この話は、アニメ「RobiHachi」最終回の後、2019年8月の夏コミに発行した
「そうだ! イズモンダル行こう」の小説パートの改訂版です。(改訂日2021/5/3)

ハチロビルートしか見えなかった頃に書いた「月の王子の嫁取り伝」

ヤンロビが欲しい欲しいと叫びながら、何故か出来たものは「ハチロビ」ご成婚話。

銀河道中シリーズの前提というか、これで頭を捻りつくしたから、今の銀河道中シリーズがあるというか・・・・そういうお話です。

RobiHachi作品がないのが悲しすぎて、自分で書き始めた記念すべき(?)第1作だったりします。要は、ハッチがロビーを美味しくいただいてしまいますので、その点ご了解くださいませ^^;



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ATTENTION!

この話は、アニメ最終回の後、2019年8月の夏コミに発行した
「そうだ! イズモンダル行こう」の小説パートの改訂版です。(改訂日2021/5/3)

当初執筆したのが、2019年8月

設定としては、
アニメ最終回の後の時系列のハッチ×ロビー(ヤン⇒⇒ ⇒⇒ロビー)となっております。

女体化も有
地雷(ヤンロビ至上主義とか、ハチロビはダメ!とか)が1つでもある方は、
華麗にスルーしてください。

ヤンロビでハチロビの銀河道中夢語の更新がままならないのと、
最初に執筆した「ハチロビ(ハッチ勝利?でも、ヤンは諦めないわ!)」という話なのですが、
読み返してみると、これはこれで自分なりには楽しくもあり、せっかくなので、「銀河道中シリーズ」の「前」作品として、こんなのがありました! というお蔵出しの意味もこめて、掲載させていただきます。

なかなかコロナ禍にて憩いがない中「諦めないヤンさん」が好きな皆様の憩いになれば幸いです。

二子屋本舗(字書き担当 はりもぐら拝)

下記挿絵は、2019年8月の夏コミ発行当時の表紙イラストです。ちなみに、裏表紙はヤンさんで、そのヤンさんのイラストは、銀河道中の第一話で掲載しているものと同じです。
(ヤンさんについては、銀河道中のイメージも、こちらのハチロビ本でもイメージ像は一緒なのです)


【挿絵表示】




月の王子の嫁取り伝

イセカンダルへの旅路の後。

月の王国ルナランドに戻ったハッチは、目下、大変面倒な問題に直面していた。

 

「ハッチ王子! さあ! 今日こそは!」

「じいや…」

「言い訳は、聞きませぬ! どなたも選りすぐりの素晴らしきご令嬢ばかりでございます! さあ、さあ、お選びなさいませ!」

 目の前に、ずら~~~~~~っと並べられているのは、いわゆる「見合いの釣り書き」という奴で、ついでに、どれもこれも立体ホログラムの写真に、自己PRの動画つき。

 

―――ハッチ王子、私、趣味は旅行ですの―――

―――ハッチ王子様! 地球を、いえ、銀河を救った勇姿をお見かけした時から、ずっとお慕いしております―――

―――ハッチ王子殿下、私、殿下とご一緒でしたら、どこでも参りますわ。星間外交に、必ずお役に立ってみせます。ええ、必ず! ですわ―――

 

 どれもこれも、きらびやかに着飾った女性が、我も我もと売り込んでくる。

「王子! ご結婚とお世継ぎもご公務の一環でございますれば!」

「分かっているよ、じいや」

 

 そう。理解はしているのだ。頭では。

 

 自分は、月の王子で、生まれた時…。

 いや、正確には生まれる前の『遺伝子設計』時点から、月の次の国王になることが決まっていて。

 そうである以上、いずれ誰かを妃に娶り、そして、次代の国王たる自分の遺伝子を受け継ぐ『世継ぎ』を作らなければならない身の上であることは。

 

 生まれた時から、それは当たり前のことで、それに疑問を抱いたことなど一度もなかった。

 自分の運命は、月の次期国王になり、そして、その次の代へと受け継がせること。

 祖父が建国したルナランドの発展と、その偉大な祖父の遺伝子的意味での王家の継承。それこそが、自分の最大の義務であり、そのために、幼い日から数多の教育を受けてきたのだ。

 何の疑問もなく。当たり前のこととして。

 だが、そんなハッチの『常識』は、地球で出会ったロビーによって、ことごとく覆された。

 頭では分かっているつもりのほとんどが、実は分かっていなかったこと。

 自分は、生まれる前から敷かれていた真っ直ぐなレールに、ただただ乗っていただけだったから、人生の先の先までが見えてしまい、息苦しくてつまらなくなってしまっていたこと。

―――あっちこっち、ぶつかってみねえと『想定外』なんて、起きねえんじゃねえの?―――

 さらっと言われたあの一言。

 

 あの出会いが、ハッチの人生を変えた。

 自分の生き方を自分で考えること。

 失敗しても、ぶつかっても、自分自身で決断して色々やってみて初めて意味があること。知識だけでは『ただの分かったつもり』だけでしかなかったこと。

 そんな今のハッチにとっては、目の前の釣り書きから誰かを選ぶというのは、また『分かったつもりで、レールに乗る』だけの人生に戻るだけにしか思えなかった。

 

 考えてみるまでもなく、伴侶とは「人生という長い旅を共に歩む」存在である。

 ロビーとのイセカンダルへの旅のように、毎日が、一緒に居て、どきどきわくわくするような、そんな「人生の旅路」を歩んでくれる相手が、この釣り書きの山の中に果たしているのだろうか?

「王子!」

「分かったよ、じいや。考える。考えるから」

 そう言いながらも、心は重い。どうしても気乗りがしない。

『なんでだろう…』

 ロビーとの旅が懐かしい。

 毎日毎日、お互いに好き放題に言い合って、時には喧嘩もして。それでも一緒にいるだけで、あの時は毎日が輝いていた。生きている実感があった。楽しかった。どきどきして、わくわくして、すごくすごく…愛おしい…。

『あれ?』

 ふと、自分の胸がざわめくのを感じた。

 そうだ。自分が結婚するということは、もうロビーとあんな旅は出来ないということだ。

 前のイセカンダル旅行は、自分が独り身だったから「王子の武者修行のお忍び旅行」と、後にルナランド広報はそう告知して、実際は、ただの家出だったことは伏せられた。

 だが、結婚したら? いや、婚約だけでも相手がもう決まったら?

「…もう、あんな自由で楽しい時間なんてない」

 そうか! なんで気づかなかったんだろう!

 ハッチは、にっこりと満面の笑みで、控えているじいやに対してきっぱりと己の意思を告げた。

「ごめん、じいや。もうちょっと考えさせてくれないかな」

「ハッチ王子!」

 これで何回目ですか!

