見つめるその顔に俺はなんとなくだけど不安を感じ取ってしまった。そしてそれからは流れるかのように状況は動いて行った。
「DNA情報の登録完了、マスター、名前をお教えてくださいますか?」
「ます、え?」
俺の体は俺の意志に反して突然立ち上がるとベルの名前を聞く俺。おいおい、初対面なのにその態度は大丈夫か? っと何処か他人ごとのように感じる俺だがそんな俺に対してベルはちゃんと名前を教えてくれた。
「ベル・クラネル……です」
「ベル・クラネル……登録完了しました」
見つめ合う俺とベル。おいおい、この後どうするんだ? と考えていたらなんとなくだけど体の自由が効くようになったと感じる。このタイミング
ですかそうですか……本当にどうしますかね?
見つめ合ったまま体感10分、正確には1分ほど。ベルが口を開く。
「と、ところでお姉さんの名前は……」
あ、そうだった俺ってば名前聞くだけで名乗ってないじゃん。俺は自身の名前を口にしようとするのだが―――
「私は……ッ!?」
―――名前が、俺自身の名前が思い出せなかった。俺の名前……ナンダ? 俺は一体ダレダ? 混乱する俺、そんな俺を心配してかアワアワと焦り出すベル。
「えっとお姉さん、えっとえっと……」
何かないか、何か俺自身の名前に関する手掛かりがないかと探すと俺の身に着けて居る裾にこう記述されてるのを目にする。
コレだ! そう思い見慣れないその文字を解読しそして読み取った俺は、その名を自身の名と登録する。
「テオス、です」
「テオス、さん……ですか」
これが俺の名、そしてベルとの最初の出会い。
その後は色々とトラブルもありながら過ごしそして俺はベルと家族となった。俺が姉、そしてベルが弟として。そうして過ごしていくうちにベルの夢を知り、この地へと旅立つことに。いやぁ~まさかベルってばハーレム願望と英雄願望があったとは……そのお爺さんかなりの人でなしだな?
そんなこともあり俺はこの地、オラリオ定住している。
「焼き加減良好、付け合わせのサラダの制作……完了。ミッションコンプリート」
手早く皿の上へと乗せ、テーブルへと置くんだが……ハァ、5分たったのにヘスティア様ったらまだ寝てやがる。
「ヘスティア様、5分の経過を確認しました。起床を」
「んぅ~……あとちょっとzZ」
いつも道理だなぁ~……この人。仕方ない、このまま寝かせていると遅刻するからな。あの手で起こすか。
「……あと4分以内に起床しなければお仕事に遅れる可能性が―――」
「むぎゃぁあああ! あっぶない寝過ごすところだった!!」
寝坊をチラつかせればホラ、この通り。まるでビリっと電撃を浴びせられたかのように飛び起きる。本当に単純だよなこの神様。
「ハァハァハァ、テオスったらなんでいつも通りに起こしてくれないのさ!」
「否定、私は設定された時間にヘスティア様を起床させようと行動しましたが……」
「そりゃそうだけさ! もっとこう無理矢理でも起こしてくれたっていいじゃないか!」
「了解、起床時刻を更新、前回の時刻より10分早くします。起きなかった場合、デストロイを実こ―――」
「デストロイが何かは知らないけどなんだか怖いから止めてぇ!」
まぁそんなこったで朝の茶番を挟みつつ、俺は楽しい朝を迎える。ヘスティア様ってロリ巨乳とかいう憎むべき存在の癖にお人が良いから憎めないし陰口すら吐けないんだよなぁ……まぁベルに色目を使う事は目に余るけど。
「オーダー了解。ヘスティア様、時間が押しています。お早めに朝食を」
「あぁ!そうだったそうだった!」
ヘスティア様はいそいそと俺の作った朝食をそれはそれは美味しそうに頬張る。いい顔で食べるなぁ、こんなに美味しそうに食べてもらえるなんて作ったかいがあったってものだ。
「美味しい、美味しいよこのサラダ! 特にこのドレッシングがたまんないね!」
「特性ドレッシングです、所謂お手製っという物です」
「本当にテオスって料理が上手よね……これも全てベル君の為?」
何だか若干ニヤケタ顔をこちらへと向けるヘスティア様。恥ずかしがってると思ってるそこの神様。残念、ここに居るのはそれがドンピシャに当たってる人がここに居るんだよなぁ。
「肯定、弟ベルにはなるべく栄養価の高くそして美味しい物を食べて欲しい、そのための努力は惜しみません」
まぁ、それに対して恥ずかしがるとかはないんだけどね。実際マジで努力はしてるし。前世で食べた味や触感をそのままに再現するのには骨が折れる。まず食材から味やら全部が違うから記憶の味に近いのを見つけ出すところからやらなきゃならないから本当に難しいんだよなぁ。
「ヘスティア様、お時間です」
「あぁ! そうだったそうだった」
いそいそと身支度を整え…あぁヘスティア様、お財布、お財布をお忘れですよ。ほんとおっちょこちょいなんですから。
拠点としている教会の外まで付き添い見送る為に俺は外へ。外は綺麗な蒼空が一面に広が煌びやかに輝く太陽が俺達を覗くいい天気。ふむ、此処までいい天気、洗濯物を干すのにはピッタリだな。
「行ってくるよテオス、留守番任せた!」
「オーダー了解、行ってらっしゃいませヘスティア様」
深々と頭を下げて笑顔を浮かべているであろうヘスティア様を送り出す。こうしていつも道理の一日が始まるのであった。さぁーって、ぱっぱと洗濯やってこの教会の補修工事の続きでもやりますか。
テオスの見た目はアイズをポニテにして髪を白色に、瞳を赤。
服装はアークナイツの二アールの衣装と鎧にフリルを追加し可愛くした感じ。