イッチ「“個性”と言う特殊能力がある世界に転生したら“緑谷出久”って子が自殺したんだけど…どうしたらいい?」スレ民達『ハ?』   作:DestinyImpulse

48 / 54

 今日のヒロアカのアニメ凄かったですね!!

 もう少しでアニメを終わると寂しさを感じます。


四十四章「忘れられない、音がある」

 

 

【ジカンギレード!】

 

 ぶつかり合う二人のジオウ。

 ジオウは自らの専用武器であるジカンギレードを剣モードにして切り掛かり、アナザージオウⅡも時計の針を模した二刀流で迎え撃つ。

 

 火花を散らせて鍔迫り合う両者はそのまま二撃目、三撃目と剣をぶつけ合う。

 

 

【タイムチャージ!5・4・3・2・1…ゼロタイム!!】

 

「ハァ!」

 

「ふん!」

 

 ジオウはスロット上部のスイッチを押すことでオーバーロード状態となり、カウントダウン終了後に必殺技のギリギリ切りを放つがアナザージオウⅡも紫色のエネルギーを纏い迎え撃つ。

 

 ピンクと紫、それぞれのエネルギーを宿した両者の一撃は相打ち、エネルギーが暴発し後退る両者。

 ジオウは間髪入れずにジカンギレードを銃モードにしてエネルギーの弾丸を放つがアナザージオウⅡの頭の二つの時計の針が脈動すると、まるで弾丸の来る場所が分かっていたかのように最小限の動きで回避、そのまま勢いでジオウに切り掛かる。

 

「ちぃ……やっぱり未来予知があるか!」

 

 ジオウは強化形態になれば先の未来を予知できる能力を得られる。ならばジオウのアナザーライダーであるアナザージオウⅡにも当然、未来予知の能力がある。

 

「ふん、分かっていながら初期フォームで挑むとはレジェンドと称賛されて自惚れたか!なら、そのまま死ね!」

 

 咄嗟に銃モードのジカンギレードで受け止めるが、アナザージオウⅡが優勢になり趨勢は傾くかに思われた。

 

「確かに俺一人なら愚策だな……()()()ならな」

 

 しかし、余裕を崩さないジオウの言葉に違和感を感じた時……

 

 

爆炎紅蓮斬(ばくえんぐれんざん)!!」

 

「な、ぐぁああっ!?」

 

 背後から【仮面ライダーセイバー・クリムゾンドラゴン】へと変身した聖火が上空から奇襲。爆炎を纏った一撃をアナザージオウⅡの背面から容赦なく叩き込む。

 

「き、貴様…!」

 

「よう、前の借りを返しに来たぜ!」

 

 突然の奇襲に対処できずに聖火の連続斬りを立て続けに喰らい、堪らず地面を転がるアナザージオウⅡ。それによりフリーになったジオウが次なる行動に移る。

 

 

【ゼノビア!!】

 

 

 ジオウが取り出したのはライダーの力が籠ったウォッチではない。変身者である藤丸立香の世界には、英雄や偉人が死後、人々に祀り上げられ英霊化した存在“サーヴァント”が存在する。

 

 カルデア*1のマスターとして時空を超え、グランドオーダーを成し遂げた立香はその旅で出会い絆を結んだサーヴァント達の力が込められたライドウォッチを使うことができる。

 

 今、立香が取り出したのは、3世紀頃のシリアに存在したパルミラ王国の2代目女王であり『戦士女王』と歴史に刻まれた【セプティミア・ゼノビア】の力が込められた【ゼノビアライドウォッチ】だ。

 

 

【フィニッシュタイム!】

 

 

 ゼノビアウォッチをジカンギレードにセット。

 すると黄金の粒子がウォッチから溢れ、白く煌めく二つの小型バリスタへと形成される。

 

「ハァァ!!」

 

【ゼノビア!!スレスレシューティング!!】

 

 

「ぐぅああっ!?」

 

 ジオウが引き金を引くと同時に、浮遊する二機のバリスタがビット兵器の如くアナザージオウⅡの周囲を高速移動で滅多撃ちにする。アナザージオウⅡも未来予知で対抗しようとするが、高速で軌道を変えるバリスタに追いつけず、最後にはジカンギレードから放たれた黄金の槍状のエネルギーに撃ち抜かれて大きく吹き飛ばされる。

 

「ナイスタイミングだイッチ!このままアイツを叩き潰すぞ!」

 

「ハイ!」

 

「くそ…!異物共が…!」

 

