イッチ「“個性”と言う特殊能力がある世界に転生したら“緑谷出久”って子が自殺したんだけど…どうしたらいい?」スレ民達『ハ?』   作:DestinyImpulse

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 前回で聖火達の合計ポイントを間違えて申し訳ありませんでした、ご指摘くれた方、ありがとうございます。


三十一話「奪い合え、騎馬戦!・後編」

 

 

「電王……?」

 

 【仮面ライダーセイバー 電王童話全集】へと変身した聖火への戸惑いは聖火を知る者達の誰もが抱いた。体育祭前のレポート課題でも見た事ないライドブックであり、これ迄、見てきたセイバーとは何かが違うと、“電王”と呟いた耳郎を含めた全員が思っていた。

 

 

「成程、確かに騎馬戦のルールなら電王童話全集は打って付けだな」

 

「解禁したのか?」

 

 一方で聖火に電王童話全集を与えた本人であるツカサは興味深そうに笑みを浮かべ、そんなツカサに立夏は問いかける。

 

「まぁな、もうクリムゾンドラゴンまで使える様になったんだ。電王の力なら使えても問題ないだろう。……流石に(ディケイド)お前(ジオウ)の力は早いがな」

 

 

 淡々と答えるツカサが()()()()()()()()()を取り出す一方で騎馬戦も動き出す。

 

 

「見た事ねぇ姿だろうが関係ねぇ!実質それ(二千万)の争奪戦だぜ!」

 

「剣君覚悟!」

 

 鉄哲チームと葉隠チームが先手必勝と言わんばかりに聖火チームに突撃する。葉隠チームの芦戸の酸や青山のネビルレーザー、角取の角のが襲い掛かるが聖火は火炎剣烈火を振い酸と角を一掃、ネビルレーザーは硬化した切島が難なく受け止める。

 

「ケッ…!」

 

「うお!?沈む!?」

 

 しかし、次の瞬間、聖火チームの足場が底なし沼の様に変化して切島達騎馬の足がドンドン沈んでいく。

 

「ん、骨抜きの軟化…」

 

「やっぱり使い方が上手いな……だが、想定済みだ」

 

 

【電王!】

 

 しかし特に慌てる事なく聖火がソードライバーにある電王童話全集をタッチすると、沈んだ騎馬の足を持ち上げて光輝くレールが出現する。

 

「突っ込むぞ!切島!」

 

「おう!任せな!」

 

 レールに乗った聖火のチームは滑る様にレールの上を移動、前方の2チームの攻撃をモノともせずに突破する。

 

「な、なんだアレ?レール!?電車かよ!?」

 

「電王だからな…」

 

 

 いや電王って何?と言いだけな2チームを振り切る聖火チーム。そして、二千万を奪う事に意識を向き過ぎた葉隠れチームも物真チームに鉢巻を奪われている。

 

『まだ2分も経ってねぇが早くも混戦!各所で鉢巻の奪い合いだ!』

 

 

「アハハハ! 奪い合い…? 違うぜこれは…一方的な略奪よぉ!!」 

 

 プレゼントマイクの実況と同時に聖火達に攻勢を仕掛けるチームが現れるが、何とも異質だった。騎馬は体格に優れた障子だけで、その上に塩崎が自身の茨の髪をドーム状に形成。

 

「………何やってんだ峰田?」

 

 そして彼女の髪の先端には胴体を巻きつけられた峰田が宙ぶらりんになっていた……切島の真っ当な突っ込みに塩崎は目を逸らす。

 

「……いえ、体格に優れた障子さんを騎馬にして上に乗った騎手を私の茨をドーム状にして格納すれば、攻防一体の騎馬ができると言う峰田さんの案に賛同したのですが……騎手をやると言う峰田さんから邪念を感じまして」

 

「「「あー」」」

 

「ん、それは英断」

 

 塩崎の説明に納得する聖火達。

 峰田の事だ、何かしらのセクハラをしても可笑しくはない。

 

「うおぉおい!!何納得してんだ!?と言うか剣ぃぃい!!オイラは障害物競走の事をまだ許してねぇぞ!!」

 

「おい!いい加減にしろ!?」

 

「……お前、そろそろ駄目だぞ」

 

