イッチ「“個性”と言う特殊能力がある世界に転生したら“緑谷出久”って子が自殺したんだけど…どうしたらいい?」スレ民達『ハ?』   作:DestinyImpulse

19 / 21
 スレ主の事……イッチって書き直した方が良いですかね?


 それでは久々の戦闘をどうぞ…!


再戦!激突!轟のオリジン!!

 特訓が始まって早くも一週間が経過した。皆、其々の課題を持って特訓を行っていた。

 

「ふう…」

 

「あ、飯田さん。お疲れ様です」

 

 聖火達が特訓場として使用する体育館に全身汗だくとなった飯田が息を切らせて入ってくる。A組B組の大部分が体育館で特訓しているが、飯田の課題は『脚の力と持久力の強化』そのために、外回りをひたすら走り続けていたのだ。

 

 それに気づいた塩崎がスポーツドリンクを手渡す。

 

「ああ…ありがとう塩崎君。君も休憩かい?」

 

 塩崎茨……彼女の個性は髪のツルを自在に操る事ができる。そんな彼女の課題は『一度に操れる量とコントロール精度の向上』だ。

 

「はい、丁度模擬戦も始まりましたので…観戦しようかと」

 

 

 そう言って塩崎が指さした方向には聖火がB組の男子四人と模擬戦を行っていた。

 

 聖火は…仮面ライダーセイバー・ドラゴンヘッジホッグピーターに変身しており終始圧倒していた。

 

「ハァ…ハァ…オラァァ!」

 

 息を切らしつつも鎌切が両腕から三日月状の刃を生やして斬りかかるが太刀筋が甘く聖火に容易くいなされ、火炎剣烈火の柄を脇腹に叩き込まれ腹を押さえて倒れる。

 

【ニードルヘッジホッグ!】

 

 そのままドライバーのニードルヘッジホッグを押し込み……火炎剣烈火を振るうと炎に包まれた無数の針が他のメンバーに襲いかかる。

 

「させるかーーウォ!?」

 

 円場は空気を固めて作り出した透明な壁で防御して直撃を避けるが、棘は壁に命中すると同時に爆発して吹き飛ばされる。

 

 それに乗じて聖火が突撃する。

 

「やられっぱなしではありませんぞ! 剣氏ィィィィ!!」

 

 それを迎え討とうとビースト化して宍田が剛腕を振るう。それを火炎剣烈火の面で受け止める。

 

「クッ……!」

 

 ビースト化した宍田の剛力には聖火も仮面の下で顔を強張らせる。しかし、炎の聖剣である火炎剣烈火を直で触る宍田の方が熱で先に音を上げるだろう。

 

「今ですぞ回原氏ィィ!!」

 

「おうよ!」

 

 しかし宍田の目的は少しの間、聖火の動きを封じる事だった。聖火の背後から回原が飛び出して回転する拳を構える。

 

「考えたな……だが!」

 

 しかし、宍田が掴んで居るのはあくまでも火炎剣烈火であって聖火ではない。聖火は次の瞬間……火炎剣烈火を手放した。

 

「「なっ!?」」

 

 戦闘において己の武器を手放す事に二人は目を見開く、火炎剣烈火を手放し自由となった聖火は回原の方に振り向きながら左腕の装甲から伸縮自在のキャプチャーフックを射出して回原の体に巻き付け……

 

「ハァァ!!」

 

 宍田に叩きつける。人一人思い切り叩きつけられてはビースト化した宍田も耐えられず体育館の地面に倒れ込む。

 

「そこまで!!」

 

 

 次の瞬間、審判を務めていたブラドの声が響く。それは模擬戦の終了を意味し聖火は変身を解除し…宍田達、四人も立ち上がる。

 

「お前達……反省点は分かるな?」

 

「……俺は攻撃が単調だった」

 

「咄嗟とは言え壁の耐久性が低かったです」

 

「自分は考えの甘さ……あの時火炎剣烈火と同時に剣氏の腕なども掴んでおくべきでした」

 

「……やっぱり射程の短さですか?」

 

