Abissale solitudine -海の底に消えた鍵-   作:紅 奈々

9 / 17
標的9【やさしい言葉】

 「今ここで泣いたとして、君を責めたり笑うような人間はいない。

 僕は何も見てないから……思う存分泣けばいい」

 

 雲雀の言葉に璃王は、ずっと張り続けていた壁が音を立てて崩壊していくのを感じた。

 いつ振りだろうか。 優しい言葉を掛けられて、感情が揺らぐのを感じたのは。

 それはきっと、真摯に見つめてくる黒曜石のような眼の所為だ。

 

 人と自分とを隔てる巨大な壁。 幾重にも重なっていて、何人たりともその城壁を越えることは不可能だった。

 その城壁の奥の奥に掛かっている鍵。

 何処か深い海の中に消え去った鍵。 それを見つけることはもう、多分不可能だろう――。

 

 暫く雲雀は、静かに涙を流す璃王の頭を優しく、まるで壊れ物でも扱うかのようにそっと撫でていた。

 

 

―― ――

 

 

 暫くして璃王が落ち着くと、雲雀は璃王から離れた。 替えの制服を持ってくると、雲雀はそっぽを向いて璃王に制服を差し出す。

 

 「はいこれ……男子用で良いんだよね?」

 

 制服を差し出す雲雀の顔が紅く見えたが、璃王は気の所為だな、と制服を受け取る。

 雲雀はと言えば、半信半疑だったとは言え璃王の服をいきなり剥いだ事による罪悪感が今になって占領していた。

 

 「ん、どーも」

 

 制服を受け取った璃王は、特に先ほどの出来事を気にした様子もない。

 そんな彼――否、彼女の背景に淡い青の紫陽花が見えてしまった雲雀。 要するに、美ジョンが掛かって見えたのだ。

 

 ヤバイこれ、末期じゃないの?と雲雀が頭を抱えるその前で、璃王はシャツを羽織る。

 制服を着替えた璃王は、ソファーにそのまま寝転がり、「6時間目始まったら起こして」と璃王は言い置いて、眠りに就いた。

 

 え……ちょ、無防備だな、おい。と雲雀が思った頃には璃王は寝息を立てて眠っていた。

 

 ちょっと雲雀のキャラが壊れたが、気にしない方向で。

 

 「……、これぐらいは良いよね」

 

 書類に全く手が着かない雲雀は、ポケットからケータイを取り出すとカメラを設定して、眠っている璃王の顔にカメラを向け、センターキーを押した。

 画面には今撮ったばかりの璃王の寝顔がアップで映し出されている。

 

 (璃王の寝顔マジで天使!マジ女神!僕のマイハニー!)

 

 璃王の写メを初ゲットして気分上々の雲雀のキャラが完全に崩壊したのは言うまでもない。

 そして、璃王の寝顔に悶えていた雲雀は、書類には全く手が付けられなかった。

 

 

 ―― ――

 ―― ――

 

 ――Side・草壁

 

 

 

 こんにちは、皆さん。 毎度お馴染みの雲雀恭弥の右腕の草壁哲矢です。

 はい、あの真っ黒リーゼントに咥え葉っぱがトレードマークの風紀委員副委員長です。

 自分の事は「てっちゃん」とお呼び戴いて結構です、はい。

 

 さて、自分は今、応接室の前に居ます。 委員長宛に沢山の書類を持たされましたよ、教師に。

 こんな書類の山、委員長に咬み殺される……!

 

 覚悟をして応接室に入ろうとした時のことです。

 応接室には璃王が居るらしく、璃王と委員長の声が聞こえた。

 

 普通の話なら何気ない顔で「委員長~、書類持ってきましたー」と普通に入れるのだが……何やらただならぬ事情のようだし、ここは少し盗み聞き……いやいや、様子を窺うことにした。

 

 少し開いているドアの隙間から中の様子が窺える。 応接室の中では、璃王がソファーで寝ていて委員長がその璃王の寝顔を写メりまくっていた

 うわー、委員長、璃王の寝顔写メってるー羨まし……いやいやいや! 何璃王の寝顔見てニヤけてるんですか、委員長!?

 委員長にそんな趣味があったとは驚きです。 草壁哲矢、一生の不覚です。

 でも大丈夫です、委員長! 璃王と委員長の秘密は守りますから!

 委員長と璃王がそう言う関係なのは誰にも言いません!

 

 そう自分は混乱の後に固く決意した。

 まぁ、そんな事を語らう友達は璃王くらいしかいませんけどねぇぇぇぇええ!! それが何だってんだ、人間関係は狭く深くが丁度良いんだ!

 

 ちなみに、璃王と自分は超大親友です! 時々、冷たく突き返されるけど。 それは璃王がツンデレだからだ!

 そうだ、璃王はツンデレの比率が9:1と言う、委員長と負けず劣らずの黄金比率のツンデレなのだ!

 

 大体、そんな超絶人間嫌いの璃王が保坂理絵奈なんぞ底辺のアイドルグループにいそうな脳内快適系キャピキャピ女子に告白なんかある筈がない! ので、自分は2年で流れている璃王の噂は全く信じてない!

 これだけは言える、璃王は俺に対してもかなりドライなのに、保坂理絵奈なんぞ自意識過剰勘違いイタイ子に興味を持つ筈がないんだ! 璃王は風紀委員の文化だ、芸術だー!

 

 ……なんてちょっと熱くなっていると、目の前に人の足が見えました。

 

 「君……覗きなんて上等だね。

 ……、咬み殺す!」

 

 頭上から委員長の声が降って来たかと思うと、顔を上げる暇もなくトンファーが脳天に突き刺さり、そこから先の記憶はありません!




【作者Aの部屋~雲雀さんが何か言いたいらしい】

 (会話文だけ&雲雀さんが何か言いたいだけらしいので、飛ばしてもおkです)

 A「ちょ、ちょちょ、ちょりはー!」

 雲雀「君、何でここに呼ばれたか解るよね?」

 A「ぎくぅ! ……、な、何のことか、俺夢さんわかんなぁ~い」

 雲雀「僕のキャラ、何処に行ったのさ?」

 A「……、ゆ~う焼~けの中に吸いこま~れて消えて~った~」

 雲雀「六兆年と一●物語で誤魔化さないでくれる?
 何で僕がガン●ムSE●Dのユ●ナ・ロマ・セ●ラン化してるの? 僕に死亡フラグでも立てるつもり?
 草壁に関しては、ひぐら●のなく●にの前●圭一の固有結界の一部の台詞を変えた所もあったし、何なの? 馬鹿なの?死ぬの?
 キャラ壊しすぎでしょ、もうちょっと原作に忠実になろうよ。
 そんなんだから、どの作品も鳴かず飛ばずなんだよ、大体作者は更新がのろまなクセに色々とネタが浮かんだとかで別の作品に手出ししたりするから、どの作品も更新停滞するんでしょ。
 ハーメ●ンといい、な●うといい、エブ●スタといい、オリジナル含めて一体どれだけの作品を作って放置してるの、いい加減その浮かんだら取り敢えず書いてみるって性格を直してあーだこーだエンドレスウダウダ」

 A「雲雀さんの説教が長引きそうなので、ここまで!
 いるのかどうか分からないけど、読んでくれている皆さん! こんな奴ですが、作者Aこと紅奈々とその作品をよろしくです!」

 雲雀「ちょっと聞いてんの、作者。 話はまだ終わって無いんだから。
 そもそも作者の書くキャラは何だか……あーだこーだエンドレスウダウダ」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。