遊戯王 神秘眼の姫君   作:ヴィルティ

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いざ突撃

「ここがサルバード教団の本拠地ね」

 

オッドアイズの背中に乗ったオディアナがとある街にたどり着き、ぽつりと一言漏らす。

教団の本拠地という物だからてっきり教会か何かだと思っていたが、まさか街一つ拠点にしてるとは思っていなかったのだ。

 

「そう。サルバード教団はここの街の人々を守ったことがあって、その恩を利用してこの街を統治してるんだ」

「どういうことぜよ?」

 

アルバスが忌々し気に呟き、ムゼロが首をかしげる。

恩を利用して街を統治するというのがひっかかっていた。

 

「この街に一匹の竜が襲撃してきた。その竜の前にこの街の人々はなすすべもなく蹂躙された。その竜を抑え込んだのがサルバード教団の連中で、その恩でこの街の統治権を得てるんだ」

「なるほどね」

 

シーアが街を見るが、街の人々はどこか生気がない。

守ってもらえているのなら別に問題ないんじゃないかと思っていたが、何か裏があるのだろうか。

 

「アルバス、この街の人々は納得いっているのか?」

「最初は納得してたんだけど……サルバード教団は街を守る代金としてこの街の人々から税金を取ってるんだ。そして歯向かった人は神官たちが放つ光の術で痛めつけられ、逆らおうという意思を徹底的に潰してるんだ」

 

アルバスが忌々しそうに呟居た瞬間、びくっと背筋を震わせる。

 

「アルバス……お前、ここで何してるんだ?」

 

神官の一人がアルバスの姿を確認し、こめかみをぴくぴくと動かす。

アルトマ王城の生き残りを保護し、拒否するなら強制的に連れてこさせるための手段であるアルバスがここにいるのは確かにおかしいことなのである。

 

「それにお前たち、この街で見ない連中だが……何者だお前らは?」

 

神官が杖を抜こうとしたが、その前にムゼロが神官の懐に潜り込み、喉元に銃を突きつける。

 

「この街をお前らのようなクソな連中から解放しに来た……とだけ言っておくぜよ」

「ムゼロ」

 

シオンが慌てて声をかけるが、ムゼロは意に介さず男から目を離さない。

 

「アルバスを連れてここに来た時点で闘いは避けられない……ならまずこちらから宣戦布告しても問題ないぜよ」

 

ムゼロが呟くと、シーアが頷く。

オディアナとハスキミリアはおろおろしていたが、どちらにしろこうなってしまった以上、闘いを避けながら教団の根城へと向かうことは不可能になってしまった。

 

「大人しく手を引けば見逃してやるぜよ」

 

ムゼロが呟くと、神官が大人しく両手を上げる。

降参の意を示したのを確認し、ムゼロが銃をゆっくりと離していく。

 

「よし、アルバス案内を頼むぜよ」

「うん」

 

最初ムゼロの行動に動揺していたが、気を取り直してアルバスがこの街の東の方を指さす。

 

「あそこの赤い屋根の建物の地下……そこをサルバード教団の連中は根城にしてる」

「教会とか建ててるわけじゃないのね」

 

アルトマ王国にも宗教団体はあるが、そのどれもが教会を根城としてそれぞれの神の教えを説いていた。

宗教とはそういうものだと思っていたオディアナは所変わればこうも違う物かと考えていた。

 

「まぁ光の力を持つエクレシアを人質にして竜に変身できるアルバスを利用してるんだ。やましいことをしてるという自覚があるからこそ目立たないところを居城にしてるんだろ」

 

シーアが結論付けると、アルバスを先頭に教団の根城に向かって走っていく。

 

 

「ここだ」

 

アルバスたちは赤い屋根の建物にたどり着く。

一見すると本当に赤い屋根だけしか特徴がないという、ただの民家である。

 

「本当にここ?」

 

ハスキミリアが首をかしげていると、オディアナがこくんと頷く。

 

「そうみたいですね……確かに見た目は変哲もない家ですけども、地下から何かが蠢いてる気配を感じます」

「姫……」

 

オディアナ姫が不思議な感覚を目覚めさせつつある。

だが今はそれどころではないとシーアは思い直し、扉に手をかける。

 

「失礼」

 

シーアが扉の取っ手を手にした瞬間、ピカッと光が放たれる。

 

「ふん、セキュリティの魔術か……だが」

 

だがシーアが手から闇を放出させると、光が一瞬で闇に飲み込まれガチャリと扉が開いた。

 