 気色ばむじいやに対し、営業用スマイル満点にて、それでも有無を言わせず、ハッチは言った。

「僕の伴侶だよ? じいやのじゃないんだから」

「…それは分かっております…ですが…」

「いや、分かってないよ。僕は真剣に考えたいんだ。あ、そうだ。イックと『ナガヤボイジャー2号の試運転』の約束もあったし、ちょっと地球まで行ってくるよ」

「…お帰りになったら、お妃選びは…」

「ちゃんとするよ。自分の義務は分かってる」

「そうでございますか…。まあ…この間のように、いきなり飛び出されて、行方不明になられるわけではないのでしたら…」

「月と地球だよ? すぐ近くじゃないか。帰ったら必ず、妃については決めるから」

「分かりました。ただ、今の貴方様はただの王子ではございません。正式に立太子された『王太子殿下』であらせられるのですから、くれぐれも御身の安全は…」

「大丈夫! 前だって、強引に連れ戻そうとするから、逃げただけだし。今回は伴侶を決めるために自分の気持ちを整理したいだけだから」

「それでは…仕方がありませんな…」

 ここで、じいやが折れたのが、運命のターニングポイントだった。

『やった!』

 山のように積まれた釣り書きを背に、自室から早足で、いや、途中からは全速力で走って、飛び込んだのは王子専用の宇宙船格納庫。

「イック! いるっ!?」

「おう! どうした?」

 ぴょこんと長い耳を立てて、ひょいと顔を出すウサギ型の汎用サポートロボットは、ナガヤボイジャー2号の最終チェックの真っ最中だった。

「あのさ! 地球へ行こう!」

「あ? オレは構わねーけど、お前、嫁選びで身動きとれねーんじゃなかったっけ?」

 ドライバー片手に首を傾げる小型ロボットに向かい、ハッチは、だからだよ! と笑う。

「じいやには、地球へ行くって、もう言った。だから、イック! 地球で、今頃文無しになってる筈のロビーを拾って、また、旅に出ようよ!」

「…お前、それ…ちゃんと月の連中に断ってるか?」

 胡乱げな赤い瞳に対し、あっけらかんとハッチは言う。

「地球へ行くって言ったよ?」

 ま、その後、どうするかまでは言ってないけどね。

「なんだよ、また家出か。ま、こっちは構わなねーぞ。お察しの通り、ロビーの奴は、現状すっからかんの一文無しだしな」

「おかしいねえ…。ヒザクリガーブームで、あれだけ稼いだのがそう簡単に消えるはずもないんだけどな」

「ロビー一人で金の管理ができるわけねーだろ。オレ様がいない間に、どーせまた変な投資話だの出資だのに騙されて、サインでもして巻き上げられたんだろうぜ」

「そっか。じゃあ、ロビーを拾って…」

「銀河旅行再びだな!」

 

 その時、イックは知る由もなかった。

 これが、自分の主「ロビー・ヤージ」にとって人生最大の事件のきっかけになることを。

 人もロボットも神ではない。

 よって、こうして、ロビーの知らないところで、またしてもロビーの運命は動いていたのである。

 今度は確信犯的ハッチの決意に巻き込まれて。

 

◆◆◆

 

はてさて、当たり前だが地球で文無しロビーを拾って、あっさりと太陽系を突破していった「王太子殿下」については、もちろんルナランド宮中では大騒ぎとなった。

「な、なんという・・・」

 じいやを筆頭に皆が真っ青になるのも無理はない。

 何しろ、ハッチは「完璧な後継者」として、現国王夫妻の遺伝子を元に、創始者である初代国王の因子も加味するなど、様々に設計されて「創られた」唯一の「月の後継者」なのだ。

「そのハッチ王子の身に何かあれば…」

 ハッチ一人の養育に、ルナランド王室は後継者問題についての全エネルギーを注いできたから、万が一などそもそも想定にない。

 前回の家出すら、ちゃんと連れ戻す自信があったから、ある程度目を瞑っていたのだ。

 まあ…結果として、もろもろルナガード艦隊がほぼ全滅だのという被害が起きたのは、月の王国の黒歴史の一つになってしまったが。

 だが、今回はまったく違った。

「王子の足跡が分からない?」

 緊急事態に呼び出された金色の瞳に黒のファーを纏った壮年の男は、長い脚を優雅に組みかえつつ、不審げな視線を向ける。

「普通、王室の個人所有の宇宙船ならば、警備のために常に位置情報は把握できるようになっているはずだが?」

「はい…そうです。それが…」

「外されていた。もしくは、途中で外した。あるいは、最初から王子用の登録にしていなかった…とかかね?」

 鋭い金の瞳に対し、硬直しながら額の汗を拭き拭き、じいやは必死になって説明する。

「地球へ行くと…ルナランドを出た時には確かに…」

「わざと、途中までは補足させていたか。で、戻らないからと位置情報を頼りに行ってみたら、捨てられたGPSシステムが放置されたとかかね」

「…よくお分かりで…」

「これでも、借金から逃げる者は今まで必ず捉えてきた私だ。誰かから逃げようとする者の心理ぐらい分かる」

「ヤンさん、流石ッス!」

「最高ッス!」

 馴染みの配下二人がやんやと言い立てるのを制しつつ、だが、と『銀河連邦全域へ支店を拡大中』金融業、ヤンズ・ファイナンスの総帥は、不思議そうに首を傾げる。

「私と、そちらの王子に何の関係が?」

 敢えて言うなら、自分の想い人を奪っていった、トンビに油揚げ野郎というものだが、というのは胸の内に潜め、淡々とあくまでもルナランド支店の許可申請の話以外は聞かないとのスタンスをヤンは示す。

「私は多忙でね。以前、そちらの王子について、王子と知らずに雇用した件にせよ、私の借金を背負ったロビーの宇宙船に王子が同乗していたことも、あまつさえ、私に対するロビーの借金の全てを王子が肩代わりしたことも、全て、終わったことだと思うが」

「はい…その通りです! しかしっ!」

「私には、ルナランドの後継者問題はどうでも良い。話がそれだけなら、帰らせてもらう」

 立ち上がろうとするヤンを前に、じいやはそれこそ必死になってまくしたてる。

「王子お一人でしたら問題ございませんっ! ハッコーネの関所プラネットに問い合わせたところ、なんと、ロビー・ヤージも同行しているらしいのです!」

「は?」

 ロビー…が?

 思い出すだけで、ヤンの胸は痛くなる。

 借金をどれだけ重ねても、懲りることなく、悪びれることもなく「みるくいちご」キャンディーの差し入れと笑顔一つで、ヤンから莫大な資金を引き出した存在。

 利息も、元本も返されることなど期待していなかった。

 借金が続く限り、自分とロビーの関係は続く。そして、一攫千金を夢見ては騙されるロビーは、永遠に自分に負債を負ったまま、いつかは、この手に落ちる。

 そう思っていたのに、ここルナランドの王子が全額返済の肩代わりをするという余計な行動に出たせいで、全てはおじゃんになってしまった。

 もう自分とロビーには、つながりがない。関係がない。

 そう思って、無聊を慰める術もないまま、ひたすらヤンズ・ファイナンスの拡大に勤しんでいた空虚な日々。

 そこに、懐かしい「ロビー」の響き。

「ロビーが…どうかしたのか?」

 震えるな私の声‼ 内心で叱咤しながら、ヤンは月の執事に問いかける。

「ハッチ王子は、あろうことか、あの『キャバクラの帝王』『女好き』『美女になら、なんでも差し出す』軽佻浮薄なロビー・ヤージと共に居るのです! もし! 旅先で、ロビー・ヤージの悪癖に染まって、悪い虫がついたら…。王子は、妃を娶らなければならないというのに!」