 ブラドの質問に敗北した四人は自分の考えを口にする。ブラドの表情を見るに間違ってはいない様だ。

 

「そうだ。鎌切は刃に頼りすぎだ。これは武器を持った初心者に有りがちな事だ。何故なら武器を手にした敵は、基本武器しか使わないからだ。攻撃が限定される分、読み易い。無論それを逆手に取った戦法もある。先程、剣がやった相手を傷つける刃ではなく、持ち手の柄を攻撃に使った様にな……鎌切は刃と他の何かを攻撃に組み合わせろ」

 

「次に円場。さっきの攻撃は確かにしっかりと準備すれば防げただろう。しかし、それを待ってくれる程、ヴィランは甘くない。壁の強度と共に形成の時間短縮が今後の課題だ」

 

「宍田は考えは悪くはなかった。剣の主な攻撃手段は火炎剣烈火、それを封じれば大きなパワーダウンを狙える。しかし、火炎剣烈火に意識を向け過ぎてライドブックの能力を見落としていたな。確かに剣の個性は多彩だが、集団のヴィランと相手をする時だって複数の個性を見極める必要がある。戦闘中でも見落としが無い様に常に余裕を維持するのもプロヒーローには必要な事だ」

 

「最後に回原だが。先程自分で言ったように拳の射程範囲内にどうやって滑り込むかが鍵だな」

 

 

 スラスラと戦闘での反省点を指摘するブラドの言葉を四人は真剣な表情で聞き頭に叩き込む。

 

「よし、お前達四人は十五分の休憩の後に其々の訓練に着手しろ。次はA組だ! 剣、まだ行けるか?」

 

「はい…!大丈夫です!」

 

 先程の模擬戦が終わった後であり、小さく息を切らしつつも今度は仮面ライダーセイバー・ドラゴンイーグルぶた3に変身する。

 

 聖火の課題は『戦闘時間の増加』、ライドブックで皆の特訓のサポートだけでなく模擬戦を連続で行い、USJの様な連戦でも問題なく戦える様になる事を目的としている。そんな聖火の特訓が一番キツイだろう。しかし、聖火は嫌な顔をせずにひたすら真っすぐ己を高めている。

 

 そんな聖火に負けてられないと他のメンバーも特訓に着手する。そうこうしていると時間はあっと言う間に過ぎていく……

 

「よし…今日はここまで! 始まって数日、特訓が板に付いてきたな…。各自家に帰ってしっかり体を休ませろよ。解散!」

 

「「ハイ、ありがとうございました!!」」

 

 

 ブラドの解散の合図と拳藤と飯田の二人の委員長の号令で放課後の特訓は終了し、…各自、更衣室で帰りの支度をする。

 

(ふぅ…ライドブック3冊連続使用も大分慣れてきたな……………ん?)

 

 流れた汗を拭き取り着替えながら聖火は特訓によってライドブックの負担が減っている事を感じていると唐突にスマホから着信音が鳴り出した。

 

(ラインだ、誰から……っ!?)

 

 スマホを動かし内容を確認する……暫く画面に表示された内容を見ながら何かを考える様に硬直する。

 

「ん、どうした剣君?」

 

「……………悪い飯田、予定ができちゃって。明日の特訓は参加できそうにない」

 

「構わないさ。参加、不参加は各自の自由だ。でも、キチンと皆に連絡する様に!」

 

「分かってるよ、委員長」

 

 

 そんなやり取りをしながら更衣室を出て帰路に着く。聖火の脳裏に過るのは先程のラインの内容……………差出人の名前に『轟焦凍』と表示されており。

 

『いきなり済まない。明日俺と戦ってくれ。皆との特訓もあり自分が無理を言っているのも、どれだけ自分勝手な事も言っているのも分かってる。無理強いするつもりは勿論ない。それでも戦ってくれるなら…グラウンドβに来てくれ』

 

 

 と……記載されていた。

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

135:グランドマスター

 

 ……………皆…!

 

『離しなさい!夫は私とお茶会をするのです!』

 

『いーえ!立夏は私とお菓子パーティーをするの!そうだよね立夏!』

 

 

 ……………タスケテ…!

