遊戯王 神秘眼の姫君   作:ヴィルティ

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竜の意地

ザイバの先攻でデュエルが始まる。

 

「私のターン、ドロー。私は手札から『サイバー・ダーク・カノン』を捨ててデッキから『サイバー・ダーク』機械族モンスターを手札に加える。手札に加えるのは『サイバー・ダーク・キール』」

 

手札に加えられたのは先ほどドラゴンメイドたちを捕らえていた闇の機械竜。

 

「そして『サイバー・ダーク・クロー』を捨ててデッキから『サイバーダーク』と名の付く魔法・罠カード1枚を手札に加える。手札に加えるのは『サイバーダーク・ワールド』。そして『サイバーダーク・ワールド』を発動しデッキから墓地に存在していない『サイバー・ダーク』モンスター1体を手札に加える。手札に加えるのは『サイバー・ダーク・ホーン』だ」

 

そして手札に加えられたそのモンスターがそのままモンスターゾーンに置かれる。

「私は『サイバー・ダーク・ホーン』を通常召喚し効果を発動する。墓地に存在しているLV3のドラゴン族モンスターをホーンに装備する。墓地の『サイバー・ダーク・カノン』をホーンに装備する」

 

場に現れたホーンが墓地へと触手とコードを伸ばしていき、カノンを捕らえ装備合体する。

 

「この効果で装備したドラゴン族モンスターの攻撃力分ホーンの攻撃力をアップさせる。これにより攻撃力は2400になる。カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

ザイバ LP8000

 

モンスター:サイバー・ダーク・ホーン

魔法・罠:サイバー・ダーク・カノン サイバーダーク・ワールド セットカード2枚

手札:2枚

 

オディアナにターンが移る。

 

「私のターン、ドロー。私は『EMドクロバット・ジョーカー』を召喚して効果を発動するわ。デッキから『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』を手札に加える」

 

オディアナの場に現れたピエロがミラージュを手にし、お辞儀をする。

 

「あれは私も使ってるカード。さすがに相性がいいですね」

「うん。シーアの力も借りて戦わせてもらうね。私はペンデュラムスケール8の『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』にペンデュラムスケール4の『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』をセッティング」

「ここで永続罠カード『サイバダーク・インヴェイジョン』を発動する。装備カード1枚を破壊して相手の場のカード1枚を選んで破壊する」

 

ホーンが装備していたカノンを解放した瞬間、カノンが勢いよくオディアナの場へと飛んでいく。

 

「自分が装備させた『サイバー・ダーク』モンスターを破壊して私のカードを破壊してくるとは」

「これがドラゴンの命を使い場を支配する『サイバー・ダーク』の力だ。『サイバー・ダーク・カノン』を破壊し、貴様の場のカードを破壊する。破壊するのは『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』だ。そしてモンスターに装備されている状態の『サイバー・ダーク・カノン』が墓地へ送られたことで1枚ドローする」

 

ザイバ 手札2→3

 

「なら手札のペンデュラムスケール1の『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』をペンデュラムゾーンにセッティング。これによりLV2とLV3のモンスターを同時にペンデュラム召喚出来るわ。私はEXデッキから『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』をペンデュラム召喚します!」

 

オディアナの場に緑色の竜が現れ、その鋭利な顎をザイバに見せつける。

 

「さぁ、バトルです。装備モンスターを失ったことで『サイバー・ダーク・ホーン』の攻撃力は800に下がりましたね。『EMドクロバット・ジョーカー』で攻撃!」

 

ドクロバット・ジョーカーの蹴りがホーンの頭部を見事に蹴り砕く。

頭部を失ったホーンが地面へと落下し爆発し消滅していく。

 

「ホーンがやられたか」

 

ザイバ LP8000→7000

 

「ミラージュで追撃です」

(行っくぞー)

 

ミラージュの顎がザイバのお腹を突き刺す。

 

「ぐっ、下級ドラゴンごときが忌々しい」

 

ザイバ LP7000→5800

 

「カードを2枚伏せてターンエンド。エンドフェイズ時に『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』のペンデュラム効果を発動します。このカードを破壊してデッキから攻撃力1500以下のペンデュラムモンスター1体『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』を手札に加えます」