 わっと泣き出すじいやを尻目に、ヤンは別の衝撃を受けていた。

「ハッチは…そちらの王子は…嫁取りの必要に迫られていたと?」

「そうです! それが、嫌で家出したに違いありませんっ! 一人ならすぐに補足できると思ったのですが、あのロビー・ヤージが一緒では、どこへ行ったのか皆目見当もつきませんっ!」

 悪い遊びを覚えて、恥ずかしい醜聞紛いの病気を感染させられたりしたらどうしたら…! と泣き濡れるじいやの嘆きは、ヤンにはどうでも良かった。

『ロビー…私の…ロビー!』

 お前は…また、私に追われたいのか? なんという運命の巡り合わせだ。

「了解した」

 すっくと立ち上がり背を向けざまに、あっさりとヤンはじいやへ言い向ける。

「ロビーが絡んでいるなら、私ほどの適任はいないだろう。なにせ、あのイセカンダルまでの数々の宿場プラネッツでの居場所を把握できたのは私だけなのだからな」

「…お願いいたします。王子を‼ 王子が悪い遊びに染まる前に一日も早く、一刻も早く連れ戻してくださいませ! 報酬は、お望みのままに! ルナランド支店の用地でも、こちらでの営業許可でも、王室との取引でも、何でもご対応いたしますので!」

「ふ…そんなことは当然だ。まあ、私の目的は少し異なるが…」

「は?」

 訝しむ老執事に対し、ふっと意味深な笑みを浮かべ、海千山千の金融の帝王は、断言した。

「王子は、ルナランドに戻っていただく。それで構わないな?」

「はいっ! それだけで、もう…」

 その時、じいやもヤンも、本当に「ハッチ王子の身柄をルナランドへ」としか考えていなかった。

 そこに「他の何かが付加される」というのは…。

 ハッチ自身を含め、誰も考えてすらいなかったのである。

 

◆◆◆

 

 しかし、得てして運命とは摩訶不思議なものである。

 特に、ロビー・ヤージという人は、幼少の頃からずっと彼の成長を見守って、いや、何かと口やかましく説教し続けてきたサポートロボットのイックでさえ

「顔も頭もそこそこいいのに、なんで、お前はそう騙されるんだ!」

 と嘆きまくりの御仁である。

 金に縁がないのか、頓着しないのか。とにかく、運とかツキとかには見放され、逆に、命の危険だの、マフィアに狙われるだの、もろもろ波乱万丈については、人の百万倍は引き寄せる。 

 だが、そんなロビーと一緒にいたから、ハッチは逆に楽しかったのである。

 イセカンダルへの旅路では、自分で頑張って賞金を稼ぐとか、節約して宿泊費を浮かすとか、革命騒ぎに巻き込まれるとか、王子として大事に育てられているだけでは体験できない数多の想定外の連続だった。

 だから、ちょうど文無しになったロビーを誘って、ハッチは銀河へと再び飛び出したのである。

「けどよお、お前ってば…」

 家出の動機が、嫁選びと聞かされたロビーは、実年齢よりあどけなく見えるその顔で、ぽかんと口をあけてしまった。

「きれーなお姉ちゃんたち揃いなんだろ? ぜーたくだな、王子様っつーのは」

「そんなの、ロビーには分かんないよっ!」

 むうむうと膨れるハッチもまた、今は年相応のまだ十代の幼さのままである。

「オレ、ロビーと会うまでは決められた相手と無難に結婚するって子供の頃から思ってたんだよ! だけど、ロビーが『色々やってみて、自分からぶつかってみないと』って言ったじゃないか! だから!」

「はいはい。まあったく…」

 世話の焼ける王子様だこって。 

 ひらひらと両手を挙げてソファーでくつろいでいる様は、とても、ちょっと前まで一文無しで路上生活していたとは思えない堂々ぶりである。

「にしても、壊れちまったナガヤボイジャー、良く再現できたな」

 内装まで以前とそっくりなことに感心すると、イックが当然だと主張する。

「オレが操縦するオレの相棒だからな。オレの中にあったナガヤボイジャーの設計図を元にバージョンアップして、ヨッカマルシェに発注したんだぞ?」

「おお、それでか。つか、イックが、俺のじーさんのロボットだったとか、そのじーさんはじーさんで、なんとまあ! イックもナガヤボイジャーも等身大ヒザクリガーも全部、ハッチのじーさん経由でもらったとかさあ。人生の縁ってのは、不思議なもんだよなあ」

「それは、オレも思った」

 ロビーの前では、僕などというかしこまった言い方より「素直にオレ」になるハッチも、じいやがイックを覚えていなければ、自分も気づかなかったままだったと言葉を続ける。

「お互いのお祖父様同士が、親友だったとか。いろんな話は、イックのバックアップデータがルナランドにあったから、分かったんだけど、それもお祖父様がパスワードかけてたから誰にも知られてなかったんだよね」

「オレ様のコードでやっと開封できたんで、コトと次第が分かったって訳だ。けど、一旦初期化されて、ロビーと出会ってからの方が長いからな。今更データ貰っても人格的には、前の『イック』は、オレの前世みたいなもんだな」

 そもそも、オレをイックって呼んだのはロビーだし。

「ロビーのじーさんと、ハッチのじーさんは、オレを『ワンナイン』って呼んでたんだぜ? ロビーだけだな、勝手にオレのコト『イック』って呼んで、そんでもって、初期化されて動けなくなってたオレ様に電源入れて起こしたのは」

「あ~~~~~~…! うっすら思い出してきた。そーいや、じーさんの離れに遊びに行くと、なんかいたな。お茶出してくる奴が!」

 けど、今のイックとイメージ違いすぎるから、分からなかったわ。

 からからと笑うロビーにイックが、びしいと言い放つ。

「おめーが手がかかるからだ! ガキの頃から、やんちゃで、てきとーで、怖いもの知らずで。せっかく勉強できる癖に、大学も行かねーで家出してから、オレ様がどれだけ…」

「へいへい。俺がなんだかんだで、生きてこれたのは、イックがナガヤボイジャーの家の管理と俺の生活費管理とかしてくれてたからってのは分かってるって」

「感謝が足りねえんだよ! つか、少しは、その騙される癖、なんとかしろ!」

「いや、だって今回はヒザクリガーブームが終わったから…」

 

『それ自体が嘘だって、なんで気づかないんだろう…?』

 

 実のところ、イックの執筆した「地球を救った男達」が全銀河を席巻するベストセラーになったこともあり、ヒザクリガーブームは、確かに、地球では少し落ち着いてきたものの、今は全銀河へと大展開しまくりの坊主丸儲け状態なのである。

『なのに、どうせ…』

 もうブームが終わったから、残った投資分の負債との相殺とかなんとか言いくるめられて、ロビーは、版権放棄のサインさせたりする悪徳業者に引っかかったに違いない。

『ロビーだからなあ…』

 と、ハッチもイックも思ったが、どうせ言っても無駄なので、取りあえずそれについては、二人でため息だけで終わらせた。

「ま、それより、ハッチ! お前若いのに、もう結婚すんのか。で、せっかくなら自分で選びたい? まあ、旅の間に運命の出会いでもありゃいいけどな。なくても、いろいろな女の子と『おつきあい』程度は指南してやるから、お妃様選びの参考にしな」

「…それについては…本当に頼りにしてる。今まで、交際とか考えたこともなかったから」

「ってか、女の子と一緒にいると楽しいっ! とか感じたこともねーんだろ。ま、いい! 俺が、各プラネッツのキャバクラとか一緒に行ってやるから! あ、もちろん経費はお前もちでな!」

「今回ばかりはあてにしてるよ。あ、ルナガードに捕捉されると困るから、今回はあらかじめキャッシュを用意してるから、ロビーもそっちで決済してよね」

「俺のスマブレは、どーせ止まってるけど…ん? 俺の?」

 文無しの俺の決済って? どこに、んな金が?

