パーン・パーン・パーン! ー飛空艇事故の真実と真相ー   作:鈴本恭一

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セルトリア飛空2112便ハイジャック事件⑫:ルッル空港

○ミリィ=セレネイド(カカナ連邦 連邦飛空局。セルトリア飛空2112便ハイジャック事件調査チーム ルッル空港視察団メンバー。魔術師)の証言

 

 

『……はい、はい、すみませんでした師匠……はい、ええ、本当に、ええ、はい、仰る通りで……はい、反省しています、はい……ええ、はい、じゃぁまた、はい』

 

  ソルン共和国ルッル空港で、師匠にしこたま怒られた私は魔導器具での通話を終えて、ガルとベルナルディさんに振り返りました。

 

『大変お待たせしました……』

『だ、大丈夫でしたか?』

 

 ベルナルディさんは、魔導器具を持ったまま何度も頭を下げてしょげまくった私を心配そうにしていました。

 

『ま、まぁなんとか。空港の調査メンバー入りは師匠の方で正式な手続きをしてくれたので、空港職員に問い合わせされても問題なくなりました』

『つまり正式な調査員として動けるわけですか』

『そうなります……いやでも、申し訳ないです、まさかベルナルディさんに付いてきてもらうことになるなんて』

『いえ、こちらこそ、ミス・ガルとミス・セレネイドには申し訳ないと思っています。監視だなどと……』

『いえいえ、ごもっともです。本当はそうならないように私がいるはずだったんですけど』

 

 私はもうどこまでも頭を下げたい気分でいっぱいでした。

 

 あのハイジャック事件で人質を救出した後、すぐに事件調査が開始されました。

 焦点になったのは、ハイジャック犯たちの持っていた魔導器具がどうやって客室まで持ち込まれたのかでした。

 

 2112便がカカナへの国際線だったこと、私が魔術師であること、そして目の前で犯人達の様子を見ていたことから、カカナ連邦飛空局からの調査支援メンバーとしてその場で派遣されました。

 私も是非それを知りたかったので願ったりでしたが、問題はゴーレムのガルを連れていることでした。

 スーパーゴーレムを国外に連れて行くときは必ず国家魔術師を同伴させないといけません。つまり私です。

 なので私の行くところにガルも着いてきてもらうのは良かったんですが……

 

『つまり、私じゃスーパーゴーレムを制御するのに信用が足りないってことなんですけど、まぁ、あのざまじゃ無理もありません』

 

 私は苦笑しました。いや今だから言えますけど、かなり危うい立場でした。

 スーパーゴーレムは国外にいる間は大幅な能力制限を受けます。それでもカカナ以外の国々からすると非常に脅威です。

 だから常に国家魔術師が同伴して、問題が起きないようにするというのがカカナ連邦のスタンスでした。

 ……なんですが、2112便のとき、私はガルを引き留めることが出来ませんでした。

 こいつでほんとに大丈夫か? とソルン共和国に思われたわけですね。

 というわけで、ソルン共和国は私とガルの国内での調査活動を認める代わりに、監視員を付けることにしたんです。

 その監視員が、私達を救出してくれたアントニオ=ベルナルディさんでした。

 

『乗客のために危険を冒したミス・ガルが、そんな脅威になるでしょうか?』

 

 ベルナルディさんは、自分の国の命令にあまりよく思っていないようでした。

 彼は事件のことでガルにすごい恩を感じてたので、そのガルを見張れっていう命令は不服だったでしょうね。

 

『いえ、もしガルが制限解除して能力を全解放すると、最低でも爆撃飛空艇軍団と機甲ゴーレム師団を呼ばないと話にならなくて、むしろ監視くらいで済ませてくれてるので大分温情なんです』

『能力限定の設定が無制限であれば、ソルン共和国軍の装備の場合、全軍出動を推奨します』

 

 ガルが補足をしてくれましたが…それ言うことで私たちに何も良いこと無いからね? むしろもっと悪くなるからね? って言ってやりたい気持ちでいっぱいでした。

 

『つまり今の状態なら、僕でもミス・ガルと戦える?』

 

 ベルナルディさんは恭しくガルに尋ねました。あのひとガルへの敬意がすごいんです。

 

『はい。ミスター・ベルナルディを私は脅威と認識しており、敵対した場合、最悪の被害として中枢機能の完全喪失を想定する必要があります』

『……ちなみに、全解放時だと僕の評価はどうなる?』

『大きな変動はありません。魔剣士アントニオ=ベルナルディと戦闘になった場合、最悪の被害として中枢機能の完全喪失を想定する必要があります。そのため、』

 