 

オディアナ LP8000

 

モンスター:EMドクロバット・ジョーカー

EX:オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン

魔法・罠:オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン セットカード2枚

手札:2枚

 

「エンドフェイズ時に罠カード『メタバース』を発動しよう。デッキからフィールド魔法を手札に加えるかそのまま発動する。私は『サイバーダーク・インフェルノ』をそのまま発動する」

「私のターン、ドロー。私は『サイバー・ダーク・キール』を召喚」

 

ヘビ型の闇の機械竜が墓地に向かって触手を伸ばしていく。

 

「当然キールにもドラゴンを装備する効果がある。墓地の『サイバー・ダーク・クロー』を装備する。そして『サイバーダーク・インヴェイジョン』のもう1つの効果を発動して私の墓地のドラゴン族か機械族モンスターを攻撃力1000アップさせる装備カードとして『サイバー・ダーク』効果モンスターに装備させる。『サイバー・ダーク・カノン』をキールに装備させる」

「一気に攻撃力が3400に……下級モンスターなのにこれほどの攻撃力になるなんて」

 

オディアナだけでなく、ドラゴンメイドたちやシーアもまた驚きの表情でキールを見つめる。

 

「さぁ、バトルだ。『サイバー・ダーク・キール』で『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』に攻撃だ」

「そうはさせません。『ペンデュラム・スイッチ』でペンデュラムゾーンに存在している『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』を場に守備表示で特殊召喚します」

 

オディアナの場に屈強な肉体の赤き竜が降り立ち、咆哮する。

 

「だが攻撃続行だ。『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』に攻撃」

「この時に『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』の効果を発動します。他にオッドアイズモンスターが存在していればオッドアイズモンスター1体を対象にしてこのターン、1度だけ破壊されません」

 

ミラージュが体を光らせると自身の体に淡い緑色の光を放つバリアが形成された。

 

「むぅ。だがダメージ計算時に装備されているカノンとクローそれぞれの効果発動。カノンはデッキからモンスター1体を墓地へ送り、クローはEXデッキからモンスター1体を墓地へ送る。カノンの効果で『サイバー・ダーク・キメラ』を。クローの効果でEXデッキから『妖精竜エンシェント』を墓地へ送る」

 

キールに装備されたそれぞれのドラゴンたちが尻尾のパーツをザイバのデッキとEXデッキへと伸ばし、指定されたカードを墓地へ送っていく。

 

「墓地へ送られた『サイバー・ダーク・キメラ』の効果でデッキから『サイバー・ダーク・エッジ』を墓地へ送る」

 

「ミラージュ」

(僕は大丈夫だけどダメージは防げなかった)

「ううん、しょうがないよ」

 

オディアナ LP8000→5800

 

「ふはは。カードを1枚セットしターンエンド」

 

ザイバ LP5800

 

モンスター:サイバー・ダーク・キール

魔法・罠:サイバー・ダーク・クロー サイバー・ダーク・カノン サイバーダーク・インヴェイジョン サイバーダーク・ワールド セットカード1枚

フィールド:サイバーダーク・インフェルノ

手札:3枚

 

「私のターン、ドロー。私はペンデュラムスケール8の『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』とペンデュラムスケール4の『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』をセッティングする」

 

オディアナの場に光の柱が形成される。

 

「ぐ、またペンデュラム召喚の準備を。そうはさせない。『サイバーダーク・インヴェイジョン』の効果発動。インヴェイジョンの効果で装備した『サイバー・ダーク・カノン』を墓地へ送りカード1枚を破壊」

「ならばミラージュの効果発動。ミラージュ自身にこのターン破壊耐性を付与します」

「構わん。破壊するのはペンデュラムゾーンの『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』だ。そして墓地へ送られたカノンの効果で1枚ドロー」

 

ザイバ 手札3→4

「これで『サイバー・ダーク・キール』の攻撃力は2400に下がりましたね。『ペンデュラム・スイッチ』の効果発動! 私のモンスターゾーンのペンデュラムモンスター1体をペンデュラムゾーンにセッティングすることが出来ます」

