歌姫伝承〜ホロの異能大戦ストーリー〜   作:炎駒枸

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117話 悪魔レベル

 

 ラプラスを先頭に、1階を巡り、一同は上への階段を発見。

 

「みこさん、2階の捜索を頼んでいいっすか?」

「ん、いいよ」

「シオンは3階、吾輩は4階を見る」

「へいへい」

 

 階段は基本、一気に上階まで駆け上がれる設計で、ここも例に漏れはない。

 この先は各々が単独行動を行う。

 

「んじゃ、がんばれ〜」

 

 それぞれ、各階の捜索を開始した。

 

 

 

 4階――ラプラス・ダークネス視点。

 

 靴音を鳴らし、カメラやセンサーも全て無視して、堂々と歩く。

 ポケットに手を入れて、傲然と胸を張り、てくてくと。

 

「何者だぁ!」

 

 警備兵か?

 10人ほどが束になって寄ってきた。

 

 予備動作なく魔法を放つ。

 数名には直撃。

 数名は回避を試みたが、結局追撃でノックダウン。

 

 一瞬で全滅させると、もくもくと道を進み、仲間を探す。

 

「…………」

 

 妙な気配を感じた。

 相当な魔力量を、微塵も隠さず、まるで威圧するかのように放つ者の気配。

 

「子どもじゃないじゃないじゃないか」

「ぁ?」

 

 変な男が暗闇から堂々と現れる。

 ラプラスに倣ったように。

 無駄な対抗心を燃やしやがって。

 

「子どもよ。ここがどこだか知らない訳がない訳がない訳がないよな?」

「――」

 

 顔に見覚えはない。

 魔力量や外見から、悪魔だろう。

 マクスウェルの部下か。

 多分、新人(沙花叉)よりは強い。

 

 因みに余談だが、ラプラス的holoX内の強さランキングは弱い順に――

 新人→博士→侍・幹部→総帥(吾輩)。

 となる。

 

「さっささ、さっさっさささささっとお家に帰る事を推奨しよう」

「ムカつくからその喋り方と、子どもって呼ぶのやめろ」

「口調は俺の『IでんてぃT』だから、文句は一切合切、葛飾北斎受け入れられない」

「じゃあせめて子どもはやめろ。吾輩は大人だ」

「すべては主観。分かるだろう? 子どもでも」

 

 コイツはアレだな。

 頭がイってるらしいな。

 

 そして、今の簡単な会話で大方は理解した。

 

(さては、マクスウェルの奴、誰にも吾輩の事、話してないな……)

 

 いくらマクスウェルの部下が強かろうと、魔神相手では敵わない。

 にも関わらず、馬鹿げた対抗心丸出しに登場する辺りから、そう予想する。

 手間なことを……。

 

「時間の無駄だから一度だけ言うぞ。邪魔だからどけ」

「時間の無駄か。ならどける気はない。から子どもよ、君がこの先へ進みたくぶバァッ――!」

 

 言葉を最後まで待たずして、ラプラスは敵を葬った(倒した)。

 魔力で爆破を起こして、一撃だ。

 その程度でラプラスを止められはしない。

 足止めにもならない。

 

「めんどくせー奴だなー、マクスウェル」

 

 ラプラスは、気絶した敵を放置して、また歩みを進める。

 

「…………ああ、近いな」

 

 しばらく進むと、また別の気配を感じた。

 親のように感じ慣れた気配。

 この魔力の気配は、やはり鷹嶺ルイだ。

 

 悪いな幹部、助けに来たのが吾輩で。

 

 この作戦に於いて、ラプラスとルイは他のメンバーよりも少し損な役回りだが、諸々の兼ね合い上、致し方ない。

 

「おーい! 幹部ー、居るかー?」

「鷹はこちらにおりまーす」

 

 大声を張れば、ジョーク混じりに返答があった。

 意識もしっかりしている。

 

 声と気配を頼りに奥へ進めば、手足に枷を嵌められたルイがいた。

 見張り、警備の類は1人もいない。

 先程の雑魚数名が、この階の警備すべてだったようだ。

 

「悪いな、吾輩が助けに来たぞ」

「悪いって何が?」

「ん、待て。幹部、見てないのか?」

「ホークアイのことなら使えないよ」

 

 ……。

 なるほど?

 マクスウェルの魔力で妨害されているのか。

 てっきり、ホークアイで全てお見通しだと思っていた。

 通りで普段通りな訳だ。

 

「一応聞いとくけど、何で捕まってた?」

「なーんか、変な男の人に突然襲われてさー。捕まっちゃってさ」

「そん時幹部、誰といた?」

「クロヱ」

 

 クロヱとルイの二人掛かりでもでも、到底敵わない、と言うこと。

 やはり、ラプラス以外ではどうにもならない。

 

「ん、それじゃ…………幹部は2階か3階で新人か博士探しといて〜」

「分かったよ。でもいろははいいの?」

「アイツは吾輩以外の魔力持ちが行っても意味ねぇし」

「そ、りょーかい」

「あー、でも――」

「――?」

「侍んとこ行けば、幹部にとっちゃ、滅茶苦茶嬉しいことがあるかも」

 

 直接的な表現を避けつつ、ルイに情報を与える。

 上手くマリンたちと遭遇できれば、驚きのあまり泣いてしまうのでは?

 

「覚えとくよ。ラプも気をつけなよ」

「吾輩を誰だと思ってるんだ?」

「キモオタ最強キッズ、ラプラス・ダークネス」

「キモくはねぇ」

「気にする事ないって。オタクって大抵キモい部分があるから。私も自覚あるし」

 

 「キモい」が何を指すのかによるが、大体のオタクはキモい。

 キモいほど◯◯、なことが多いから。

 その◯◯が、いい事だといいね。

 

「じゃ、ちょっとクソ野郎をぼこしてくるわ」

「いってら」

 

 2人は階段へ戻り、ラプラスは更に上へ、ルイは下へと向かった。

 

 

 

 ラプラスは最上階へ到達。

 そこで出迎えてきた者は。

 

「超久々だな、ラプラスの悪魔。5、600年ぶりくらいか」

「覚えてねぇ。そんな細かい上に、記憶する価値もねぇ事は」

 

 最上階にて、マクスウェルとラプラスが対峙した。

 

 

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