イッチ「“個性”と言う特殊能力がある世界に転生したら“緑谷出久”って子が自殺したんだけど…どうしたらいい?」スレ民達『ハ?』   作:DestinyImpulse

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 お気に入りが3500人を突破!ホントにありがたいです!!

 これからもよろしくおねがいします!

 今週は良かった……ダイナゼノンの最終回も凄かったし、セイバーもフューチャリングセイバーの登場は最高でした。

 ………あと、やっぱりマスターロゴスはラスボスじゃなかったwww



USJ編
USJ襲撃!/涙を拭う赤のハンカチ


 

 マスコミ侵入事件から何日かして、今日もヒーロー科の皆はヒーローになるための授業に取り組んでいる。

 

「今日のヒーロー基礎学だが、AB合同で俺とブラドとオールマイトそれともう一人の4人体制で見ることとなった」

 

 なったって事は特例。原因があるとすれば先日のマスコミ侵入事件が関係しているのだろうと考えている者は少なかった。

 

「はーい!今日は何するんですか?」

 

「災害水難何でもござれ、人命救助訓練だ!!」

 

「レスキュー……今回も大変そうだな」

 

「バカおめー、これこそヒーローの本分だぜ!腕が鳴るぜ!!」

 

「水難なら私の独壇場。ケロケロ」

 

 

「まだ途中だぞ。今回の訓練コスチュームの着用は個人の判断に任せる。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。訓練は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上、準備開始」

 

 相澤先生の号令でコスチュームを持って更衣室に急いで向かう………バスでの移動……アレを使っていいか聞いてみるか。

 

 

◆◆◆◆

 

 

「こういう作りだったか……!!」

 

 バスに乗り込んだ一同の中、飯田は叫んでいた。委員長に就任してフルスロットルと飯田。バスに乗り込む際、委員長らしく誘導したのは良いが、バスの座席が所謂2人がけの前向きシートばかりではなく、横向きのロングシートも混在した仕様だったのだ。これでは出席番号順に並んでいても意味がない。それぞれ適当に座席に座り、バスは出発した。

 

 

「意味なかったな〜!」

 

「………」

 

 そこに芦戸の追撃も加わり、完全に意気消沈の飯田。そんな状態の中でもA組の者達は会話を始めてゆく。

 

「それにしても、剣ちゃんはホントに多芸ね」

 

 

 蛙吹から始まった聖火の話題……この前の戦闘訓練でAB組含めて最強の印象付ける戦いを見せたのだ話題の一つでもなるだろう。

 

「そうだよな〜変身するし分身するし木を生やすし……バイクに乗れるし」

 

 その話題に乗っかった切島はこれ迄の事を思い出しながら窓に視線を移す。窓から見える景色には……真紅のバイク【ディアゴスピーディー】を乗りこなす聖火の姿が……

 

 そう聖火はバスに乗らずにディアゴスピーディーで目的地に向かっていた。

 

「しっかし格好いいよな〜!」

 

「……あのバイクにも秘密が隠されている筈……例えば前輪後輪に別れてタイヤから生えた刃で敵を切り刻む対悪魔に特化した兵装に……!」

 

「いやこえーよ!?どんな発想だよ!?」

 

 バイクに憧れる上鳴、ディアゴスピーディーの隠された能力に想像を膨らませる常闇、それにツッコむ瀬呂。

 

「やっぱバイクが有ると便利なんだな」

 

「移動手段がある事は実に合理的だ」

 

 その話題に一番前の席に居た相澤が入ってくる。切島達も基本的にふざけた事を言わない性格なのは理解しているので聞き手に入る。

 

「ヒーローには現場に駆けつける速さも重要だ。故にバイクなどに乗るヒーローも少なくない。この雄英には自動車学校と同じ施設も存在しているし、試験も受ける事ができる………興味があるのなら今度聞きに来い。以上だ、あと数分で到着する。気を引き締めろ」

 