「何!?」

「これでEXモンスターゾーンの『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』をペンデュラムゾーンにセッティングします」

 

(よし、行ってきます)

 

モンスターゾーンのミラージュがペンデュラムゾーンへ移動し、光の柱を創り出す。

 

「ペンデュラム召喚! 出でよ『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!」

「ぐっ、竜の力で『サイバー・ダーク』たちに歯向かうつもりか!」

「もちろんそのつもりです。ペルソナを攻撃表示に変更して、バトルフェイズ。『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』で『サイバー・ダーク・キール』に攻撃です」

「この瞬間に『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』のペンデュラム効果を発動します。もう片方に『オッドアイズ』ペンデュラムカードが存在していることで『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』の攻撃力を1200アップさせます。これにより攻撃力は3700になります」

 

(行くぞ)

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの吐く闇のブレスがファントムの力を受けさらに膨れ上がり、極太いレーザー上に変化した。

 

「そして『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』が相手モンスターと戦闘することで発生する戦闘ダメージは倍になります。1300の2倍で2600ダメージを受けてもらいます」

「そうはいかん。私が戦闘ダメージを受けるダメージ計算時に罠カード『パワー・ウォール』を発動。私が受ける戦闘ダメージが0になるようにダメージ500につき1枚、デッキの上からカードを墓地に送る。6枚を墓地へ送り戦闘ダメージは0じゃ」

 

ザイバのデッキの上から6枚のカードが飛び出していき、闇のブレスを防ぐ壁となった。

ブレスが壁に激突し、ザイバに命中する前に消え去る。

 

「そしてキールは戦闘によって破壊される場合、装備したドラゴン族モンスターを身代わりにし破壊を免れる」

 

キールが装備していたクローが墓地へと送られていき、なんとか闇のブレスの破壊から免れた。

 

「そしてクローは装備状態で墓地へ送られたことで墓地の『サイバー・ダーク』モンスター1体を手札に戻すことが出来る。『サイバー・ダーク・カノン』を手札に戻そう」

「ですが『EMドクロバット・ジョーカー』『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』の追撃は防げないですね。お願いします」

 

ドクロバット・ジョーカーがキールを蹴り砕き、ペルソナが口から風の球を発射しザイバにダメージを与えた。

 

「ぐおおっ!」

 

ザイバ LP5800→4800→3600

 

「よし」

「一気にダメージを与えたですの」

 

ドラゴンメイド・ティルルとドラゴンメイド・ラドリーが嬉しそうにしているが、シーアは微妙な表情で場を見ていた。

 

「だが、その結果あのザイバという男の墓地はかなり肥やされたし、カノンの効果でドローして手札も蓄えてる。想像以上に厄介だぞ」

「私はこのままターンエンドです」

 

オディアナ LP5800

 

モンスター:EMドクロバット・ジョーカー オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン

EX:オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン

魔法・罠:ペンデュラム・スイッチ オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン オッドアイズ・ファントム・ドラゴン セットカード1枚

手札:1枚

 

「私のターン、ドロー。私は『サイバー・ダーク・カノン』を捨ててデッキから『サイバー・ダーク・エッジ』を手札に加える。『サイバー・ダーク・キメラ』を召喚」

 

ホーン、エッジ、キールが歪な状態で合体した闇の混成機械が現れ、ザイバに場に降り立つ。

 

「『サイバー・ダーク・キメラ』の効果発動。手札の魔法カード『サイバー・ダーク・ワールド』を捨ててデッキから『パワー・ボンド』1枚を手札に加える。これにより私はこのターン機械族モンスターしかEXデッキからしか特殊召喚できないが、機械族モンスターの融合召喚を行う場合、私の墓地の『サイバー』モンスターも融合素材に出来る。『パワー・ボンド』を発動! 場の『サイバー・ダーク・キメラ』、墓地の『サイバー・ダーク・キメラ』『サイバー・ダーク・ホーン』『サイバー・ダーク・エッジ』『サイバー・ダーク・キール』の合計5体を除外!」

 

墓地と場のサイバーダークたちがレーザーによって体を解かされ、空中で無理やり合体させられていく。

 