 障害物競走からの言い掛かりに反論する聖火、切島に至っては呆れかえっている。

 

「ん、……しつこい」

 

「サイテー」

 

 小大も麗日もドン引きしている。下ネタが、というより、峰田が純粋に気持ち悪い。塩崎も頭を抱えており、騎馬となっている障子もマスクの上から分かるほど顔を顰めている。

 

「っ!?危なっ!?」

 

 しかし、唐突に塩崎が形成した茨のドームから伸びてきた舌が聖火の鉢巻に襲いかかる、咄嗟に回避して警戒する聖火。

 

「ケロ…やっぱり一筋縄ではいかないわね」

 

「つ、梅雨ちゃん!?……あ、梅雨ちゃんが騎手なんだ」

 

 麗日が戸惑いつつも、合点がいったと蛙吹に目を向ける。障子の上に居る塩崎も峰田も騎手が付ける鉢巻がない。

 

「そう言う事よ… とりあえず峰田ちゃんは無視しておきましょう。奇襲が失敗した以上、剣ちゃん達と真正面で戦うのは厳しいわ。障子ちゃん、茨ちゃん、ここは1度退きましょう」

 

「了解した」

 

「はい、剣さんの火炎剣烈火との相性は最悪ですし」

 

 蛙吹の言葉に同意して障子は聖火達から離れていった。峰田だけは反対していたが、チーム内のヒエラルキーが生ゴミよりも低い彼は無視されていた……仕方無いことだ。

 

「剣君!沢山来たよ!」

 

 麗日の声で周囲を見れば、四足歩行の宍田に柳と二人乗りした拳藤チームを筆頭に鱗チーム、鎌切チームの三組が迫って来た。

 

 鱗チームからは騎手の鱗の鱗弾と前騎馬の凡戸が放つ粘着液が、鎌切チームからは吹出の具現化した声が襲いかかる。

 

「小大!麗日!」

 

「ん、大!」

 

「いいよ!剣君!」

 

 しかし、小大によって巨大化させ、麗日によって軽くした火炎剣烈火を巧みに振い危なげなく防ぐ。

 

 

『剣聖火!デケェ剣で窮地を脱出!』

 

『剣が小大と合わせて麗日をチームに入れたのは、今のような連携をするためか。麗日の個性があれば、デカくした火炎剣烈火を扱い易く、尚且つ騎馬の負担を無くす為か…』

 

 実況と解説の声と共に、観客からは歓声も聞こえる。個性同士を組み合わせた行動は見ていて楽しいのだろう。

 

「覚悟しちゃいたが…!やっぱり狙われるな!」

 

「ああ、レールを滑っていくよりもストームイーグルで……っ!?」

 

 しかし、集中攻撃を喰らい続ける気はサラサラない。ストームイーグルで空中へと逃げようとライドブックを取り出した時、取り出したストームイーグルが突如として動き出し聖火の手を離れ……

 

 

「うらめしや〜……」

 

「レイ子!?」

 

 拳藤チームの柳レイ子の手に収まる。

 彼女の個性“ポルターガイスト”は人の一人分以下の体重の物を動かせる、それを駆使して聖火からストームイーグルを奪ったのだ。

 

「ナイスですぞ、柳氏!拳藤氏の読みも冴えてますな!」

 

「ああ、麗日をチームに入れたのは変身の体重変化のリスク削減だけじゃない…やっぱりストームイーグルで空に逃げる算段だった」

 

「……見抜かれていたか」

 

『……上手いな。これで剣は今の様にライドブックを奪われる可能性を考慮して無闇に取り出せなくなった』

 

 相澤の解説通り、今後、迂闊にライドブックを取り出せば柳のポルターガイストで奪われてしまう。……これ以上ない牽制を聖火に与えていた。

 

 これで今が攻め時だと拳藤と柳を乗せた宍田が突撃し、他の2チームも便乗する。

 

「やっぱり拳藤は油断ならないな……だがブックリードが無くても問題ない!切島、気張れよ!」

 

 

【電王!】

 

 

「何かすんだな!いつでもイイぞ!」

 

 切島の気合いの入った声を聞き、聖火がソードライバーにある電王童話全集をタッチすると胸部である紫の装甲から砲門が展開され。

 

 

「電王咆哮激!!」

 