 との問いに、やれやれとハッチが答える。

「そ、ロビーの分の財産のことだよ。イックが、ルナランドで執筆した『地球を救った男達』とか、他にも、オレとロビーのイセカンダルでのあれこれが今絶賛ベストセラーでさ。で、その印税関係や版権からの収入分については、全部イックが管理できるようにしといたから」

 だから、厳密にはロビーは文無しじゃなんだよ。とのハッチにロビーは盛大に噛みついた。

「はあ? なんだよそれ! んなもんがあるなら、最初っから、主人である俺に、直接入るようにしてくれりゃ…」

 泊まるところもなくうろつくこともなかったのにぃいいい! と、叫ぶ主に対し、ウサギ型サポートロボットは、実にぴしゃりと言い放った。

「この大馬鹿っ! そしたら、今頃もっと、すってんてんだろが! オレ様は、お前がオレを起動させたガキの頃から、お前のこづかい管理権限持ってるんだ!」

「…だから、俺がもろもろ投資に失敗したり、怪我しても保険が下りなかったりしても、なんだかんだで入院費とかなんとかなってたのか?」

「今頃気づいたのかよ。まったく…これだから」

 世話の焼ける…と、ぶつぶつ言いながらも、イックの耳がゆらゆらと楽しげに揺れているのをハッチは、含み笑いで見つめる。

『結局、イックもロビーのことをナガヤボイジャーで面倒見たいんだよね』

 純朴なキャベツ畑農業から、祖父のヒザクリガーの原画などを宇宙のアニメオタクに渡して突然成金になった両親とは、どうにも反りが合わず飛び出したというロビー。

 イックはいつも、そんなロビーに対して辛口だが、付き合い良く家出もすれば、面倒も見る。実際には、ロビーを育てたのも守ってきたのもイックのようなものである。

 一攫千金とか言いつつ、金に対してまったくもって卑しくない。

 それどころか、厄払いにと行ったイセカンダルで、希少石であり幸福を運んでくれるというアカフクリスタルの原石を、あっさりと、ハッチに『まあ…なんだ、旅の証だ…』とか、照れながら贈ってくれる気前の良さ。

『こんな風に、いっつも明るいのは…』

 自分の祖父が宇宙人とのファーストコンタクトをしたせいで、打ち切りになろうが楽しげに笑っていたという『悲運のアニメ監督』と言われた祖父のユマ・ヤージに似ているのかもしれないと、ハッチは思う。

『明るくて…いつだって、前向きで…』

 何があっても、恨んだりしない。危険なことも、大変なことすらも笑い話にしてしまう陽気なロビー。

 きっと、祖父もそんなロビーとよく似ていたであろうロビーの祖父に、ずっと惹かれていたに違いない。自分と同じように。

『ん…? あれ?』

 何か、また胸の中がざわっとした。でも、次には消えてしまっていたから、ハッチは特に気にせず話を続けた。

「要は、ロビーが支払う時のキャッシュも用意してあるってこと。ただし、ロビーはイックから貰うことになるけど」

「なんじゃそりゃ! 子供の小遣いかよ!」

 まあ、いいけど。

 ぶつぶつ言いながらも、可愛い女の子が集まりそうな宿場プラネッツは、あそことあそこと~~とか、イックに行先を指示しては『ほんと~~~に、お前はねーちゃんについてだけは熱心だな』と呆れられているロビー。

 それでも、ロビーとの旅はやっぱり楽しいとハッチは思う。

「色々あって、それから国王様になりゃいいんじゃねえの?」

 そんなことを言ってくれたのは、ロビーだけだったから。

 

 だが、そうして始まった新しい幸せを掴む旅は、思いの他、上手くは行かなかった。

「おい、ハッチ! お前さあ…」

 キャバクラで会話を楽しもうとロビーに言われても、つい、つまんないと素直に言ってしまって白けさせてしまったり、観光に来ている他の地球人の女の子に『あれ? なんか、地球を救った英雄の…そうだ! RobiHachiの本の写真の人に似てない???』とか言われて、『え? 俺はもっと良い男だと思うけどな~~』とか言うロビーに妙にむかついて、女の子から引きはがしてしまったり。

 どうにも、ロビーが推奨する「まずは女の子と普通に楽しく会話するとこからしろや」ということが出来ないのだ。

「なんでだろう…」

「こっちが聞きたいぜ」

 お前、本気で女の子とのお付き合いの練習したいのかよ!

 あまりに上手くいかないので、ロビーが頭を抱える始末である。

「これだから、箱入りの王子様って奴は…」

 まったく、どうしたもんだかねえ。

 言われても困る。ハッチだって分からないのだ。

『生まれて初めて家出して…ヤンズ・ファイナンスでバイトし始めた時だって、別に、楽しいとは思わなかった。でも、ロビーに会った瞬間には、確かに、どきっとしたんだ。そういう出会いが…ロビーにときめいたみたいなものが…他の人にもあればいいのに』

 だが、そんな自分の考えを、思わず自分で否定する。

『無理だよね。ロビーみたいな人の方が稀有なんだ』

 何があっても前向きで。明るくて。何も持っていないようでありながら、奇妙に本質を分かっていて、誰をも魅了する青い瞳には、皆がいつの間にか惹かれていて…。

『あ、れ?』

 また、奇妙な考えが胸によぎった。何で? と思う。どうして、ロビーのことを考えると、妃のことを考えるより、ずっとどきどきしたり、こんな風に胸の奥がざわついたりするんだろう?

 それは多分普通の思春期を経てきた者なら誰もが理解できる感覚。

 しかし、ハッチには分からなかった。

 ただ、このままではダメだと思い、思い切ってロビーに次の行先を提案する。

「あのさ、惑星イズモンダルっていう星が、縁結びで有名なんだけど…」

「は? 俺が、冥王星を恋愛スポットにして観光の呼び物にしろって言ったのと同じ路線の星が他にあるのか?」

「違うよ! そうじゃなくて、古来から厳粛な結婚を執り行うことで有名な惑星で、惑星が異なるからとか、親が許してくれないからとかいう理由で自分の星での結婚が認められないようなカップルも、イズモンダルで正式に認められたら、全銀河連邦で『夫婦』になれるっていう星なんだ。そんなこともあって、新しい縁を求めて…とか、良縁祈願とか、色々な人たちが集まるんで有名な星なんだよ」

「へえ? そりゃまた。まあ、結構遠そうだが、今のナガヤボイジャー2号のワープ能力なら、割と簡単に行けそうだな。どうだ? イック」

 問えば、サポート万能の小柄なウサギは、ひょいと手を挙げ当たり前だと答えを返す。

「前のナガヤボイジャーより数段エンジン性能が違うからな。もろもろ最新式だし、ワープ航路の継続も燃費も違う。難しくはねえな」

「じゃ、決まりだ!」

 次の目的は、イズモンダルだ!