 ガルはベルナルディさんを真っ直ぐ見詰め、言いました。

 

『あなたとの敵対を私は望みません』

『僕もだ。君に刃を向けるなんて考えたくもない』

 

 心の底からぞっとしてる声と表情で、ベルナルディさんは頷きました。彼はガルにすごい優しいので、本心だったでしょう。

 

『物騒な話はここまでにしよう。そんな格好でする話じゃないからな。しかし……』

 

 ベルナルディさんはそこでガルを改めて見詰めました。

 ガルは事件解決の直後、新しい服を貰いました。フリルとリボンがいっぱい着いた、どこかのお嬢様みたいなワンピースとボンネット。カカナじゃまず買わない種類の服でしたが、ガルにびっくりするくらい似合ってたので、カカナに帰るまでずっとこの服でした。

 そんなガルを見て、ベルナルディさんは物凄い憮然とした表情を作りました。

 

『どうしました?』

 

 私が尋ねると、ベルナルディさんは非常に深刻な表情で言いました。

 

『………この格好、僕の趣味だと思われたら、僕の名誉に関わるのでは? と思ったもので』

 

 私は目をぱちくりさせて、

 

『ベルナルディさんのプレゼントじゃなかったんですか?』

『誤解だ! 僕は女性の部下たちに「空港で服を売ってる一番上等な店に行って一番上等な服を見繕ってもらってこい」と命じただけです! どうしてこの服になったのか僕が知りたいくらいです!』

 

 ベルナルディさんは必死になって弁明していました。

 可愛いし似合ってるから別にいいのでは? と言ったんですが、どうも納得頂けてませんでしたね。

 

 

 

 それはさておき。

 

 

 

 ルッル空港の調査を、私は始めました。

 

 ハイジャック犯の翼人が飛空艇に乗った場所です。

 

 

『検査場は、ここ、と』

 

 私達はルッル空港国際ターミナルの検査場を視察しました。

 そこはターミナルビルの2階にあり、そこを通り抜けると搭乗エリアに行きます。

 翼人たちはこの検査場を通過して、セルトリア飛空の2112便に乗り込みました。

 彼らはどうにかしてこの手荷物と身体の検査を突破し、凶器を持ち込んだはずなんです。

 私たちはそれを徹底的に調べました。

 

 

 ………ですが、結論を言うと、検査場の検査能力は完璧でした。

 

 

 透視解析ゴーレム、魔力感知ゴーレム、魔法液検査ゴーレム、魔導器具発見用の探知ゴーレムなどなど、設備も検査員の練度もカカナの主要国際空港と比べても遜色ないほど完璧でした。抜け穴などありません。

 

『僕の魔剣も、翼人達の模造魔剣も、すぐ検査で見付かりました。魔法液もです。荷物の奥の見付かりづらいところに入れても見抜けるんですね、今の検査ゴーレムは』

 

 ベルナルディさんにハイジャック犯の役をしてもらい、あの手この手で検査場を通過しようとしましたが、どれも失敗しました。

 

『検査で見付かった魔導器具は、持ち主に全く触らせないまま、貨物室に送られました。客室に行くことも乗客が触ることもありません。鉄壁です。いかなる魔剣士でも、こっそりと魔剣を一緒に連れて客室に行くことは無理でしょう。翼人の模造魔剣も同様です。いったい連中は、何をどうしたのやら』

 

 何度もゴーレムに引っかかったベルナルディさんは溜息をつきました。

 私も同じ感想でした。私も空港勤務の魔術師なので空港の検査手順は知ってます。その裏を掻こうとしても、数々のゴーレム群が検査場を守護しています。

 

『あと考えられるのは、翼人たちが検査してたときだけ、ゴーレムへの魔力供給が切れて機能不全になったとか……でもそんな様子はないしなぁ』

 

 検査場の監視ゴーレムの映像は記録され、翼人達がルッル空港の検査場を通ったこともすでに判明していました。

 彼らはごく普通の荷物だけ持ち、特に問題になるものも発見されず、正常に検査場を通過しました。

 

『どこに隠して持ち込んだんだろう……』

 

 あれだけ充実した検査ゴーレムの探知を回避するには、非常に高度で大がかりな魔導器具が必要になります。うちの師匠ですら一朝一夕では作れませんし、そもそも大きさが問題になります。

 翼人たちの遺品の中に、それらしき道具は何も見付かりませんでした。

 つまり、何も分からないってことです。

 

 

 

 

 

 

 

 検査場からいったん離れ、その向こうの搭乗エリアを歩きながら、私はうんうん唸っていました。

 

