オグリが心配で、スタッフにさせて貰った。(完結)   作:ハヤモ

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コースはダート(砂)の800メートル。

北原さんがランニングしていた時間帯に、オグリがストレッチをしています。
そして漫画にて物置部屋に貼られていたトレーニング表。
全てが写ってないので分かりませんが、参考にすると6時代でしょうか。


第4R「初めてのゲート」

スタッフの朝は早い。

 

全寮制における当厨房は特にヤバい。

 

朝食、昼食、夕食を仕込まねばならない。

 

動かざること秣の山、富嶽珍百景の如し。

 

それも氷山の一角に過ぎない。

 

崩れて生き埋めにされれば、命に関わる群峰は明らかにヒトに対する兵站では無い。

 

では何の為か。

 

ウマ娘の為だ。

 

ほぼヒトと同構造にも関わらず、ウマ娘の莫大なエネルギー変換効率は凄まじく、生み出されるバリキは強大だ。

 

速度は70キロに達し、ウマ娘専用の通行帯が敷設される場所すらある。

嘘か真か知らぬが重量200キロのバーベルを持ち上げる娘もいるという。

 

見た目が華奢な女の子に関わらず。

 

ウマ娘といえばレースと言う者も多い。

 

だが、ヒト同様に繊細な活動をも可能にする事から、医療福祉、介護、建設現場などに置ける機械に任せられないデリケートな場面では重宝される存在に違いない。

 

では、あの畏怖すべき剛腕と豪脚は どこで生み出されるのか。

 

やはり飯だ。 飯のチカラだ。

 

ウマ娘は良く食べる。

 

オグリは異常極まりないが、周りの子を観察する限りは そう考える。

 

ヒトと同様の量を食す娘もいるが、多分違いない。

 

そうしてやっと、全力で駆け抜け輝ける。

 

そんな彼女らを支える厨房。

 

それ故に重要施設であり、生半可な仕事は許されない。

 

ヒトとは比較にならない多忙な調理の連続を熟さねば務まらない。

 

そこに居並ぶ おばちゃん達は間違いなく名バ(名ばあちゃんの略)と断言して良い。

 

 

「米第一号炊けましたァッ!」

 

「ヨォし、その調子でジャンジャン炊きまくれ!」

 

「ナニ ボサッとしているの! キャベツ千切り急いで!」

 

「食材惜しむな、時間を惜しめッ!」

 

 

だが、そんな名バを揃えても敵わない敵がいる。

 

紛れもなくヤツさ。

 

 

「ウマ娘が来るゾォ!」

 

「怪物確認! パターン葦毛、オグリです!」

 

「ヤツだ……ッ! ヤツが来たんだッ!?」

 

 

料理長が顔を青ざめる。

 

くそッ! 早過ぎる!

 

既に朝のトレーニングを終えたのか!?

 

バカな。

 

4時前に起床してトレーニングを始めるオグリ、他の娘より不利極まり無い最後尾になって なんら不思議でないというのに。

 

先行集団をごぼう抜きだと!?

 

差しではない。

 

なんたる追い込み。

 

流石はオグリキャップ。

 

脚力もまた、異次元だ。

 

少し遅れて来る。 その間に時間を稼ぐ。

 

そんな思考はキャロットケーキより甘かったか……ッ!

 

 

「もうダメだ お終いダァ……」

 

 

料理長が項垂れる。

 

ええい! このくらいでしょげるな!

 

 

「料理長! しっかりしてください!」

 

「昨日の惨劇から分からないのか……やはり、あの子の魔の胃袋は……ブラックホールだ。 ナニしても満たされない深淵の闇なのだ。 我々も飲まれる……逃げるんダァ……」

 

 

夢を語った翌日から諦めてどうする。

 

俺は料理長の両肩を叩くように掴んだ。

 

説得するように語る。

 

 

「俺は小さい時からオグリを見てきました。 ヤツの胃袋には胃酸が甘く感じるんじゃねぇかという恐怖を味わわされて来ました」

 

「な、なら私の恐怖が分かる筈だ」

 

「分かります。 ですが、ここで逃げて良い筈がない! 夢を語ってくれたじゃないですか、カサマツのウマ娘達を お腹いっぱいにするのだと!」

 

「ッ!」

 

 

料理長が顔を上げた。

 

涙が浮かんでいるが、その目には確かな光が彩る。

 

俺も追い込みを掛ける。

 

オグリには負けん。

 

 

「俺も諦めなかった! 形は変わりましたが、家事の一通りは低学年の内に取得しました!