 そこから無数のミサイルが発射される。

 

 

「「「「み、ミサイル!?」」」」

 

 

 聖火に取っては馴染みある攻撃だが、初見の面々に取っては驚愕に値する光景だ。

 

「っ、ヤバっ!レイ子!」

 

 瞬間、何かに気づいた拳藤が指示を柳に飛ばす。

 

「ん!…大!」

 

 それと同時に小大によって倍の大きさになったミサイルが迫っていた三チームに近づくと着弾を待たずに起爆……爆風が三チームに襲いかかる。

 

「うおお!ミサイルなんて撃てんのかよ!?」

 

「まぁな、今の内に離れるぞ」

 

 無論、聖火達にも少なからず影響は出るが予め踏ん張っていた切島のお陰で特にバランスを崩す事なく即座に展開したレールの上を滑って離脱する。

 

ミサイルの爆風でバランスを崩した他のチームは聖火達を追いかける事はできずにおり……

 

「「なっ!?」」

 

 気づけば鱗チームと鎌切チームの鉢巻が無くなっていた。いつの間にと周囲を見回せば…

 

「悪いな♪」

 

「恨まないでね〜」

 

 その場を離れる宍田の上で()()()()()を持ってウィンクする拳藤と笑みを浮かべる柳が居た。

 

 ミサイルが起爆する刹那、拳藤の指示を受けた柳がポルターガイストでミサイルの一つを操作して自分達の影響を軽減したのだ。元々、騎馬は四足の宍田で踏ん張りも抜群。

 

 大きくバランスを崩した鱗チームと鎌切チームの隙を突いて柳が鉢巻を操作して奪ったのだ。

 

『さぁ!此処で7分が経過ー!一位の剣チームも見応えあるが、奪い合いは他でも起きているぞー!!其処も要チェックだー!』

 

 

 聖火達とは別の所では葉隠チームから鉢巻を奪った物間チームが耳郎チームの猛攻に苦戦していた。

 

「あ、あははは!や、やだなぁ〜人参ぶら下げた馬みたいに…が、がっついーー「うっさい!」ーー…ひっ、!」

 

 いつもの様に嫌味を言うが耳郎のツッコミには敵わない。必死に逃げようとするが、それは叶わない。

 

「砂藤!このまま奪うよ!」

 

「おうよ!」

 

 耳郎チームは三人で騎馬を組んでいるが、その実、騎手の耳郎を砂藤が肩車して騎馬を使っており、三人で息を合わせる関係上、動きに無駄がある物間チームよりも機動性も俊敏性も高い。

 

「良いですよ!砂藤さん!私のベイビーを思う存分使ってください!」

 

「ああ、スゲー便利で大助かりだぜ!」

 

「でしょう!?」

 

 そして、もう一人、サポート科の発目明が砂藤の背中に引っ付いており、彼女の使ったサポートアイテムが砂藤の両腕にはガントレットを、両足にはホバー機能を搭載した靴を装備しており、戦闘能力も高かった。

 

「オラァ!」

 

「ちょ、マジか!?」

 

 物間チームの円場が空気凝固で盾を作ろうにも、発目の作ったガントレット状のサポートアイテムを装備した砂藤のパワーを防ぐには強度も時間も足りずに足止めにもならない。

 

 そして、相性も悪かった。

 砂藤の個性は“シュガードープ”。糖分を取れば身体能力を倍増させる個性であり、物間が“コピー”で使えたとしても糖分になる物を持っていないのでは、どうしようもない。

 

 更にガタイの良い砂藤に騎手の耳郎を肩車させた事で物理的に手が届かず一方的に攻撃を受けるしかなかった。

 

「そこ!」

 

「ーーーっ!?」

 

 そうして砂藤の猛攻で生じた隙を逃さず耳郎は発目に渡された銃型のサポートアイテム……“テーザー銃”を構えて発射。狙いを外さず物間の服に射出体が突き刺さり、本体である銃から電流が流れ物間達を感電させる。

 

「ま……まった…く!A…組…は…!」

 

「いや、どんだけ嫌味言いたいのよ……」

 

 筋肉麻痺をしても嫌味を言う物間に呆れながらも耳郎はイヤホン・ジャックで物間の頭と首に巻いてある二つの鉢巻を奪って離脱する。

 

