これにて『二人の緋皇――閃の軌跡Ⅱ――』は完結となります。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
この連載を始めて約一年と半年。自分としてはできるだけ急ぎ足で進ませていましたが、やはりⅦ組全員にスポットを当てて話を作るのは難しいと実感しました。
この話で賛否がありましたが、クリス――セドリックを主人公にした話になりました。
これはリィンが強過ぎるよりも、帝国の今の在り方に対して男爵家のリィンでは口論に発展しないと考え、クロウ達に相応しい敵はセドリックだと考えたからになります。
この話ではクロウがリィンをオズボーンの息子だと知っているので、リィンをつけ狙うルートも考えはしましたが、この話以上にクロウは三下になって惨めな扱いになると思って自重しました。
この話でやりたかったことは原作で不満だった帝国解放戦線の燃え尽き症候群の解消ですね。
好き放題やって満足したから介錯を求めるように戦って勝手に満足していく、しかもそれが的外れだと分かっているだけに茶番感が凄かったと当時の自分は感じていました。
それはクロウも含めての話なので、最後まで敵としての貫禄を維持させるようにしていました。
全体的な反省点とすれば、閃Ⅱは戦争がテーマの話なのでどうしても凄惨な話になってしまうことですね。
読んでいて鬱になるという感想なども頂きましたが、自分的には難易度を10段階評価して8くらいを狙って自重はしていたつもりです。
ただ正直に言えばメインキャラの一人か二人は死なせたいとは思っていました。
後は閃Ⅰのあとがきで書いたⅦ組の成長させるという事を実行できなかったことですね。
Ⅶ組は戦争に翻弄される子供、《鋼の呪い》に諍えない一般人という描写を多く入れていたので内戦で目に見えた成長をさせることができたとは言い切れないと思います。
他にも使いたかったけど使うタイミングを逃してしまった設定などもありますし、振り返ればやはり反省点は多くあります。
ただ大筋のセドリックの成長、クロウの罪、ルーファスの親子対決、についてはちゃんと描き切れていたと思います。
続く「閃の軌跡Ⅲ」がどんな話になるかは自分もまだ何とも言えません。
Ⅲは準備期間という事もあり、そこまで超人戦闘はないと思いますが、自分の予測はあまりあてにならないと閃0から思い知らされています。
できる限り皆様を楽しませる文章を書こうと心掛けていますが、どうか広い心で読んでいただけるとありがたいです。
重ねてになりますが、ここまでお付き合い頂きありがとうございます。