 そう言うと再び静かになる相澤だが、相澤が話した内容はA組全員の頭の片隅に置かれた。

 

 一方時を同じくB組のバスでもA組と同じようにブラドから説明された雄英の自動車学校について其々話していた。

 

「……」

 

「ど~した一佳〜そんなに剣が気になるのか?」

 

 バイクに乗る剣を眺めていた拳藤に声をかけてきたのは隣に座っていた取陰だった。

 

「な、何を言って!そ、そんなんじゃない!」

 

「え~?ホントに〜?」

 

「ホントだ!私は……アレだ!バイクを見てたんだ!」

 

「バイク?……あ~そう言えばバイクが好きって言ってたね」

 

「あぁ、雄英でも自動車免許などの試験を受けられるってブラド先生さっき話してたろ……今度、剣に色々聞こうと思って」

 

「なるほど~一佳、バイク似合いそうだし良いんじゃない」

 

 なんとか話の内容を変えられた事に内心安堵する……

 

「でも……」

 

「ん?」

 

「どうして、ヤオモモじゃなくて剣なの?」

 

「…………あ」

 

 ………事はできずに拳藤は目的地に着くまで取陰にイジられるのであった。

 

 

◆◆◆◆

 

 

1:炎の剣士

 てな感じで只今、レスキュー訓練に行ってます!

 

2:赤目の主人公

 バイクで?

 

3:炎の剣士

 はい!相澤先生に言ったら許可くれまして……いやーバイク持ってると無性に走りたくなりまして。

 

4:名無しのライダー

 わかる!

 

5:名無しのわんわんお

 俺はバイクじゃねぇ!

 

6:名無しのトマト

 わかります、その気持ち!

 

7:グランドマスター

 君はまだシンクロ次元に行ってないでしょwww

 

8:ありふれた赤龍帝

 私はハジメ君が作ったバイクで走っているのでわかります!

 

9:名無しのゴッドイーター

 ………免許はどうした?

 

10:ありふれた赤龍帝

 …………テヘペロ!

 

11:炎の剣士

 まさかの無免許!?

 

12:ありふれた赤龍帝

 此処はトータスであって地球じゃないから地球の法律なんて意味がないからセーフ!!

 

13:名無しの転生者ハンター

 確かに地球の価値観じゃ生きてはいけない世界だが…

 

14:グランドマスター

 怒られるよ先生にwww

 

15:ありふれた赤龍帝

 ……………うわ~会いたくない理由が増えた。

 

16:炎の剣士

 そう言えば鬼殺ニキは?

 

17:名無しの転生者ハンター

 アイツなら任務に行ったぞ。

 

18:名無しのわんわんお

 確か、上弦の陸だっけ?

 

19:名無しのゴッドイーター

 まあ、猗窩座倒したなら問題ないだろう。

 

20:名無しのトマト

 そうですね。

 

21:炎の剣士

 あ、そろそろ着きそうです!

 

22:グランドマスター

 おK!

 

23:ありふれた赤龍帝

 ………なんか遊園地みたいですね。

 

24:名無しのゴッドイーター

 倒壊した市街地もあれば森林地帯、火山地帯に渦潮を作っているプール……凄いな、これでも施設の一つに過ぎないんだろ……

 

25:炎の剣士

 そうですね……

 

「水難事故、土砂災害、火事……etc。あらゆる事故や災害を想定し僕が作った演習場です。その名も【ウソの災害や事故ルーム(USJ)】!!」

 

 おお!スペースヒーロー・13号だ!

 

26:名無しのライダー

 USJ……何処かに怒られそうな名前だ。

 

27:名無しのトマト

 あなたを詐欺罪で訴えます!理由はもちろんお分かりですね?あなたが皆をこんな遊園地みたいな名前で騙し、子供達の期待を破壊したからです!覚悟の準備をしておいて下さい。ちかいうちに訴えます。裁判も起こします。裁判所にも問答無用できてもらいます。慰謝料の準備もしておいて下さい!貴方は犯罪者です!刑務所にぶち込まれる楽しみにしておいて下さい!いいですね!