大量の料理を作る体力と腕は鍛えられた!

全てオグリから得た生きる知恵!

今度は料理長も学ぶ番なんです!」

 

 

真っ直ぐ瞳を見つめ返す。

 

もう恐怖は霧散した。

 

 

「生き延びましょう。 みんなで!」

 

 

名バと俺は、料理長に勇気を与える笑顔を向けていた。

 

料理長は立ち上がる。

 

 

「そうだ。 そうだな……簡単に夢を諦めたら、それは夢ではないしな」

 

 

涙を拭う。

 

そして、高らかに宣言するように、厨房に声を響かせた!

 

 

「みんな! 手を止めるな! 絶対だ!

抗うぞ! 最後までッ!」

 

「「うおおおおおお!!」」

 

 

士気が上がる。

 

やれやれだ。

 

朝から戦場だ。 ココは。

 

俺もオグリの為、みんなの為に包丁を振るう。

 

俎板を刻む細やかな音が繋がり、最早警報音に成り果てている。

 

だけど誰も諦めていない。

 

輝き続けている。

 

ウマ娘達も、競走中は そうなのかもな。

 

 

「リョウおはよう。 そして おかわり」

 

 

朝からボテ腹輝くオグリキャップ。

 

 

「おはようオグリ」

 

 

キャベツ山盛りを皿に施しつつ、俺は今日も挨拶を交わした。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

我々は生き延びた。

 

結局は昼と夕方を見越し、他のウマ娘が飢える前にシャッターダウンをかましたが。

 

これは敗北か。 否。 始まりなのだ。

 

だとしても、貯蓄を切り詰めてすらオグリを満足させられなかった時が多かった中だ。

 

久し振りに喜ばせられた、そんな気がした。

 

これは俺も嬉しい。

 

そんな仮初めのジョイを噛み締めつつ、俺は外に出た。

 

娑婆に出た際の朝日は眩しく、眼に沁みる。

 

感涙は滂沱となり、俗世は霞んだ。

 

歓喜……ッ! 圧倒的歓喜……ッ!

 

両腕を天に。 挙手。 万歳!

 

暇を貰った俺は、興奮の坩堝のままにコースに向かう。

 

オグリを見る為だ。

 

既にコースには沢山集まっていた。

 

その中にオグリも混ざる。

 

 

そうかぁ……これから走るのか。

 

 

他のウマ娘より速い筈だ。

 

俺はレースを知らないが、走りは見てきた。

 

とはいえ。 絶対は勝負の世界に無い筈。

 

これだけいる。

 

速いウマ娘が他にいる可能性はある。

 

ならレースが見やすい高台から見ようと思い、土手を歩く。

 

すると、4人の人影が見えてきた。

 

トレーナーと呼ばれるヒト達だ。

 

観戦するらしい。

 

ふむ……。

 

向かう事にしよう。

 

俺はトレーナーじゃないが、なにせレースを知らない。

 

だが、彼らは知識を持って観戦する。

 

共に居れば得られる情報があるかもな。

 

というわけで。

 

ウマ娘がゲートインする前に位置に着かなきゃな。

 

会釈しつつ、群れに混ざる。

 

 

「どうも皆さん。 観戦ですか?」

 

「はい。 アナタは?」

 

 

イケメンな男性が応対してくれた。

 

オグリを狙ってたら許さねぇと考えつつ、真摯に対応した。

 

 

「相葉 良秣です。 厨房とか、その他雑務の仕事をしています。 一緒に見ても良いですか?」

 

「どうぞ」

 

 

許しを得て混ざり込む。

 

俺は帽子を被った、若くは無いが歳でもないオッサンの隣に着いた。

 

隣の3人と違い、どっか目に覇気がない。

 

俺に1番近いのに、反応しなかったしな。

 

 

「さて……」

 

 

イケメンが呟く。

 

 

「やはり、フジマサマーチか」

 

 

誰だか知らんが、オグリじゃなくて安心。

 

しかし、俺に反して2人は過敏に反応。

 

 

「え、それ俺のドラフト1位!」

 

 

体育会系なオッサンが言う。

 

野球以外でも使う言葉なのか?

