イッチ「“個性”と言う特殊能力がある世界に転生したら“緑谷出久”って子が自殺したんだけど…どうしたらいい?」スレ民達『ハ?』   作:DestinyImpulse

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 FGOで水着式さんを引いたら初めて天井まで行った後にティアマトを35連で引いたDestinyImpulseです。

 私、ドラコーを呼符を一枚、テュフォンを呼符を二枚で引けたのでドラゴン鯖とは相性が良いんですよねー。

 いよいよ決勝トーナメントまで進み、所々がマキになるかもしれませんがご了承ください。




三十三話「決勝トーナメント、第一回戦・前編」

 

「全員にクジを引いてもらい…組み合わせはこうなりました!」

 

第1戦  剣 対 心操

第2戦 砂籐 対 宍田

第3戦 拳藤 対 切島

第4戦 発目 対 飯田

 

第5戦 麗日 対 常闇

第6戦 小大 対 八百万

第7戦 耳郎 対 上鳴

第8戦  柳 対 轟

 

 

 ミッドナイトの宣言と共にモニターにデカデカと映し出される組み合わせに注目する。

 

「心操……確か」

 

 聖火の脳裏に過るのは体育祭前に宣戦布告をした普通科の生徒…

 

「やっぱり油断ならない奴だったか…」

 

「嬉しい評価だね、仮面ライダー」

 

 呟く聖火に答える様に後ろから声を掛けてくるのは一回戦で戦う心操。振り返った聖火が口を開こうとした瞬間。

 

「剣!!」

 

「奴と会話をするな…ダークシャドウ」

 

『アイヨ』

 

 尾白が尻尾で口を塞ぎ、常闇がダークシャドウで二人の間を遮る。

 

「後で話すけど、アイツの言葉に応えちゃダメだ」

 

 突然の事に困惑する聖火の後ろから庄田が小声で話しかけ、三人は聖火を心躁から引き離した。

 

「剣とは決勝か…」

 

「……自分の運の悪さが恨めしい」

 

「飯田って貴方ですか?」

 

「む、如何にも俺が飯田だが?」

 

「ヒョー!よかった、実はですね!」

 

 

 各々がトーナメント表を見て反応を示し、それからレクリエーションを楽しむ者、応援に精を出す者、試合前に集中する者、対戦相手について語る者と時間は過ぎてゆき、ついに最終種目の時が来た。

 

 スタジアムの中央に教員であるセメントヒーロー・セメントスがバトルステージを作り出して舞台は整った。

 

 

『ヘイガイズ!アァユゥレディ!?色々やってきたが、結局これだぜ、ガチンコ勝負!頼れるのは己のみ!心技体に知恵知識!総動員して駆け上がれ!』

 

 ついに始まった最終種目に観客たちは歓声をあげる。その声を聞きながら聖火はステージに続くスタジアムの通路を歩いていたら。

 

「HEY!剣少年!」

 

「オールマイト!」

 

 そこで声が聞こえ、振り返ると、後ろにトゥルーフォームのオールマイトが居た。駆けつけてきてくれたようだ。

 

「第一種目と第二種目、見事だった。開会式での変身宣言から、一位を独占し世間は君の話題でも持ちきりだ」

 

 我が事の様に優しい笑顔で、労ってくれるオールマイトに聖火も笑みを浮かべる。

 

「四回だ剣少年。後四回勝てば、文句なくキミがNo.1だ。期待しているよ、仮面ライダーセイバー!」

 

「はい!」

 

 見に来ているツカサ達だけじゃない、オールマイトも期待している…だからこそ、負けるわけにはいかない……そう思うと、会場へ歩く足に力が強く入った。

 

 

 

『一回戦!!圧倒的な活躍で会場を沸かした優勝候補!ヒーロー科剣聖火!! VS ごめんまだ目立つ活躍なし!普通科、心操人使!!』

 

『ルールは簡単!相手を場外に落とすか行動不能にする!あとは「まいった」とか言わせても勝ちのガチンコだ!!怪我上等!!こちとら我らがリカバリーガールが待機してっから!!道徳倫理は一旦捨て置け!!だがまぁもちろん命に関わるよーなのはクソだぜ!!アウト!ヒーローは、ヴィランを捕まえる為に拳を振るうのだ!』

 

 