 大ダメージを負いつつも立ち上がるアナザージオウⅡは怨嗟の声を上げ両手に持つ二つの剣を合体……双剣のように変化した得物を構え、セイバーとジオウは並び立って迎え撃つ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「さぁ、この世界の希望を返して貰うぞ」

 

【FORMRIDE!WIZARD!FLAME DRAGON!】

 

【ボゥー!ボゥー!ボゥーボゥーボォー!!】

 

 アナザーライダーに囲まれたディケイドが余裕を崩さぬままカードをバックルに装填する。炎に包まれたディケイドが、指輪の魔法使い【仮面ライダーウィザード】の強化形態【フレイムドラゴン】へと姿を変える。

 

 

【FINAL ATTACK RIDE!Wi-Wi-Wi-WIZARD!】

 

「ァァァァ…!!?」

 

 そして、胸部に龍の頭部…“ドラゴスカル”が具現化し、アナザーウィザードに必殺の火炎放射が炸裂、断末魔を上げて爆散した。

 

「次はコイツだ!」

 

【FORMRIDE!KIVA!DOGGA!】

 

 続いて【仮面ライダーキバ・ドッガフォーム】へと変身し、巨大な右手を模した紫のハンマー……“ドッガハンマー”を振るい、アナザーライダー達を薙ぎ払いながらアナザーキバに狙いをつける。

 

 

【FINAL ATTACK RIDE!KI-KI-KI-KIVA!】

 

「キバっていくぞ!」

 

「ギャァぁああ!!?」

 

 ドッガハンマーから巨大な拳状のエネルギー体である“ファントムハンド”が出現し、ハンマーを振り下ろすと、それに連動してファントムハンドがアナザーキバを頭上から無情にも叩き潰した。

 

「まだまだひとっ走り付き合って貰うぞ?」

 

【FORMRIDE!DRIVE!FORMULA!】

 

【DRIVE!TYPE-FORMULA!】

 

 そのまま【仮面ライダードライブ・タイプフォーミュラ】へと変身。風の戦士の名に相応しい超スピードでアナザーライダー達を立ちどころに叩き伏せ……

 

【FINAL ATTACK RIDE!DR-DR-DR-DRIVE!】

 

「ハァァァァァァァ!!」

 

「ガハァァァァッ!?」

 

 アナザードライブに超加速のライダーキックを叩き込み、吹き飛ばされたアナザードライブは爆発四散した。

 

 

「フン!」

 

 一方で、貴虎が変身した仮面ライダー斬月はアナザーライダーの軍勢に囲まれつつも正に天下無双の動きで圧倒していた。攻撃をマスクメロンの表皮を模した大型の盾“メロンディフェンダー”で完璧に防ぎ、銃剣“無双セイバー”でアナザーライダーを斬り伏せる。

 

【メロンスカッシュ!!】

 

「ハァ!!」

 

「ーー!??」

 

 その勢いを落とさず、戦極ドライバーのカッティングブレードを倒しロックシードのエネルギーを解放。黄緑のエネルギーを纏った無双セイバーを一閃し、その正確無比の剣戟にアナザー鎧武は悲鳴を出す暇もなく切り捨てられる。

 

「絶好の機会だ、使わせてもらう!」

 

【フォーゼ!】

 

【フォーゼアームズ!青・春・スイッチ・オン!】

 

 アナザー鎧武を倒した斬月が取り出した【仮面ライダーフォーゼ】の力が込められたレジェンドライダーロックシードをメロンロックシードと交換。メロンアームズが消え、フォーゼの頭部を模した球体が斬月の頭部に装着、そこから白い鎧が展開され【仮面ライダー斬月・フォーゼアームズ】へと変身する。

 

 

「宇宙〜!キ……タと言っておいてやろう」

 

 

 仮面の下で軽く笑みを浮かべて斬月は右腕にオレンジ色のロケット…ロケットモジュールを装備してアナザーライダー達に突撃。ロケットの推進力でアナザーライダーの抵抗を突き破り、奴らを吹き飛ばしていく。

 

 

【リミットブレイク!!】

 

「ハァァァァァァァ!!」

 

「ぬぁあぁあああああっ!!?」

 

 そのまま空中へと飛び上がり左足に黄色のドリル…“ドリルモジュール”を装備してアナザーフォーゼへと急降下。ロケットの推進力とドリルの貫通力が合わさったライダーキックが叩き込まれ、アナザーフォーゼは爆散する。

 

 

 

「すげぇ…!」

 

 無双の活躍をするディケイドと斬月の姿を、轟は仮面の下で驚愕しながら見惚れていた。アナザーライダーは倒すのには特殊な力が必要と聞いていたが、二人の活躍はそれを抜きにしても凄まじいモノだった。

 