 

 

「えぇーアンタ達も!? やめてよ! あたし入学前から目ぇつけてたんだから!」

 

 

どこかギャルっぽい女が怒る。

 

どうやらフジ……フジ……。

 

フジマチというウマ娘は人気者のようだ。

 

良かった。

 

オグリを取られなきゃ良いや。

 

特にイケメンに。

 

 

「この中に……未来のスターが……」

 

 

隣のオッサンが呟いた。

 

双眼鏡でボンヤリ眺めているが、他のトレーナーと異なり、期待していないようだ。

 

 

「いないだろうなぁ……」

 

 

やはりな。

 

トレーナーにとって、速さだけが全てでは無いと思うけど……何かピンと来るモノがあるのかも知れないな。

 

体格とか、姿勢とか。

 

でもウチのオグリは普通と違う。

 

レースを知らなくても、それは言える。

 

少なくとも健啖家なのは言える。

 

 

「あ、始まりますよ」

 

 

第1走。

 

4バがゲートイン。

 

オグリはいない。

 

だけど、一応見ておこう。

 

 

「はい、位置について よーい スタート」

 

 

やる気あんのか分からない教師……爺さんの声でゲートが開いた刹那。

 

ひとりのウマ娘が誰よりも先に飛び出した。

 

 

「わぉ」

 

 

速い。 速いぞ。 ウマ娘。

 

ヒトには出来ない前傾姿勢。

 

大地を抉り駆けるパワー。

 

立ち向かえない絶対が、そこに存在した。

 

 

「おぉ! スタート上手いな!」

 

 

トレーナー全員が感嘆の声を上げた。

 

 

「フォームも綺麗!」

 

「やっぱり素質ありますよ あの娘!」

 

「これ、カサマツの次期エースでしょ。 ね、ジョーさん」

 

 

イケメンが隣のオッサンに話しかけた。

 

ジョーというらしい。 隣のオッサン。

 

 

「へぇ〜、大したモンだ」

 

 

トレーナーに倣うように、驚いていた。

 

覇気が無いかと思えば、目に光が宿る。

 

スゲェヤツを見て、思わず目が輝いた?

 

 

「タイム50秒8!」

 

 

───おおおおおお!

 

 

教師が言い、明るく喜ぶトレーナー達。

 

我先にと、スカウトの為にドタバタ走り出す。

 

 

「50秒台だよ!」

 

「よし! 俺がもらった!」

 

「ちょっと待ってよ!」

 

 

ウマ娘を見た後だと、遅く感じる。

 

いや全力疾走しているのは分かる。

 

それでも差が大き過ぎて、そう映る。

 

 

「すっげ……」

 

 

そして、駈け出さなかったジョーさんと俺だけが残った。

 

遂には溜息が出ている。

 

諦めか。 いや違う。

 

イマイチ、お眼鏡に叶わなかった感じだ。

 

聞いてみよう。

 

 

「行かないんで?」

 

「あ? ああ……ウチには来ないだろうし」

 

 

違う。 そうじゃない。 聞きたいのは。

 

 

「本心は?」

 

「な、なんだよ……会ったばかりなのに。 トレーナーでもないんだろ」

 

「そうなんですが。 でも、あの娘じゃ物足りないんじゃないんですか?」

 

「なんかイヤラシイ言い方だな……」

 

 

俺は焦らす様に言葉を繋ぐ。

 

 

「ウチのオグリを是非見て下さい……あの娘よりスゴいんですから」

 

 

ニヤリ、と。

 

思わず口角が釣り上がるくらいに。

 

俺はソレを言いたかった。

 

てか、なんだよジョーさん以外の連中!

 

あの娘によってたかって、チヤホヤして!

 

ウチのオグリも見ろよ見ろよ。

 

いやスカウトされるか……?

