イッチ「“個性”と言う特殊能力がある世界に転生したら“緑谷出久”って子が自殺したんだけど…どうしたらいい?」スレ民達『ハ?』   作:DestinyImpulse

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始まる物語

「剣少年か……いい名前だね」

 

「ハハハ、ありがとうございます。少し、女ぽいですけど気にいってます」

 

 俺と同じく緑谷出久に花を添えに来た八木さん。最初見た時は骸骨みたいでビックリしたが普通に良い人そうだ。

 

 

『イッチ!聞こえる!!』

 

 そう考えていると頭の中に声が響く……これは掲示板の神喰ニキだ。これ声も届けられるのか……ホントに便利だ。

 

『どうしました神喰ニキ?』

 

『お前随分冷静……そういやヒロアカ知らないんだっけ、八木俊典……その人No.1ヒーローだよ』

 

『ファッ!?』

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

1:イッチ

 え?No.1ヒーローって事は……オールマイト!?確かに何処か面影が……

 

2:名無しのゴッドイーター

 流石にこの世界で生きてるからオールマイトは知ってるか。

 

3:名無しの転生者ハンター

 さっき俺達が話したオール・フォー・ワンと数年前に戦い、勝利するも内臓を摘出する大怪我を負った。故に普段ヒーロー活動する時は一般的に知られる姿のマッスルフォーム。それ以外は目の前のトゥルーフォームに分かれている。

 

4:グランドマスター

 とりあえず会話してみたら?此処で会ったのも何かの縁だよ。

 

5:イッチ

 わかったよ藤丸ニキ……原作キャラと話すとか、なんか緊張する。

 

6:名無しの鬼殺隊

 わかる。

 

7:名無しのトマト

 わかりみ

 

8:名無しの転生者ハンター

 気持ちはわかるがこれは現実だ、慣れろ。

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

(フゥー、よし!)

 

 現実キャラと話すってなんかアイドルに声をかける様でドキドキするけど、ハンターニキの言う通りこれは現実の世界、くだらない考えは早めに捨てるべきだな。

 

「あ、あの……八木さんはどうして此処に?緑谷君の知り合いだったんですか?」

 

「……いや、君と同じさ剣少年。この事件を知って、いてもたってもいられなくてね」

 

 兄貴達から聞いた話じゃ本来なら緑谷君とオールマイトが出会って原作が始まるんだよな……今は原作前の様だし、この時点では二人に接点は無いんだな。

 

 と言うか剣少年って……凄い呼び方だなこの人。

 

 

「………私はヒーロー側の仕事をしているけど実は無個性なんだ。何の力も無い人間だけど当時はヴィランが好き勝手する時代でね。平和を支える柱になろうと思ったんだ」

 

 

 自分と同じ無個性だから何かを感じて此処に来たって事か……八木さんは何処か懐かしむ様に語っていた。

 

「……当時は珍しいけど無個性はそれなりに居たからね……差別はそこまで無かったんだ……だからかな、ワタ……オールマイトが平和を支えるこの社会は当時よりも悪意の無い世界だと思っていた……いや、信じたかった。今回自殺した少年には無個性でも愛してくれる両親と優しい地域の人達が居た………しかし、共に青春を謳歌する筈だった幼馴染みや同級生…そして無個性だからこそ寄り添いより良い道に導くべき教師達の心無き悪意が未来ある若者の人生を滅茶苦茶にしたんだ!!」

 

 

「八木さん………」

 

 

 血が出るんじゃ無いかと疑う程に拳を握りしめる八木さんの姿は悲しみに震えていた。

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

9:名無しの転生者ハンター

 …………文字通り命を燃やしてまで、平和な日々を守っているのに……その日々が生んだ悪意が……弟子になる筈だった緑谷君の命を奪った………ホントに世界は残酷にできている。

 

10:名無しのゴッドイーター

 …………正直、原作での緑谷に対するオールマイトの発言に問題はあると思うけど……仮に無個性でもヒーローになれるなんて言ってしまえば、それがプライドになって取り返しのつかない事になる……そうやってアラガミに喰われた奴を俺は多く知っている。

 

11:名無しのトマト

 この話は止めましょう……答えなんて出やしない。

 

12:グランドマスター

 そうだね。これからの事を考えよう!

 

13:イッチ

 あの、皆さん!

 

14:名無しの鬼殺隊

 ん?どうしたイッチ?

