歌姫伝承〜ホロの異能大戦ストーリー〜   作:炎駒枸

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73話 ホロライブの龍

 

 シオンの魔法で場所替えが発生した。

 

 利便性の高い魔法だが、コストが重く、使用回数は限られる。

 3人同時ともなれば、殊更。

 条件も色々とある。

 場所替えを行う対象2人の距離が1km圏内である事。

 生きたヒト同士でなければ行えない事。

 相手を「十分に理解している」事。

 

 そして、最も重要で困難な条件が、魔法を扱う者……この場合、シオンが対象の居場所を完全に把握している事。

 分かりやすく言えば、対象を一度に視認している事。

 

 この条件をクリアして、場所替えが発生した。

 

 もう、シオンの力は頼れない。

 

 ここで、終わりにしなければ。

 

 

 

          *****

 

 

 

 対クラブ。

 

 切り替わる風景に、全身が昂る。

 一瞬、魔法の作用か何かで、全身に圧力がのし掛かる。

 ポタポタと垂れる鮮血がコンクリートを濡らす。

 Kに貰った傷が唸り、体が悲鳴を上げている。

 

「確固不抜の精神、よって初志貫徹か。俺としちゃ、隔靴掻痒(かっかそうよう)な展開だが」

 

 自分を囲う相手が変わり、数秒間硬直してしまう。

 そして、やがて口を開くとそんな言葉が出ていた。

 3人のうち2人は既に負傷が目立つ。

 が、揺るがない瞳が、クラブを焦点としていた。

 

「ココちは……居ないみたいだね」

「こっちが4人で、向こうが3人だったからかな」

 

 ココのお陰で作戦が遂行できた。

 そのココは、未だ向こうの空でKを見下ろしている事だろう。

 

「まあ……アイツじゃなければ、勝てる!」

 

 フレアがグッと腕に力を込める。

 握り拳の中に炎槍が生まれた。

 Kでなければ、バカタレは勝てる。

 

「業火の槍跈」

 

 初撃は必殺技とフレアの中で定められた掟。

 握る槍がクラブへすっ飛んで行く。

 クラブは向けられた矛先を直視し、周囲を確認。

 フブキもわためも、構えていた。

 

 槍がクラブの足元へ突き刺さる。

 

「何だ?」

 

 命中しない炎槍が数本、クラブを囲うように放射。

 赤く輝き、その槍は爆破。

 クラブを中心に形取られた円が火柱を上げる。

 

 普通なら、熱さに悶え、悲鳴を上げるだろう。

 

吃驚仰天(きっきょうぎょうてん)、危機一髪。気炎万丈なことで」

「おいおい、ウソでしょ」

 

 フレアは堅苦しい薄ら笑いを浮かべた。

 回避できるはずがなかった。

 常人の動きでは当然、槍が爆発した瞬間には中心にいた。

 あの短時間では、わためのような能力でも避けれない。

 

「コンデンスフリーズ!」

 

 一面に粉雪が舞う。

 残り火でダイヤモンドのように輝く雪が、グッとクラブへと集まる。

 唐突に集結し、氷結の圧力でクラブを抑えようとした。

 

「多芸多才なチームだな、お前らも」

 

 凍てつく冷気の濃縮で、クラブを凍結させたはずだった。

 なのにどうして……。

 

「どうやって!」

 

 K以外には勝てると、なぜか慢心があった。

 しかし、蓋を開けてみれば、攻撃一つ当たりそうもない。

 フブキの背筋を凍りつくように冷たい汗が流れる。

 

「ふんっ!」

 

 わための突撃。

 はずれ。

 はずれ。

 はずれ。

 

「電光石火の羊とは」

 

 俊敏な畜生を雑に避けるクラブは、白けたツラをしていた。

 

「つのドリル!」

 

 血濡れたツノを正面に向け、クラブに突進。

 ここまで来れば、当たるなんて思わない。

 

鶏鳴狗盗(けいめいくとう)

「い″っ″っ!」

打草驚蛇(だそうきょうだ)

「ぐぅ″っ!」

 

 つのドリルを回避したクラブは、わための勢力を自分の力に変える。

 勢いのまま向かいくるわための、腹部あたりに回し蹴りを強めに打ち込む。

 衝突する力に火力は増加、鳩尾は外れたが、吐瀉物が迫り上がるような不快感と激痛が全身から押し寄せる。

 動きの止まるわために追撃の回し蹴りがもう一本。

 脇腹を蹴り抜く回し蹴り。

 わためは力任せに吹き飛んだ。

 