 

やっぱ見るな。 見ちゃダメ。 絶対。

 

 

「ほら。 あの葦毛のウマ娘がオグリ。 オグリキャップです」

 

 

俺がストレッチをしているオグリを指差す。

 

気合い十分か。 コンディションは良い。

 

いや……靴がボロボロのままだった。

 

いかん。 早く渡さねば。

 

オグリのパワーに、並みの靴では耐えられないんだ。

 

減りが早い。

 

本当はウマ娘用の靴とか、蹄鉄を買うべきなんだろうけど……知識がなくてな。

 

しっかし予備のジャージ、もう汚れてるじゃないか。

 

どこで汚した。 朝か。

 

とにかく、また洗ってやらねばならない。

 

だが毛並みは良い。 綺麗だ。

 

よしよし。 風呂には入ったな。

 

偉いぞオグリ。

 

 

「ここの生徒だったのか」

 

「え? 知ってるんですか?」

 

 

ナニソレ初耳。

 

おいコラ、ウチのオグリに変なことしてないよな?

 

 

「河川敷で走っていた時に見かけたんだ」

 

 

ああ……トレーニング中に偶然見かけただけか。

 

なら良し。 許す。

 

 

「おっ。 やっぱ柔らかいな」

 

 

ストレッチ中のオグリを正当に評価してくれるジョーさん。

 

良いぞ。 もっと褒めろ。

 

 

「っというか……柔らか過ぎないか……?」

 

 

うん?

 

まあ、普通よりは柔軟かな。

 

ルビーさんと俺がマッサージを頑張ったからね。

 

そして走れるようになった。

 

良い事だと思うが。

 

おっ。

 

オグリがゲートインしたぞ。

 

他の娘も並んで……。

 

むっ!?

 

隣のチビ眼鏡がしゃがんだ。

 

ナニしてんだ?

 

 

「位置についてー……」

 

 

ここからじゃ良く見えない。

 

靴紐でも直してんのかね?

 

 

「よーい……スタート!」

 

 

───カシャン!

 

 

ウマ娘たちが飛び出した!

 

オグリがしゃがんだ!

 

 

「オグリ!?」

 

 

思わず声に出ちゃったよ!?

 

ナニしてんだ。

 

オグリまで靴紐が解けたらしい。

 

直している。

 

心配してか、Bの髪飾りの娘が寄り添う。

 

友だちがいたか。

 

良かった。

 

ちょっと安心した。

 

正直、レースより そっちの生活が心配だったからね。

 

靴紐を直している間、僅か数秒。

 

その間にも先行した娘との距離が広がっていく。

 

ウマ娘の脚力。

 

普通なら追いつけない。

 

この結果は……。

 

 

「勝ったな」

 

「へ?」

 

 

俺が笑う。 ジョーさんが疑問に思う。

 

刹那。

 

 

───ヒュッ!

 

 

風が切れた。

 

 

───ドッ!

 

 

大地が音立て抉れた。

 

 

先行のウマ娘を、あっさりブチ抜いた。

 

超前傾姿勢。

 

他の娘には真似出来ない、超常的な走り。

 

膝の柔らかさが、それを可能にした。

 

オグリキャップ。

 

改めて感動したよ。

 

立てなくて泣いていた娘が、うぅ……。

 

こんな立派になって!

 

リョウ君、嬉しい!

 

 

「なッ……!?」

 

「!!?」

 

 

驚くウマ娘。

 

 

「嘘だろ……」

 

 

驚くジョーさん。

 

開いた口が塞がらない。

 

 

「どうですかジョーさん。 オグリはスゴいでしょ?」

 

 

涙が枯れてなかったら、泣いていたね。

 

 

「ハハッ……」

 

 

あれ。

 

ジョーさん、なんか目ン玉ギラギラで変な笑いが起きているよ。

 

大丈夫?

 

 

「いるじゃねぇか……ここに……!!」

 

 

ナニがいるって?