 

 

28:名無しのわんわんお

 ヤメロwww

 

29:ありふれた赤龍帝

 勝ち目ないですよwww

 

30:名無しの転生者ハンター

 ほら、そろそろ静かにしろ………やっぱりオールマイトはいない様だな。

 

31:炎の剣士

 そうみたいですね……

 

『えーでは訓練を始める前に小言を一つ二つ…三つ…四つ…』

 

 ………なんか増えてません?

 

 

32:ありふれたトマト

 あ、長くなるパターンだ。

 

33:炎の剣士

「皆さんもご存じだと思いますが、僕の個性は《ブラックホール》どんなモノでも吸い込んでチリにしてしまいます」

 

「はい。13号先生はその個性でどんな災害からも人を救い上げるんですよね」

 

「えぇ……しかしです、この個性は簡単に人を殺せます。皆さんの中にもそういう個性がいるでしょう」

 

 

34:赤目の主人公

 その通りだ……力は簡単に人を殺せる。

 

35:名無しのゴッドイーター

 そして命は二度と元には戻らない……

 

36:名無しのトマト

 アスカニキ、神喰ニキ……

 

37:名無しの転生者ハンター

 個性によっては使い方次第で十分に殺傷能力があるモノも多い……そしてそれは仮面ライダーの力だって決して例外ではない。

 

38:炎の剣士

 

「超人社会は個性の使用を資格制にし、厳しく規制することで、一見成り立っているように見えます。しかし、一歩間違えれば容易に人を殺せる、いきすぎた個性を個々が持っていることを忘れないで下さい。相澤さんの体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを体験したと思います。この授業では心機一転!人命のためにどう個性を活用するかを学んでいきましょう。君たちの力は人を傷つけるためにあるのではない、助けるためにあるのだと心得て帰って下さいな。以上!ご清聴ありがとうございました」

 

 ………格好いいな13号先生。

 

39:ありふれた赤龍帝

 深いな…………もし、雄英の先生が居てくれたら…ハジメ君のイジメも……あのバカ四人組の暴走も……私の運命も変わってたのかな………赤龍帝にならずにハジメ君とオタクライフを過ごせてたのかな……

 

40:名無しのライダー

 赤龍帝ちゃん……

 

41:グランドマスター

 ………辛い事があったら何時でも言っていいんだよ。

 

42:ありふれた赤龍帝

 あ、…ごめんなさい!しみったれた事言っちゃって!大丈夫です!戦う覚悟はもうできてますので…!

 

43:赤目の主人公

 ……………そうか。

 

44:炎の剣士

 ……赤龍帝ちゃん……「全員一かたまりになって動くな!!ブラド、13号!生徒を守れ!!」

 

 ………ッ!?

 

 

◆◆◆◆

 

 

「動くな!アイツらは(ヴィラン)だ!」

 

 赤龍帝ちゃんの事を心配していた矢先……中央の噴水広場から黒い靄のような物が現れ……靄は広がり、そこから全身に手をつけた男を先頭に異形型個性であろう者達や鉈や鉄パイプを持った大人数がぞろぞろと現れた。

 

「13号に…ブラドキング…イレイザーヘッドですか…先日頂いた教師側のカリキュラムにはオールマイトがここにいるはずなんですか……」

 

「やはり先日のはクソ共の仕業だったのか」

 

「どこだよ……せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ…オールマイト…平和の象徴……いないなんて…子供殺せば来るのかな?」

 

 コイツ……雰囲気だけでもかなりヤバいぞ!!少なくとも最初に相対したヘドロより遥かに…!

