イッチ「“個性”と言う特殊能力がある世界に転生したら“緑谷出久”って子が自殺したんだけど…どうしたらいい?」スレ民達『ハ?』   作:DestinyImpulse

24 / 54

 
 今回から物語はリメイク前から変わっていきます。

 FGOで冠位戴冠戦が始まりましたね!

 私は魔神セイバーを選びました!


二十二章「襲来、時の侵略者」

 

 

 特訓が始まって早くも三日が経過した。皆、其々の課題を持って特訓を行っていた。

 

「ふう…」

 

「あ、飯田さん。お疲れ様です」

 

 聖火達が特訓場として使用する体育館に全身汗だくとなった飯田が息を切らせて入ってくる。A組B組の大部分が体育館で特訓しているが、飯田の課題は『脚の力と持久力の強化』そのために、外回りをひたすら走り続けていたのだ。

 

 それに気づいた塩崎がスポーツドリンクを手渡す。

 

「ああ…ありがとう塩崎君。君も休憩かい?」

 

 塩崎茨……彼女の個性は髪のツルを自在に操る事ができる。そんな彼女の課題は『一度に操れる量とコントロール精度の向上』だ。

 

「はい、丁度模擬戦も始まりましたので…観戦しようかと」

 

 

 そう言って塩崎が指さした方向には聖火がB組の男子四人と模擬戦を行っていた。

 

 聖火は…仮面ライダーセイバー・ドラゴンヘッジホッグピーターに変身しており終始圧倒していた。

 

「ハァ…ハァ…オラァァ!」

 

 息を切らしつつも鎌切が両腕から三日月状の刃を生やして斬りかかるが太刀筋が甘く聖火に容易くいなされ、火炎剣烈火の柄を脇腹に叩き込まれ腹を押さえて倒れる。

 

【ニードルヘッジホッグ!】

 

 そのままドライバーのニードルヘッジホッグを押し込み……火炎剣烈火を振るうと炎に包まれた無数の針が他のメンバーに襲いかかる。

 

「させるかーーウォ!?」

 

 円場は空気を固めて作り出した透明な壁で防御して直撃を避けるが、棘は壁に命中すると同時に爆発して吹き飛ばされる。

 

 それに乗じて聖火が突撃する。

 

「やられっぱなしではありませんぞ!剣氏ィィィィ!!」

 

 それを迎え討とうとビースト化して宍田が剛腕を振るう。それを火炎剣烈火の面で受け止める。

 

「クッ……!」

 

 ビースト化した宍田の剛力には聖火も仮面の下で顔を強張らせる。しかし、炎の聖剣である火炎剣烈火を直で触る宍田の方が熱で先に音を上げるだろう。

 

「今ですぞ回原氏ィィ!!」

 

「おうよ!」

 

 しかし宍田の目的は少しの間、聖火の動きを封じる事だった。聖火の背後から回原が飛び出して回転する拳を構える。

 

「考えたな……だが!」

 

 しかし、宍田が掴んで居るのはあくまでも火炎剣烈火であって聖火ではない。聖火は次の瞬間……火炎剣烈火を手放した。

 

「「なっ!?」」

 

 戦闘において己の武器を手放す事に二人は目を見開く、火炎剣烈火を手放し自由となった聖火は回原の方に振り向きながら左腕の装甲から伸縮自在のキャプチャーフックを射出して回原の体に巻き付け……

 

「ハァァ!!」

 

 宍田に叩きつける。人一人思い切り叩きつけられてはビースト化した宍田も耐えられず体育館の地面に倒れ込む。

 

「そこまで!!」

 

 

 次の瞬間、審判を務めていたブラドの声が響く。それは模擬戦の終了を意味し聖火は変身を解除し…宍田達、四人も立ち上がる。

 

「お前達……反省点は分かるな?」

 

「……俺は攻撃が単調だった」

 

「咄嗟とは言え壁の耐久性が低かったです」

 

「自分は考えの甘さ……あの時火炎剣烈火と同時に剣氏の腕なども掴んでおくべきでした」

 

「……やっぱり射程の短さですか?」

 

 ブラドの質問に敗北した四人は自分の考えを口にする。ブラドの表情を見るに間違ってはいない様だ。

 