 あっけらかんとそう言ったのは、ナガヤボイジャーの所有者登録がされているロビー本人である。

 

 そして、これがロビー最大の不運を呼び込むのであった。

 本人も、関係者も誰も知らぬそのうちに。

 

◆◆◆

 

 一方、ヤンの黄金のシャチホコ型の宇宙船もまた、一路、イズモンダルを目指していた。

「ヤンさん、なんでイズモンダルなんすか?」

 不思議そうに聞く配下二人に、ああ、それか…と鷹揚にヤンは答える。

「位置を捕捉されたくなければ、キャッシュ払いのみにすればいい。だが、女好きのロビーのことだ。嫁選びに嫌気が差したハッチを連れて、自分の欲求を満足させたいなら、『縁結び祈願』のイズモンダルを、早晩目指すに決まっている」

「そんなもんすか?」

「まあ、私の勘でもあるがな。それと…」

 ただ、その勘はあまりいいものではない自覚はある。

 惑星イズモンダルは、どんな結婚も合法にしてしまう。そんな星に、あの二人が行ったらどうなるか?

『アッカサッカで…』 

 永遠に幸せが続くカップルになれるという鐘があった惑星。

 そのアッカサッカで、自分が追いかけたロビーは、どうしてだか、ハッチと二人でその『永遠のカップルである』ことの証となるジンクスの鐘を鳴らしてしまった。

 そう、自分とではなく、何故かあの王子と…である。

 ロビーは女好きだし、ハッチ王子も後継者問題があるから、ロビーを恋愛的意味で好いていたとは思わない。

 だが、それは『あの時点まで』の話である。

 縁談について、王子の公務だというのにハッチは拒んでいたという。

 それは何故か?

 考えたくない思惟がヤンの胸をよぎる。

『よもや…な』

 救いは、少なくともロビーの女好きからして、アッカサッカの鐘がどうであろうと、妙なことにはならないだろうと思えることだ。

 しかし、自分がこれだけ焦がれるロビーの魅力だ。

 アッカサッカの時には、まだ子供だった未成年の王子だ。だから、あの当時には、そうした感情には、まだ無頓着だっただけであったとも考えられる。

『…だが…子供の成長は早い…』

 あの時とは事情が変わってきている。

既に立太子し、成婚の話も出ている。

そんな今は、異なる感情が生まれている可能性は…否定できない。

 それはないと振り払おうとした。だがどうしても、ヤンは、嫌な予感を拭えなかった。だからこそ命じたのだ。

「イズモンダルへ、全速前進!」

 

 よもや、それがまたしても、最悪な事態を招くなどとは予想だに出来ぬままに。

 

 結局、あっちこっち「女の子との交際練習」とか、キャバクラだのと寄り道していたロビーとハッチより、イズモンダルへ着いたのは、ヤンの方が早かった。

 だから、ナガヤボイジャー号らしき船が着陸した情報を察知すると、直ぐにヤンは二人を追った。

「待っていたぞ、ロビー!」

「げっ! なんで、ヤンがっ!?」

 仰天しつつ思わずハッチとイックと共に、逃げ出してしまったのは、イセカンダルへの旅路で、散々に追いかけられた条件反射というものだった。

「おいっ! ロビー待て!」

「待てって言われて待つ馬鹿がいるかよっ!」

 とは言え、人ごみに、カップルだらけのイズモンダル。

 逃げるとしても、さてどうするか…。

「ねえ、ロビー! あの洞窟みたいな入口はっ!」

「ん? なんか知らねえが、地下に潜って逃げるのはいい手段だ! 行くぞ、ハッチ、イック!」

 思いっきり、飛び込んだ先は…謎のベルトコンベアー。

「は?」

 どこへ行くんだこれ…?

 地下をどんどん運ばれて…そうして着いた先にあったのは…。「えっと?」

「祭壇? ぽいような???」

 はて? と首を傾げている二人とイックに対し、わらわらと寄ってくるのは、巫女装束の係員。

「駄目ですよ、横入りは」

「順番に受け付けているんですから。…まあ、受付番号を取らないでこうして飛び込む方もいらっしゃるので、我々も対応しているのですが」

「は? 何を?」

 質問に答えはなく、地球でいう、昔の古代日本の巫女装束に似たイズモンダル人達は、さっさと二人にあれこれと着せ掛け、ついでに付添い人としてイックについても衣装を整える。

「じゃあ、飛び入りですけど、そのまま進んで、ご自身のIDを入れてくださいね」

「…なんかのアトラクションの順番待ちに、横入りしたっぽいな、こりゃ…」

 思えば、イズモンダルには「模擬結婚式場」だの「体験型結婚式イベント」のいろんなものがあった。

 どれもカップルが列を作っていたから、それの一つだろうとロビーは理解した。

 

「つか、男同士でも気にしないって、何を考えているんだか」 

 そこだけは疑問があったが、言われるままにIDの入力やら、地球では廃れたという「三三九度のお神酒」の振る舞いのようなものまで、あれこれ体験する羽目になった。

 

『けどな…』

 それでも、あの時…と、イックは思う。

 ロビーはアトラクションと理解していた。けれど、少なくとも、自分だけは疑念を持つべきだった。

 

「そうすれば!」

 ロビーの運の無さを、少しでも回避してやれたのに!

 後にイックは述懐する。

「変だと思ったんだ! おかしいと思ったんだ! そもそも、ロビーの運の悪さを考えてなかった! オレ様がついていながらっ!」

 よよよと、泣いたというのは後日談。

 

 そんな未来はいざ知らず。

 

 あれこれと食事やら、風呂やら勧められるがままに進行していき、最後にロビーとハッチが通されたのは、思いっきり新婚さん用のハート枕つきダブルベッドの寝室だったのである。

「…? はあ?」

 いつの間にかイックとは別々にさせられてるし、なんのこっちゃと思っていたら、素っ頓狂な声が隣で上がる。

「ロビー! オレ達、結婚してる!」

「は?」

「スマブレで…自分のID確認してみたんだ! ロビーも確認してよ、オレの配偶者…ロビー・ヤージってなってるんだけど」

 言われ、普段めったに使わない自分のスマートブレスレットに内蔵しているIDコードを呼び出すと…

「おい…このプリンセス・オブ・ルナランドってなんだよ! つか、オレの本籍まで、地球から月に変わってるんだが!?」

「…そっか…イズモンダルでは、どんな結婚も認められるから」

「あっさり、認められたってか? いや、ちょっと待て!」

 お前、月で妃決める予定は!?

