イッチ「“個性”と言う特殊能力がある世界に転生したら“緑谷出久”って子が自殺したんだけど…どうしたらいい?」スレ民達『ハ?』   作:DestinyImpulse

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三十八章「決勝トーナメント、決勝・中編」

 

 

 先手を取ったのは轟だ。

 右手に握る水勢剣流水の水を使って氷を精製、その勢いで右腕を振り上げると鋭く尖った氷柱を何本も生やしてきた。氷を流水に集中させた事で従来の瞬間凍結よりも収束された強固な物に仕上がっており、破壊は困難。何の対策も取っていなければ、両足を凍らされて動きを封じられるか、下手に動いて氷柱に激突し、大ダメージは確定だろう。

 

 

 

DETROITSLASH(デトロイトスラッシュ)!!」

 

 

 だが、その氷壁が一瞬で切り裂かれた。

 氷が吹き飛び、巻き起こる寒波で震える観客達が見たのは右半身が赤い龍を、そして左半身が水色の騎士を模した……【仮面ライダーセイバー・ドラゴンアーサー】へと姿を変えた聖火が左手に握るキングエクスカリバーを振り上げた姿だった。

 

「随分なご挨拶だな」

 

「……マジかよ」

 

 氷を切り裂き現れた聖火は続けて右手に握る火炎剣烈火を振い炎の斬撃を飛ばし、轟は左手を翳して火炎を放ち迎え撃つ。ステージの中心で二つの炎がぶつかり合い爆発、ユラユラと炎が舞い踊る。

 

『流石はダークホース!轟の瞬殺劇を容易く切り裂いたー!』

 

「キングオブアーサー……流石に剣も切り札を使ってきた」

 

 砕け散る氷の寒波と炎のぶつかり合いで巻き起こる寒暖差に観客席の者達が震える中で耳郎はキングエクスカリバーを振い轟の氷を砕く聖火に目を向ける。扱いが難しく完璧には使用しきれていないと言っていたキングエクスカリバー…もう後を気にする必要のない状況で聖火は容赦なく切り札を使ったのだ。

 

「今まで使わなかったからか、氷の大技を使うのが半ば癖になってるな」

 

「あぁ、俺もそれは自覚している」 

 

 迫り来る氷柱をキングエクスカリバーが難なく砕く聖火の言葉に意味深に返す轟。それに聖火が違和感を感じていた時…轟は流水を右から左に持ち変えて強力な水鉄砲を流水から放つ。しかも、同時に右足から大氷壁を放ち聖火を凍らせようとする。

 

「氷壁はキングエクスカリバーじゃなきゃ直ぐには砕けねぇだろ」

 

「ちぃ!」

 

 轟の言う通り、ステージを覆う氷壁は烈火では溶かしきる前に場外に押し出される可能性がある。故にキングエクスカリバーで氷壁を砕き、迫る水鉄砲は烈火から炎の斬撃を放ち相殺しようとするが…

 

「なっ…くっ…!」

 

 放たれた水鉄砲は炎の斬撃では相殺できず、聖火は咄嗟に躱わすが右肩に掠ってしまい数歩後退る。掠った右肩は水鉄砲の余波で濡れており微かに白い煙を放っていた。

 

「………熱湯か」

 

『上手いな。右で使えば流水を媒介に氷の自由度を高め、左で使えば流水の水を炎で熱し熱湯にする』

 

『でもよ、轟は何で剣の様に変身しなぁんだよ?変身して個性を使えば最強じゃねぇか』

 

 プレゼントマイクのもっともな質問。変身して肉体スペックが上昇した状態で個性である半冷半燃が使えれば敵無しだろう。

 

『……轟が流水を手に入れてから色々と試して最初にわかった事がある。個性持ちが聖剣で変身した場合…変身者は()()()()()()()()()()使()()()()()()

 

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853:最高最善のグランドマスター

 近くのエンデヴァーが叫んで五月蝿い。

 

854:対魔忍リバイ

 まぁ、そうだろうな。

 

855:赤目の主人公Z

 轟が変身しないのも納得だな。轟が待ってるライドブックはライオン戦記だけ、元の個性が使えないとなるとクリムゾンにまで変身できる聖火には単純にスペック負けしちまう。

 

856:ねっぷねぷにしてやんよ!!