「「わため!!」」

 

 コンクリートを擦り、僅かに砂塵が舞う。

 服の一部が焼けていた。

 

 腕や脚、頬などを擦り剥いた。

 普通の傷よりも痛い。

 幸いにも意識はあるし、骨折までは至ってない。

 

阿爺下頷(あやあがん)呉下阿蒙(ごかのあもう)

 

 意味を知らない四字熟語が連ねられる。

 地に伏して、患部を押さえるわため。

 脳がチカチカする。

 

「人海戦術さえ関係ない。慎重居士も滑稽ながら、暴虎馮河もまた愚行」

 

 わためだけでなく、これまでに対峙した者全員を嘲る物言い。

 勇猛果敢に立ち向かおうとしたあの意気込みはどこへやら。

 戦意喪失とも言える意気消沈具合。

 歯軋りしても、強く噛み合わせた歯が痛いだけ。

 

「もういいか?」

 

 クラブは呆れた目でフブキとフレアを直視した。

 視線を返すが、強気になれない。

 負けないと分かるのに、勝てるとも思えない。

 まるで頭がこんがらがる。

 

「おうおう、しけたツラになってんなぁ、パイセンに畜生」

 

 天から声が舞い降りた。

 羽ばたく風と音。

 目の当たりにするまでもなく感じる圧倒的存在感。

 わざわざ、ここまで援助に来てくれたのか……。

 伝説のドラゴンよ。

 

「あれだけで帰っちゃぁ、バカタレドラゴンズの名が廃れるんでね」

 

 シオンの魔法発動圏内であることから、距離にして約1キロほど。

 ココは豪速で飛んできたようだ。

 

「分析してください。近接戦、仕掛けるんで」

 

 クラブのほぼ真正面に降り立ち、拳と拳を打ち合わせる。

 橙色に煌めく鱗の装甲が甲高い音を響かせた。

 

「所詮お前も竜頭蛇尾に終わるんだろう?」

「あぁ? 意味わかんねぇこと言ってねぇで、拳握れや、ラッキー野郎」

「……?」

 

 ココが尻尾を揺らして駆け出した。

 何の変哲もない一直線な拳一発。

 小細工のない顔面破壊をクラブは命中直前で、消滅するように躱す。

 

「オラァッ!」

 

 ココの横に移動したクラブ。

 今度は硬い鱗を纏わせた尾を振り回す。

 また消えた。

 

「スゥー、フゥー!」

 

 距離が開き、今度はドラゴンファイア。

 龍の炎が正面の物を焼き尽くす。

 

「おっ、と」

 

 いつの間にか、クラブはとある建造物の壁際まで来ていた。

 

「逃げんなや三下ァ!」

 

 ココの正拳突きが壁を穿つ。

 

「つのドリル!」

「ん?」

 

 突然、このタイマンに横槍が入る。

 わためだ。

 脇腹や腹部の痛みを我慢して、渾身の突撃。

 しかし、空を切る。

 

「いいぞ羊! 追い込みじゃ」

 

 ココとわためで懸命に詰めて行く。

 いや、詰めれてはない。

 だが、攻撃の隙は与えず、兎に角回避を連続させる。

 フブキとフレアの慧眼が、ゲーム脳が、ここで上手く発揮されることを願って。

 

 幾度も繰り返す拳、つのドリル、回避。

 重ねて重ねて、訪れる変化。

 

「ドリル!」

 

 わための衝突攻撃。

 案の定、掠りもしない。

 だが、その時、

 

「しまっ……!」

「おわっ、んだオラァ!」

 

 回避先でクラブとココが軽く接触した。

 咄嗟に手が出るが、ココのパンチは結局当たらない。

 隙のように見えたワンシーンに成果を上げることはできなかった。

 しかし、これだとばかりに、不敵に笑う者がいた。

 

「わため、こっちへ!」

 

 指示を飛ばすのは、笑みを絶やさないフブキ。

 思考がさっぱり分からないけれど、わためは喜んでフブキとフレアのもとへ。

 

「コンサートスノードーム、オープンザドーム」

 

 ココとクラブをスノードームが覆い、そのドーム部分の天井が崩れる。

 つまり、巨大な雪壁が2人を限定空間に閉じ込める。

 

「フブキ先輩! 私はどうすりゃ!」

「変わらず拳で!」

「うっす!」

 

