好評なら続いて、好評じゃないなら短編としてこのまま終わります。
続くならタグが増えます。一気に。
色々編集施して納得の行く短編にしたいなーって。
思ったの。
思い出したい記憶なのに、その記憶は実に不快で、思い出したくもない記憶だけれど、私は思い出さなければいけないのだ、復讐のために。
19■■年■月28日
気付いたら私は見慣れていたはずの家の中に突っ伏していて、どうやら私はキッチンに居るらしい。
周りにはテーブル、椅子、冷蔵庫等があった。
キッチンの窓から外を見てみると、今は夜のようだ、仄かに光る月光が優しく部屋へと入っていく。
周りには見慣れている皿や箸、そしてテーブルクロスが引かれている。
しかし、何故か見覚えが無い、いや、正確には見た事がないと分かっているのに、本能では見た事があると思っている様な。
そんなきもちわるい違和感があって、ある事に気付く。
....おかしい、何故だ?私はこの家が見慣れているはずなのに、見たことが無い、でも見慣れているのだ、これは記憶が無いのか?
私は一体?
名前は覚えている、ファーマット・ヴェルマー、たしか年齢は28で、妻と子供が居たはずだ。
妻も息子も目に入れても痛くないほど溺愛していて、息子にはちゃんとしっかりとした教育を施していたと自負できる、でも、息子の名前も分からないし妻の名前も分からない。
実に気持ちが悪い、違和感が自分の周りにべっとりと張り付いてるようだ。
.....とりあえず、妻と息子を探そう、たしか...何時も妻は2階に居たはずだ。
妻と息子がこの家に居るのなら、私の事も何か分かるかも知れない、とりあえず探して見よう。
このままキッチンの中で立ってる訳にもいかないと思い、キッチンの扉に手を掛けた瞬間、それは起こった。
記憶の洪水、脳がまるでショートしそうな感覚、憎悪の感情、焦燥の感情が一気に湧いてくる。
そこで思い出す、私と妻と息子は殺されたのだと。
二階で寝ていたら、何かの物音がしたので確認しようとしたら、得体の知れない黒のパーカーと黒のマスク、黒のサングラスと全身真っ黒の人間に包丁で脇腹を何回も刺された記憶。
悲鳴を挙げるまでもなく鈍い瞼が閉じていき、血の生暖かい感触と妻と息子の悲鳴が脳裏に響きわたる。
何も出来ない自分に憎悪し、そして相手に憎悪したあの忌々しい出来事。
「あっ...ァァァッ!?あああっ!!?」
何故だ、何故だ何故だ何故だ何故だ???
頭がパンクしそうになる、だがしかし今は妻と子供だ、急いで私は二階へと駆け上がる。
だがしかし、寝室の前でも分かる程の血の匂い、でもまだ生きているかもしれない、一縷の望みにかけてドアノブを一気に引くが、結果は変わらなかった。
扉を開けた瞬間血の匂いがキツく強くなる、鉄の仄かな臭いがして、実に不快感を与えてくる。
妻と子供の蒼白な顔と肌、まるで生気を感じられない目。
ベッドの上で無惨にも胴と下半身を引き裂かれ、血が未だに流れ出る。
ベッドに駆け寄り、頬を触れる。
冷たかった。
目から滂沱の涙が溢れ出る。
膝から崩れ落ちてしまう。
ベッドにしがみつき、何故だと自問自答する。
私の心はこれだけで壊れる程に脆かった、憎悪に身を任せるしか無いほどに。
妻と息子の名前も忘れた私が何を言っても無駄だろう、だけど、私の妻と息子を殺した奴は許さない、私の人生は今思えばあそこで変わったのだろう。
「何故私だけが生き残った?」
答えは見つからない
「何故...妻と息子が死ななければいけなかった!?」
握り締めた拳から、血が流れる。痛い。だが、妻と息子が受けた痛みはこんなもんじゃないだろう。
答えは見つかるわけも無い。
「何故...何故ッ!!!」
この怒りを何処にぶつければいい?