「よし!このままいきゃあ決勝だ!」

 

「はい!私のベイビーのアピールチャンスはまだまだ続きます!!」

 

「まだ時間あんだから油断しない!……剣は!」

 

 決勝出場の四位以内に入り有頂天の二人にツッコミを入れた耳郎が一位の聖火を探す。

 

「え、何アレ!?」

 

 するとステージの端を囲う様に氷結が展開されており……

 

 

「取るぞ……二千万…!」

 

「……………………」

 

 

 その内部では二千万を狙う轟チームが聖火チームと対面していた。

 轟チームは轟を騎手に飯田を前騎馬、左右に八百万と上鳴で構成されており非常に優れたチーム構成をしており轟の首には鉄晢チームと心操チームから取った鉢巻が巻かれていた。

 

「剣…確かに騎馬戦において、その姿は打って付けだ。だが、レールの上を滑って移動する以上…先回りは容易だ」

 

「……見抜かれたか」

 

 轟の放つ炎の烈火で払いながら聖火は仮面の下で苦笑する。電王童話全集でレールを生み出し移動するのは確かに理に適った方法だが、レールの向きで進む場所が露見してしまうデメリットがあった。

 

「うわぁ…観客の人たち、すごく盛り上がってる」

 

「轟達とのバトルを期待されているな。……どうする剣!」

 

「決まってる!迎え打つぞ…小大!」

 

【電王!】

 

「ん、大!」

 

 エンデヴァーの息子である轟と、予選で圧倒的活躍を魅せて1位になった仮面ライダーこと聖火。予選である以上…逃げるのは恥ではないが観客というのは、そういう対決をどうしても期待してしまう生物だ。

 

 故に退路は無し、聖火の放つミサイルが小大によって倍のサイズになり轟チームに襲いかかる。

 

「八百万!」

 

「はい!」

 

 襲いくるミサイルを轟の炎と八百万が創造で作ったキャプチャーネットで纏めて迎撃するが、ミサイルの爆発が轟チームを襲う。前騎馬がフィジカルに優れた飯田なので被害は少ないが……

 

「っ!危ねえ…な!」

 

 爆煙を突き抜けて聖火の右側に装備された釣り竿から放たれた釣り針が轟の鉢巻を奪いにかかるが、ギリギリの所で回避する。

 

「……厄介ですわ。前面に対応したミサイルに小手先の釣り針、左の斧は近接戦闘に特化した隙の無い形態ですわ」

 

「それに加えてミサイルの衝撃は切島が受け止めて、小大でサポート、麗日は機動力を下げない為……よく考えてやがる」

 

 悪態を吐きつつも攻撃の隙を縫い、轟は聖火に向けて大氷結を放つ。しかし、火炎剣烈火から爆炎が放たれて相殺されてしまうだけで終わった。

 

 

『時間は残り僅かだ!剣チームと轟チーム!互角のまま終わるのか!?』

 

 膠着状態を割く様にプレゼント・マイクが叫ぶ。残り時間は少なく、既に2分を切っていた。

 

(残り1分弱…アレを使う場面はここしかない!)

 

 実況を聞き、此処がチャンスと考えた飯田は最後の一手にかけることにした。

 

「皆、聞いてくれ!最後の攻撃を仕掛ける。この後、俺は使えなくなるが、頼んだぞ。八百万くん、例の物を!上鳴くんは放電準備だ!行くぞ、轟君!」

 

「ああ…!」

 

 飯田のふくらはぎのエギゾーストパイプから噴き出す炎がプラズマカッターの様な青白い光へと変わっていく。

 

「っ!来るか!」

 

「トルクオーバー、レシプロバースト!!!」

 

 瞬間、飯田が爆発的な加速で騎馬を引っ張り突っ込んできた。確かに速い!麗日達には捉えられず、セイバーに変身した聖火でもギリギリだった。

 

(速ぇ…!だが…狙いが分かれば!)