 

 

136:名無しのゴッドイーター

 どうゆう状況?

 

137:名無しのライダー

 さっきまで、俺とわんわんおの話をしていたらなんかグラマスの女難が始まった。

 

138:赤目の主人公

 まぁ、…いつもの事だ。

 

139:パープル女神

 右手にモルガン、左手にキャストリア……………相変わらずモテるわね。

 

140:名無しのトマト

 そうですよね……………所で皆さん、話は変わりますが……

 

『ダーリン〜!ミエルとダーリンで愛の未来回路を作りましょ〜!』

 

『ちょ!待ちなさいよ!うー!遊矢の馬鹿〜!!』

 

 ……………タスケテクダサイ…!

 

 

141:名無しの転生者ハンター

 お前もか…

 

142:名無しのわんわんお

 あ~そう言えば居たなこんなキャラ…

 

143:トリガー殿下

 おめでとう!君もこちら側の人間だ!

 

144:ありふれた赤龍帝

 嬉しくないwww

 

145:名無しのゴッドイーター

 てか、トリガーニキは今はどうなのよ?

 

146:トリガー殿下

 エルフィリスと二人旅……………やってみると意外と楽しい。

 

147:赤目の主人公

 でも、…いつかは捕まって……………

 

148:トリガー殿下

>>147 やめろ……考えない様にしてるんだから。

 

149:名無しの転生者ハンター

 そう言えばイッチはまだ来てないのか…

 

150:名無しのライダー

 確かに……今日はまだ来てないな。

 

151:炎の剣士

 

『悪いな……俺の我儘に付き合ってくれて』

 

「気にするな、轟には借りがある」

 

 

152:ありふれた赤龍帝

 ん、…イッチ……?

 

153:名無しのゴッドイーター

 一緒に居るのは……轟だ。

 

154:名無しの転生者ハンター

 場所は戦闘訓練の時のグラウンドβか………何があったイッチ。

 

155:炎の剣士

 轟に呼び出されまして。何でも俺と戦いたいみたいで……

 

『……借り…ってのはUSJの時か?気にするな…って言っただろ』

 

「それでも俺はあの炎で助かった……ありがーー『そんな綺麗なモンじゃないんだ!』……轟?」

 

『この炎は…!礼を言われる様な綺麗なモンじゃないんだ……こんな糞親父の炎は!』

 

 

156:名無しの転生者ハンター

 イッチ……ここから先はお前と轟だけだ。スレを切っとけ……

 

157:名無しのゴッドイーター

 だね。幾ら原作を知っていてもおいそれと他人の事情を部外者が聞いていいモノじゃない。

 

158:ありふれた赤龍帝

 ですね。イッチ……轟君はあの時の私と同じ……吐き出させてあげて……

 

159:グランドマスター

 

『いい加減離しなさい小娘!!』

 

『そっちこそ!このオバサンが!!』

 

 ……………頑張れよ……………俺も頑張るから!

 

 

160:赤目の主人公

 ……………空気読めよ。

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

「俺は個性婚で産まれたんだ」

 

 

 ニキネキ達の言う通りスレを遮断して暫くすると……轟はポツリポツリと語りだした。

 

 父親であるエンデヴァーの事……エンデヴァーは破竹の勢いでヒーロー界に名を馳せたが、それはエンデヴァーの極めて高い上昇志向によるものだった事。 だがそれ故に、生ける伝説であり毎年トップに君臨するオールマイトが目障りで仕方なかった事。しかし、エンデヴァー自身は己ではオールマイトを超えることが出来ない事を悟った事。

 

 そして個性婚に走った。

 

 金と権力で相手の親族を丸め込み、エンデヴァーは轟の母親となる女性を……氷結の個性を手に入れた事。そして己の上位互換と呼べる轟をオールマイト以上に育て上げようとしているが、轟自身はそれを否定している事。

 

 

「俺が戦闘訓練でお前につっかかったのは見返す為だ。あいつの個性を使わず……母の力だけでヒーローになる!それで“奴”を完全否定する……筈だった。あのUSJ襲撃の日までは…!」