 

「「まいった」……か。ヴィランと戦ったお前なら絶対に言わない台詞だな剣聖火。だけど、俺も言う気はサラサラない。強く思う"将来"があるならなりふり構ってちゃダメなんだ…」

 

 ステージに向かい合う様に立ちながら聖火に語りかける心操。彼の言葉を聖火は真剣な表情で聞いていた。

 

 

『そんじゃ早速始めようか!!』

 

「あの()()はプライドだが何だか知らないが、俺に反論せず、()()にあっさりチャンスを譲った」

 

『レディィィィィ!START!』

 

「チャンスをドブに捨てるなんて馬鹿だとは思わないか?」

 

 明らかな挑発。だが、聖火は分かっていた。

 これは目の前のチャンスを掴もうとする男の、必死の作戦だと言うことが。だから、無言で火炎剣烈火を構る。しかし、変身はしない。完全な生身のままで、心操に迫る。

 

「っ!流石は優勝候補!変身しねぇなんて、普通科の俺は眼中に無いのかよ!?」

 

 何とかして口を開かせようとする心操。だが、無情にも聖火は火炎剣烈火を振るう。炎の斬撃が辛うじて避けた心操に擦り、熱で苦しめる。

 

「いけ!剣!」

 

「そのまま奴を声に耳を傾けず、勝負を決めろ!」

 

「? そういえば、尻白と常闇は騎馬戦であの心操って奴と同じチームだったけど何で?余ったから?」

 

 A組に割り振られた観客席では、尻白と常闇が聖火を応援して、それを聞いた耳郎が何で騎馬戦でチームを組んだのか問うと二人は答えた。

 

「ああ。心操の個性は『洗脳』。奴の問いかけに答える事で発動し、洗脳されている間はほとんど意識も無く、奴の言いなりになってしまう。俺はダークシャドウのお陰で意識を取り戻せた」

 

「俺は終盤まで意識が無かったけど、他の騎馬とぶつかった時に意識が戻って……多分、衝撃で解けるんだ。……でも、決勝トーナメントは、一対一…厳しい状況になるから剣に警告したんだ」

 

 常闇達は聖火に心操の個性を教えて、受け答えしない事を念を押しており、素直に忠告を聞いた聖火は、当然ながら心操の個性に注意を払って戦っている。

 

「洗脳!?」

 

「受け答えするだけで!?初見殺しじゃねえか!?」

 

「ハッ!?閃いた!」

 

「アンタ、マジで良い加減にしなよ?」

 

 対人戦ならば最強に近い彼の強個性にA組の生徒から驚きの声が上がる。どうしようもない事を考えている者が1名いるが、女子たちから極寒のブリザードのような冷たい視線に晒されていた。

 

 そうしている間にも試合は進む。

 烈火を振るっていた聖火が突如として烈火を手放したのだ。

 

「なっ…がぁ!?」

 

 相手が武器を自ら手放した状況に心操は困惑して手放した火炎剣烈火に意識を向ける。それこそが聖火の作戦、手放した烈火に意識を奪われた隙に疎かになったボディに膝蹴りを叩き込む。

 

入学前はオールマイトの特訓に加えてスレ仲間達の指導を、入学してからはヒーロー科の仲間との特訓で模擬戦をしていた聖火は派手な個性だけのボンクラでは無い…確かな剣技や戦いの土台ができている。

 

 それを察して、腹の痛みに耐えながら立ち上がる心操に、手放した火炎剣烈火を手に取り聖火は迫る。

 

(馬鹿に、してる訳じゃない…!)

 

 

 そんな聖火の目は真剣そのもの、一切の油断や慢心は無かった。

 それでも心操は止まらない、モロに喰らった痛みを歯を食いしばって耐えて拳を振るう。

 

「お前の“個性”が羨ましいよ!俺はこんな“個性”のおかげでスタートから遅れちまったよ。恵まれた人間には分かんないだろ!?