 

「ヴィランッ!?バカだろ、ここ雄英だぞ、ヒーローの学校だぞ!」

 

「プロやヒーロー候補生いるの判って襲撃するなんてアホだろう!!」

 

「先生、侵入者用のセンサーは?」

 

「もちろんありますが……」

 

「現れたのはここだけか、それとも学校全体か……どちらにせよ、センサーが反応しなかったってのは向こうにはそれを阻害する能力の持ち主がいるって事だ。校舎から離れたこの空間にクラスが来たこの時間に奴らは来た。奴らは馬鹿じゃない。これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」

 

 表情に出していないだけなのか、轟は妙に冷静だが、その目は警戒心に溢れていた。

 

 俺も火炎剣烈火を引き抜く……訓練でも何でもない……本物のヴィランが攻めて来た……兄貴達が促していたのはコレの事か!

 

「13号、ブラド避難開始!学校に連絡試せ!センサーの対策も頭にある連中だ、電波系の個性で妨害している可能性もある。上鳴、お前も個性で連絡試せ」

 

「っス!」

 

「相澤先生はどうするんですか!?戦うにしてもイレイザーヘッドの戦闘スタイルは個性を消して捕縛すること。多勢に無勢では不利ですよ!」

 

「……お前に言うのは違う気がするが、覚えておけ剣、一芸だけじゃヒーローは務まらん」

 

 相澤先生が突撃を仕掛けた。それを見た連中の一人が先生に手を先生に向けた。おそらく射撃型の個性。でも発動されることはなく捕縛布で捕まって分銅のように振り回されて相手を倒していく。

 

 凄い…!近接戦闘も出来てゴーグルで誰の個性を消しているかも悟らせない。

 

「行こう皆!早く避難を!!」

 

 と…関心してる場合じゃない!学生の身分の俺達ができる事は先生の足手まといにならない様に避難する事、直ぐ避難する皆の後を追う。

 

 

 

 

「させませんよ」

 

 

 しかし、避難する俺達の前に靄のヴィランが立ち塞がった。

 

「初めまして、我々は敵連合(ヴィランれんごう)。僭越ながら…この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて戴いたのは…平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして」

 

 マジか!?コイツらオールマイトを殺すために来たのか!?

 

「本来ならば、ここにオールマイトがいらっしゃる筈…ですが、何か変更あったのでしょうか? まぁ、それとは関係なく…私の役目はこれ」

 

 

 

 黒い靄もやが動く! 当然、黙ってされるがままの俺達じゃない。13号先生やブラド先生が迎撃の為に構え……俺は火炎剣烈火を構え、轟が氷結を静かに準備していた時……俺の横から何かが飛び出した。切島と鉄哲だ!

 

「その前に俺たちにやられるとは思わなかったのか!?」

 

「学生だからってナメんじゃねぇ!」

 

 二人の攻撃が靄のヴィランに決まった………かに見えた。

 

「危ない危ない……そう…生徒といえど優秀な金の卵」

 

 攻撃したのはあくまでの黒い靄もやの一部。その奥に見える本体は無傷な上に……

 

「切島!鉄哲!!」

 

「駄目だ!どきなさい2人とも!」

 

 

 先生達や俺達の射線に二人が出ては手出しできない!

 

 

「散らして、嬲り殺す」

 

 

 靄が広がって俺達全員を包んでいく。もう間に合わない!だったら!火炎剣烈火を振るい一部の靄を吹き飛ばす!

 

「飯田!障子!」

 

 何人かを掴んで何かされる前に脱出しようと咄嗟に動いていた二人は俺の叫びを聞いて、ギリギリ靄の範囲外に脱出する。これで最低限の事はできた……後は!

 

 近くに居た耳郎の腕を掴む。耳郎みたいに戦闘向けの個性じゃない奴が孤立して各個撃破されるのは最悪の結末だ。

 

「拳藤!」

 

「ッ!剣!」

 

 拳藤も俺の考えが分かったのだろう……手を伸ばすが……もう時間はなかった。

 

 拳藤の手を掴む前に黒い靄によって分断された。

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

45:名無しの転生者ハンター

 イッチ!大丈夫か!?

 

46:炎の剣士

 ハンターニキ!はい、大丈夫です!