「5体も素材に使う融合モンスター!?」

「出でよ『鎧獄竜サイバー・ダークネス・ドラゴン』!」

 

5体のパーツでドラゴンの形が形成されていく。

やがて溶接が終わり、巨大な闇の機械竜がザイバの場に君臨する。

 

「『パワー・ボンド』の効果で融合召喚に成功した『サイバー・ダークネス・ドラゴン』の攻撃力は元々の倍となる。さらにサイバー・ダークネスの効果発動! 特殊召喚に成功したとき墓地の機械族かドラゴン族モンスター1体をダークネスに装備させる!」

「その効果にチェーンして『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』の効果を発動します! EXデッキから特殊召喚されたモンスター1体を対象にしてその効果を無効にします!」

「ぐぬぬ、だが『サイバーダーク・インヴェイジョン』の効果で墓地の『サイバー・ダーク・カノン』を攻撃力1000アップさせる装備カードとして装備させる。これにより攻撃力は5000」

「シーアが戦った『古代の機械混沌巨人』すら上回るなんて」

「これが『サイバー・ダーク』の力の到達点だ! そして『サイバーダーク・ワールド』の効果発動。サイバー・ダークモンスター1体を召喚する。『サイバー・ダーク・エッジ』を召喚し、墓地の『サイバー・ダーク・カノン』を装備させる」

「さっきのエッジと言い、『パワー・ウォール』の効果で墓地へ送られていたのか」

「バトル! 『鎧獄竜サイバー・ダークネス・ドラゴン』で『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』に攻撃!」

「なら『ペンデュラム・スイッチ』の効果で『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』をペンデュラムゾーンから守備表示で特殊召喚します」

「構わん、攻撃続行だぁ!」

「ミラージュ、ペルソナを守って!」

(うん!)

「だが戦闘ダメージは防げないんだよなぁ!?」

 

ミラージュがペルソナを守るために張った緑色のバリアを破壊することこそ出来なかったが、ダークネスが吐いた闇のレーザービームはバリアを反射しオディアナに向かって飛んでいった。

 

「ううううっ」

 

オディアナ LP5800→2000

 

「さらに攻撃力2400の『サイバー・ダーク・エッジ』は相手の場にモンスターがいても直接攻撃出来るのだ!」

 

サイバー・ダーク・エッジがオッドアイズたちを飛び越していき、オディアナの目の前に着地する。

 

「なっ!?」

 

オディアナが驚いた顔で前を見てシーアが握っていた拳を開く。

 

「ふふ、その焦り顔。残念だが、エッジが直接攻撃することで相手に与える戦闘ダメージは半分になってしまうのだ。だが、十分だ。行け」

 

エッジが自身の鋭利な翼でオディアナを切り裂く。

デッキの霊魂が身を守ってくれているが、実際に霊魂の加護がない者がその攻撃を受けていればその体は真っ二つになっていただろ。

 

「くっ」

 

オディアナ LP2000→800

 

「メイン2、このままターンエンド。エンドフェイズに『パワー・ボンド』の効果で私は2000ダメージを受ける」

 

ザイバ LP3600→1600

 

ザイバ LP1600

 

モンスター:サイバー・ダーク・エッジ 鎧獄竜サイバー・ダークネス・ドラゴン

魔法・罠:サイバー・ダーク・カノン×2 サイバーダーク・インヴェイジョン サイバーダーク・ワールド フィールド:サイバーダーク・インフェルノ

手札:3枚

 

「私のターン、ドロー。私は『ペンデュラム・スイッチ』の効果を発動します。ペンデュラムゾーンの『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』をモンスターゾーンに移動させます」

(これでペンデュラムゾーンはがら空きになってしまうが、攻撃力2500のオッドアイズ・ファントム・ドラゴンを呼び出されては困る)

「『鎧獄竜サイバー・ダークネス・ドラゴン』の効果発動! 先ほどは効果を無効にされていたことで発動できなかったが、装備カード1枚を墓地へ送ることで相手が発動した魔法・罠・モンスター効果を無効にして破壊する。『ペンデュラム・スイッチ』を破壊!」

 

インヴェイジョンの効果で装備されたカノンが弾丸となってダークネスの体から発射された。

 