 だが、慌てるロビーに対して、奇妙にハッチの方は落ち着いていた。

「ねえ、ロビー?」

「な、なんだよ…」

 広いベッドの上で、さっきの一連の支度ですっかり入浴まで済まされて、バスローブだけでのこの状況。

 焦るロビーを尻目に、じりじりとハッチはにじり寄る。

「オレ…今頃気が付いたんだけど…」

「待て! お前、多分なんか勘違いだから!」

「何も言ってないよ? それにこんな大事なこと、勘違いなんかしない」

「いや…あのさ…だったら、なんでのしかかってくるわけ?」

 特殊訓練で体術にも長けたハッチの手にかかれば、ロビーの細い腰など簡単に抱きすくめられてしまう。

「オレ…何で、ずっとどんな可愛い女の子にもときめかないのか不思議だった…」

「それは、お前の理想が高いからとかだろっ!」

「そうじゃない。オレ…自分の縁談に直面した時…同じぐらい、もしかしてロビーも誰かとそのうちに結婚とかするのかな? って考えるのも嫌だっただけなんだ。だから…ロビーが紹介してくれた女の子たちとロビーが楽しく話しているだけで、なんかムカムカして…。自分の妃って…自分の伴侶だよね? ねえ、ロビー?」

「待て待て! お前は、今異常な状態で判断力がおかしくなってるんだ! ちょっと待て!」

「オレは正常だよ。普通に、妃を娶るつもりだったしね。でも、一番惹かれたのは…オレが…自分で好きだって思ったのは…」

「ちっがーうっ! それ勘違いだからっ!」

「ロビー…大事にする。一生、大事にするから」

「うわぁああああああっ!!!」

 

やめろおおおおおおっ! 

 

との叫びが、いつの間にか甘い喘ぎになってしまったのは、どんな手練手管だったのだか。

「ハッ…チ…、お前…」

「ん…ロビー…可愛い…」

 都合よくもバスローブ一枚なのだから、さっさと脱がせるのも簡単なら、押し倒してキスするのも、乳首を弄るのも、股間に脚を割り入れるのも、至極容易。

「ロビーが…こんなに素敵だったなんて…」

「ちょっ…、ばっ…か、や、…んっ」

「うん…痛くならないように、ちゃんと…ローションもある。気持ち良くなろうね…二人で…」

「いや、いや、そういう意味で気持ち良くなってもだな! っ!」

「やだなあ…もう。こんなに勃って…」

 ちろちろとハッチの舌があちこち触れる度に、頭の何かがショートする。手で触れられた先から、痺れが走る。

「あ…、指なら入る…」

「わっ!」

 本来排泄器官のはずのそこに、ハッチの綺麗な細い指が入っていく。

「あったかい…柔らかい…そっか…結婚て…」

「うわっ! 何してっ! そ、んな…」

「気持ちいい? うん、ロビー気持ちよさそうだよね…」

「ちっが~~~っ! いや、つか、こらあああっ! 弄るなっ! 俺が、俺でなくなるっ! おかしくなるっ!」

「うん、そんなに感じてくれるなんて…感動だよ…」

「ちがっ! あ…」

 その瞬間、一際大きな何かが、自分の中へと侵入する衝撃に、思わずロビーは息を呑む。

「ハッチ…おま…」

「ロビー、お願い…息を…もっと楽に…ね?」

 軽く口づけを繰り返され、いつの間にやら身体は完全に組み敷かれ。

それどころか思うがままに、全身まさぐられ、四肢をほどかれて呼び起される意思とは異なる快楽の渦に、もはや、抵抗などできるわけもない。

「も、う…好きにしやがれっ! このエロガキっ!」

「褒め言葉と思っておくよ。ロビー…」

 僕の大切な…たった一人の王太子妃。そして、未来の月の王妃。

「こんな…気持ちいいコトだったんだね、結婚て…」

 その言葉は、既にロビーに届くはずもなく。

 そうして、思いっきり新婚さんタイムが終わるまで、ハッチのロビーへの愛撫は続いたのだった。

 それこそ、イズモンダル式に、三日三晩。

 

 だが、その後が最悪だった。

 

「俺は承知した覚えはないっ!」

「え? ロビー? 好きにしろって言ったよ?」

「覚えてるか、そんなもんっ! つか、あれ絶対なんか薬入ってただろ!」

「ああ…初めての男性用には、少しの媚薬と快楽を促進するローションだったみたいだけど。それでも、三日三晩、好きだって言い続けたら、もう好きにしろって言ったよ?」

「…薬で正気じゃなかったら、誰でもそう言うわっ! つか、俺の童貞とバックバージン! 両方、お前に奪われるとは思わなかったぞ。どーいうコトだよ、お前っ!」

「え? ロビー??? あんなに女の人と遊ぶの好きなのに?」

 その時、すぱこーんと、ハッチの頭を叩いたのは、激怒に震えるウサギであった。

「やっと…やっと、イズモンダル政府に交渉して扉を開けてもらったら! 何してくれたんだ、この下種野郎っ!」

 ばしばしばしと、イックからの連打は続く。

「え? どういうこと? それ?」

 未だ、きょとんとしているハッチの傍らで、ロビーは完全に突っ伏している。

 そして、イックと一緒に乗り込んできたヤンもまた、茫然自失の体であった。

「お前…私のロビーに…」

「は? ロビーはオレの妻だよ? もうルナランドの正式な王太子妃にも登録されてるから」

「ばかハッチ! そんなわけの分からん結婚、ロビーが承知する訳ないだろうおおおおおおっ!」

 びしいっ! とロボット特有の手が、ハッチの頭上で炸裂する。

「いいかっ! ロビーはな! オレが子供の頃から知ってるロビーはなっ! モテる癖に、おねーちゃん好きな癖に、健全にUFOキャッチャーするぐらいの遊びしかしない奴なんだ! 今まで、深い仲になった女も男も一人もいない清い身体だったんだ! そんな…そんな、貴重なロビーの純潔を食い散らしやがって! この下種エロ野郎がああああ!」

 びしびしびし、とイックが飛び上がっては、未だベッドで裸のままのハッチの頭を叩きまくる。

「オレの…オレの…オレが育てたロビーの純潔が…」

 泣き始めるイックの声に、ゆらりと、シーツにくるまったまま、くぐもった声が届く。

「イック…いいぜ、もう…」

「ロビーっ! 気づいたのか! 意識あんのか! こんな結婚無効だ! つか、強姦だ! さっさと離婚して、いや、無効だって訴えて慰謝料ぶんどって!」

「いや…だからさ…もう、いいわ…」

 もそもそと、上半身を持ち上げるロビーの身体は、見える範囲だけでくまなくキスマークだらけ。

『どんだけ食いまくったんだよ、この下種野郎!』

 と、イックが、ぎっとハッチを睨みつけているのを尻目に、ベッドに埋もれたままロビーは問う。

「なあ、ハッチ?」

「…な、に?」

 夢中だった時はともかく、白日の下でイックやらヤンやらの前で、断罪されてると強気も引っ込んでしまう。

『まさか、ロビーは…』

 ロビー…嫌だったとか?