「よし、行くぞ」

 

シーアを先頭に家の中へと入っていく。

家の中は本当にただの民家という感じであり、居間と思われし場所に机と椅子、そして机の上に果物が入った籠が置かれていた。

ここに住民がいれば間違いなくただの一般家庭の家だと思わせることが出来ただろう。

だが、シーアがちらりと床を見た後、机をどかしてカーペットをずらす。

 

「ビンゴ」

 

そこには地下へつながる扉があり、ゆっくりとシーアが扉を開く。

その瞬間扉から光が放たれ、その場にいた皆が光に飲み込まれ姿を消していく。

 

 

ハスキミリアが目を開くと、そこは先ほどとは打って変わって蝋燭が壁にかけられ、暗い一本道が目の前に広がっていた。

 

「これは?」

「光の力を求める割には薄暗い拠点だな。さて、エクレシアを見つけて奪還したらさっさと逃げるぜよ」

 

ムゼロが結論付けるが、オディアナは首を横に振る。

 

「いえ……エクレシアさんだけ連れて逃げても、教団の人々がアルバス君とエクレシアさんを取り戻そうと私たちの後を追っかけてくるでしょう。私たちの旅はなるべく隠密にしたいものである以上、それなりに大きな教団の追っ手が来てもらったら一問題です」

 

オディアナの言うことはもっともであり、アルバスとエクレシアからしても教団から無事に逃げ出せても教団の追っ手から永遠に追いかけられ続けるというのは問題だ。

だとしたら、ここで教団を壊滅させるしかない。

 

「それにこの教団に守ってもらうという名目で税を取られ生活を苦しめられてる人もいることだし」

 

シオンが辛そうな様子で歩いていた街の人々の姿を思い出して呟くと、オディアナの内心はさらに固まった。

 

「姫がそうしたいというのであれば私はその力、存分に奮いましょう」

「ありがとう、シーア」

「アルバス君を苦しめ続けるこんなところ、無くなっちゃえばいいもんね。私もオディアナさんの意見に賛成だよ」

 

ハスキミリアも同意し、ムゼロとシオンも頷く。

 

「よし、じゃまずはエクレシアを奪還しに行くぞ」

「その必要は……ないよ」

 

突如響いた声を聴きそちらの方を見ると、髪の毛をツインテールに纏め、鎧を着こんでハンマーを装備した少女が現れる。

 

「エクレシア?」

 

アルバスが呟くと、全員が少女を二度見する。

 

「この子がアルバス君の探し求めてる?」

「うん。エクレシア、良かった、無事だったんだな」

 

アルバスが安堵した顔でエクレシアの元へと歩いていく。

 

「……危ないっ!」

 

だがシーアがそんなアルバスの前に立ちはだかり、エクレシアが勢いよく振り下ろしたハンマーを剣で弾き返す。

 

「っ、何という力」

 

だが剣はシーアの手から叩き落され、エクレシアは何事もなかったかのようにハンマーを構え直す。

 

「エクレシア、どうしたんだ!?」

「アルバスが悪いんだよ……アルバスが自由になろうとしてこの人たちの手下になり下がったから……私はこの教団の手下になり下がっちゃったんだよ」

 

エクレシアの眼から光が消えていき、虚ろな眼でアルバスを見る。

 

「もうアルバスなんてどうでもいい。侵入者は排除する」

 

エクレシアがハンマーを構え直すと、シーアがふぅと息をつく。

 

「アルバス、悪いが少し手荒な真似になるけども、彼女を止めてから助ける。いいか?」

「エクレシアを助けてくれるんだろ? お願いする」

 

どう考えても異質な力に操られてるとアルバスは気づいたが、竜になることだけしか出来ない自分では今のエクレシアを助けることは出来ない。

なら悔しい気持ちでいっぱいではあるが、助けると断言してくれたシーアにこの場を任せることしか出来なかった。

 

「行くぞ」

 

シーアがデッキを取り出し同時に紫の鞭でエクレシアのハンマーを手ごと拘束し、動けなくする。

 

「……デュエルをお望みなんだ。分かった、いいよ」

 

もう片方のエクレシアの手にデッキが現れ、それを空中の上にかざす。

するとデッキは空中で止まり、デッキの上から5枚のカードがふよふよと浮き上がり、エクレシアの前で止まる。

 

「シオン、オディアナ姫や皆を頼んだ」

「分かった、任せて」

 