 

15:イッチ

 八木さん……ココではオールマイトと言った方が良いか……とにかくオールマイトと話していたら商店街から爆発音がしたんです!何か知りませんか?

 

16:名無しのゴッドイーター

 商店街って事は…やっぱり今日か……原作が始まった日にヘドロの個性を持ったヴィランが爆豪を人質に取って暴れるんだ。

 

17:名無しのトマト

 でも、この世界の爆豪は自殺強要の犯人だから……自由に動ける立場じゃ無いですよね?

 

18:名無しの転生者ハンター

 だが、ヘドロヴィランに爆破の力はない。大方、抜け出して捕まったんだろ。

 

19:イッチ

 現場に着きました……兄貴達の言う通りヘドロのヴィランが暴れてて……あ!爆豪が取り込まれてます。

 

20:名無しのゴッドイーター

 やっぱりか……

 

21:イッチ

 近くに居るヒーロー達の話だと、どうやら爆豪は警察やヒーローにマークされてた様ですが、嫌気が差して抜け出したみたいです。

 

22:グランドマスター

 三人称視点モードで確認した。ヤバイな……爆破で商店街は滅茶苦茶だ。もし、飲食店のガスに引火したら野次馬諸共吹き飛ぶぞ!

 

23:名無しの鬼殺隊

 爆破のせいでヒーローは近づけないし……流体だから物理は効かない。原作でもオールマイトの超パワーで吹き飛ばして倒した相手だ。

 

24:名無しのトマト

 てか、オールマイトどうしたんです?

 

25:イッチ

 此処に来る時逸れてしまって……

 

26:名無しのゴッドイーター

 まぁ、近くには居るだろう……って、マズイ!

 

27:名無しの鬼殺隊

 ヘドロヴィランが吹き飛ばした瓦礫の先に逃げ遅れた子供が…!

 

28:イッチ

 ッ!うおおおおおおおおおおおおおおおお!!

 

29:グランドマスター

 イッチ!?

 

30:名無しの転生者ハンター

 おい、待て!

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

「おおォオオオ!!こぉんのおお!!」

 

 

 

 

 燃え盛る商店街……その中心地では爆豪を取り込んだヘドロヴィランが暴れ回っていた。

 

 

「私二車線以上じゃなきゃムリ〜〜〜!」

 

「爆炎系は我の苦手とするところ…!今回は他に譲ってやろう!!」

 

「そりゃサンキュー!消火で手一杯だよ!状況どーなってんの!?」

 

 巨大化の個性を持つMt.レディはその巨体が災いし、現場に近づく事も出来ず。

 

 樹木の個性を持つシンリンカムイは、炎との相性が最悪な為、周辺のケガ人を救助するのが精一杯。

 

 他にも周辺の消火で手一杯のバックドラフト、ヴィランとの相性が悪い事に加え、爆豪の抵抗のせいで近づく事も出来ずにいるデステゴロなど、誰一人爆豪の救助へ向かえずにいた。

 

「スゲー何アイツ、ひょっとして大物敵じゃね!頑張れヒーロー!」

 

「てか、人質になってんの爆豪勝己じゃね?無個性イジメて自殺させた」

 

「うっわ、マジだ!近所の評判悪くして今度はヴィランの人質かよ!」

 

 そんな状況をまるで見せ物の様に能天気に見つめる野次馬達。故に気づかないでいた。逃げ遅れ泣き叫ぶ子供にヘドロヴィランが吹き飛ばした瓦礫が迫っている事に……

 

 

(マズい!!)

 

 それにいち早く気づいたのは野次馬に紛れて状況を見極めていたオールマイトだった。彼の体は既にボロボロだ、それでも小さな命を救う為にマッスルフォームになろうとした時……

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 

 聞き覚えのある声が聞こえた……先程、自分の話を真剣に聞いてくれた心優しい少年。

 

 

「剣少年!?」

 

 

 剣聖火が駆け出し、子供を守る様に瓦礫の射線上に立ちはだかった。

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 何で飛び出したのか……自分でも分からない。体が勝手に動いたとしか言いようが無い。

 

 気がつけば子供を助ける為に駆け出し……

 

 

(来い!烈火(れっか)

 

 

 自分の力を解き放つ。俺の右手に赤い光が集り炎の様に真っ赤な聖剣が現れる。

 