 大火力はないけど、肉体スペックが向上し水の力が使える変身か…

肉体スペックは生身だけど、大火力の通常形態か…

 

イッチを相手にするなら変身せずに個性と水勢剣流水を組み合わせた戦闘スタイルが一番良いわね。

 

857:神を薙ぐ超古代の光

 

PLASMA(プラズマ),DRAGON(ドラゴン),SHOT(ショット)!!』

 

 でも次第にイッチのキングエクスカリバーに押されていってるね。

 

858:ありふれナインギーツ

 アレでも、まだ完全に使いこなせてないんですよな。

 

859:極み主

 ………思うにスペックが足りて無いのではないか?

 あのキングエクスカリバーはワン・フォー・オールが変化した物。現状なれる形態では扱い切れずに動きにムラがある。

 

860:マゼンタの旅路

 脳無の時は純粋なスペック勝負だったから勝てたが…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ツッ!」

 

 勝負は聖火に傾きつつあった。

 キングエクスカリバーから放たれる斬撃が轟の氷壁を難なく砕き大きな衝撃波が轟を襲う。水勢剣流水をステージに突き刺し吹き飛ばない様にしているが轟の表情は疲弊が見えいた。

 

「砂籐の言う通り、剣士版オールマイトだな…!」

 

「まぁな…オールマイトをイメージして振ってるしっ!」

 

 轟が放つ炎を火炎剣烈火で切り捨て返しの一閃をキングエクスカリバーで放つ。横凪で迫る巨大な斬撃を轟は流水の水を媒介に氷の橋を形成、それを足場に宙へと逃れ距離を詰めて来た。

 

『轟!回避と同時に距離を詰めた!!』

 

 しかも、右から周囲の空気を凍てつかせる氷壁を放ちながら左手には燃え盛る火炎が迸り轟は今にも放ちそうだった。

 

(っ!狙いは熱膨張か!)

 

 冷やされた空気が膨張し爆風を引き起こす現状。右で放った氷結に高めた火炎を放つ事で暴発を起こす。まともに喰らえば場外は明らか迎え撃つ他ない。

 

 聖火はキングエクスカリバーと火炎剣烈火のトリガーを引き、火炎剣烈火からは赤い炎が、キングエクスカリバーからは蒼い光が溢れる。

 

膨冷熱波(ぼうれいねっぱ)!!」

 

 先に放った氷結に高めた火炎を叩き込み、冷却された空気が瞬間的に膨張し、爆発が巻き起こった。ステージどころか会場すらも消し飛んでしまうのではないかという衝撃波が会場を揺らす。

 

SHINING(シャイニング),SLASH(スラッシュ)!!」

 

 それに対して聖火は両腕に握った二刀の聖剣を十字に振るい、迫り来る衝撃波を切り裂いた。

 

 巻きあがった土煙が少し収まり結果が明らかになる。聖火は場を数歩後退りしつつも健在。轟も炎を推進力して場外になるのを防ぎステージに着地する。

 

「……っ!?」

 

 互いに互角となった、その時だった。

 完全に舞い上がった土煙が完全に収まりを見せる前に青い影が土煙に紛れて聖火の左方をから迫る。直前に察知して回避した聖火、土煙が収まり影の正体が明らかになる。

 

「……やっぱりライオン戦記か…」

 

 強靭な四肢に立派な立髪…全身が青く染まった獅子…轟が唯一持つライドブックである【ライオン戦記】に描かれた存在。熱膨張を行う前に氷結を隠れ蓑にして召喚していたのだろう。

 

「ガウ」

 

「サンキューな」

 

 しかも、ライオン戦記の口には聖火の左側のホルダーにセットされていた【ピーターファンタジスタ】が加えられており先程の時に聖火から奪っていたのだろう。

 

「……最初からコレが狙いだったのか?」

 

「できれば、あのまま倒したかったが…お前がクリムゾンドラゴンに変身した時、流水とライオン戦記が教えてくれたんだ。ピーターファンタジスタがアレばブレイズは先に行けるって」

 

「ガオォォォォ!!」

 

 聖火の問いに轟が答えた時だった。ライオン戦記が青い光を放ち雄叫びを轟かせると轟の手に持つピーターファンタジスタと水勢剣流水が共鳴する様に青く輝き、やがて三つの光が一つに集約…

 

【天空のペガサス!】

 

 

【かつて蒼白の翼を持つ神獣が天から輝き舞い降りた…】

 

 

 光が晴れると一つの青いライドブック…【天空のペガサス】が其処にはあった。轟は天空のペガサスを手に取る静かに笑みを浮かべる。

 

