棺と踊れ、ジルバを刻め   作:ザタキシード

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修復1

 

まず、俺がアイツのバディとして果たさなければならないこと。

 

長門が言うには、ケアがそれに当たるらしい。

 

ケア、とはつまり不調気味のバディのサポートのことであり確かにそれは今のアイツに必要な処置だ。

 

関係修復のことについては、俺は関わらない。

 

アレに関しては、俺は悪いことをしたとは思わないし、無論謝ろうとも思わない。

 

だから、この際それは流しておく。

 

で、ケアのことについてだが。

 

正直、男の俺がどうこう言ったところで何の足しにもならない気がするわけだ。

 

俺は女じゃねぇから、強姦されかけた時の恐怖とか屈辱感とやらは理解出来ない。

 

俺が、ゲイの集団にマワされた経験があるって言うなら話は別だが、仮定として引き合いに出している時点で無意味な思案だ。

 

何が言いたいのかというと、俺はアイツに何をしたら良いのかが皆目見当もつかない、と言うことだ。

 

「・・・・・・どうしろってんだ」

 

行く宛を失った思考の声が、口から漏れる。

 

全くもって、どうしろと言うのだろうか?

 

分からない。

 

正直、このまましばらく放置していたら自然と立ち直るだろ、とか考えている。

 

実際、それが確実かつ、本人のためにもなるとは思う。

 

思うのだが、現実はそうも言っていられない。

 

何故か?

 

近い内にそれなりの規模の作戦が予定されているからだ。

 

詳しいことについては俺も知らないがそれでも、作戦発動の少なくとも2週間前には作戦の行動要領を頭と体の両方に叩き込み終わっていなければならないので、どの道時間が無いことに変わりはない。

 

簡潔にまとめると、だ。

 

時間がない。何をすれば良いかが分からない。しかしながら可及的速やかに解決しなければならない。

 

・・・・・・面倒なことこの上ない。

 

分隊の事務室の自分のデスクで頬杖をつきながらそうこう考えている内に時間が経ち、気が付けば午前課業終了を告げるラッパが鳴っていた。

 

丁度思考の無限回路にはまりかけていたところだ。ここらへんで気分転換でもすることにしよう。

 

そう思って、俺は事務室を出た。

 

姫路準要塞の建物の配置は、要塞に改装されるときに結構変更が入った。

 

仮にも要塞としての能力を求められるということは、火力収容量と人員収容量、加えて自己完結能力を一度に要求されるということだ。

 

つまり、駐屯地としての生活能力よりも戦闘建造物としての能力が優先されるわけで、結果として酒保を始めとした娯楽要素は一切が外されることになる。

 

それは、別に配置されていた食堂も例外ではない。

 

兵士の志気を高め維持するには食事は必須条件だ、という声もある。

 

特に、こう圧され気味な最前線に立たされる兵士としても、食事だけは絶対に譲れない娯楽となっているし、上の方もそこの心理状況に関しては理解してくれている。

 

だから、新たな食堂を取り壊しの対象外の施設内に新たに導入することで、それの対策とした。

 

元々は体育館だったという施設の中に新しい食堂は設置されることになっていた。

 

幸運にも、その元体育館は俺の所属する分隊の事務室が入っている建物のすぐ近くにある。

 

ほぼ真隣と言っていい位置関係だ。

 

俺は、建物の入り口の敷居をまたいだ。

 

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