 本来、この世界にある筈のない力……【仮面ライダーセイバー】に登場する【聖剣】の力を俺は使う事ができる。何故この力が俺に有るのかは分からないが……今は、それどころではない。

 

 現れた火炎剣烈火を握りしめ、迫り来る瓦礫に向かって振り下ろす。炎を纏った聖剣は瓦礫などバターを切るように容易く真っ二つにして俺と子供を守る。

 

「ナンだぁ!テメェ!?」

 

 

 当然、そんな事をすれば注目される。野次馬やヒーロー、そしてヘドロヴィランが俺を睨み付ける。

 

 ……正直怖い。目の前の相手が物語の最初の引き立て役のヴィランだとしてもこれは現実だ。目の前に居るのは本物のヴィランなのだ……怖くない訳がない。

 

 アラガミと戦う神喰ニキも、鬼と戦う鬼殺ニキも、人理修復の旅をした藤丸ニキも……こんな気持ちだったのだろうか……

 

 それに捕らえられているのは緑谷出久を自殺に追い込んだ爆豪だ。助ける価値なんて無い筈………

 

 

 それでも……色々とある理屈を包み込んで、燃える様にある感情が俺の心の中で叫んでいた。

 

 涙を流して悶る爆豪(アイツ)を……

 

  後ろで不安げに俺の背中を見つめる子供(あの子)を……

 

 

      守りたい!!

 

 

 

 

 

 

 だったらやるべき事は決まっている。俺はヘドロヴィランに歩を進めながら……変身ベルト(ソードライバー)を身に着けた。

 

 

 

【聖剣ソードライバー!】

 

 

 

 

「馬鹿野郎!止まれ!止まれーーー!」

 

 

 ヒーローが何か言ってるが……どうでもいい。

 

「力を貸してくれ、火炎剣烈火ッ!」

 

 

 ポケットから手のひらに乗るサイズの赤い本を取り出す。それは表紙には赤い竜が描かれている【ブレイブドラゴン】のワンダーライドブック。

 

 

【ブレイブドラゴン!】

 

 

【かつて全てを滅ぼすほどの偉大な力を手にした神獣がいた!】

 

 

 表紙を開くと内容が自動で鳴り響き、その後ライドブックを閉じて、ソードライバーの一番右側のスロットに装填、烈火を収めると深く深呼吸する。

 

 

「覚悟を超えた先に………希望はある!」

 

 

  覚悟を決めて、火炎剣烈火の柄を掴み勢いよく剣を引き抜いた。

 

 

【烈火抜刀!!】

 

 

 引き抜いたと同時にライドブックのページが開き、そこには赤い龍の剣士の姿が描かれていた。

 

 それと同じくページから赤い龍(ブレイブドラゴン)が現れると当時に俺は叫ぶ、憧れのヒーロー達の様に………

 

 

「変身!!」

 

 

 

【ブレイブドラゴン〜♫】

 

 

 流れるメロディーに合わせるように自然と身体が剣舞を舞い、炎を纏って抜剣された火炎剣烈火で十字に振るうと空中に炎の斬撃として残り、ブレイブドラゴンが俺の周りを炎と共に旋回する。そしてその炎が消えると俺の姿が右半身がブレイブドラゴンを模した鎧で覆われ、最後にさっき放った斬撃が仮面に刻まれる。

 

 

 最後に聖剣から文章が読み上げられる。

 

 

【烈火一冊!】

 

 

【勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!】

 

 

 それは火炎剣烈火の抜刀と同時に新たなページが展開されたブレイブドラゴンに記された剣士と同じ姿だった。

 

 

 

 ―――その名は、仮面ライダーセイバー。

 

 

 

【火炎剣烈火!】

 

 

 

 

 ―――世界を救うヒーローに、俺はなったんだ。

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

31:名無しの転生者ハンター

 どういう……ことだ……!?

 

32:名無しの鬼殺隊

 あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!

『イッチが子供を助けたと思ったら、仮面ライダーセイバーに変身していた!』

 な…なにを言っているのかわからねーと思うが、俺も何がおきているのかわからなかった…!

 頭がどうにかなりそうだった…!

 催眠術だとか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ…もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…!

 

33:グランドマスター

 祝え!!

 世界の均衡を守る為に悪を切り裂く炎の剣士!

 その名も仮面ライダーセイバー!!

 正に生誕の瞬間である!!