 

47:名無しのゴッドイーター

 そうか……状況はわかるか?

 

48:炎の剣士

 此処は……岩だらけの場所に居ます。

 

49:グランドマスター

 おそらくUSJの山岳ゾーンだね。

 

50:赤目の主人公

 近くに誰か居るか?

 

51:炎の剣士

 咄嗟に掴んだ耳郎と……八百万にB組の宍田ですね。

 

52:名無しのライダー

 とにかく、一刻も早く皆と合流しないと……

 

53:炎の剣士

 そうですね……最初に現れた手だらけの奴と黒い異形の奴………アイツ等はヤバい……皆が心配だ。

 

「あの……剣……そろそろ手……離してくれない?」

「あ、悪い耳郎」

「いや……ウチが孤立しない様にしてくれたんだよね……ありがとう」

 

 

54:名無しのわんわんお

 イチャつくな…!

 

55:ありふれた赤龍帝

 耳郎ちゃん……顔真っ赤にしちゃって……ウブだね!

 

56:グランドマスター

 そしてイッチ……素質あるね!

 

57:名無しのトマト

 なんのですかwww

 

58:グランドマスター

 勿論、主人公の素質が!

 

59:赤目の主人公

 お前だけには言われたくないわ!

 

60:名無しのライダー

 この一級フラグ建築士!

 

61:ありふれた赤龍帝

 女誑し!何をどうやったら英雄や神様やらに惚れられるんですか!

 

62:名無しのわんわんお

 さっさと本命決めろ!

 

63:グランドマスター

>>62 なんて恐ろしい事を言うんだ!?最悪カルデアが特異点になるぞ!

 

64:名無しのゴッドイーター

 ヘタレだな……貫き通せばいいだろ。

 

65:グランドマスター

 黙れ!サーヴァント相手に無双できるからそんな事が言えるんだ!

 

66:赤目の主人公

 でも今のままだと確実に近い内に食われるぞ。

 

67:グランドマスター

 ヤメロン!不吉な事を言うな!

 

68:名無しの転生者ハンター

 そこまでにしとけ……

 

69:炎の剣士

【烈火抜刀!!】

「変身!」

 

70:名無しの転生者ハンター

 始まったぞ……

 

 

 

◆◆◆◆

 

【耳郎side】

 

 

 黒い靄に飲み込まれた次の瞬間、ウチと聖火は岩だらけの場所に降り立っていた。

 

 突然の事に驚きつつも辺りを見回すと……ウチ達の他に……

 

「耳郎さん、剣さん!」

 

「お二人共、お怪我はありませんか!?」

 

 ヤオモモとB組の宍田が居た…合計4人か。

 

「此所に飛ばされたのは俺達四人か……」

 

「そのようですな、他の皆も私達みたいに飛ばされただけなら大丈夫ですが……あの靄のヴィランは『散らして…嬲り殺す』……そう言ってましたぞ」

 

「とにかく今は他の皆さんと合流して先生方のいる中央広場に行くことが先決ですわ!」

 

「そうだね……ちょっと待っててプラグで探してみるから!」

 

 とにかくこの場でじっとしていてもしょうがない。飛ばされた他の皆と合流しよう。近くに誰か居ないか地面にプラグを刺して音を探る。

 

「っ!……聞こえた!」

 

「本当ですか!よかった……近くにいらしたのですね」

 

「……あれ……ちょっと待って……足音の数が多い……少なくとも十人以上居る……てか、コッチに向かって来てる!?」

 

 あの靄は「散らして…嬲り殺す」って言ってた……それなのに十人以上固めるなんて事するとは考えづらいし……真っ直ぐコッチに向かって来てる。まるでウチ等が此処に飛ばされるって最初から分かってるみたいに……

 

「それはつまり……ッ!剣氏!」

 

「あぁ、来るぞ!」

 

 

 宍田と剣が叫んだのとほぼ同時に足音の正体……“ヴィラン達”が飛び出してきた。

 

「ヘヘッ、いたぜいたぜ!」

 

「流石、黒霧(くろぎり)さんの個性は本当にスゲェな。ホントに送ってくれたぜ!」

 

「来たのは男二人に女二人の計四人!可哀想になぁ、哀れな人生だぜ。クックック」

 

 ゾロゾロと徒党を組んで現れたヴィラン……その数数十人……!

