イッチ「“個性”と言う特殊能力がある世界に転生したら“緑谷出久”って子が自殺したんだけど…どうしたらいい?」スレ民達『ハ?』   作:DestinyImpulse

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 長くなりましたが、いよいよ体育祭です!



二十六話「始まる、雄英体育祭!」

 

 時は流れ、雄英体育祭当日。

出場予定の生徒達は各クラスに分けられた部屋に待機して、入場時刻を待っていた。

 

聖火のクラスである1-Aの待機室では、各個人が本番に向けた準備を行っているところで、柔軟体操で身体をほぐす者、緊張を抑えようと深呼吸を繰り返す者、友達と喋って気を紛らわす者…様々だった。

 

 

「コスチューム着たかったなー」

 

 

「公平を期す為、着用不可なんだよ」

 

 

 愚痴る芦戸を尾白が宥めている。確かに、日本全国が注目する雄英体育祭で、コスチュームを着て自分をアピール出来れば最高だろう。しかし、コスチュームを所有しているのはヒーロー科のみ、コスチュームの無い他学科が圧倒的に不利になってしまうのは明白であり、禁止されている。

 

 例外は、サポート科の生徒が自身で作り上げたアイテム。もしくは事前に願書を届け教員に認められたアイテムのみだ。

 

 

「剣は問題ないとして轟の水勢剣流水はどうなの?」

 

 

「あぁ、相澤先生から連絡があった。流水はアイテム扱いだから“例外”を除いて使用禁止だ」

 

 

 耳郎の疑問に轟は流水を呼び出して答える、自身の個性で生み出した聖火の火炎剣烈火と違い、他者の力で生まれた流水はアイテム扱いになった様だ。

 

 

「皆、準備は出来たか?!もうすぐ入場だ。」

 

「……よし!」

 

 

 そうこうしているうちに、委員長として入場時間を知らせる飯田が声を上げ、聖火も気合いを入れる。

 

 

いよいよ雄英体育祭が幕を上げ様としていた。

 

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25:マゼンタの旅路

 ふむ、そろそろ雄英体育祭が始まるな。

 

 

26:神を薙ぐ超古代の光

だね、イッチも集中する為に繋がってはいるけど、掲示板には顔を出してないし。

 

27:OCGトマト

 それにしても凄い賑わいですね…

 

28:極み主任

まぁ、オリンピックに変わる一大イベントと称される程だ、ある意味で当然の賑わいだろう。

 

29:仮面ライダーニケワン

プロヒーロー達も警備であちこちに配置されてるな。

 

30:屋根裏ジョーカー

ああ、コレならヴィラン連合も無理だな。

 

31:マゼンタの旅路

さて、そろそろ行くとするか。

グラマス、光ニキ、準備しとけ、迎えにいく。

 

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『雄英体育祭!!若き卵達が我こそはとシノギを削って頂点を狙う年に一度の一大イベント!!』

 

 

 実況席のプレゼントマイクがDJよろしくと言わんばかりに会場のテンションを上げていく。

 

 大歓声と乱射されるカメラのフラッシュ、そして観客の熱気に晒される。オリンピックに変わる日本の一大イベントであり、その舞台でこれから戦うのだと、改めて生徒達に叩き込んでいく。

 

『どうせテメーらアレだろコイツらだろ!!?ヴィラン襲撃を受けたにもかかわらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!1年ヒーロー科だろぉぉ!!?』

 

 

「すご〜い!スタジアム満席だよ!」

 

 

 芦戸が周りを見渡して感嘆の声を上げた。他のクラスメイト達も観客を意識して緊張したり興奮したりしているようだった。

 

 例年ならば、一番人気のあるスタジアムは練度も高く最後と言う事もあり緊張感がより高いが故に激しい3年生の会場なのだが、プレゼント・マイクが言ったように二週間前にヴィランの襲撃を凌いだ1年ヒーロ科を一目見ようと、1年の会場に大勢の観客が集まっていた。

 

「去年まで画面越しで見ていた舞台に主役として立っている。……分かっていたが流石に緊張してしまうな、これは」

 

 

「そうね、かなりドキドキしてきたわ」

 

 

「いや、梅雨ちゃんは表情が一切変化してないんだけど…」

 

 

 表情が若干硬い聖火と小さく会話する蛙吹に耳郎がツッコミを入れる。因みに蛙吹の他に轟や障子も表情に変化は無い。

 

 

「梅雨ちゃんはポーカーフェイスだからねー」

 

 

「いや、アンタが一番ポーカーフェイスだよ」

 

 

 葉隠の言葉に耳郎が再度ツッコミを入れる。そりゃそうだ、彼女は顔が見えないのだから……。しかし、雄英体育祭という大舞台でいつもの様にツッコミを入れる耳郎もある意味で大物だと聖火は思った。

 

 

 聖火達ヒーロー科に続き、普通科、サポート科、経営科も続いて入場するが、やはりヒーロー科のオマケのような印象を持たれ彼等の表情には不満が見てとれた。

 