 現れたアナザーライダーは17体。それに対して此方は四人、数の差は圧倒的にも関わらずディケイドと斬月は、それぞれ七体のアナザーライダーを相手にして全くの無傷。攻防の駆け引き、敵のど真ん中でも焦らない冷静さ、二人が多くの場数を潜った猛者であると実感する。

 

 

【ジョーカー!マキシマムドライブ!!】

 

 

「ライダーキック!!」

 

「グァアアアアッ!!」

 

 そんな轟に奇襲しようとアナザーダブルが襲い掛かるが、逆に側面から奇襲してきたジョーカーのライダーキックをモロに喰らい爆散する。

 

「すいません!ありがとうございます…!」

 

「気にすんな、あの二人の強さは常軌を逸脱してるからな、そうなるのも分かる。さぁ、俺達も負けられないぞ!」

 

「ハイ!」

 

【流水抜刀!!】

 

【蒼き野獣の鬣が空に靡く!ファンタスティックライオン!】

 

 轟は【天空のペガサス】と戦闘前に聖火に渡された【ピーターファンタジスタ】を装填して流水を抜刀する。既に召喚されたライオン戦記とライドブックから飛び出した光り輝く天馬と幻想の妖精が光となって轟の体を包み込み鎧となる。

 

【流水三冊!紺碧の剣が牙を剥き、銀河を制す!!】

 

 右肩には天馬の顔と翼を、左腕にはセイバーと同様の鋭いフックが装備され、胸部には強靭な獅子の顔が張り付いた青に煌めく水の剣士……【仮面ライダーブレイズ ファンタスティックライオン】へと変身し、ジョーカーと共にアナザーライダー達に突撃していった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 その一方で、ツカサ達が守る拠点は阿鼻叫喚だった。

 アナザーライダー17体に襲われれば抵抗も無意味に蹂躙される未来しかない。至る所から悲鳴が上がり、我先にも逃げ出そうとする民衆の中には逃げ遅れる人も多い。聖火達と別れた耳郎はそんな人達の避難を手伝っていた。

 

「……ねぇ、耳郎お姉ちゃん。……僕達どうなっちゃうの?」

 

 そんな中、一人の子供が不安そうに耳郎を見上げる。出会った時アナザー電王に襲われていた一人だ。その言葉と表情に耳郎は一瞬固まるが、すぐに笑顔を見せる。

 

「……大丈夫だよ。あの時に助けてくれたお兄ちゃんとその仲間達がウチらを守ってくれている。だから心配する事なんてない……!」

 

 そう言って避難を促す。そうして周りに誰も居ない事を確認した耳郎は仮面ライダーとアナザーライダーの戦いで鳴り響く戦闘音の方向へと視線を向ける。

 

「いつまで忘れたままでいるつもり?」

 

「っ!?誰……え?」

 

 その時突然、聞こえてきた声に反応して手に持っていたアサルトライフルを構えて振り返るが、声の人物に驚愕する。

 

 そこに居たのは耳郎(自分)だった。その姿は黒いジャケットに特徴的なスピーカーブーツ、元の世界で耳郎が着用しているヒーローコスチュームそのモノだった。

 

「ウ……チ…?それに、その格好は…!?」

 

 目の前に自分が現れた困惑と自身のヒーローコスチュームの懐かしさ、それに生じる記憶の混濁で頭を抱える耳郎に耳郎(自分)は語りかける。

 

「本当に忘れちゃった?今、必死に戦ってる彼の事を?」

 

「ウチは…!」

 

「仮面ライダーセイバーの事を…」

 

「………仮面……ライダー…!」

 

 

 

「そ、“仮面ライダーセイバー”!以後お見知りおきを…!!」

 

 耳郎(自分)に言われて耳郎の脳裏に過ぎる光景……そうだ、“仮面の剣士”と巷で噂になってた聖火は、それを訂正して“仮面ライダー”と名乗ったのだ。

 

 記憶の混濁が更に激しくなり、頭を抱える耳郎に耳郎(自分)は何も言わずに手を翳す。耳郎も苦しそうに頭を抱えつつも、引き込まれるように手を翳し……二人の耳郎の手が触れた時、耳郎の記憶はまるで整理された本棚のように綺麗かつ確かなモノへとなる。

 

「…っ!思い…出した…!」

 

 それは耳郎の本来の記憶が戻った事を意味する。

 ヒーローになりたいという夢を両親に応援してもらい雄英に挑んだ事、その入試で聖火と出会った事、雄英に合格し聖火や轟、麗日に飯田、拳藤に八百万…友達に恵まれた事、USJでヴィランに襲撃されて力を振るう事が怖くなった事、それでもヒーローを目指して雄英体育祭で切磋琢磨した事……全てを、思い出した。