『検査場で手荷物の中身が映った場面の映像を私も見ましたけど、その時はあの模造魔剣とかは見付かってないんですよ。魔法液も爆発魔法の魔導器具も。物質転移魔法を開発したとしか思えない状態でお手上げです』

『僕も物質を移動させる魔剣使いの話は聞いたことがないですね。仮にいたとして、空港は魔力の探知にだいぶ厳しいですから、許可なく魔法を使った段階で警備員が来ます。空港で魔法を使うことそのものにリスクがあります』

『ですよね~、いやぁもうどうしたものか……』

 

 途方に暮れた私は搭乗エリアをあてどなく歩いていきました。

 

 

 

 …………それは、本当に偶然でした。

 

 

 

『あれ?』

 

 搭乗エリアのとある通路の隅に、ひとつの扉が目に入ったんです。

 

 私は今まで来た場所を振り返り、その向こうも見回し、首を傾げてガルに尋ねました。

 

『ねぇガル、あの扉、どこに通じてるやつ? 見取り図だと扉があるところってもっと向こうだった気がしたんだけど』

『当該の扉は見取り図での記載がありません、ミス・セレネイド』

『……え?』

 

 ガルは即答しました。

 私は冷たいものが体を駆け抜けるのが分かりました。

 

『ない? あの扉のことが、見取り図にない? ミス・ガルの見取り図の提供元は?』

 

 ベルナルディさんも怪訝になって訊いてきました。

 お人形さんみたいな格好のガルは無表情に即答。

 

『ルッル空港株式会社です』

『このターミナルを建築して運営してる会社です。私も事前にそこからもらった見取り図で、抜け道になるルートがないことを確認しました。けど……』

 

 私達は、隅で開かれた謎の扉を見詰めました。

 

 地図にない扉を。

 

『……あれは、どこに通じてるんだ?』

 

 ベルナルディさんの疑問は全員の疑問でした。

 その謎を晴らすべく、私達は扉まで行きました。

 

 "関係者以外立ち入り禁止"と大きく書かれた扉は、鍵が掛かっていませんでした。

 押すだけで簡単に通り抜けられます。

 

『この奥は?』

 

 扉を抜けると、下へ続く階段がありました。

 それを降りていくと、業務用の扉があり、そこもやはり鍵が掛かっていませんでした。

 私達は顔を見合わせ、その1階の扉を開けました。

 

 そこで、信じられないものを見たんです。

 

『………嘘でしょ』

 

 そこは天井の高い広いエリアで、そこをぐるぐると回転式コンベアが走っていて、コンベアの上には乗客の荷物がいっぱい乗せてありました。

 その荷物を、人々が自分のを探してあちこち歩き回っている、そんな場所。

 

 

 

 

 

 

 ――――――――手荷物受取場だったんです、到着ロビーの。

 

 

 

 

 

 

『……なるほど、これで合点がいった』

 

 ベルナルディさんは忌々しそうに呟きました。

 

『魔法液も魔導器具も、飛空艇に積み込むこと自体は禁止されていない。単独じゃ機能しないからだ。ばらばらに運ばれた凶器は、空港に着いたらこの手荷物受取場で全て手元に戻る。

 その時この扉を使えば、簡単に出発の搭乗エリアに禁止物を持ってこられる。監視員も監視ゴーレムもないし鍵も掛かってない。検査場がどれだけ完璧でも全く関係ない』

 

 くそったれ、とベルナルディさんは小さくこぼしました。私は聞こえないふりをしました。

 

『たぶん、このターミナルを建造したときかその後か、見取り図と実際の建物との間に差異が出来たんだと思います。なんでなのかは分かりませんが』

 

 私は何の変哲もない到着ロビーを見回して、少し思案しました。

 

『ただ逆に、凶器を提供した人物のルートが絞られたことになります』

『……どういうことです?』

 

 私はベルナルディさんに、自分の考えを話しました。

 

『翼人たち自身は、たぶんこの隠しルートに入っていません。翼人はビジネスクラスを使ってましたし、そもそも風体が目立ちます。

 だから、1階に到着して荷物を受け取った乗客の中に、この隠しルートを使って2階に上がって翼人に武器を渡した人物がいるはずです。しかも2112便の出発より前に到着した便の乗客です。

 隠しルートとはいえ長々といるわけにはいきませんから、おそらく数便以内の乗客のはずです』

『……なるほど。そこまで分かれば、あとは僕らの仕事です、刑事部の』

 

 ベルナルディさんは通信の魔導器具を取り出して、連絡し始めました。

 