 

  「選手宣誓!!」

 

 

 1年生が揃うと、18禁ヒーロー、ミッドナイトがムチを鳴らして壇上に上がり観客から男性の歓声が上がった……女性陣から白い目を向けられるが仕方ない事だ。

 

 

「ミッドナイト先生……なんちゅう格好だ…」

 

 

「流石18禁ヒーロー……」

 

 

「18禁が高校にいても良いのか?」

 

 

「いい!」

 

「静かにしなさい!!選手代表!!ヒーロー科1-A剣聖火!!」

 

 

 選手宣誓はヒーロー科の一般入試試験主席が行うのが通例であった。聖火は若干緊張しながら壇上に立ちマイクを握る。

 

 

『宣誓!我々生徒一同は、日頃の鍛錬の成果を見せ正々堂々戦い抜くことを誓います!!』

 

 お手本の如く宣誓をする聖火の脳裏に過ぎるのはオールマイトとの会話。オールマイトはこの体育祭で時代のヒーローが…この仮面ライダーセイバーが来た事を世間に知らしめてほしいと言った。

 

 

『故に!!』

 

 

 ならば知らしめよう!

 聖火はブレイブドラゴンを取り出し、腰にソードライバーを巻きつける。

 

 

【ブレイブドラゴン!】

 

 

『見ていてください!!俺達を!!』

 

 周囲はざわつくが、教師陣は自由が売り文句故に止める気配はない。

 

『そして誰よりも、この俺!!1-A……剣聖火……仮面ライダーセイバーを!!』

 

 聖火は勢いよくブレイブドラゴンをドライバーにセットして……

 

 

『変身!!』

 

【烈火抜刀!!】

 

 火炎剣烈火を引き抜き聖火の身体を炎と現実に飛び出したブレイブドラゴンが一つとなり鎧となる。

 

【烈火一冊!勇気の龍と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!!】

 

【火炎剣烈火!】

 

 

 

 現れた仮面ライダーセイバーに会場の空気が静まり返るが……

 

 

『派手にやりやがったなぁ選手代表!! メッチャ燃えるじゃねぇか!!』

 

 

 プレゼントマイクの言葉で決壊したダムの様に大歓声が巻き起こる。

 

「スゲー!カッケー!!」

 

 

「おい!ちゃんとカメラ回してだろうな!?」

 

 

「是非ともスカウトしたいな!」

 観客やマスコミ、ヒーローも次々注目していく。

 

 

(変身して始めから飛ばしてきたね!いいぞ剣少年!!知らしめているぞ、君が来たって!!)

 

 

 教員の席でその様子を見届けていたオールマイトは満足そうに笑みを浮かべていた。

 先程の倍以上に膨れ上がった大歓声。

 

 

 それを充てられ普通科を含めた不貞腐れた様に自分達は“引き立て役”だと諦めていた連中は威圧感に呑まれ、篩に落とされた。

 しかしヒーロー科に呑まれた者など居らず、逆に、燃えていた。

 

 

(いくぞ剣…!俺の全てを使ってお前に勝つ…!)

 

 

 轟は聖火へのライバル心を激しく燃やし。

 

 

(…最高の盛り上がりじゃん!)

 

 

 耳郎は静かに己のボルテージを昂らせ。

 

 

(流石だ剣君…!だからこそ、俺は君に挑戦する!)

 

 

 飯田は自身の闘争心に火を付け。

(相変わらず熱いね剣!…でも呑まれるつもりはない!)

 

 

 拳藤は上等だと笑みを浮かべる。

 

 

「…私も負けられん!」

 

「………ん!」

 

 

「熱い!熱いぜ!剣!!」

 

 

 それは他のメンツも同様であり表情に覚悟が現れる。

 

「ふふ!感謝しますよ!この熱狂なら私のベイビーのアピールも!」

 

 

「まぁ……嫌いじゃないね。この熱さ」

 

 

 それはヒーロー科に限ったモノではなく他の科の中にも確かな熱気が溢れ出す。

 

 最初の様なやる気の無い者に勝ち残る可能性なし、激戦を演じるのは、自らの力で掴み取ろうとする者のみ。

 

「………………………」

 

しかし、当の聖火は仮面の下で困惑していた。聖火が視線を向けるのは目の前の観客席で一番いい席。

 

 

「ふ、最初から飛ばしてきたな」

 

「良いじゃん最高の盛り上がりだよ」

 

「頑張れー聖火!」

 そこには高級スーツに身を包んだ白髪の男性(マゼンタの旅路)が足を組み不敵に笑い、黒髪に青い瞳の男性(最高最善のグランドマスター)が飲み物片手に辺りを見回し、金髪の男性(神を薙ぐ超古代の光)がポッポコーンを片手に聖火に笑みを浮かべて手を振っている。

(な、なんで居るんですかぁぁぁあ!!?)

 

 それを見た聖火の絶叫が彼の心の中で激しく響いていた。

 

 

  END

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