 

34:名無しのゴッドイーター

>>32>>33 落ち着けぇぇえ!!

 

35:名無しのトマト

 えっとつまり……イッチが言っていた力って仮面ライダーセイバーの力って事ですか?

 

36:名無しの転生者ハンター

 ああ、間違いないな。何かしらの力はあると思っていたが、仮面ライダーだったか……

 

37:名無しのゴッドイーター

 とにかく、呆けている場合じゃない!おそらくイッチはこれが初戦闘だ!俺達でサポートする!

 

38:グランドマスター

 そうだね!イッチ聞こえる?

 

39:イッチ

 藤丸ニキ!はい、聞こえます!

 

40:グランドマスター

 君はこれが初戦闘だろ?だから俺達がサポートする!安心しろ、俺は人理を救ったマスターだ!大船に乗ったつもりでいろ!

 

41:イッチ

 そりゃ、頼もしい!お願いします!!

 

42:グランドマスター

 火炎剣烈火にこう言うのはおかしいけど、炎は極力使わない事!周りがこれだけ滅茶苦茶だからガスが漏れても可笑しくない。

 

43:名無しの転生者ハンター

>>42 流石、的確な指示だな。とにかくまずは爆豪を引っ剥がす。あの爆発が無ければ状況は好転する筈だ。

 

44:名無しのトマト

 でも、どうやって?

 

45:イッチ

 大丈夫だ!問題ない!

 

【ピーターファンタジスタ!】

 

 コレを使います!

 

46:名無しの鬼殺隊

 お!他のライドブックも持ってたか!

 

47:名無しのゴッドイーター

 方針は決まったな!行って来い、仮面ライダー!

 

48:イッチ

 はい!剣聖火!仮面ライダーセイバー……行きます!

 

49:グランドマスター

 何故にガンダムwww

 

50:名無しのゴッドイーター

 なかなか良い動きだな……素質がある、部下に欲しい。

 

51:名無しの鬼殺隊

 いやいや、是非鬼殺隊に……

 

52:名無しの転生者ハンター

 どっちも勧誘するなwww

 

53:イッチ

 

「もう少しなんだから……邪魔するなぁ!!」

 

「いや……これで終わりだ!!」

 

 

【ピーターファン!ふむふむ……】

 

 

54:グランドマスター

 アレはリード機能!主人公は物語序盤にしか使わず、主にカリバーが使っていた機能だ!

 

55:名無しのトマト

 そのカリバーも賢人カリバーになってからは使ってない!!

 

56:名無しのゴッドイーター

 説明に悪意しかないwww

 

57:イッチ

 

【習得一閃!】

 

「ハアッ!」

 

 

58:名無しの転生者ハンター

 火炎剣烈火からフック付きのチェーンが飛び出してヘドロヴィランに突っ込み……!

 

59:名無しのゴッドイーター

 爆豪を引っ張り出した!

 

60:名無しの鬼殺隊

 うっしゃあああああ!!

 

61:名無しのトマト

 バクレツアロワナ……とったどー!!

 

62:グランドマスター

>>61 これモンハンやない、ヒロアカやwww

 

63:名無しのゴッドイーター

 ヨシ!後はアイツを倒すだけ………だけど、どうする?ライダーキックといきたいけど……ガスに引火したらヤバいし。

 

64:名無しの鬼殺隊

 よくよく考えたら自然(ロギア)系の能力者だよなアイツ

 

65:名無しの転生者ハンター

 そう聞くと原作一話で遭遇していい奴じゃ無いな。

 

66:グランドマスター

 でぇじょぶだ!自分を無敵と勘違いしているロギア系は寿命が短いと決まっている。

 

67:イッチ

 いえ、その必要はないようです。

 

68:名無しのトマト

 え?……ああ、あの人が居ましたね。

 

69:名無しの鬼殺隊

 そんじゃ、後は任せるとしようか……No.1(オールマイト)に!