『国際捜査課? 特殊事件課のアントニオ=ベルナルディだ。ダリオを出してくれ、例のハイジャックのことで調べて欲しいことがある』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○アントニオ=ベルナルディ(ソルン共和国 ソルン市警刑事部 特殊事件課。警部)の証言

 

 僕ら刑事部はあの日のルッル空港に到着した便の乗客名簿から、犯人への協力者を探し始めました。

 

 それは意外とすぐ進展がありました。

 到着便が出発した空港で、模造魔剣等を荷物として積み込んだ便がないか調べました。

 模造魔剣自体は割りとよくある魔導器具で、護身用や狩猟用としても使われます。しかしそれに加えて爆発の魔導器具、魔法液を同じ飛空艇で運んだ便がないか調べた結果、2112便が離陸する1時間前に到着した便に、あの凶器たちを運んだ便が見付かりました。

 

 その荷物を運んでいたのは、ソルン人のあるグループでした。

 彼らはソルン国外で別のグループから荷物を受け取り、ばらばらの鞄に凶器を積んで飛空艇に乗り、ソルンのルッル空港に着きました。

 そしてその荷物をひとつの鞄に集め、例の隠しルートを通って2階の搭乗エリアへ行き、翼人たちの鞄と交換したそうです。

 

 その運び屋グループは全員逮捕しましたが、問題は彼らが誰に依頼されたのかでした。

 これは非常に難航しました、

 なぜなら、彼ら自身がそれをよく憶えていないからです。

 

『……いやさ、仕事を請け負って前金ももらって手はずも完璧に暗記したよ、そこまではほんとに。でも、うん、この仕事を持ちかけてきたのが誰かって聞かれると………よく思い出せないんすよ。

 なんでか疑問も全然思わなくて、とにかくこの仕事こなさなきゃ、ってそればっかりで、そういや誰からの依頼だったっけ? って刑事さんに言われて初めて思ったわけ』

 

『俺たちが仕事を請ける場所は決まってて、ある酒場なんだけどさ、そこで請けたのは間違いないよ。そこ以外じゃ請けないように決めてるから。酒場の親父の紹介じゃなきゃ仕事は請けないよ。だからそこで持ちかけられたのは間違いないんだよ。でも、その時のことがなぁ。俺たち全員が憶えてないなんで、あるわけないんだよ、そんなわけさぁ』

 

『報酬がやけに良かったから、普段だったら危険だぞって思うもんなんですよ、俺たちの仕事は。けどこの仕事の時は全然思わなかった。気付いたらやってた。なんでかな……そうだ、言われたんだ、大事な大事なお仕事です、って。

 

 誰に? だれだっけ、よく思い出せない……いや、白いやつだ。

 

 何が白いのかよく憶えてない。けど白かった。男か女かも分からないけど、白かった、そうだ、眼だ、白い眼だった、顔は分からない、貌は無かった、いや、白いかおだった……白い、白い……白……白……』

 

 どんなに尋問しても、最後にはこういう意味不明な呟きで精神が曖昧になってしまい、それ以上は何も聞き出せませんでした。

 彼らが仕事を請け負ったという酒場にも極秘に潜入調査をしてみましたが、やはり似たような結果でした。関係したと思しき人間の記憶は、非常に曖昧でした。

 

 

 僕が2112便の外で見付けたあの白い女性。

 あれだけが、デスフォッグの唯一の手がかりでした。

 僕の記憶だけが。

 

 

 

 

 

 何もかもが謎でした。

 呪殺の魔法が使え、他人の記憶も曖昧にさせることが出来るデスフォッグが、どうして空港の隠しルートという、言ってしまえばチャチな、誰でも出来る方法を使ったのか。

 

 そもそも、なぜ気に入らない連中を魔法で呪い殺さない?

 なぜそれだけの能力があって過激派のサポートに甘んじている?

 どうして翼人たちには呪殺魔法を使った?

 

 謎はまったく深まるばかりで、デスフォッグに対する脅威が大きくなっただけでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局その後もデスフォッグへの調査の進展はなく、空港への安全強化改革が進められました。

 ルッル空港は巨額の予算を投じて空港内の経路を全調査。監視をすり抜ける隠しルートの存在を全て洗い出し、工事で潰しました。

 このルッル空港での出来事は意外にも各国に波及しました。完璧な検査場を目指してそこに力を入れていた空港が多かったんですが、検査場以外から侵入されたことが分かって、同じように調査が行われました。そして似たようなケースを発見した主要空港も見付かりました。現在の搭乗エリアの機密性は、2112便の事件の時とは比べものにならないほどになりました。

 

 