 

「っ……行かなきゃ!」

 

 気づけば耳郎(自分)は居なくなっていた。

 しかし、その事を考える暇はなく耳郎は走り出していた。向かう先は仮面ライダー達が戦う戦場。拠点から飛び出した耳郎は轟が変身したブレイズと剣戟戦を繰り広げるアナザー電王に狙いをつけてアサルトライフルの引き金を引く。

 

「今だ、轟!」

 

「っ!?あぁ!」

 

【電王!ふむふむ…】

 

 耳郎に驚きつつも聖火から渡された電王童話全集を流水にリード。眩い真っ赤なエネルギーに研ぎ澄まされた水勢剣流水をアナザー電王の土手っ腹に叩き込み切り捨てる。断末魔を残して消えるアナザー電王を見届けた轟は耳郎に駆け寄った。

 

「耳郎、お前どうーー「全部、思い出した。……ごめん、轟。アンタの事、忘れてて…」ーー……気にすんな、誰もお前を責めたりしねぇ」

 

 耳郎が記憶を取り戻してくれた事に仮面の下で安堵の表情を浮かべる。其処にアナザーブレイドを切り刻んで撃破したディケイドが二人に歩み寄る。

 

「記憶を取り戻したようだな。それで、お前はどうする気だ?」

 

「……ウチを剣の所へ連れて行ってください」

 

「…アイツは今この事件の元凶と戦っている。その意味が分かっているな?命の保障はできないぞ」

 

「分かってます。でも、ウチがなりたいのは助けを求めたり、無事を祈って帰りを待つ()()()()じゃない! 剣のように守りたいモノの為、自分が信じた希望の為に戦う()()()()なんです!!」

 

 臆する事なく真っ直ぐで、真剣な表情の迷い無い言葉にツカサは仮面の下で静かに笑い、手を翳しオーロラカーテンを出現させる。

 

「ふっ、そいつは最高にロックな答えだな。イイだろう、面倒を見てやる」

 

「っ、ありがとうございます!轟、此処をお願い!」

 

「あぁ、任せろ。剣を頼む」

 

 轟の言葉に頷いて耳郎はディケイドと共にオーロラカーテンへと消えていく。其処にジョーカーと斬月が合流する。

 

「さて、いよいよ終わりが見えてきたな」

 

「ああ、残りのアナザーライダーは4体。まだイケるな、仮面ライダーブレイズ?」

 

「はい、勿論です!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 一方で、聖火も立香と共にアナザージオウⅡを着実に追い詰めていた。初期フォームのジオウとアナザージオウⅡではスペックに差が有るが、それを数の有利とサーヴァント達の力で覆す。

 

 

【フィニッシュタイム!】

 

【河上彦斎!!ギリギリスラッシュ!!】

 

「ハァァァァァァァ!朧凪!!」

 

 幕末に恐れられた四大人斬りの一人である維新志士、『河上彦斎』の力が込められたウォッチをジカンギレードに装填。刀身に青い光を纏わせて六人に分身しての同時攻撃を叩き込む。

 

「ナメるなァァァァァァ!!」

 

 

 対するアナザージオウⅡは双剣にエネルギーを溜め、それを時計の基盤を模した衝撃波として放ち分身ごと薙ぎ払う。

 

【ヘッジホッグ!ふむふむ…習得一閃!】

 

「受けるがいい……我が刃!!」

 

「な!?ガァァ!?」

 

 しかし、分身を隠れ蓑に聖火が飛び出し、火炎剣烈火を振るうと同時に無数の針がアナザージオウⅡに突き刺さり、爆発する。

 

「はぁ、はぁ…!」

 

「良いタイミングだ、このまま一気に……ん?」

 

 血に叩き伏せられつつもまだまだ健在なアナザージオウⅡに、息を切らしつつも睨む聖火。その時、何かを感じ取った立香が何かを感じ視線を向けると、オーロラカーテンが現れディケイドに変身したツカサと耳郎が現れる。

 

「っ、剣!」

 

「じ、耳郎?」

 

「あれ、予定と違くないか?」

 

「なに、良いもんが観れると思ってな、お前も手を貸せ」

 

 聖火に駆け寄る耳郎を見て首を傾げる立香の問いに答えながらツカサはライドブッカーを剣モードにして構える。

 

「……ごめん、剣も轟もウチの正しい記憶を必死に戻そうとしてくれたのに、いつまでも忘れてて……」

 

「耳郎……記憶が……!」

 