 

 

◆◆◆◆

 

 

 私は目の前の出来事に驚きを隠せないでいた。

 

 

 

 先程、出会った剣少年が炎の剣で、子供を助けたかと思えば次の瞬間……彼は“変身”した。

 

 

【勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!】

 

 

 

 その光景に野次馬達も、剣少年を止めようとしたヒーロー達も唯、啞然としていた。炎と竜を印象付けるその姿は……正に“ヒーロー”と呼ぶに相応しかった。

 

「剣聖火!仮面ライダーセイバー……行きます!」

 

 覚悟を決める様に叫んだ剣少年はヘドロヴィランに駆け出す。ヘドロヴィランも瓦礫やヘドロを飛ばして攻撃するがそれを尽く切り裂く剣少年には当たらない。

 

「もう少しなんだから……邪魔するなぁ!!」

 

「いや……これで終わりだ!!」

 

 

【ピーターファン!ふむふむ……】

 

 

 そしてヘドロヴィランとの距離が近づくと何処からか青い小さな本を剣に添えると……

 

 

【習得一閃!】

 

「ハアッ!」

 

 

 青く光った聖剣からフック付きのチェーンが飛び出してヘドロヴィランの体に突き刺さり……人質となっていた爆豪少年を引っ張り出したのだ!

 

 

「なっ!?テメェこのクソガキがぁぁぁあ!!」

 

 

 無論、人質が奪われてはヴィランは怒り狂うだろう。その怒号に剣少年の戦いに見惚れていた私は現実に引き戻される。

 

 

 Shit(シット)!何を呆けているのだ私は!どれだけ強い個性が有ろうとも剣少年はヒーローではない子供!それなのに本来私が居るべき場所に立たせてしまっている!

 

 ならば成すべき事は決まっている!!

 

 手を再構築したヘドロヴィランが剣少年を叩き潰そうと腕を振るったが、間一髪、マッスルフォームになって受け止める。

 

 

 

「情けない………本当に情けない!!助ける事に躊躇して、君にヒーローを任せてしまうなんて!!」

 

 

「オールマイト……!」

 

 剣少年……もしも君がヒーローを目指すなら覚えておいてほしい…!

 

 

「プロはいつだって命懸け!!!!」

 

 

 それでどれだけ怖くても「自分は大丈夫だ」って笑うんだ!

 

 

DETROITSMASH(デトロイトスマッシュ)!」

 

 

 

 世の中、笑ってる奴が、一番強いんだから!!

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

70:グランドマスター

 改めて見ると凄いよね、片手で天候を変える程のパワー放つなんて……!

 

71:名無しの鬼殺隊

 わりと本気であの人なら日輪刀じゃなくて拳で鬼殺せそうだ。

 

72:名無しのゴッドイーター

 それどころかアラガミだって殺れるだろ……オラクル細胞もビックリだ。

 

73:グランドマスター

 これにはマルタの姉御もニッコリwww

 

74:名無しのトマト

 それにしても、あの後爆豪凄かったですね。

 

75:名無しの転生者ハンター

 そうだな……まさか「大丈夫か」って差し伸べた手を払って怒鳴り散らすとはな……「テメェに救けを求めてなんかねえぞ…! 助けられてもねえ! 俺は1人でもやれたんだ。ちょっとばかり強い“個性”があるからって、見下すんじゃねえぞ! 恩売ろうってか!? 見下すなよ俺を!!」……概ね原作通りのセリフだが酷いの一言だ。

 

76:名無しの転生者ハンター

 あれ、絶対緑谷の自殺反省してないな…

 

77:名無しのゴッドイーター

 ……大方、緑谷が勝手に自殺したと思ってんだろ

 

78:名無しの鬼殺隊

 それで、これからどうするよ?

 

79:グランドマスター

 仮面ライダーセイバーの力があるならヒロアカでもなんとかなると思うけど……

 

80:名無しの鬼殺隊

 初戦闘にしては動きは悪くなかったよな……

 

81:名無しの転生者ハンター

 ああ、伸びしろは有るよな。

 

82:名無しのゴッドイーター

 長かった原作一日目も終わり……これ以上は何もないだろう

 

83:グランドマスター

 それじゃあ、これからも出来る限りの手助けはする方向で……イッチに限らずトマト君も遠慮なく相談してね!

 

84:名無しの転生者ハンター

 異論はない

 

85:名無しの鬼殺隊

 異議なし!

 

86:名無しのトマト

 よろしくお願いします!

 

87:イッチ

 あの藤丸ニキ……

 

88:名無しの転生者

 お、イッチおかえり!カッコよかったよ!

 

89:名無しのトマト

 8888888!

 

90:名無しの転生者ハンター

 いい動きだったぞ。

 

91:イッチ

 ありがとうございます!……あ~の……

 

92:名無しの鬼殺隊

 ん、どした?