もし今神官たちがやってきたら、エクレシアとのデュエルに挑む自分では皆を守り切れない。

だったら力をつけてる妹にこの場を任せるのが最善と判断し、シオンもそれが分かってるからこそ即座に了承してくれた。

 

 

「「デュエル」」

 

エクレシアが先にカードを引いていたこともあり、先攻で動き始める。

 

「私のターン。私は『教導の聖女エクレシア』を通常召喚」

 

エクレシアとほとんど同じ姿をした少女がエクレシアの場に現れ、ハンマーを構える。 ATk1500

 

「エクレシアが通常召喚に成功した時、デッキから『ドラグマ』と名のつくカードを1枚手札に加える」

 

エクレシアが操られてるエクレシアにカードを1枚手渡す。

 

「……同一人物なんだろうけど、違和感ある光景だね」

 

シオンが呟くと、アルバス含めその場にいた全員がうんうんと頷く。

 

「だけどこの効果を発動したターン、私はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。私が手札に加えるのは『ドラグマ・バニッシュメント』。そしてカードを2枚伏せてターンエンド」

 

エクレシア LP8000 場 教導の聖女エクレシア 魔法・罠カードゾーン セットカード2枚 手札3枚

 

「私のターン、ドロー。私は『EM ドクロバット・ジョーカー』を召喚!」

 

ファントムマスクをかぶり、ピエロがぴょんぴょんと跳ねながらシーアの場に降り立つ。 ATk1800

 

「ドクロバット・ジョーカーが召喚に成功した時、デッキから『オッドアイズ』『EM』『魔術師』のいずれかのカテゴリのペンデュラムモンスター1体を手札に加える」

 

ドクロバット・ジョーカーが後ろに手を回し、そして色とりどりの紙テープと共にカードを1枚シーアに手渡す。

 

「私は『慧眼の魔術師』を手札に加える。このままバトルフェイズ。ドクロバット・ジョーカーでエクレシアに攻撃!」

 

ドクロバット・ジョーカーがぴょーんと飛び跳ねると、ハンマーを携えていたエクレシアの背後に着地し、そのまま勢いよく蹴り飛ばす。

背後からの不意の一撃に耐えられなかったエクレシアはそのまま地面に倒れ伏し消滅する。

 

「エクレシア!」

「アルバス、気持は分かるがあれはエクレシア本人じゃないぜよ」

 

エクレシアが蹴り倒されたことでアルバスが動揺するが、即座にムゼロが宥める。

 

「メイン2、私はペンデュラムスケール5の『慧眼の魔術師』とペンデュラムスケール8の『黒牙の魔術師』をセッティング」

「その瞬間に罠カード『ドラグマ・パニッシュメント』を発動。EXデッキからモンスター1体を墓地へ送り、墓地へ送ったモンスターの攻撃力以下の攻撃力を持つモンスター1体を破壊する。攻撃力2500の『旧神ヌトス』を墓地へ送り、1800のドクロバット・ジョーカーを破壊する!」

 

光が稲妻として降り注ぎ、ドクロバット・ジョーカーが稲妻に焼かれ姿を消していく。

 

「そして墓地へ送られたヌトスの効果で場のカード1枚を破壊する。『慧眼の魔術師』を破壊する!」

 

ヌトスが手にした槍を慧眼の魔術師が作り上げた柱に向かって投げる。

それが直撃した慧眼の魔術師のペンデュラム柱が粉々に砕け散り、光となって消える。

 

「さすがに通してはくれないか。ならスケール2の『賤竜の魔術師』を発動し、ペンデュラム効果を発動。EXデッキから『慧眼の魔術師』を手札に加える」

「その瞬間に永続罠カード『御前試合』を発動する。お互いのプレイヤーは同じ属性のモンスターしか場に並べることは出来ない」

 

シーアのEXデッキは闇属性のドクロバット・ジョーカー。

一方で慧眼の魔術師で光属性であり、同時に場に並ぶことが出来ない。

 

「しょうがないか。ならばペンデュラム召喚。EXデッキから甦れドクロバット・ジョーカー」

 

今度は腕を組み防御姿勢を取りジョーカーがシーアの場に戻る。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

シーア LP8000 場 EXモンスターゾーン EM ドクロバット・ジョーカー 魔法・罠カード 黒牙の魔術師 賤竜の魔術師 セットカード1枚 手札3枚

 

「私のターン、ドロー。私は『召喚師アレイスター』召喚」

 

眼鏡をきらりと光らせ、ローブを来た魔導士がエクレシアの場に降り立つ。 ATk1000

 