「ふん! そいつの記憶が戻った所で何の意味もない! 死地に自ら来るなど無謀以外の何者でもない!」

 

「そいつは違うな」

 

 記憶が戻ったことに安堵する聖火。一方で耳郎を無謀と嘲笑うアナザージオウⅡだったが、その言葉をツカサが一蹴する。

 

 

「コイツはちゃんと理解してるさ、此処に来れば自分の命の保証もない事をな。だがな、コイツがなりたいのは後ろで守られてばかりのヒロインじゃない、共に肩を並べて戦うヒーローだ。だったら黙ってる訳にはいかない。今必死に戦う友の為に、取り戻したい世界の為に……()()じゃない、勇気を持って此処に来たんだ。そんなコイツを世界と向き合う事から逃げ、確かに生きる命を見ず、誰かに責任転嫁して自分達の理想を押し付ける事しかできない、お前らに侮辱する資格はない!!」

 

 

「ツカサさん…!」

 

「貴様ァァァァァァ!!異物の分際で!!」

 

 ツカサの言葉に耳郎は小さな笑みを浮かべ、対照的に激昂したアナザージオウⅡが双剣を振り下ろすが、それをライドブッカーで受け止めるディケイドは聖火……いや、()()()()()に語りかける。

 

「お膳立ては十分だろ?火炎剣烈火!」

 

「え? ……っ、烈火?」

 

 ツカサの言葉に目を丸くした聖火だったが、次の瞬間火炎剣烈火から眩い光が飛び出す、それは轟の時と同じモノだった。

 

「え、な、何?」

 

 そして耳郎からも同様の光が飛び出し、二つの光が耳郎の目の前で一つになり……彼女が記憶を取り戻す時に現れた()()()()()()()になった。

 

「耳郎がもう一人?」

 

「何をするか知らんが、好きにーー「おいおい、邪魔はするもんじゃないぜ」ーー貴様!」

 

 その光景に聖火は驚愕し、アナザージオウⅡが妨害しようとするがジオウが割って入り、ディケイドと共に聖火達を守る。

 

「……………」

 

 耳郎は現れた耳郎(自分)を黙って見つめる。ヒーローコスチュームなのは変わらないが、明確な違いとして、耳郎(自分)の手は()()()()()()()()()()()()

 

 

「アンタはウチだね……USJの時恐れた、あり得たかもしれないウチそのモノ」

 

 

 それはまさに、USJで見た死柄木の手を斬り飛ばした幻そのモノだった。

 

 

「………ウチはあの時、初めて力を振るうって事が、戦うって事が、どう言う事なのか理解して…怖くなった。逃げ出すのは簡単だったのかもしれない、でもオールマイトや剣のように何かを守る為に戦うヒーローへの憧れはこの胸の中に消えずに残っているから……。それを隠してビビって逃げ出すなんて、全然ロックじゃない真似はしたくなかった」

 

 目を逸らす事なく目の前の耳郎(自分)に静かに語る耳郎。それはUSJの時から、彼女が静かに抱いた心境だった。

 

「だから、もう恐れないよ。自分が傷つき、自分が傷つける……何かを守る為に戦う事を…」

 

 

 そう言って耳郎は、耳郎(自分)に手を差し出す。

 

 

「その為に雄英でこれから学んで、考えて、努力するから。それに、もしも道を間違えそうになっても止めてくれる友達が居るし、友達が間違えそうになったら止められるウチで居たい。……文句無いよね?」

 

「…………♪」

 

 

 耳郎の言葉に無表情だった耳郎(自分)は初めて満面の笑みを浮かべて耳郎が差し出した手を握る。すると耳郎(自分)の身体が眩い輝きを放ち……光が晴れた時、其処には耳郎(自分)の姿は無く。

 

 

【音銃剣錫音!!】

 

 

 音の聖剣……【音銃剣錫音(おんじゅうけんすずね)】が耳郎の手に固く握られていた。

 

 

「さぁ、やるよ錫音……ここからがウチらのステージだ!!」

 

 

 耳郎が錫音を構え笑う。今ここに新たな聖剣が誕生した。

 

 

 

END

 

 

 

 

*1
人類史の観測・保持を使命とする『人理継続保障機関』





 はい!皆さんの予想通り、三人目の剣士は耳郎!
 選ばれたのは音の聖剣である音銃剣錫音です!!

 変身は次回の決着をお楽しみに!!


 グラマスはカルデアのサーヴァントの力が籠ったウォッチを所持しています。今回は使った、ゼノビアと河上彦斎は私がリアルで戴冠戦のグランドに選んだ二体です。

 次回も、もう一体サーヴァントの力を使う予定です。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。