『なら、無効とか…え? まさか? 嘘だよね、せっかくあんなに幸せだったのに!』

 それが自分だけの勘違いだったのか? そうだったのか? イックとヤンからの冷たい視線の下、絶望にも似た感情に支配されたその時。

 聞こえた言葉は、あまりに意外なものだった。

「この馬鹿…」

 ぼそりとした声。だが、決して嫌がってはいない声。嫌悪しているなら、もっと違う。もっと…侮蔑に満ちて…。

「ロビー?」

 おそるおそる尋ねるハッチに対し、ロビーは、盛大なため息と共に、しょうがねえなあと苦笑いする。

「お前な、男相手に強姦してどうすんだよ? ってな問題は置いといてだな」

「置いといていいもんじゃねーだろが、ロビー!」

 かんかんなイックに、まあまあと、いつもの穏やかで不思議な色合いの青い瞳でロビーは真っ直ぐにハッチを見つめる。

「お前は月の次期国王なんだろう?」

「うん…」

「その相手が、俺でいいのか?」

「それは…」

「世継ぎとかどーすんのさ」

 問われて、考えてもなさそうだった風情に呆れた風に、ロビーは思いっきり嘆息する。

「まあ、月の技術なら、お前のクローンを世継ぎにすることでも何でもできそうだけどな。けど、俺を伴侶にしたいんなら、条件がある」

「え?」

 てっきり、もうお前なんか顔も見たくないと嫌われることも覚悟していたのに、条件? それって?

「それ…オレの…伴侶OKってこと?」

「待て、ロビー! 早まるな!」

 慌てて言葉を遮ったのは、それまで茫然自失で声もなかったヤンである。

「一回、襲われたからといって結婚する義務などない! それなら、私と…!」

「いや、ヤン…。これもなんかの縁つーの?」

 俺は、特に誰かと結婚したいとか考えちゃいなかったが、こいつは、誰かと結婚しなきゃなんねーんだろ?

「俺でいいなら、俺がお前の伴侶になってやるよ。ただな、世継ぎをお前みたいな遺伝子操作で『作る』のは反対だ」

「でも…それだと…」

 男同士だよ?

 地球人の同性カップルの場合、自然には、子供は授からない。

 そんなハッチの頭を、軽くぺしっと叩き、ロビーは掠れた声で条件を出す。

「ハママⅡでは、全員男だったが子供は生まれてた。あれは、惑星の力なのか、人種の問題かしらねーけど、どっちにしても、そういう例を参考にして研究も進んでいるんだろうし、今の科学技術なら、俺の染色体を少し弄れば、妊娠できる身体へ変化させることぐらいできるんじゃねえの?」

 特に、ルナランドは宇宙からのあらゆる科学技術が揃ってるしな。

「俺は…親とは合わなかったけど、じーさんがいたから少しは『家族』ってのを知ってる。イックもいたしな。けど、お前は、このままじゃ公務で子孫作るだけで終わりそうじゃねえか」

「それは…だって…オレは、月の国王にならなきゃならないから」

「だから! 俺が子供を産めるように、女の身体にでも何でも変わってやるよ! それぐらいできるだろ! それとも、男の俺じゃなきゃ、お前は伴侶にはしたくねーのか?」

 言われたハッチが感極まって、

「そんなことあるもんか、ロビーが好きなんだ! ロビーだけが好きなんだっ!」 

 と、イックとヤンの前で叫びまくったのは、当事者だけが知る今となっては恥ずかしい限りの話である。

 

 そして、これでヤンの敗北は…確定したのである。

『いや、そもそも…』

 結局、私のしたことは。

 

 後々まで、ヤンは思う。

 アッカサッカの鐘もそうだった。イセカンダルでもそうだった。

 いつも、自分が追いかける度に、なぜかロビーとハッチの距離が近くなり、縁が深くなるのである。

『私の手には…届かぬ花だったか…―--』

 出会った時から、心が惹かれた。

 今までに無い感情に戸惑った。

 だが、大人で年長で大企業の社長である自分が、なりふり構わず恋焦がれているなど、最初は認めることすら出来なかった。

 借金で縛って、自分のものにしてしまおう。そういう、単なる欲だけだと思うことで、むしろ納得すらさせていた。

 

だからこそ、逆に…言えなかったのだ。

 ハッチのように、「好きだ」と、素直に吐露することが叶わなかったのだ。

 

「あ~あ、泣くなよ、ハッチもイックも…。いーじゃん。イズモンダルで結婚しました~~って、お前の結婚を待ってる、じいやに報告してやれば?」

 お前が自分の意思で決めたんだ。胸張れよ。

「ただな、次からは、ちゃんと俺の同意とってからにしろよ! 無理に迫るとか、媚薬使うとかはナシだからなっ」

 俺は、お前の子孫を産んでやる大事な存在なんだから、ありがたく思いやがれ!

 えへん、と胸を張る様は、もうロボットのイックからすると、ただただ、

『なんでだ!』

と嘆くしかなかったという。

 それでも、もともと、ロビーの血統は、ルナランド建国の始祖の親友の孫。

ロビーが性別変更しても構わないとまで言ったことは、むしろ月の王国では大層感動して受け入れられた。

 もちろん、英雄ロビー・ヤージが女になって、もう一人の英雄ハッチ・キタの「月の王国の嫁」になったとか知られるとスキャンダルの嵐になりそうなので、ハッチの結婚相手や、その後の王子や王女の誕生については、色々と極秘扱いになった。

 だが、それらすらも、全ては

『月の王子の妃があまりに美しすぎるかららしい』

との真しやかな噂で、かき消された。

 

◆◆◆

 

 そうして、それから何年もすぎ…。

 

今は、ルナランドに本社を移し、そして、王宮の警備や財政面の顧問まで務めるようになったヤンの周りでは、聡明そうな瞳の高貴な幼子たちが笑いさざめく光景が、しょっちゅう見られるようになっていた。

「ねえ、ヤン?」

「なんでしょう? 殿下」

 小さいながらも、流石は天才児の血統というべきか。

まだ三歳にして、達者に話す。

「母上には、どうしてお会いできないの?」

「それは…」

 ロビーが女性の身体へ変化した後の懐妊が早すぎたのが端緒だとは、とてもではないが、この王子には言えない。

 言えば、自分のせいで母が弱ったのだと、きっと己を責めるだろう。

 なので、ヤンは言葉を選んで幼い公子に優しく答える。

「母君は、今は殿下の弟君か妹君を、無事にご出産されるため、色々とお大事にしなければならないお身体なのですよ」

「そうなんだ…。弟でも妹でも兄弟が増えるのは嬉しいけど、母上のお顔が見られないのは…寂しいな…」

 しゅんとする面差しは、どこかロビーに似ている。

 そんな幼い王子や、まだ小さな姫君を傍らに、ヤンは忙しい合間を縫っては、こうして「母親不在」の寂しさを補おうと心を砕く。

 そのせいもあって、ルナランドの幼子らが、皆「ヤン」に懐きまくり、公務で多忙なハッチとヤンとでは、どちらが果たして「父親」の役割を果たしているのやら? な事態になるのは、もう少し先の話。

 

 今現在、実はロビーはそれどころではなかったのだ。

 確かに、ハッチの子を産んでやると言った。

 言ったが、まさか連続出産になるとは思ってもいなかった。

 そして、それは医師団も、イックでさえも当然思っていなかった。

「だって…ロビーが気持ち良すぎるから…」

 男の頃も、女になってからも、妊娠してからも、最早、ルナランド医師団から

『王子は鬼畜ですか! 野獣ですか!』

と説教されるまで呆れられているハッチ王太子。

「ごめん…ロビー、ごめんっ!」

 いくらなんでも、立て続けに四人目となったある日、貧血か?と思った瞬間のブラックアウト。

 その場に、ヤンがいて抱き留めていなかったら、それこそどうなっていたことやら。

 多産が続いた故の体調の悪化。そして、妊娠中毒の一種も加わり、一時は、意識混濁にまで陥ったのである。

 慌てた医師団の必死の看護で、やっと意識が戻ったものの、当然の如く、医師団とイックとヤンに散々に責められたハッチは、現在公務もどこへやらで、泣きながらロビーの枕元につききりである。