「そうだ。鎌切は刃に頼りすぎだ。これは武器を持った初心者に有りがちな事だ。何故なら武器を手にした敵は、基本武器しか使わないからだ。攻撃が限定される分、読み易い。無論それを逆手に取った戦法もある。先程、剣がやった相手を傷つける刃ではなく、持ち手の柄を攻撃に使った様にな……鎌切は刃と他の何かを攻撃に組み合わせろ」

 

「次に円場。さっきの攻撃は確かにしっかりと準備すれば防げただろう。しかし、それを待ってくれる程、ヴィランは甘くない。壁の強度と共に形成の時間短縮が今後の課題だ」

 

「宍田は考えは悪くはなかった。剣の主な攻撃手段は火炎剣烈火、それを封じれば大きなパワーダウンを狙える。しかし、火炎剣烈火に意識を向け過ぎてライドブックの能力を見落としていたな。確かに剣の個性は多彩だが、集団のヴィランと相手をする時だって複数の個性を見極める必要がある。戦闘中でも見落としが無い様に常に余裕を維持するのもプロヒーローには必要な事だ」

 

「最後に回原だが。先程自分で言ったように拳の射程範囲内にどうやって滑り込むかが鍵だな」

 

 

 スラスラと戦闘での反省点を指摘するブラドの言葉を四人は真剣な表情で聞き頭に叩き込む。

 

「よし、お前達四人は十五分の休憩の後に其々の訓練に着手しろ。次はA組だ! 剣、まだ行けるか?」

 

「はい…!大丈夫です!」

 

 先程の模擬戦が終わった後であり、小さく息を切らしつつも今度は仮面ライダーセイバー・ドラゴンイーグルぶた3に変身する。

 

 聖火の課題は『戦闘時間の増加』、ライドブックで皆の特訓のサポートだけでなく模擬戦を連続で行い、USJの様な連戦でも問題なく戦える様になる事を目的としている。そんな聖火の特訓が一番キツイだろう。しかし、聖火は嫌な顔をせずにひたすら真っすぐ己を高めている。

 

 そんな聖火に負けてられないと他のメンバーも特訓に着手する。そうこうしていると時間はあっと言う間に過ぎていく……

 

「よし…今日はここまで! 始まって数日、特訓が板に付いてきたな…。各自家に帰ってしっかり体を休ませろよ。解散!」

 

「「ハイ、ありがとうございました!!」」

 

 

 ブラドの解散の合図と拳藤と飯田の二人の委員長の号令で放課後の特訓は終了し、…各自、更衣室で帰りの支度をする。

 

(ふぅ…ライドブック3冊連続使用も大分慣れてきたな……………ん?)

 

 流れた汗を拭き取り着替えながら聖火は特訓によってライドブックの負担が減っている事を感じていると不意に何かを感じた……。

 

 

「ブレイブドラゴン…と、コレは…ッ!」

 

「ん?つ、剣君!?」

 

 それを見た瞬間、聖火はバックを持って更衣室を勢いよく飛び出した。隣に居た飯田が驚いた声を上げるが聖火の耳には入らない。

 

 

 何故ならブレイブドラゴンのライドブックと共に“電王童話全集”まだもが警告する様に輝いていたのだ、爆豪の時の様に……

 

 電王童話全集は使えない様に枷がある、なのにこうして反応していると言う事は只事ではない。

 

 導かれる様に走る聖火が辿り着いたのは1ーA……自分達の教室だ。

 

 

「うあああぁぁぁぁぁあ!?!??」

 

 

「轟!……ッ!?」

 

 悲鳴が聞こえた…轟のだ。

 焦燥に駆られ扉を開けると…小刻みに震え受け入れられない現実を見るかの様に愕然とする轟の前に……

 

傷を負った白髪の女性を抱えた怪物が居た。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「お前に願いはあるか?」

 

 

 誰もいない筈の教室に自分以外の声がした。

 突然の事に驚いた轟が後ろを振り返ると…そこには“白い砂のナニカ”が居た。上半身が地面に生え、その上で下半身が浮いている。

 

「な、なんだ…お前!」

 

 

 ヴィランかと身構える轟だったが…

 

 

「どんな願いも一つ叶えてやる」

 

 