「召喚に成功した時デッキから『召喚魔術』を手札に加える。そして魔法カード『ルドラの魔導書』を発動しアレイスターを墓地へ送り2枚ドロー。そのまま『召喚魔術』を発動。墓地のエクレシアとアレイスターを除外し融合召喚を行う」

 

アレイスターが墓地に眠っているエクレシアの顎をくいっと引き、エクレシアがぽっと頬を赤らませる。

 

「エクレシアぁ……」

「落ち着いてアルベル君」

 

アルバスが握り拳を作りアレイスターに殴り込みに行こうとするのをハスキミリアとオディアナ姫が慌てて止める。

シーアも思わず振り返りアルバスが暴走しないかどうかを確認する。

 

「出でよ『召喚獣メルカバー』」

 

下半身が生き物を模した戦車と合体した人型の魔物がエクレシアの場に降り立つ。 ATk2500

 

「そして除外ゾーンのアレイスターの効果発動。墓地の『召喚魔術』をデッキに戻して除外されてるアレイスターを手札に戻す」

 

アレイスターが再びエクレシアの手札に戻り、エクレシアが手札をちらりと見る。

 

「そして私の場にEXデッキから特殊召喚されたモンスターが存在してることで『教導の騎士フルルドリス』を特殊召喚する」

 

エクレシアの場に全身鎧で身を包んだ騎士が現れ、ドクロバット・ジョーカーに剣を向ける。

 

「バトルフェイズ! メルカバ―でジョーカーに攻撃!」

 

メルカバーが勢いよくジョーカーに突撃していき、手にした剣でジョーカーを切り捨てる。

 

「さらにフルルドリスでダイレクトアタック! その瞬間にフルルドリスの効果発動。ドラグマモンスターの攻撃力は500アップする。フルルドリスもドラグマモンスター、よって攻撃力は3000になる」

「永続罠カード『時空のペンデュラムグラフ』発動! 賤竜の魔術師とフルルドリスを破壊する」

「メルカバーの効果発動。手札の罠カード1枚を捨てて相手が発動した罠カードの効果を無効にして破壊する」

 

メルカバーが時空のペンデュラムグラフに剣を突き刺し、一気に切り捨てる。

 

「っ」

 

その瞬間にフルルドリスの剣がシーアを切り裂く。

 

「ああっ」

 

シーア LP8000→5000

 

「シーア!」

「姫様、大丈夫です」

 

オディアナがシーアを心配しやってこようとするのを制止する。

 

「メイン2、私はカードを1枚伏せてターンエンド」

 

エクレシア  LP7700 場 召喚獣メルカバー 教導の騎士フルルドリス 魔法・罠カード 御前試合 セットカード1枚 手札1枚

 

「私のターン、ドロー」

 

シーアがカードを引き、引いたカードを確認しにっと笑う。

 

「ペンデュラム召喚! EXデッキから出でよドクロバット・ジョーカー、手札からいでよ『相克の魔術師』!」

 

シーアのEXデッキからドクロバット・ジョーカーが飛び出し、手札から巨大な杖を携えた魔術師が出現する。

 

「一気に特殊召喚してきたね。だけどそうはさせないよ! カウンター罠カード『神の宣告!』 LPを半分支払うことで相手のモンスターの特殊召喚を無効にして破壊する!」

 

エクレシアの場に現れた白髭の神が手をかざすと、ドクロバットと相克の魔術師が消滅していく。

 

「これで逆転の目は潰したよ」エクレシア LP7700→3850

 

全員が不安な目でシーアを見るが、シーアがにっと笑う。

 

「いや、むしろ攻め時だ! 黒牙の魔術師のペンデュラム効果発動。メルカバーの攻撃力を半分にする」

 

シーアの場のペンデュラム柱となっていた黒牙の魔術師が飛び出していき、メルカバーの胴体に槍を突き刺し力を奪う。

 

メルカバー ATk2500→1250

 

「そして破壊された黒牙の魔術師の効果発動。このカードが破壊された場合、墓地から闇属性・魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する。甦れ『相克の魔術師』!」

 

神の一撃を食らい消え去ったはずの魔術師が黒牙の力を受け甦る。 ATk2500

 

「そしてペンデュラムスケール5の『慧眼の魔術師』をセッティング」

「その瞬間にメルカバーの効果発動。魔法カードを1枚捨てて相手が発動した魔法カードの効果を無効にして破壊する!」

 

メルカバーが慧眼の魔術師に剣を突き立てようとしたが、相克の手にした巨大な杖から闇が放たれ、メルカバーをその闇で包み込む。

 