「ごめん…ごめんね、ロビー」

「ああ、もういいって。つか、もうイック! お前まで泣くなよ。感情豊かなロボットだなあ」

「泣くわっ! オレは、お前がこんな不幸な死に方をするようなら、あのイズモンダルでもっと徹底的に止めておけば良かったと思ったぞ! いや、今だって思ってるぞ!」

「ま、そういうなよ、生きてるし。今までだって、俺の人生、危機一髪だらけだったじゃねえか」

「この馬鹿っ! バカ! お人好しにも程があるだろうがっ! おねーちゃん達に巻き上げられたのは金だけかもしれねーが、こいつにはお前、命取られるとこだったんだぞ!」

「悪気があったわけでなし…」

 へらへらと笑うロビーにつける薬はどこにもない。

 

 よって、イックとヤンは「妻を不幸にした男たちリスト」をピックアップした上、「妻に溺れすぎて、出産させすぎて死なせた馬鹿な王(最大は、タージマハールを作った、大馬鹿な王)の悲劇物語」他、色々な惨劇を最大限強調した教育プログラムを合作して作成し、そしてハッチに見せて恐怖のどん底へ突き落すということまで強行した。

 それでも、結局ロビーがハッチを甘やかすものだから、子供たちの相手はいつの間にやら、どうしてもヤンの比率が高くなり、そして…月日が流れていった、ある日のこと。

 

「ねえ、ヤン?」

 最初の王子は、実にさらりとヤンへと言った。

「僕は…母上が幸せになるなら、ヤンが母上と再婚してもいいと思っているからね」

「は?」

 藪から棒に何を…との問いに、ロビー似の青い瞳の王子は、きっぱりと言う。

「だって、僕たちを産んでくださった母上には、一番、幸せになってもらいたいから!」

 だからと言って、父親を差し置いて別の男に母親との再婚を勧めるものだろうか? 

「だって、ヤンならきっと、誰よりも…父上よりも、ずっとずっと、母上を大切にしてくれるでしょう?」

 子供とは恐ろしいな、と思いつつも淡くほろ苦くヤンは微笑む。

「光栄です、殿下」

 ちなみに、この話を聞いたハッチが、

『冗談じゃないっ! 何があろうと、オレは死なないし、離婚もしないし、ロビーは永遠にオレのなんだから!』

 と、狭量極まりないことを言ったものだから、余計に子供たちからは、ヤンの評価が上がってしまったのは、致し方あるまい。

 だが、それでもヤンは、今はそれ以上は望んでいない。

 ロビーが、ハッチを伴侶としている人生を悔やんでいるわけでない以上、その幸せを壊すつもりはないのだ。

『だが、そうだな…』

 

 もしも? など考えるだけ無駄だろうが。

 それでも、もしも、ロビーが不幸になるようなことがあったなら。

 

「その時こそは、私は私の想いを伝えよう」

 

 今はまだ、おそらくロビーには重荷になるだけのこの想いを。

 出会えただけでも奇跡だと…。

この運命に感謝しているとの、想いのたけを。

 

 

『これでも、諦めたわけでないのでね』

 

ずっとずっと、待っている。

そんな時が来る夢を――――。

 

ロビーの子らをあやしながら、抱いている。

 ずっとずっと、抱いている。

 

最愛の想い人への熱情を。

 

 

(終わり)

 




いかがでしたでしょうか?

ヤンロビ至上の方には、ちょっと・・・だったかなと思いますので、当時の「ヤンロビが大好きな相方の桜さんの苦悩」と「しかし、ハチロビルートしか見えないのよおお!」と騒いでいた頃の「本」として発行した当時の前記を以下、おまけにつけておきます。

【イラスト及びマンガ担当:あづま桜】エンディングのヤンさん最高ッス

東海道中膝栗毛をベースにしたアニメ、RobiHachiを大笑いしながら見ていた
あづま桜です。
あんまりにも楽しかったので、この突発本発行と相成りました。

最終回ラストがあれですから、その後は
ハッチ×ロビー になるのよねっと
  
ヤン→ロビ は第1話から公式。
最後、失恋の痛手に新たなロビー似の男にふらっと来ていたヤンさんですが、どうせすぐロビーに戻るはず!
さあ、イズモンダルまで追いかけっこだ!!
・・・しかし、ヤンさんが恋のさや当てに勝つ未来が見えません(T_T) どうしても、ハッチが上手い事ロビーを手に入れるルートしか・・・
やっぱりハッチが王子だから?ハーレクインの王道のロイヤルだからなの!?
うっうっうっ・・・・・・キャラとしてはヤンさんが一番好みなのに!!!(>_<)
誰かヤン×ロビを私に下さ~~い!!!


【字書き担当:はりもぐら(=ハーメルンでの執筆者)】ヤンロビご所望と言われても…

あれ?
桜さん??? クグラ様はどこ??
・・・皆様すみません、今回は突発本です。
何故か「RobiHachi」本で、公式様が
「次はイズモンダル」とおっしゃっているので、「あらまあ。出雲大社でご成婚?」
とか思っておりました「なんとなくの、その後話」でございます。

ちなみに、相方の桜さんが当初からヤンさんが素敵!!と、目をキラキラさせて、ヤンさん応援団となっていたのは百も承知なのですが、「ヤンロビ~~~~!!!」と叫ばれても、どんなに考えても、あの公式様から考えられるのは、ロビーがハッチ王子の嫁にされる未来というか…。健全路線で考えても、ハッチがあの後、月の国王になるとして、その時の後継者のために誰かを妃にするということも考えにくく、更には、科学技術が相当発達しているあの世界観なら、ハママⅡみたく「惑星の人類が全員男性でも、子孫が残せる」のも公式様ですし。なので、ごめん。ハッチ×ロビーですわ・・・ヤンさん、ごめんね・・


-------

とか、書いて発行したわけですが、その後も「ヤンロビ・・・・」と相方が泣くので、あれこれ考えた末、ふと閃いたのが「銀河道中」シリーズになるわけです。

本当は、銀河道中自体2週間に1話ぐらいのペースで、とっとと1年以内には完結する予定が、本人がコロナ禍ストレスでぶっ倒れるとかいろいろあり、執筆が止まってしまっていたのですが、自分で書いておいてなんですが、ふと、自分の作品を読み返してみたら「やっぱり面白いなあ」とか、個人的に思うことのできる幸せ者です。

そんな、手前味噌というか手前勝手なものですが、なんらかの幸せのおすそ分けになれば、いいなあと願いつつ。

あ! ちなみに、RobiHachi最終回のエンディングにちょこっとだけ(数秒?)出てきた、芋ようかんを携えて現れた彼は、絶対にヤンさんに惚れて

「ヤンさんっ! 俺では・・・・身代わりにもなりませんか?」と言うだろう(いや、言ったに違いない!)と、今も確信している二子屋本舗の2人です。


【挿絵表示】



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