 

 

 先程まで憎しみに満ちていた轟の表情は次第に迷子の子供の様に変わっていく。

 

「あのUSJの一件で考える様になった…! 左の炎を使わないせいで助けられない人がいるかも知れない事を…!」

 

 轟の迷いが何となく分かった。右の力だけでも轟はヒーローになれるだろう。

 

 ……だけど全てを救えるとは限らない。当然だ、完璧な存在なんかじゃないんだから。

 

 でも…もしかしたら左の炎を使えば助けられるかもしれない。

 

 だけど、…左を使う勇気が今の轟にはない。

 

「それでも…この力で勝たねぇと意味がねぇんだ!この力だけじゃねぇと……意味がねぇんだよ!!」

 

「……だから俺にリベンジしに来たのか? 右の力で勝てるって自分に言い聞かせる為に?」

 

「……………」

 

 轟は何も答えない。……………答えられないんだ。エンデヴァーに対する怒り、右の力に対する執着、見えてしまった現実、どれも無視する事はできずに何をどうすれば良いのか分からない。

 

 だったら……俺がやるべき事は一つ。

 

 

【聖剣ソードライバー!】

 

 

「……そろそろ始めようか」

 

 

 全部吐き出させる!怒りも執着も憤りも…全て吐き出させて残った轟の本心をさらけ出す。

 

 ソードライバーを身に着け、ブレイブドラゴンとニードルヘッジホッグ、ピーターファンタジスタをセットして火炎剣烈火をドライバーから引き抜いた。

 

【烈火抜刀!!】

 

 

「変身…!」

 

 

【ドラゴン!ヘッジホッグ!ピーターパン!三属性の力を宿した、強靭な剣がここに降臨!!】

 

 

 

 三冊のワンダーライドブックを使用して【仮面ライダーセイバー ドラゴンヘッジホッグピーター】へと、俺は変身した。

 

 

「……ありがとな」

 

 それは何も聞かないでくれた事に対する物か…はたまた、この場に来てくれた事に対する物か…轟は静かに礼を言って構える。

 

 

 丁度近くにあった小石を轟に見せる。この小石を投げて地面に落ちたら始めの合図にしようと提案する。その意図が伝わったのだろう…轟は小さく頷いた。

 

 適当に力を抜いて軽く小石を投げる……

 

 

「…ッ!」

 

 小石が地面に落ちると同時に轟の足元が氷つき、次の瞬間生まれた高速で迫る氷柱の群に俺はヘッジホッグの能力で無数の棘を射出して相殺する。

 

 

 防がれた事に動揺はせずに轟は再び氷結を放つ。今度は相殺せずに近くの建物に伸縮自在のキャプチャーフックを引っ掛け引き寄せる事で回避する。

 

【ニードルヘッジホッグ!】

 

 今度はこちらの番、ドライバーのニードルヘッジホッグを押し込み……火炎剣烈火を振るうと炎に包まれた無数の針が轟に襲いかかる。

 

 生半可な壁では意味が無いが、轟はそう簡単には行かない。下がりながら足元から氷柱を剣山のように放つ。それによって放った棘は轟に届く事なく爆発する。

 

「やっぱり強いな…剣」

 

「それはお互い様…!」

 

 軽口を言い合いながらも戦いは続く。轟の氷結が迫るスピードと規模も大きくなってきた。ならば此方もギアを上げる迄だ。

 

【パープルハート!ふむふむ…!】

 

 パープルネキのブックを2回リードして、火炎剣烈火を強化する。紫のエネルギーが火炎剣烈火を覆い切れ味が増す。

 

 強化された火炎剣烈火を振るい、迫りくる氷柱を尽く切り払い距離を詰める。

 

「クソ…!」

 

 そして遂に剣が届く位置に迄踏み込み。火炎剣烈火を振るうが、流石にこれでは終わらない。ギリギリで回避した轟。お返しと言わんばかりに右手で凍らせようと掴みかかるが……

 

(……遅い)

 

 それは十分に回避できる物だった。見れば轟の体は震えており少し霜がかかっていた。

 