 壁越しに大声を張り上げ、言葉を交わす。

 見えない表情が思い浮かぶ。

 フブキもココも、笑っている。

 

「フレア! あのドーム内の中心以外に槍を降らせられる?」

「え? えっと……中心って……どれくらいの大きさ?」

「2人が殴り合える、小さなファイトリングになるくらい」

「やってみる」

 

 フレアは槍を構えた。

 

万火(ばんか)・不知火」

 

 夜空へ打ち上げた炎槍が、煌びやかに瞬く。

 そして、爆発するように弾けると、大量の火矢がドーム内を襲う。

 

「フレア、この攻撃を絶やさないで」

「はいよ!」

「フブちゃん、わためは?」

「……わためは、いるだけでいいんだよ!」

「ひどいよぉ!」

 

 惨めな気持ちになりながら、涙を滲ませるわためは実に悲痛だ。

 しかし、残念ながら、この状況にわためは相応しくない。

 わためは身体能力が高いわけではない。

 近接バトルは、本来は管轄外。

 ココ1人に任せる方が無難だ。

 

「これで……攻撃が当たるはず」

 

 フブキが脳内でどんなシミュレーションをしたのか、ココは知らない。

 だが、大先輩がこれで殴れると言うなら、正面衝突するしかない。

 

「絶体絶命、緊急事態」

 

 窮地に陥ったと遂に実感したクラブが、顔を引き攣らせている。

 何故これで避けられないのか。

 フブキとクラブだけが分かる。

 

「よう分からんが……やっと真面にタイマン張れるなぁ? ラッキー野郎」

「……意味不明なあだ名だ」

「ああ? クラブだろ? 幸運、つまりラッキー野郎だ」

「ああ、そういう……」

「んなこたぁいいんだよ、オラっ、身構えろ!」

「ちっ!」

 

 ココのストレートパンチが、ガードした腕に直撃。

 後方へ押し飛ばすことに成功。

 

「本当に当たるんだな」

 

 降り注ぐ火の雨の中、ココは明るくニヤけた。

 

「生半可な気持ちで来んなよ、こちとら、ホロライブの龍やぞ」

「……ふっ、喧嘩上等」

 

 観念するように闘志が燃え上がる。

 クラブとココの腕力勝負。

 一騎討ち。

 

 面倒クセェ、洒落クセェ。

 ガードなんてイラねぇ。

 

「うおおおおぉっ!」

「だああっ!」

 

 ぐっ、がっ、ぢっ、だぁっ。

 ごぼっ、ぐはっ、がっ、うぶっ。

 

 鳩尾に、脇腹に、頬に、鼻に、至る所に拳をぶつけ、ぶつけられ。

 血を噛み、傷を舐め、ただ殴る。

 

「がほっ……」

 

 顔面に放った一発が重く、クラブが大きく仰け反った。

 倒れろと強く願うも、奥歯を噛み締めて、地面を踏み締め、起き上がる。

 その勢いのまま、ココの腹に返しの一発。

 

「ぐっ……」

 

 衝撃で胃酸が逆流する。

 必死に嘔吐を堪え、意識を保つ。

 アイドルとは思えない根性の闘いに、心が震える。

 

「ッラァッ!」

「ぐぶっ!」

 

 屈めた体勢から下顎にアッパーを繰り出す。

 クラブの全身が跳ね上がり、後方へ倒れる。

 痛みに表情を歪ませるも、また起き上がる。

 

「逃げてばっかの癖して、タフじゃねぇか」

「はっ、お前もな」

 

 互いに称賛し合う。

 お互いの硬さを評価している。

 その上で、まだ拳を交わすつもりだ。

 

「でも、これで終わりじゃ!」

「形名参同!」

 

 振り絞る、最大出力。

 ココは龍としての硬度を最大限に発揮して。

 クラブは、必死に鍛えてきた武術の成果を最大限に発揮して。

 

「「うおおおおおおおおおおおお‼︎‼︎‼︎」」

 

 両者、拳が頬を撃ち抜き、撃ち抜かれる。

 不細工な顔で拳を受け止める。

 そして同時に力が暴発し、お互いが壁まで吹き飛んだ。

 降り注ぐ火矢を吹き飛ばしながら雪壁へ激突。

 

 ココは、そこまで。

 だが、クラブは雪壁を突き抜け、壁外の建造物に強く衝突した。

 勢いのあまり、建造物の一部が倒壊。

 運良く生き埋めにはならなかった。

 

