至らぬところもあると思いますが楽しんでいただけると幸いです。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
薄暗い山道を走る人影があった。
その人物は息を切らしながら懸命に走っている。
しばらく走るとその人物の目の前に一軒の山小屋が見えた。
人影はその中へと飛び込むと閉めた扉を背にうずくまった。
「はぁ、はぁ、・・・・」
薄暗いランタンの明かりに照らされて見えた人物は高校生くらいの日本人の少年だった。
彼の着る服はズタボロで上着なんかはほとんどボロ布をまとっているようなものだった。
体にもすり傷や切り傷が目立ち服の間から見える肌の色も青くなっていた。
彼は震える手を握り締め呻くようにつぶやいた。
「・・・・なんで・・・・、なんで、俺は・・・・」
カラカラカラ
「!?」
その音に少年は立ち上がり恐る恐ると言った感じに奥の部屋を除いた。
お世辞にもきれいとは呼べないその部屋の中に糸引き車を回す赤いローブをまとった老婆がいた。
しばらく老婆を眺めていると老婆はそのうちぴたりと手を止めた。
「おや、お客とは珍しい」
「あ、いえその、お、お邪魔してます」
少年は老婆が日本語を話してきたことに驚きつつも彼はそう返した。
「ヒェッヒェッ、別にかまわないよ。お客なんて本当に久しぶりだからね」
「はぁ」
少年がそう返事をすると老婆が少年に顔を向け笑った。
「本当に久しぶりだよ、お客、しかも不死の客なんてね」
「!?」
少年は驚いたように老婆を見た。
「不・・・死?」
「そう、不死だ。お前さんは死ねない呪いをかけられたのさ」
「どういうことだ!?あんたは俺の体がどうなってるのか知ってるのか?」
少年は叫び老婆へ詰め寄った。勢いよく詰め寄ったため少年の纏っていた上着が地面に落ちた。
少年の体は無数の銃痕と大きなやけどの跡があった。
そう彼は死んでいる、
死んでいる筈だった。
死の直前、彼の背中に闇の刻印が現れなければ。
「さっきも言ったろう?お前さんは死ねない呪いをかけられ不死になったのさ。
呪われた理由?そんなもの私は知らないね。
だが刻印が現れたものがどうなるのかは知っているよ。
それが現れた人間はすべてを失うのさ、そうすべてを。
過去も、未来も、そして光さえも。
そしてやがてなくしたことさえ思い出せなくなった者は、ただ魂を貪り食う獣、亡者と成り果てる。
このままいけばあんたもいずれそうなるだろうね」
少年は言葉をなくしていた。
嘘だと否定できたらどれだけよかっただろうか。
だが彼は認めるしかなかった。
実際に彼の記憶は薄くなっていた、そして何かを失った感覚も彼の中にあった。
彼の表情は絶望に染まっていた。
「・・・・遥か北の地、貴壁の先」
その言葉に少年が老婆に顔を向けた。
老婆はそのまま語り続ける。
「かつて偉大な王の名の下築かれた古の国、失われたその国の名前は確か、ドラングレイグと言ったね」
「・・・・ドラングレイグ?」
「どうやら知らないみたいだね、いや知らなくてもいいのさ」
「なんでだ?」
老婆は笑いながら少年に語りかける。
「お前さんはいずれあの朽ち果てた門へとたどり着くことになる、望もうが望むまいがね」
「・・・・・」
「話を戻そうか、失われた国、ドラングレイグ、そこには人の理を取り戻すソウルと呼ばれる力があるそうだ」
「ソウル・・・」
「そこへ行けば人の理を取り戻せるだろうね、絶対とは言えないがね」
「行くか行かないかはお前さんの自由だ、だがさっきも言ったがいずれはあの朽ち果てた門へとたどり着くことになる、望もうが望むまいがね」
少年はしばらく無言で考え込んだ。
「・・・・・行くよ、俺は」
「そうかい・・・、じゃあそこの引き出しを開けな」
老婆に言われるがまま引出しを開けるとそこにはフードとマスクつきの服が入っていた。
「餞別にそれをやるよ、着ていきな」
「あ、どうもありがとうございます」
ぼろぼろの服では確かに目立つなと苦笑いしながらそれを少年は纏った。
そしてフードとマスクで顔を覆うと老婆に礼を言った。
「本当にいろいろありがとうございました」
「いいさ、それよりも最後に一つ聞いていいかい?」
「?なんですか?」
「お前さんの名前さ、まだ聞いてなかったからね。あ、ちなみに言っておくけど私の名前は昔に捨てたから今はないからね」
少年がそう言おうとしていることを察して前もって老婆が言った。
「あはははは・・・俺ってそんなにわかりやすいですかね」
「顔を見りゃ一発だよ、少しは顔に出さないように頑張りな、後、思ったことを何でもかんでも口に出すのもよくないよ、そこもなおしときな」
「がんばってみます・・・」
「ヒェッヒェッ、で、お前さんの名前は?」
「俺は・・・・
俺の名前は、織斑一夏です」
数カ月後
一夏は巨大な渦の前に立っていた。
老婆の言葉道理北へ北へと向かい途中、何度も死にそして生き返った。
時がたつにつれて記憶の薄まりは徐々にひどくなっていった。
焦りを募らせながらも一夏は何とか老婆に言われた門へとたどり着いた。
そして一夏はその渦を前に少しだけ尻込みをした。
「これ、門というより穴だろ・・・・」
闇よりも暗い渦を見てそう愚痴りながらも一夏はふちに立った。そして覚悟を決めた。
「・・・・行ってくるよ・・・」
今はもう思い出すことができなくなった大切な誰かに呟くと一夏はその渦の中へと身を投げた。
一夏はその深い深い闇へと落ちていき、そして彼は本当に世界からいなくなった。
どうもはじめましてエンジニア見習いです。
今回初めての作品としてダークソウル2とISのクロス作品を書かせてもらいました。
実は本当はもともとISと別の作品のクロスを書くつもりだったのですが最近購入してやってみたダークソウル2が面白くこれを書いてみたいと思い書き始めました。
知識に関しては2のプレイとwikiを見ての物になりますのでもしもおかしな点、思うところなどあったらコメントしていただけるとありがたいです。
タグのとうり独自解釈やオリジナル設定など出てくる可能性がありますのでそちらもご容赦ください。
感相等なども書いていただけるとありがたいです。
読んでいただいてありがとうございました。