「ならばその効果にチェーンして『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』の効果を」

「無駄だ。『サイバーダーク・インフェルノ』は装備カードを装備している『サイバー・ダーク』モンスターは相手の効果の対象にならず、効果で破壊されない。よってペルソナの力は発揮できない。サイバー・ダークネスが装備している『サイバー・ダーク・カノン』を墓地へ送り『ペンデュラム・スイッチ』の効果を無効にし破壊する!」

 

カノンが『ペンデュラム・スイッチ』のカードに見事に直撃しカードがまるでガラスのようにパリンと音を立てて割れて消えていく。

 

「そして墓地へ送られたカノンの効果で1枚ドロー」

「ならば『EMオッドアイズ・ユニコーン』をペンデュラムゾーンにセッティング」

 

可愛らしい見た目のユニコーンがペンデュラムゾーンにセッティングされ、光の柱を形成した。

 

「バトルフェイズ! 『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』であなたの『サイバー・ダーク・エッジ』に攻撃します!」

 

その瞬間、オッドアイズ・ユニコーンが鎮座している光の柱がキラリと光った。

 

「攻撃宣言時に『EMオッドアイズ・ユニコーン』のペンデュラム効果が発動します。『EMドクロバット・ジョーカー』の攻撃力を『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』に加えます」

「『サイバーダーク・インヴェイジョン』の効果で『サイバー・ダーク・カノン』を墓地へ送り『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を破壊……あああああっ!?」

 

そこで何かに気づいたようにザイバがみるみる顔を青くしていき、叫び声を上げた。

 

「気づいたようですね。これで装備カードは全て剥がされ、あなたの『サイバー・ダーク・カノン』が墓地へ送られたことで『サイバー・ダーク・エッジ』の攻撃力は800に下がります」

「そんな馬鹿な」

「ミラージュの効果で『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』に破壊耐性をつけておきます。さぁ、何のカードを破壊しますか?」

 

オディアナが尋ねたが、ザイバは呆然とし膝をがっくりとついた。

当初ザイバが予定していた通り『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』が破壊対象に決定されたがミラージュが張ったバリアの効果でインヴェイジョンの破壊から身が守られた。

 

「攻撃力は4300、そして竜の力とやらを失ったエッジの攻撃力は800になります」

 

4300から800が引かれ、3500。

そして『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』の効果でモンスター同士との戦闘ダメージならば7000のダメージとなった。

 

「ぐおおおおおおっ!」

 

ザイバ LP1600→0

 

「ば、馬鹿な……私の『サイバー・ダーク』が……」

「いえ」

 

オディアナの声を聞き、ザイバが顔を上げる。

 

「あなたが切り札としていた『鎧獄竜サイバー・ダークネス・ドラゴン』の力は本当に強かったです。あのモンスターを倒すルートを取れなかった時点であなたの『サイバー・ダーク』の力は確かに証明されたんです」

「き、貴様は私の『サイバー・ダーク』を認めてくれるのか?」

「ええ。あなたが『サイバー流』とやらの力『サイバー・エンド・ドラゴン』を認めないという理由で使わないと明言していた『鎧皇竜サイバー・ダーク・エンド・ドラゴン』というモンスター。どんな力を持つかは分かりませんが、もしそんなカードまで使用されていたら勝負は分からなかったかもしれません」

「…………」

 

ザイバが呆然としつつ、それでもオディアナに向かって目を向ける。

もうすでにオディアナに対して反抗する気は失せていたみたいだった。

 

「ただ…………ハスキミリアさんと、ドラゴンメイドさんたちはあなたを許す気は到底ないみたいですよ」

「…………え」

 

ザイバがオディアナの後ろからゆっくりと歩いてくるドラゴンメイドたちの姿を確認する。

皆にっこりと笑ってはいたが、その体からは明らかに怒りのオーラが放たれていた。

 

「あ、ああ」

 

『サイバー・ダーク』たちの霊魂を使って対抗しようにもオディアナとのデュエルで精神力を相当消耗され、呼び出すことが出来なかった。

 

 