「どうやら…流水達もお前達には負けたくない様だ」

 

「ん…予選の時に剣は言ってた、ライドブックには相性があるって」

 

「剣のクリムゾンドラゴンと同じく、轟の手元には青いライドブックが三つ!」

 

『………くるぞ』

 

 轟はソードライバーを腰に装着して天空のペガサスをドライバーの右側にセットする。それを観客席から見ていた小大や拳藤がコレから起こる事を察し、相澤は静かに告げた。

 

 

【ライオン戦記!】

 

【ピーターファンタジスタ!】

 

 続けてライオン戦記をドライバーの真ん中にピーターファンタジスタを左側にセットした轟は最後に水勢剣流水を抜刀。

 

「変身!!」

 

 三冊のワンダーライドブックの絵柄は重なり合い、水の剣士の完全な姿を描き出す。

 

【流水抜刀!!】

 

【蒼き野獣の鬣が空に靡く!ファンタスティックライオン!】

 

 既に召喚されたライオン戦記とライドブックから飛び出した光り輝く天馬と幻想の妖精が光となって轟の体を包み込み鎧となる。

 

【流水三冊!紺碧の剣が牙を剥き、銀河を制す!!】

 

 右肩には天馬の顔と翼を左腕には聖火の時も見た鋭いフックが装備され胸部には強靭な獅子の顔が張り付いた青に煌めく水の剣士……【仮面ライダーブレイズ ファンタスティックライオン】が現れた。

 

「……行くぞ剣!!」

 

「ッ!」

 

 水勢剣流水を構えて突撃する轟に対して聖火はキングエクスカリバーを振い強烈な斬撃を飛ばすが轟は右肩の翼を輝かせると軽やかに宙を飛び斬撃を回避…

 

【ライオン戦記!ピーターファンタジスタ!】

 

 そのままワンダーライドブックのページを押し込んで発動。

 左腕のキャプチャーフックを回転させて生成した水球を分散させ、聖火へと放つ。聖火も火炎剣烈火から斬撃を放ち迎撃しようとするが、幾つかの水球は残り聖火を包囲する。

 

「はぁっ!」

 

「ッ、ガアッ!?」

 

 轟は自身の前方に同じ水球を生み出し飛び込んでいく、すると轟は実体化したライオン戦記に騎乗して聖火の後方の水球から飛び出し奇襲。そのまま別の水球へと飛び込み立て続けに聖火へと切り掛かる。

 

「っ!ハァ!」

 

 しかし聖火もやられっぱなしではない、キングエクスカリバーを振い周囲の水球を吹き飛ばし轟の実態を捉えて二刀の聖剣を振い轟を吹き飛ばす。

 

「……やっぱりタダでは倒させてくれねぇな」

 

「まぁな……とは言え火力特化のドラゴンアーサーじゃピーターファンタジスタの幻想の力も取り込んだ今のブレイズとは相性は悪い…」

 

 そう言うと聖火はキングオブアーサーを取り外して基本形態に戻ると…ストームイーグルと西遊ジャーニーの赤い二冊のライドブックを取り出しセットする。

 

【ストームイーグル!】

 

【西遊ジャーニー!】

 

 

「やっぱりそうくるよな…!」

 

「ああ、三冊には三冊だ!!」

 

 

【烈火抜刀!!】

 

【語り継がれし神獣のその名は〜!クリムゾンドラゴン!!】

 

 

 後ろに現れ組み合わさった三冊の赤い本から炎の鳥、赤い筋斗雲が飛び出し聖火を包み込み……

 

【烈火三冊!真紅の剣が悪を貫き全てを燃やす!!】

 

 右半身が赤い龍、胴体には鷲の翼を備え、左肩に三蔵法師の錫杖、左腕に如意棒を持った猿の装甲を装備した姿をした強化形態。

 

 【仮面ライダーセイバー クリムゾンドラゴン】へと変わる。

 

 

「さぁ、ココからが本番だ!!」

 

 雄英体育祭はいよいよ、最終局面を迎えようとしていた。

 

END

 

 





 聖剣で仮面ライダーに変身した者は変身中は元の個性は使えない。

 これは轟や今後原作キャラを変身させる時に考えた設定です。変身した時に元の個性を使えたら何か変だなーと考えて設定しました。

 それに変身中に元の個性が物理的に不可能なキャラもいるので……

今後は元の個性が死に設定にならない様に努力します。


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