 

93:イッチ

 帰り道に……オールマイトが現れたんですが。

 

94:名無しのトマト

 ファ!?

 

95:名無しの鬼殺隊

 どうしてそうなった(・o・;)

 

96:名無しの転生者ハンター

 この展開は……アレだな

 

97:グランドマスター

 確かにイッチの活躍を見ればね〜

 

98:名無しのゴッドイーター

 これから忙しくなるな……

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 何処か納得した様な兄貴達の声を聞きつつ俺は目の前に現れたオールマイトを見る。

 

「オールマイトなんでここに!?マスコミに囲まれてましたよね?」

 

「HAHAHA! 抜けるくらいわけないさ、なぜなら私はオールマゲボォッ!!」

 

 

 全てを言い終わる前にあの痩身……八木俊典の姿になってしまうオールマイト。オールマイトは恥ずかしそうに咳をすると俺を見つめ、静かに口を開いた。

 

「…………とまぁ、これが私の本当の姿なんだけど……あんまり驚いてない?」

 

「あ、いえ!その……目の前の出来事が信じられなくて……驚くに驚けなくて」

 

「そうか……それもそうだね」

 

 セェーフ!そうだよな、知ってましたなんて顔に出したらマズイもんな……!

 

「では剣少年、私は質問と礼、そして提案をしに来たんだ。……まずは質問だ。君の行動は素晴らしかった…が、怒られたね」

 

 

 その通りだ。

 あの後、俺はヒーローに怒られた。当然だ、何の権利も資格も持たない餓鬼がヒーローの現場で個性を使ったんだ。むしろ、注意で済んで良かった。

 

 

「………そして、助けた爆豪少年に怒鳴られたね。君が差し出した手を払って」

 

 

 そう、引っ張り出した爆豪が倒れていたので手を貸したのだが……まさか思いっきり払われるとは……そしたら「お前に助けられてない」だの怒鳴られ……ヒーロー達もドン引きだった。

 

 爆豪がどんな奴かは兄貴達から聞いてはいたが……正直ヘコむ。

 

「……君は自分の行いが間違いだと思うのかい?」

 

 

 静かに唱え、見つめるオールマイト。確かにヒーロー達には怒られ、助けた爆豪には拒絶された……

 

 

「……帰り際に瓦礫から助けた子供が言ってくれたんです………「ありがとう」って……眩しい笑顔で」

 

 

 でも、それだけじゃなかった。

 

「だから……俺の行動は……間違ってもいたし、正しくもあったんだと思います」

 

 俺はそう答えた。嘘偽りなく……その答えにオールマイトは心からの笑顔を見せてくれた。

 

「最後の質問だ。剣少年、君はヒーローを目指しているのかい?」

 

 オールマイトの問いに、俺は静かに頷く。

 

 

「そうか………なら次は礼だ!君が居なければ…君の勇気ある行動がなければ、口先だけのニセ筋となるところだった!!ありがとう!!」

 

「に、ニセ筋……い、いえ、こちらこそ仕事の邪魔して、迂闊に飛び出しちゃって……」

 

「そうさ!あの場の誰でもない、君だったから!私は動かされた!」

 

 オールマイトの一つ一つの言葉が俺の胸に響く。胸がドキドキして止まらない。

 

 

「トップヒーローは学生時から逸話を残している……彼らの多くが、話をこう結ぶ!! 『考えるより先に体が動いていた』!! と」

 

 

 思い出したのは、心に刻まれているヒーロー達。誰かを守る事に一生懸命で何度も倒されても立ち上がる仮面ライダー!

 

「君も、そうだったんだろう!!」

 

「……はいっ!……」

 

 何故だろう………心が熱くてたまらない!

 

 

「だからこそ私が断言する。他の誰でもない、このオールマイトが!」

 

 

 

 

「君はヒーローになれる!!」

 

 

 

 

 

 その言葉が何度も俺の心中で響く。

 

 俺は緑谷出久の様な主人公ではない。

 

 これは本来在るべき物語ではない。

 

 それでも、俺の……剣聖火の物語が幕を上げた!

 

 

 

END

 




 はい!前話の仮面ライダー説明やあらすじを見てなんとなく想像できたと思いますが主人公、剣聖火の力は仮面ライダーセイバーです。

外伝について

  • 別に分けてほしい
  • このままでいい

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