 

「……………」

 

「誂え向きの“個性”に生まれて、望む場所へ行ける奴らにはよ!」

 

「……………」

 

「だから、お前達には…負けるかよ!」

 

 心操の我武者羅で独学の拳の振り方……見た目では分からないが、心操の言葉は確実に聖火の心に響いていた。

 

 ヒーローとして、オールマイトが選び導いてくれている、仮面ライダーとしてツカサ(マゼンタの旅路)が手助けしてくれている、今は死闘の末に掲示板から離れているが、抜刀斎(鬼斬り抜刀斎)が剣を振るう者として指導してくれていた。

 

 他にも立夏やユウなどの掲示板の皆んなや見守ってくれているし、耳郎や轟達、ヒーロー科の仲間も居る。

 

 自分は大いに恵まれている…その自覚を聖火は当然持っている。

 

(だからこそ…!俺は応えなきゃならない!!)

 

 心操の渾身の右ストレートを聖火は臆する事なく見据え……

 

「うおおおおおおおおおっ!」

 

 それに合わせた渾身のクロスカウンター。

 心操の右拳が聖火の頬を掠め、聖火の火炎剣烈火が心操の胴体に直撃。大きく吹き飛び、場外へ吹っ飛ばされる心操。

 

「…勝負有り!勝者、剣聖火!!」

 

『うおおおおおおおおおおおおっ!』

 

 とたん、スタジアムから上がる大歓声。

 それを受けなら聖火は倒れる心操に手を差し伸べる。

 

「……体育祭前に心操は大胆不敵に俺達ヒーロー科に対して戦線布告をした。そして今日、その言葉を虚言にする事なく、他のヒーロー科を押し退けて決勝トーナメントの部隊に立っている。……そんな心操を見くびれる筈もない」

 

 先程、心操は言った強く思う将来があるならなりふり構っていては駄目だ。チャンスをドブに捨てるなんて馬鹿だ…と、聖火も概ねその言葉には同意だ。

 

「……意外かもしれないけど変身するにも負荷があるんだ、それを力が大きければ大きい程、デカくなる。此処まで順調って訳じゃない、抑えるべき所で抑えなきゃ勝ち進めない」

 

 この後で三回も戦わないといけないのだ、障害物競走や騎馬戦の疲労も完全には抜けてない状況で馬鹿正直に力を使いまくって、いざ勝ち進んだ先でガス欠して負けましたでは話にならない。

 

「………そうか」

 

 変身しなかったのは決して心操を舐めていた訳ではない。聖火も真剣に雄英体育祭に臨み、優勝する為に色々と試行錯誤して選んだ選択をしていると理解した心操は差し出された握って立ち上がる。

 

 

「……結果によっちゃ、ヒーロー科編入も検討してもらえる。覚えとけよ?今回は駄目だったとしても…絶対諦めない。ヒーロー科入って、資格取得して、利用出来るものは全部利用して…今よりずっと強くなって…絶対お前らより立派にヒーローやってやる」

 

「……心操ならなれるよ。人質立てこもり事件とかで、ボイスチェンジャーを使った心操が担当すれば、誰よりも大活躍できるだろうし…」

 

 聖火がそう言うと心操は虚を突かれた様な顔で唖然としていた。

 

「……想像力、豊かなんだな…そんな事、考えた事もなかった。絶対…優勝しろよ、一回戦で負けた俺の評価の為にもな」

 

 そう言って小さく笑みを浮かべた心操は最後に自分なりのエールを送る、そんな心操の言葉に聖火を笑みを浮かべて答えた。

 

「ああ!」

 

 そうしてお互いに入場した入り口に戻る両者。

 

「かっこよかったぜ!心操!」

 

「優勝候補に逃げずに立ち向かって…正直ビビったよ!」

 

「やっぱり俺ら普通科の星だよ!」

 

 その道中で心操に観客席から普通科の連中が次々に声をかけ、同時に観客席のヒーロー達からも心操の“個性”の有用性を評価する声が上がり始めた。

 

 

「………待ってるぜ」

 

 それを見た聖火は笑みを浮かべてクールに去っていく。遠くない未来でヒーロー科に来るであろう彼との再会を期待して。

 

 

END

 





 聖火は抜刀斎ニキから剣の指導を受けており、居合切りの烈火緋龍閃もその研鑽で生まれた技です。

 今、聖火も鬼滅の“〇〇呼吸!”…とか言って、剣技を使える様にするか、試行錯誤をしています。

 外伝の方もテイマーニキのフィリア編の最後を投稿したので、次は鬼滅人気の流れで兄上戦後の抜刀斎ニキの話を投稿するかもしれません。


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