「『相克の魔術師』の効果発動。光属性のモンスター効果を無効にする。これでメルカバーの効果を無効にする」

「くっ……」

「慧眼の魔術師のペンデュラム効果。このカードを破壊して『黒牙の魔術師』をセット。そしてさっきと同じく黒牙の魔術師の効果発動。メルカバーの攻撃力を更に半減して墓地からドクロバット・ジョーカーを墓地から蘇生させる」

 

ドクロバットがシーアの場に再び舞い戻り、シーアににっと笑みを向ける。

 

「そして私は『EM 天空の魔術師』を召喚」

 

灰色の竜を模した鎧を来た魔術師が出現し、ドクロバット・ジョーカーと手を取り合う。

 

「天空の魔術師の効果発動。ペンデュラムモンスターが場にいるときに効果を発動した場合、エンドフェイズにデッキからペンデュラムモンスター1体を手札に加える。そしてLV4のドクロバットと天空の魔術師でオーバーレイネットワークを構築!」

 

――主に対し反逆する者は許さない――

 

「エクシーズ召喚! 出でよ『覇王眷竜ダーク・リベリオン』!」

 

シーアの場に緑色の光を放つ線で全身を包む漆黒の竜が現れる。 ATk2500

 

「バトルフェイズ。ダーク・リベリオンでフルルドリスに攻撃!」

 

ダーク・リベリオンが背中の翼を広げ、一気にフルルドリスに向かって飛んでいく。

リベリオンの顎がフルルドリスに直撃する前、フルルドリスが剣を顎に突き立てる。

 

「フルルドリスの攻撃力は3000。血迷った?」

「シーアさん!?」

 

アルバスが叫ぶが、オディアナはにっこりと笑う。

 

「ううん、シーアの勝ち」

「『覇王眷竜ダーク・リベリオン』のモンスター効果発動! ダメージ計算前にオーバーレイユニットを1つ取り除きフルルドリスの攻撃力を0にして、ダーク・リベリオンの攻撃力をフルルドリスの元々の攻撃力分アップする!」

 

ダーク・リベリオンの背中から雷撃が放たれ、その直撃を受けたフルルドリスがうなだれる。

そして顎に稲妻が集約し、受け止めていたフルルドリスの剣が砕け散る。

 

教導の騎士フルルドリス ATK3000→0

覇王眷竜ダーク・リベリオン ATK2500→5500

 

「この一撃で戻って来なさい!」

 

ダーク・リベリオンの一撃を受けフルルドリスの鎧が砕け散る。

その瞬間鎧から闇が噴き出していき、鎧の中にいた女性がゆらりと目を閉じ地面に倒れ伏した。

 

「きゃああああああああああっ!」 エクレシア LP3850→0

 

 

エクレシアの体から無数の闇が放出され、そのままエクレシアが倒れていく。

 

「エクレシアっ!」

 

アルバスがたまらず飛び出していき、倒れかけたエクレシアの体を受け止める。

 

「……アルバス……君?」

「エクレシア、大丈夫か?」

 

アルバスがぎゅーっとエクレシアの体を抱きしめると、ぼけっとしてたエクレシアが顔を赤くし、それでもアルバスのハグを受け入れる。

 

「うん……大丈夫。アルバス君は?」

「もちろん大丈夫だぞ。この人たちが助けてくれたんだ」

 

アルバスがハグを解き、オディアナ一行を紹介する。

 

「…………えっ?」

 

ムゼロを除く全員が女の子なのを確認し、エクレシアの目から再び光が失われる。

 

「アルバス君?」

「ご、誤解してるぞエクレシア! この人たちが僕たちを助けてくれるって言ってくれたからお言葉に甘えただけで!」

 

慌ててアルバスが弁解し、その様子をオディアナ一行は苦笑しながらも安堵しながら見つめていた。

 

「さてと、エクレシアさんも無事に助け出したことだし、今度はエクレシアさんとアルバス君を酷い目に遭わせたこの教団の人たちを倒しに行こー!」

 

ハスキミリアの言葉に全員が頷き、一斉に暗闇の道を歩き出す。

 

 

(……しかし、光の力を使ってる連中がエクレシアさんを操るのに使ったのが『闇』の力というのは……おかげで闇の力同士の反発でエクレシアさんを解放することが出来たが……どうしてもそこがひっかかる)

 

闇から解放されたエクレシアの背中を見ながら、オディアナと一緒にシーアは暗闇の道を歩いていた。

 

 

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