 

顔を覗き込んでみた。

 

目尻に涙が浮かんでた。

 

なんだ。

 

俺同様、感動したらしい。

 

分かってくれて嬉しいぞ。

 

思わずジョーさんを抱きしめたくなったが、寸前で止まった。

 

いけない。 公然の場で男色祭りを開催したと思われては堪らない。

 

 

「タイム51秒1!」

 

 

さっきの子より遅いタイム。

 

でも、靴紐が解けてなかったら、もっと速かっただろう。

 

それをジョーさんに言おうとして横を向いたらいなかった。

 

下を見た。 土手を転げ落ちていた。

 

しかも、そのまま柵に鼻を強打。

 

鼻血が出てるっぽい。

 

 

「ジョーさん! 大丈夫ですか!?」

 

 

俺も思わず駆け下りた。

 

慌てたせいか、ジョーさん同様に転げ落ちた。

 

大の男2人して、ナニしてんだろうね。

 

 

「……あ。 キタハラ ジョーンズに……リョウ、また不法侵入?」

 

 

オグリにナンか言われた。 恥ずい。

 

 

「「それは忘れて!!」」

 

 

2人して同じ言葉を放つ。

 

互いに見合う。 ナニしたんだ お前と。

 

 

「い、いや! 今はそれより!」

 

 

ジョーさんが仕切り直した。

 

 

「君、オグリキャップか!?」

 

「そうだが……リョウに聞いたのか?」

 

「ああ! 良い名だ! 俺は北原 穣!」

 

 

苗字、北原か。

 

ジョーって、漢字で書くとなんだろうな?

 

そう考えてる間にも。

 

ジョーさんがキラキラした目でオグリの両手を包み込む。

 

まるで告白のシーン。

 

オグリが他の男に触られている。

 

ゆ る さ ね ぇ。

 

 

「俺と一緒に天下を」

 

「ナニしてんだジョー!!」

 

「グペラッ!?」

 

 

思わずドロップキックを繰り出した!

 

吹き飛ぶジョーさん。

 

鼻血の量が増えたが、もう知らね!

 

 

「セクハラじゃねえかソレ!? お父さん、許さないからなぁ〜!?」

 

「どこがだ!? フツーだろアレくらい!」

 

「バッ、オメ、俺だって最近は手を繋いでないんだぞ! フツーが羨ましいんだよ!」

 

「ただの嫉妬じゃねえか! 女々しい事を言ってんじゃねえよ! というか、スカウトの妨害するな! トレーナーじゃねえんだろ!?」

 

「うるせー! 俺はオグリの家族だァ!」

 

「ゴファッ!?」

 

 

またドロップキックをかまし、ジョーさんを吹き飛ばす。

 

ダートが奴の血で塗られていく。

 

だが、こんなものでは足りん。

 

 

「立て! 立つんだジョー! まだ終わってねえ!」

 

「コースは喧嘩の場じゃねぇ! レースの場だ! 汚すんじゃねえよ!」

 

「オグリを汚したヤツが言うセリフじゃねえなァ……!?」

 

「いちいち大袈裟なんだよ!? だったらさっさと想いを伝えれば良いんだよ!?」

 

 

冷や水をぶっかけられた気分。

 

うっ……。

 

いや。それは……無理だ……。

 

 

「その時じゃ……ないだろ」

 

「……前途多難だな」

 

 

互いにクールダウン。

 

なんだ。 なんだったんだろうな、今の。

 

悪いのは誰だ。 俺か。

 

取り敢えず俺はジョーさんに謝った。

 

オグリは止めるタイミングを見計らっていたらしい。

 

オグリにも謝った。

 

マジで俺、ナニしてんだ。

 

こんな所で騒ぎ起こしてクビになってもつまらないのに。

 

はぁ……少しは落ち着け。

 

深呼吸する俺に、オグリが語りかける。

 

 

「リョウ……私への想いって、なんだ?」

 

「ばっ、いや、何でもねぇよ!?」

 

 

またヒートアップしてしまった。

 

うぐぐ……俺もトレーナーが欲しい。

 

勿論レースじゃなくて、な。

 




はっちゃけてしまった感。

因みに靴紐が解けた原因は、漫画の通り。
隣のウマ娘が解いたからです。
バレたらレース妨害として、結構重い処罰になりそう。
これはあくまで授業の一環で、本番じゃないとはいえ、ヤバい行為ですよね。
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