 その言葉の魅力に囚われていた。

 普段だったらこんな怪しげな奴の言葉に耳をかたむける筈がない。しかし、己の出生や生い立ち、過去へのトラウマ、U S J襲撃時の聖火、自身の力に対する躊躇い……多くの要因が唯でさえ不安定だった轟の心を大きく揺らしていた。

 

「願い……」

 

「ああ叶えてやる。どんな願いでもな…」

 

 

 更に“白いナニカ”の言葉が深く響く、まるで“もう一人”の自分の言葉の様に…

 

 

「俺…は…」

 

 もしも…本当に、どんな願いも叶うのなら。

 ……その甘い毒に轟は抗えなかった。

 

「――…()()()()()()()()()

 

 

 母に…否定されてしまった母に会いたい。

 会って何をしたいのか…。それは上手く言えないし分からないが、それが轟が気づけば口から出ていた願いだった。

 

 

 それが誤ちと知らず。

 

 

 

「契約成立…」

 

 砂が寄せ集まり、“ナニカ”が姿を変える。

 炎の左と氷の右を持つ怪物に…

 

 

 すると怪物は幻の様に消えた。余りにも現実離れした出来事に最初は幻覚かと思ったが、それは儚く打ち砕かれる。

 

 

 先程の化け物が傷を負った母を抱えて現れ……轟の頭は真っ白になった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

50:炎のヒロアカセイバー

 

『お、お母さん!?』

 

『契約完了…連れて会わせてやったぞ。騒がれると面倒だからーー

【烈火抜刀!!】

「変身!!」ーーうぉ!?」

 

 お前!!

 

 

51:極み主任

 イッチからブレイブドラゴンと電王のブックが光ったと連絡が来て、もしやと思ったが…

 

52:仮面ライダーニケワン

 アレって…

 

53:屋根裏ジョーカー

 間違いなく“イマジン”だ!

 

54:SAOテイマー

 イマジン?

 

55:ありふれナインギーツ

 もしかして仮面ライダー電王の?

 

56:極み主任

 アレは“イマジン”、仮面ライダー電王に登場する怪人だ。

 未来からやって来た人類の精神体が、接触した人間のイメージ=記憶により怪人としての肉体を得た姿だ。

 

 上半身と下半身が逆転した砂時計を思わせる姿で現れ、その人間の望みを聞き入れる事で契約を交わし、実体を得て現実世界で活動を始める。

 

 

57:炎のヒロアカセイバー

 

『バレない様に弄った筈なんだが…何故分かった?』

 

「そんな事はどうでもいい!よくもこんな事を!!」

 

『俺は契約を果たしただけだぜ』

 

 何が契約だ!!

 

58:極み主任

 

 奴らは契約者の望みを叶えると言ったが望みの叶え方も先述の通り元は人間である為かFateの聖杯やまどマギのキュゥべえの様な超常能力が存在せず、イマジンの都合の良いように勝手な歪んだ解釈をされて叶えられる。

 

 例えば契約者が「死ぬほどの金が欲しい」と言った契約者に対し銀行や現金輸送車等から強奪する形で埋もれ死ぬほどの量の札束を部屋いっぱいに渡したり、「恋人との記憶を綺麗さっぱり忘れたい」という願いには記憶に関連する曲を流す物や人を消し去るなど、破壊活動で解決しようとする者が作中で殆どだ。

 

 

59:SAOテイマー

そんな上手い話はないって事ですね。

 

60:OCGトマト

 でも何でわざわざ願いを叶えるんですか?

 

61:炎のヒロアカセイバー

 

「ハァァ!!」

 

『ちぃ!まさかこの世界に仮面ライダーが居るとはな…」

 

 くそ!教室だし、人も居るから…っ、轟!

 

『悪いがお前に構っている暇はない』

 

「な、待て!!」

 

 

62:SAOテイマー

轟の体が縦に分かれてその中にイマジンが入った!?

 

63:ありふれナインギーツ

 だ、大丈夫なんですか!?

 

64:極み主任

 いや、この段階で轟に何かある訳ではない。

 

65:マゼンタの旅路

 

「だが面倒な事になったな」

 

『!、ツカサさん!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

85:マゼンタの旅路

 

「とりあえず治療は終わった。大事には至らない筈だ」

 

『…お母さん…』

 

 

86:炎のヒロアカセイバー

 ……轟。

 

87:仮面ライダーニケワン

 それにしても何でイマジンがイッチの世界に居るんだ?