 またこのハイジャック事件を契機に、操縦室を常時施錠することが義務付けられました。

 脱出可能な構造の飛空艇が操縦室を占拠された場合、自爆攻撃に使われる可能性が現実味を帯びたからです。

 犯人を刺激せずとりあえず言うことを聞く、というそれまでのハイジャック対策は放棄され、操縦室に入れるなというものに変わりました。

 飛空保安官を取り入れる飛空会社も出ました。乗客に紛れ込ませた警備員です。質と量と頻度は飛空会社によってバラバラなので、国際的な統一規定を作って欲しいと僕は思ってます。

 少なくても、犯人と乗客しかいなかった2112便のときに比べれば、力を持った誰かが乗っている方がずっといいんですから。

 

 あのとき力ある者はミス・ガルだけでした。彼女はそれを行動で示しました。だから僕は、ずっと彼女に敬意を払い続けています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 













※登場人物達のその後

・ルカ=バレッラ(突入救助班)………2112便突入時の反省から突入救助班の装備や訓練が大幅に見直され、地獄のように濃くなった訓練に悲鳴を上げる。


・ダニエラ=チェルヴィ(2112便 客室乗務員)………セルトリア飛空で引き続き客室乗務員を続け、ガルクラブ交流会ではファッションショーの司会を務める。


・マルコ=スペンサー(2112便 機長)………機転によりソルン国際空港へ着陸させた勇敢さを表彰され、カカナ連邦から特別勲章を授与されることになったが辞退。半年間の休養を経て現場に復帰。ガルクラブ交流会ではガルに仕える執事の仮装が定番。


・ミリィ=セレネイド(魔術師)………飛空局から謹慎を命じられダークスターからも叱責され魔術師団体からもさらなる厳罰を要求されたが、ルッル空港の欠陥発見の功績によりそれ以上の罰は受けなかった。また今回の事件を受けてカカナでの翼人の待遇問題は論争を呼び、折衷案として翼人管理局への予算が大幅増額された。
 ガルクラブ交流会では現代美術的なファッションをガルにさせているが、ウケはいまいち。(憐れんだ)ダークスターが持たせた服の方が似合っていると評判。


・ソフィア=フラトコフ(魔剣士)………2112便の事件の後、リナ=シャブラニグドゥスを故郷の領地の屋敷に招き、彼女が泣こうが喚こうが気にせずもてなして一緒に年越しをした。


・ガル(スーパーゴーレム)………例の可愛らしすぎる格好でダークスターの研究所に戻り、全職員から撮影される。しばらく活動範囲が国内限定になったが、アントニオ=ベルナルディがしきりに文通してくるので以前よりやることが増えた。ガルクラブ交流会はカカナで行われるため毎回参加し、着せ替え人形になっている。



・アントニオ=ベルナルディ(突入救助班教官。魔剣士)………事件の後で猛烈な修行を自身に課し、改めてフラトコフとウラベ相手に世界ランク戦を行い、その後、世界王座挑戦に臨んだ。
 時おり差出人不明のやたら長いファンレターが来る。
 ガルクラブ交流会には会員ではないが特別ゲスト枠で毎回参加し、ガルのファッションショーを見る。衣装は絶対に持ってこない。その後でカカナ観光をガルにしてもらうのがいつものパターン。






























最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。

今回のエピソードはエールフランス8969便ハイジャック事件をベースにANA61便ハイジャック事件のトリックを混ぜたもので、その他あちこちの特殊部隊が突入した事件をちょいちょい混ぜ込んでおります。
D.B.クーパー事件の要素も混ぜたつもりなのですがそこまで目立たなかったですね…。

今回は完全なるタイトル詐欺で、飛空艇事故でもなんでもないただのファンタジーバトルものになってしまいました。
航空事故調査小説を期待された方には心からお詫び申し上げます。

今回は今までで一番吐きそうになりながら書き上がりました。
前回から引き続き、『鬱回をファンタジーの力でどうにかしてみよう』キャンペーンとしてハイジャック事件を焦点にしたのですが、
飛空業界と全然関係ない人たちが解決の主役を張ってしまったので、どうみてもメーデーではなくなり、
登場キャラも今まで出てきたキャラや外伝の関係者などで、メーデー要素はかなり少ない特殊回になりました。

かなり反省しています。
普段とは違う、年末のスペシャル回ということで、どうかお許し下さい。

心を改め、来年はちゃんとした航空事故調査小説をお出しできるよう、誠心誠意努めさせて頂きます。
(それでも、世界観が同じ他作品を読んで下さった方もいらっしゃって、それを知ったときは本当に叫んでしまうくらい嬉しかったです。心から、ありがとうございます)


今年ももう残り少ないですが、良い年越しを!

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