「さーてと、ドラゴンメイドの皆。屋敷の中の汚物の掃除の時間ですよ。徹底的に汚れを排除しちゃいましょうね」

 

ハスキーが眼鏡をきらんと光らせ、呟く。

その言葉に他のドラゴンメイドたちが頷き、ザイバの元へと歩いていく。

 

 

その数秒後、ザイバの断末魔が屋敷の中に響き渡ったという。

 

 

その後、オディアナとシーアは行き同様パルラの背中に乗せてもらい、イードスの村の宿屋まで送り届けてもらった。

シーアはリアルファイトを、オディアナがデュエルを行った。

それによりベッドで横になった瞬間に体に蓄積されていた疲れが一気に2人を襲い、すぐに眠りに着いたという。

 

 

翌朝、朝食を終え、昨日体を動かしたことで結構汗をかいていたのでシャワーを浴び、身も綺麗にした。

食料と水の買い出しも終え、オディアナとシーアが『ザーストリム』へと向かう馬車を待つ。

 

「昨日は大変だったわね」

「ええ、本当に」

 

昨日の夜、ザイバを倒したことでドラゴンメイドたちとその主人であるハスキミリアに感謝された。

とりあえず屋敷の場所は確認できたので、今回の問題が無事に解決したらまた後日話をしに行こうとオディアナは決めていた。

 

「にしてもドラゴンの姿をしたメイドさんが、しかも私たちの国の領土に隠れ住んでいたなんて……世界って広いのね」

「そうですね」

 

「あ、あのーっ。オディアナさんとシーアさん」

 

ふと誰かに呼ばれる声が聞こえ、オディアナとシーアが声の主に目を向けた。

 

「ハスキミリアさん?」

 

声の主はハスキミリアであり、気づいてもらったことでほっとした顔をしていた。

 

「どうしたの?」

「お見送りなら昨日ので十分だったのだが」

「ううん……実はお願いがあるの」

「お願い?」

 

ハスキミリアが少しばかり躊躇い、だが意を決して言葉を放つ。

 

「あのザイバって男の人に囚われている間にオディアナさんとシーアさんが戦ってるところを見てたの。良い主従関係してたし、お互い力もあった。私の力不足のせいで今回の事態を招いちゃったから……2人に付いていって、主従関係や力のことについて、見て学んでもいいですか?」

 

ハスキミリアの提案を聞きオディアナとシーアが思わずお互い顔を合わせた。

そしてほぼ同時にハスキミリアに顔を向けた。

 

「同じタイミング……やっぱりすごい」

「そこですごいって言われてもね。いやいや、ドラゴンメイドさんたちはどうするの?」

「もちろん一緒に付いてきてくれるって」

 

その瞬間『ドラゴンメイド・ハスキー』の彼女の後ろで実体化する。

 

(私たち一同、ハスキミリア様についていきますし、決してお二方の旅の邪魔もいたしませんし、ハスキミリア様の旅費はこちらで持ちますし、可能な限りは資金のバックアップもさせていただきます。ただ、目的地までドラゴンとなって飛んでいけ、というのは体力がさすがに持たないので不可能ですが)

(シーアさんのあの実力、しびれたです)

(私たちもシーアさんを見て従者の心を学ぼうと思ってるんです)

 

ドラゴンメイドたちにキラキラとした眼差しを向けられ、シーアが困惑する。

 

「姫、どうしますか?」

「うーん、ここまで来てもらっちゃったし、それに何よりハスキミリアさんとドラゴンメイドさんたちの目に一切の曇りがない。ハスキミリアさんの希望に応えられないかもしれないですが、それでもいいんですか?」

「うん!」

 

ハスキミリアが一切の迷いも躊躇なく肯定の言葉を述べた。

 

「旅の同行者が増えるけど、いい、シーア?」

「ええ。この者たちは確かに信用できますし、姫の決定なら問題ありません」

「やった! これからよろしくお願いします!」

 

ハスキミリアが純粋な笑みでオディアナに抱き着き、オディアナも彼女を優しく抱き返した。

その様子をシーアとドラゴンメイドたちは微笑ましい表情で見ていた。

 

 

こうして、オディアナとシーアの旅に新たな仲間が加わることとなったのだった。

 

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