 

 しかし狙いが鉢巻だと分かれば対処のしようはある。頭の鉢巻を庇う様に火炎剣烈火を構える。

 

「………かかりましたね、剣さん!」

 

「なっ!?」

 

 確かに鉢巻を取ろうとしていた轟の腕は聖火のガードを突破できずに不発だった……しかし、轟達の狙いは鉢巻ではなかった。

 

 超スピードで聖火達の側を通り過ぎた轟チーム。よく見れば轟達から伸びた金属の糸が聖火の片腕に巻き付いていた。

 

「くっ…!」

 

「遅えぇぇ!!」

 

 

 片腕に絡まった糸を見て聖火が行動するのと、上鳴が糸を握りしめて放電するのは同時だった。

 

「クッ!?」

 

「グァアアッ!」

 

「ううっ!?」

 

「んんん…!」

 

 

 上鳴の放電は糸を伝って聖火達に襲いかかる。騎馬戦終了間近で限界間近だった上鳴には大放電を行うほどの余力は無かったが、金属で構成された糸で繋がった人間を感電させるくらいの力は残されていた。

 

 如何にセイバーに変身したとはいえ、直に電流を受ければ身体の自由が奪われる聖火。加えて騎馬を作っていた三人にも感電し被害は甚大だ。

 

 

「ウェーイ…」

 

 しかし、轟達も被害が無い訳ではない。発電の許容オーバーした脳はショートし、上鳴は役立たずになってしまう。だが、敵チームの主力である聖火が完全に感電した今、轟達には絶好のチャンスが巡ってきている事に違いは無い。

 

「轟さん、これを!!」

 

「サンキュー八百万……貰うぞ剣!!」

 

 上鳴がマトモに動けないが、八百万が健在の轟チーム。八百万が創造したフック付きのワイヤーガンを手に取り外す事なく聖火の鉢巻に射出する。

 

 残り時間は30秒を切った。

 此処で鉢巻が奪われたら聖火達は敗退する。エンデヴァーは息子の勝利に笑みを、オールマイトは弟子の絶対絶命に焦りを……最後の逆転に会場が注目する。

 

「……………聖火に意識を向けすぎたな」

 

 そんな中で藤丸立夏(最高最善のグランドマスター)が、結末を悟った呟きを静かに口にした瞬間、それは起きた。

 

「っ!ああああああああ!!」

 

「なっ!?」

 

 痺れていた前騎馬の切島が気合いと共に勢いよく身体を左に大きく動かす。騎馬の要である前騎馬の動きに連動して騎手の聖火も大きく傾き、間一髪の所でワイヤーガンが外れる。

 

「ふ、復帰が早すぎますわ!まだ数秒しか!?」

 

 まだ十秒も経っていない。

 如何にフィジカルに優れた切島でも根性でカバーできる範囲を超えている。

 

「へ、へへ…間に合ってよかったぜ」

 

「……そういう事かよ」

 

 笑みを浮かべる切島に轟は苦渋の表情を浮かべる。切島の片足がステージに減り込んでいたのだ。これにより切島は自身に流れる電流を地面に逃し最小限のダメージでやり過ごし、素早く復帰できたのだ。

 

「……悪い、助かった切島」

 

「気にすんな!……お前ばかりに良い格好はさせられねぇ!」

 

『ラストに相応しい怒濤の攻防ーッ!しかし轟チーム、二千万は奪れず!カウントダウンスタート! 皆の衆、準備はイイなー!10! 9! ―――』

 

「奪い取れなかったか…」

 

 復帰する聖火と減りゆくカウントダウンと確認して轟は呟いた。上鳴はキャパを超えてアホになり弱点が露出。たとえ、時間が残されていたとしても、これでは二千万を奪う事は出来ないだろう。

 

「くっ、すまない。轟君…」

 

「期待に応えられず、申し訳ありませんわ…」

 

「ウェイ…」

 

 飯田と八百万は自責の念を滲ませて言った。上鳴はアホのままだったが、気持ちは2人と同じらしい。3人の謝罪に轟は首を振る。

 

「いや、お前達のせいじゃねぇ。剣達の攻撃を突破しきれねぇ俺の力不足もある。……ここまでくれば、剣とは決勝で決着をつけるだけだ」

 

 そう言って轟は聖火と視線を交わし……制限時間がゼロになった。

 

『TIME UP!!』

 

 第二種目、騎馬戦。11チームによる激闘が幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 





 外伝の方にSAOテイマーを三話に分けて投稿するので、其方も一緒にお願いします。
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