 やっぱり、そうだった。

 

 轟は速攻で勝負を決めに来る。端から見れば圧倒的と感じるだろう……だけどそれには理由があった。

 

 個性は身体機能。轟にも冷気に耐えられる許容範囲があるのだ。

 

 だから早急に勝負を決めたかったのだ……持久戦では勝ち目がないから。

 

「……弱点を補う。そんな理由があっても左は使わないの?」

 

「……ッ!」

 

 でも、…それは左の炎で温めれば解消できる。温めれば体の震えは何とかなる筈だ。だから俺はクリムゾンドラゴンを使わずドラゴンヘッジホッグピーターで戦い火炎剣烈火の炎を使わずパープルネキの力で戦っている。

 

「…………そんなにエンデヴァーになりたくないの?」

 

「ッ…!当たり前だ!! 誰があんなクズ野郎に!?」

 

 それはそうだろう……話を聞いて正直ドン引きだ。俺だってなりたくはない。

 

「そうだよな……………でもさ、轟は轟じゃん」

 

「……何?」

 

「例え轟が望んでエンデヴァーになろうとしても轟は轟にしかなれない。親子だろうが何だろうが…結局、他の誰かにはなれないんだよ」

 

 同じ仮面ライダーセイバーでも、…俺は神山飛羽真にはなれない。兄貴達だってそうだ。例え憑依転生しようとも、その憑依先本来の人物にはなれない。神喰ニキは神喰ニキなりの、グラマスニキはグラマスニキなりの生き方をしてる。

 

 だから右だの左だの気にする必要なんてない。

 

 

「……なら、どうすれば良いんだよ」

 

 不意に轟の口からそんな言葉が出た。

 

「今まで親父を否定する為に生きてきたんだ…! その為に個性を伸ばして来たんだ…! そんな正論ぶつけられても…今更、変えられる訳ねぇだろ…!」

 

 そう叫んで向かってくる轟の動きは鈍い。避ける気すら起きないレベルだ。

 

 拳を振るう……もう氷結する体力が無い程に体温が下がっているんだ。

 

 そんな状態のパンチを喰らってもダメージなんて有りはしない。

 

「……轟はさ…どうして雄英に来たの?」

 

「……は?」

 

 俺の言葉に轟の動きが止まった。

 

「俺はヒーローに成りたくて此処に来た。それは耳郎も拳藤も飯田や切島達だって同じだ。轟は違うのか?エンデヴァーを否定する為に此処に来たのか?」

 

「俺は……俺は…!」

 

「お前は…USJで俺を助けてくれただろ、左の炎を使って! お前はいざって時にはプライドや拘りなんてものを放り出して誰かを助ける事ができるんだよ!!」

 

 もし、エンデヴァーの復讐だけで此処に居るのならそんな事はできない筈だ…!

 

 

「エンデヴァーの事以前に自分が何をしたいのか…キチンと考えろ、轟焦凍!!」

 

 

 胸倉を掴み右拳で思い切り殴り飛ばす!確かな手応えを感じ取り、鼻血が飛び散り、轟の体が地面に叩きつけられた。

 

 第三者が見れば勝負有りと判断するだろう……だけどコレで終わりではない。

 

 

「……………ッ!」

 

 

 次の瞬間、轟の体から炎が噴きあがった。 熱気と共に、体に降りた霜が蒸発した。辺りに散らばった氷の欠片も消え去った。左半身から炎が迸る。

 

「……敵に塩を送りやがって……馬鹿だろ剣」

 

 立ち上がった轟は……笑っていた。始めて見たな、轟が笑う瞬間なんて……

 

「へっ…! お節介はヒーローの特権……だろ?」

 

「そうか……ああ、その通りだな。そうだ…俺だってヒーローになりてぇさ! この思いは糞親父なんて関係ねぇ…!」

 

 

 感情を昂ぶらせる轟。それに呼応するかの様に炎が溢れ火力がどんどん上がっていく。

 

「覚悟しろよ。こっちは長らく使わなかったせいで加減が利かねえ。どうなっても俺は知らねえぞ?」

 

「上等…!」

 

 

【キングオブアーサー!】

 

 

 ドライバーからニードルヘッジホッグとピーターファンタジスタを取り出し代わりにキングオブアーサーをセットする。

 

「キングエクスカリバー!!」

 

 

 現れたキングエクスカリバーを左手で握り右手で火炎剣烈火を引き抜いた!