 

「おいおい見ろよ!女はどっちも上玉だぜ!」

 

「マジだ!あの髪の長い方、良い体をしてやがる」

 

「もう一人も遊び甲斐がありそうだ…!こりゃアタリだな!」

 

「ッ!」

 

 寒気がした……まるでいきなり背中に氷水をぶっかけられた様に…!

 

 十数人のヴィラン全員がウチを……ウチの身体を舐めまわす様に見て上から下まで品定めしていた。

 

 流石に高校生にもなってコイツらの言葉が分からない程ピュアじゃない………分かるからこそ怖い。

 

 ヴィラン達はウチを慰み者にしようとしている。隣のヤオモモを見れば…顔は平静を装っているが、微かに震えているのがわかる。

 

「おうおう…見栄張っちゃって!唆るね〜!」

 

 生まれて初めて相対するヴィランにウチは気圧されていた……来ないで!と叫びたくなる。

 

 

 

「大丈夫」

 

 

 

 声が聞こえた……ヴィラン達とは全く違う…暖かな声が……剣の声だ、赤い髪とコートを靡かせウチを前に出る。

 

「大丈夫だよ…耳郎」

 

 そう言って剣は笑ってくれた……炎のように暖かく、優しい笑みで……気づけば身体の震えは止まっていた。

 

「宍田……二人を頼む」

 

【聖剣ソードライバー!】

 

 剣は聖剣ソードライバー(剣の様なベルト)を身につけながら歩を進める。

 

「おいおい!女の前だからってカッコつけてんじゃねぇよ!!」

 

ヴィラン(お前達)には分からないさ……無茶や無謀と笑われようとも、流れる涙を止める為に戦う……それがヒーロー(仮面ライダー)だ」

 

 そして赤い小さな本……ブレイブドラゴンをセットして火炎剣烈火を引き抜いた。

 

【烈火抜刀!!】

 

 

「変身!」

 

 

【ブレイブドラゴン〜♪】

 

【烈火一冊!】

 

 

【勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!】

 

 

 火炎剣烈火で十字に振るい斬撃が仮面になって剣の姿が右半身がブレイブドラゴンを模した鎧で覆われて、仮面ライダーセイバーへと変身する。

 

 

 入学してから剣や拳藤達と一緒に過ごして……入試の時の剣は凄かったって飯田達はよく言ってた……あの時は0ポイントを倒した剣の強さの事を言ってたのだと思ってたけど……今なら分かる。

 

 強さ以前に恐怖を飲み込み……勇気を燃やして誰かを助ける為に立ち向かう……

 

 

 

「さぁ!」

 

 

 

 そんな剣は正しくヒーローで……

 

 

 

「お前の罪を数えろ!」

 

 

 

 カッコよかった…!

 

 

END

 

 




 自動車学校があるのは……このssオリジナルの設定です。




現状

・山岳ゾーン

 聖火 耳郎 八百万 宍田 

・水難ゾーン

 拳藤 蛙吹 峰田 上鳴

・土砂ゾーン

 轟 葉隠 骨抜 鎌切

・倒壊ゾーン
 
 切島 鉄哲 角取 ブラドキング

・暴風大雨ゾーン

 常闇 口田 小大 柳

・火災ゾーン

 尾白 鱗 回原 取陰

・ゲート前
 
 13号 麗日 飯田 障子 瀬呂 砂藤 芦戸 青山
 
 泡瀬 黒色 庄田 円場 吹出 凡戸固 物間 小森 塩崎

外伝について

  • 別に分けてほしい
  • このままでいい

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