 

88:最高最善のグランドマスター

 それは此方から説明しよう。

 

89:神を薙ぐ超古代の光

 保険が効いてよかったよ。

 

90:SAOテイマー

グラマスに光ニキ!

 

91:最高最善のグランドマスター

 イマジンが未来からやって来た精身体で時間を移動できるのは聞いたな?

 その後、契約者の願いを自分なりに解釈して叶える事で、その人間の記憶の中にある「現在のその人間像を作った最も強い時間」にタイムスリップする。

 

92:極み主任

だから、あのイマジンは轟の母親を傷つけ彼に強いショックを与える事で轟の一番強い時間に飛んだのか…

 

93:対魔忍リバイ

 それで何でイマジンがイッチの世界に居るんだ?

 元々居た……訳ないよな。

 

94:神を薙ぐ超古代の光

 その通り、あのイマジンはイッチの世界に元々居る存在じゃない。別の世界からやって来たんだ。

 

95:最高最善のグランドマスター

 近年、時間軸だけでなく次元軸まで移動できる突然変異のイマジンが現れ様々な世界に現れてはそこの時間軸を弄っている。

 今の所、被害は少ないが確かな問題だ。現在、仮面ライダー電王系列を中心に時間軸、次元軸の力を持つ転生者達が対処に当たっている。

 

96:ありふれナインギーツ

 もしかしてWDCの仕業ですか?

 

97:神を薙ぐ超古代の光

 その線も含めて調査しているよ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「じゃあ、このライドブックを俺に渡したのは」

 

「ああ、今回の様な事態に対処する為だ」

 

 

 掲示板の話を聞いて俺は何故、爆豪の時にツカサさんが電王のライドブックを俺に渡したままにした訳を悟った。

 

 今回の突然変異イマジンによる侵略に対処する為だったのだ。

 

「俺達もいつでも手が空いている訳じゃないからな、機会があればニケワンニキや対魔ニキにも渡す予定だ」

 

 各次元の問題に対処しているツカサさん達だが、無数に広がるマルチバースでは文字通り手が足りない……それ故に保険を掛けていたと言う事か。

 

「さて、状況は大体分かった。歴史を荒らされる前にさっさとあのイマジンを倒すぞ」

 

 イマジンが居る時間軸を捉えたのだろうオーロラカーテンを出すツカサさんの後を追おうとした時だった。

 

「……待ってくれ」

 

 ツカサさんによって治療された母親の手を漠然とした表情で握っていた轟が俺達を引き止める。

 

 自分の母親を傷つけられた事が余程ショックだったのか俺が戦っている時もツカサさんが現れた時も固まっていた、ツカサさんの治療で少しは余裕ができたのか無事を確認する様に手を握っていたのだ。

 

 轟をそのままにしていた理由としては轟の精神の安定の為に下手に声を掛けなかったのと、イマジンの起こした時間は時間軸の歪みが発生しており、元凶であるイマジンを倒せば時間軸の修正力により、イマジンの事は最初からなかった事になる。

 

 つまりにイマジンが現れる前の時間に巻き戻るのだ。

 

「……あのヴィランは何なのか……俺は現実を受け止めきれてねぇ」

 

「………轟」

 

「でも……確かな事は…俺が…!俺がアイツの言葉を鵜呑みにしたせいでお母さんは傷ついた!!」

 

 叫ぶ轟は本当に苦しそうで見てられなかった。

 そんな轟は俺の隣に居るツカサさんに視線を向ける。

 

「剣の知り合いらしいアンタは……明らかに此処のヒーローじゃねぇのは分かる。…でも、アンタが何者なのかは今はどうでもいい…!でも、コレだけは答えてもらう!アンタは今からあの怪物を追いかけるのか…!」

 

「………そうだと言ったら、お前はどうする?」

 

 言い逃れは許さない…そんな轟の鋭い眼光をその風の様に受け止め応えるツカサさんに轟は……

 

 

「俺を……俺を連れて行ってくれ!!」

 

 

 そう強く言った。

 

 

END

 





 外伝の方でニケワンニキのマリアン奪還戦を三話に分けて投稿するのでそちらも宜しくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。