オグリが心配で、スタッフにさせて貰った。(完結) 作:ハヤモ
でも競馬に詳しくありません。
本来、勉強するべき事が沢山あると思いますし、オグリの正史(原作)も本当は学ぶべきだとは思ってますが……衝動に駆られるまま書いています。
指摘等がありましたら、伝えてくれると幸いです。
非正規厩務員の誕生経緯
小さい時、芦毛の女の子に出会った。
その子はオグリキャップという。
耳が生えて、尻尾がある。
所謂ウマ娘だった。
俺には生えてないけど、驚かない。
この世界じゃ身近な存在だから。
力持ちで脚が速くて、とにかくスゴい女の子なんだと、小さい時から知っていた。
だけどオグリは弱かった。
生まれつき膝が悪くて中々立ち上がれない。
辛そうに……泣いていた。
オグリのお母さん、ホワイトナルビーさんも、辛そうだった。
だけど一生懸命、毎日何時間も膝をマッサージをしていたんだ。
俺も幼心ながら何かしてあげたいと思って、一緒にマッサージを手伝ったり料理や家事に手を出した。
笑って欲しくて、テレビで見た元気になりそうな言葉を意味も分からず口にしてた。
あの時は、そう。 ハツラツだった。
ハツラツ、ハツラツって叫んでた。
うん。 今思い出すと恥ずかしい。
ルビーさんも苦笑していたし。
でもその甲斐あってか。
オグリは段々と歩けるようになった。
俺は嬉しくなってオグリの手を引いて、外に出た。
一緒に歩いて。 次は かけっこ した。
ぎこちなく、ヒトの俺にも追い付けない程だったけれど。
それでも確かに走ったし、なにより笑った。
笑ってくれたんだ。
その時、俺はとっても嬉しくて。
その笑顔を見てたくて、守りたくて。
これからも ずっと一緒にいようと思ったんだ。
ごはん も 作って。 洋服も洗ってあげて。
髪を梳かして。 色々と お世話しようって。
同情は愛情に変わり、恋心へと変貌を遂げていく。
大きくなったら同じ屋根の下で暮らし、彼女に家の留守を頼む時が来るかも知れない。
小さなアパートの一室を借りよう。
専業主夫になるのも良い。
雨が降ったら、傘を届けよう。
子どもが出来たら、どうしよう。
でも2人なら、きっと育てられる。
休日の日は肩を寄せ合い、小さな幸せを噛み締めよう。
そして今。
その想いが大きく揺れる。
脚はすっかり良くなり、他のウマ娘より速いんじゃないかってくらい、健脚になった。
もう俺は背中を追う側だ。 寂しい。
置いてかれて、どこかに行ってしまいそうで。
手を伸ばしても届かない所に行きそうで怖かった。
それと物凄い大食いになった。
……そういやルビーさん、食費が大変だと言っていたのを忘れていた。
下手すると自分の背丈はある飯を平らげている。
その度にボテ腹を見るのだが、女の子としてそれで良いのかと感じる。
あと天然だ。
ちょっとやそっとじゃ動じないと言えば聞こえは良いけど、マイペースだ。
俺の気持ちに気付いてくれている気配がない……寂しい。
アピールはしているつもりだけど。
毎日ご飯を作るとか、家事手伝いをするとか。
このままじゃ、俺はただの良いヒトで終わる。
いけない。 想いを伝えなくちゃ。
灰色のシンデレラに。
でもオグリの事だ。 恋沙汰に疎いだろう。
誰よりも見てきた自負があるからこそ、分かってしまう。
だから告白なんて出来なかった。
怖かったんだ。 断られるのが。
でも諦めきれない。
煮え切らない想いが胸の内にこびり付く。
そうやってズルズルと時間が経ったある日。
なんと、オグリがカサマツトレセン学園に入学する事になった。
……よく分からないが、主に競走ウマ娘を目指す為の場所らしい。
レース。 聞いた事くらいある。
でも、あまり詳しくない。
じーわんとか、だーびーとか?
ありまきねんとか?
オグリも、俺よりは多少知っている風に装っていたが、結局知らなそうだった。
まあ、うん、なんだ。
それを学ぶ場所なんだろう、学舎なんだし。
で、そんなトレセン学園。
全寮制らしい。
つまり入学すると、当分会えない。
俺は足元がぐらついた。
オグリの世話が出来ない。
下手すると会うことが叶わない。
今度は俺が立てなくなりそうだった。
いや、諦めないと誓ったのだ。
俺に出来る事をするんだ。
かつての行動力を再び見せる時が来たんだ。
俺は、どうすればオグリのそばにいられるか考えて、直ぐに行動。
ウマ娘を指導するトレーナーとやらは試験があるだろうから、難しい。
それはなれない。 なろうとしている間にも、オグリは学生を終えてしまう。
その間に男が出来ると考えると、嫉妬で狂いそうになる。
オグリの青春だって、世話したいのだ。
じゃあ、どうするか。
カサマツトレセン学園の門を叩いた。
そして、頭を下げて こう言った。
「俺をスタッフとして雇って下さいッ!」
そうして俺はウマ娘の世話係、清掃、料理、健康管理、他の学園の雑務などを熟すスタッフとしてオグリのそばにいられるようになった。
……養成、専門学校に行ってないけど、なんだかんだ雇ってくれたよ。
地方とはいえ、学園の寛大な処置に歓喜と安堵を覚えつつ、俺、相葉良秣(アイバ リョウマツ)はオグリと様々なウマ娘と絡んでいく事になるのだった。
続くか未定(ドロップキック)。
漫画沿いに行けたら良いなぁ……。
漫画冒頭で、お母さんの名前は出てきません。
でも原作の情報を調べると、恐らくホワイトナルビーです。
また、オグリキャップの幼名はハツラツだったそうです。
生まれた時、立つことが出来ず……無事の成長を祈られたのでしょう。
そして後の芦毛の怪物へ……。