自問自答は繰り返される。
そして、ただ一つの答えだけが導き出される。
「....私は何故生き残った?」
答えが見つかった以上、簡単だ、妻と子供を殺した奴に復讐する為だ。
「あぁ...そうだ、でも妻と子供は私がこんな事をする事を望んで要るのだろうか?」
分からない、でもやるしかない、妻と息子と同じ目に合わせるために。
引きちぎって殺る、地獄の果まで追い掛けて殺す。
「最期まで何も出来なかった私に、やれる事は一つだけだ」
「奴を殺す、妻と子供を、私が愛する人を殺した者に報いを受けさせる」
────────そうだ、それでいい。
不思議と今なら何でも出来る気がした。
私の身体は自然と霧となり闇の中へと消えていった。
────現在 PM11:34
私は今、SCP財団が所有しているサイト‐8017という施設で、私はSCPとして質疑応答を繰り返していた。
SCPと言うのは、詳しくは聞いていないため曖昧にはなるが、何でも現在の化学では到底判明出来ないほどの超現象のモノ、もしくはそれに値する物のことを言うらしい。
例えば、ある薬を飲むだけであらゆる病気が直ぐになる物や、見た目は一見普通のコーラだけど飲むと身体能力が一気に向上したあと死に至る物とかがあるらしい。
で、話を戻すが────
「───で、これが恐らく私がSCPと言われる原因になった理由だよ、面白く無かったろう?」
私が今収容されている部屋の中で、御剣博士と言われる人と何故SCPになったか、それかそれに思い至る原因を話してくれ、と言われた。
「───そっか、済まないな、僕のせいで辛い過去を話させてしまって」
「いや、大丈夫さ、そんなに気にしなくてもいい」
実際気にして居ないから大丈夫だと言うのに、御剣博士は済まなそうな顔をしている。
「そうか...分かった、質問に答えてくれてありがとう」
「ああ、どういたしまして」
この日は質疑応答で終わった。
────再来週 AM8:00
特に何も無く日にちがどんどんと変わっていく。
私の収容部屋は基本的に真っ白で、そして無機質だ、本や食事、ベッド等は出るが、他のものは大体出ない。
なので基本的に本を読むしか時間を潰せないが、だが今日は私の実験の日だ、私が使える能力に関してはほとんどは既に実験済みで、今日はDクラスと呼ばれる者と対話するらしい。
ふむ、何も無ければいいが。
────AM10:30
私は何時もの収容部屋で待っていると御剣博士とオレンジ色の服を着た男1人、特殊部隊と思われる重厚な装備を来た屈強な男5人が私の強化ガラスの前へと到着する。
博士は隣の部屋に行き、オレンジ色の服の男が収容部屋の扉に近付く、恐らくあの人がDクラスと呼ばれる人達の1人なのだろう。
少しすると、部屋に内蔵されているスピーカーがノイズを発する。
「あー、あー、うん、よし、じゃあ、実験の開始だ」
そう御剣博士が言うと、扉が開かれてDクラスの人が部屋へと入ってくる。
緊張しているのだろう、顔が強ばっていて、身体は震えていた。
Dクラスの耳には通信機と思われるものを身に付けており、そこで指示を貰うのだろう。
言葉に詰まりながらも、先に話したのはDクラスの方だった。
「な、なぁ、あんた、まともに話せるのか?」
ふむ、何とも不思議な質問をするな、もしかして私の情報は一切渡されていないのか?
「あぁ、まともに話せるし喋れるが、どうした?」
そう聞くとDクラスは少し安堵したように、こう言った
「いや、他の人型のSCPってよ、話聞かずに攻撃してくること多いからさ...」
と言った、多分だが、SCPには攻撃的なモノが多いようだ。
気になって聞こうとしたら、肝心のDクラスの人は怒られていた、あまり軽く他のSCPの情報を漏らしてはいけないらしいな。
まぁ、ここは後でじっくりと御剣博士にでも聞こうとするか───。
と、ここで血の匂いがした。
「ッ!」
私は咄嗟にDクラスの人の腕と取って半ば回転させるように腕の中に収めるようにして壁から守る。
「うわっ!?」
その瞬間、壁が爆発し、壁の欠片が音速の速度で私の背中に突き刺さる。
「うぐぅっ!?」
Dクラスの人が大丈夫なら私は大丈夫だ、何故なら私は死んでも直ぐに生き返れる、SCPとして捕まる前に、色々と実験したからな。
「んなぁっ!?だ、大丈夫かよ!?」
「大丈夫...大丈夫だ...あの痛みに比べたら...」
多少の痛みはあるが、直ぐに治る、それよりも今はあちらの方だ。
ゆっくりと首を動かして後ろを見る、私を見据えるのは、血の臭いをキツく纏わせた男だった。
「よぉ...てめぇが俺より強えって噂の奴かァ?」
そう言って、赤い大剣を持ち、身体中に黒い線を纏った褐色の肌をした男は不敵に笑った。
本能がざわめく。血の臭いを発するものは殺さなければイケナイ。
「....へぇ?少なくとも、俺と同等ぐらいの力はあるみてぇだな?」
殺意が溢れ出る、理性が持たない、身体が霧と化していく。力が、アイツに復讐するだけの力が足りない。
「......ッ!?ファーマット!?」
遠のく意識の中で、御剣博士が、そう言った様な気がした。
ちなみに彼が収容されているサイトは
サイト-8107 です。
あと彼には1回限定の現実改変能力があり、作中でもう使っちゃいました。
ある公園内での出来事
───ねぇ!あそこ、何か居るよ?
─────本当だ、何がいるな。
───あれ、消えちゃった。
────あれ?霧のように消えちまったな。
───珍しいね!
─〘あぁ、珍しいな、でも普通の事だろ。〙
───ま、そうだね!
───────私を知るものは居なくていい。
────霧のように溶けていく私を。
─────妻と息子を救えなかった私を。