 

 

【烈火抜刀!!】

 

 

「諸先輩方! 受け継がれし希望の力……お借りします!」

 

 

 左手のキングエクスカリバーを頭上に掲げて円を描いた後にトリガーを引いてキングエクスカリバーで描いた円から空の様に澄んだ水色の光が降り注ぎ俺を覆い尽くす。

 

 

【ドラゴン!アーサー王!二つの属性を備えし刃が、研ぎ澄まされる!】

 

 

 やがて光が晴れ……右半身が赤い龍、左半身が水色の騎士を模した姿……【仮面ライダーセイバー・ドラゴンアーサー】へと姿を変えた。

 

 

「その言葉……そっくりそのまま返してやる!」

 

 

 俺の言葉に笑みを浮かべて轟の足元が氷で覆われる。 それと同時に左の火力が上がっていく。 練り上げられる冷気と熱が、風を産み出していく。

 

 炎と氷……相反する二つの力が互いに支え合い高まった力は生半可な物ではないだろう。

 

 故にコッチも最大出力だ!

 

 

 ドライバーからキングオブアーサーを取り外し、キングエクスカリバーの裏側にある【封印解除装置ベディヴリーダー】にセットしてトリガーを長押しする!!

 

 

【解き放て!希望の力!!】

 

 

 火炎剣烈火をドライバーに戻してキングエクスカリバーを両手で力強く握る。すると刀身が七色の輝きを放つ。

 

 それを空に掲げて円を描くと円型の虹が何重も描かれキングエクスカリバーに収束する。

 

【限定読破!!】

 

 

「行くぞ……………剣!!!」

 

「こい!轟!!」

 

 轟が氷を大量に張り始め、炎を纏った左手を前方に向けた。それに対して俺はキングエクスカリバーをUSJの時の様なビームを放つのではなく振り下ろして虹色の斬撃を放つ。

 

 氷によって冷却された空気が瞬間的に膨張し爆発が巻き起こった。辺りの物を吹き飛ばし凄まじい衝撃波がグラウンドβを揺らす。

 

 

 巻き上がった土煙が収まり、勝敗が明らかになる。

 

 

「…………俺の勝ちだな」

 

「………ああ、…俺の負けだ」

 

 

 ……立っていたのは俺だった。轟は仰向きで倒れてはいるがまだ意識はある。暫く空を見上げる轟……何を思っているのかは俺には分からない。

 

 

「剣……」

 

「なんだ?」

 

「……………ありがとな」

 

 

 

 でも、…今の轟の表情は曇り一つない清々しい笑顔だった。

 

 

 

END

 




 ニキネキ紹介

・名無しのライダー&わんわんお

 遂に2が始まった。リオレウスが消えた異常現象を相談したらハンターニキに2の事を言われ唖然。因みにシナト村でアユリアと同棲してる。何で同棲してるのかって?…………彼等は初代の時の様な子供じゃないんだ。

・トリガー殿下

 駆け落ち生活にも慣れてきた。尚、捕まった時の事は考えない様にしてる。

・名無しのトマト

 原作通りに融合を使ってミエルに勝利して惚れられた。おめでとう君もグラマス達の仲間入りだ!因みにユートとデュエルしたからなのかエクシーズも使え、オットアイズもボルテックスやアブソリュートに進化した。



 ストリーズ2、滅茶苦茶面白かったですね!!話もよし、登場するモンスターも良し!エンドコンテンツもやり甲斐がある!文句無しの神ゲーでした!

 勿論私は金雷公ジンオウガを使ってます!!わんわんおのコテハンもそろそろ変えないといけないですね…

 それではまた次回!!

外伝について

  • 別に分けてほしい
  • このままでいい

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。