「はっ!」

 

 フレアは急いで技を停止、全ての攻撃を消滅させた。

 フブキもスノードームを崩壊させて消失、わためはココの元へ駆け寄った。

 

「ココち! だいじょうぶ⁉︎」

「私はいい! アイツはどうだ」

「え、えっと……」

 

 ココがわためを押し退けて、吹き飛んだクラブの側まで歩き出す。

 少し開いた距離をゆっくりと。

 それまでに、起き上がりはしない。

 

「…………」

 

 瓦礫の側に手を大の字に広げて伸びたクラブがいた。

 ココは無言で見下ろす。

 後ろで、バカタレ共も無言で見つめる。

 

「勝てたか……」

 

 胡座をかいて、ココがその場に座り込んだ。

 

「よかった……」

 

 わためも強く安堵の吐息を漏らして、その場にへたり込んだ。

 フブキとフレアはニッ、と笑ってハイタッチ。

 

「ふぅ……私は、こんななんで、一旦事務所に戻ります」

 

 ココは背を向けたまま、頬に手を当てて呟く。

 少し、血の味がした。

 

「あ、それならここで待とう」

「へ?」

「船が戻ってくるから」

「そうなんだ?」

「うん、スタジアムから事務所行って、全員回収してもっかいスタジアムに」

 

 その時にちょこ先生に治してもらう。

 これがいい。

 

「ならそうすっか」

「ところでフブちゃん、なんであれで攻撃当たったの?」

 

 戦闘が終了して落ち着いた所、わためがふと疑問を口にした。

 フブキに見えて、他の人に見えていないこと。

 

「あれはね、恐らく敵の攻撃を回避する能力。その中で私が気づいた弱点は二つ」

 

 人差し指と中指を立てて示す。

 中指を折り、まず一つ、と続けた。

 

「当てる意志のない攻撃には能力が発動しない」

 

 ココとの接触時に気づいた一点。

 ココに衝突の意志は無かった。

 だから、ぶつかってしまった。

 

「よくあれだけで気付けたね」

「まあ、ああ言う力のデメリットにありがちだから」

 

 アニメで得た知識の披露となった。

 フブキはそう笑って、フレアの称賛を恥ずかしげに躱す。

 

「もう一つは?」

「もう一つはね、回避先が一定圏内の完全ランダムであること」

「え、そうなの⁉︎」

「なるほど、道理で」

 

 わためとココは珍しい方向で対比的な反応をした。

 ココは拳を交える中で不自然さを感じていたのだろう。

 わためは、ほぼ完璧に回避する姿しか目にしていない。

 

「多分、回避能力で壁を抜けたり、空中に投げ出されたりはしないんだと思う。だから、雪で囲って、フレアの攻撃を当たらないように降らせ続けた」

「そうする事で、私が殴り合えるミニファイトリングができあがる」

「なるほどね、中でコイツが能力を使えば、あたしの火を浴びてどちらにせよ……って事ね」

「おー、すごいねぇ」

 

 今回、最終場面でほぼ蚊帳の外だったわためは、感心を素直に表し、パチパチと拍手した。

 それと同時に、何となくではなく、強くなろうと、本気で思った瞬間だった。

 

 

 かくして、バカタレドラゴンズはクラブに完全勝利を収めた。

 そして、戻ってくるはずのアクアマリン号を待ち続けた。

 

 

 

          *****

 

 

 

「なんか……余計にヤバくない⁉︎」

 

 ラミィは転移した先に待つ異常な存在を前に一歩足を引いた。

 アキロゼも同じ思いで口角を歪ませる。

 

「いや、団長ならいける」

 

 そう、この場所替え作戦の根本的な部分はこれだ。

 バカタレ共にクラブが倒せるかは半々と憶測を立てた。

 肝心なのは、このKに唯一対抗できるノエルをぶつけること。

 

「ほどほどなるほど、ヒッヒッヒ」

 

 奇妙な言葉が耳をつんざく。

 言葉を、声を、聞くだけで、身体の中を侵食されるような、蝕まれるような、不快感が迫り上がる。

 

「新たな使徒は君たちかい? フロートヘアーガール、アーマーガール、ブルーガール」

 

 アキロゼだけ、語呂の悪い呼称だ。

 

「さてはて君たちゃ、弱いのかねえ?」

 

 大量の触手が暴走する。

 まずは様子見。

 

 アキロゼは力付くで押し退け、引き千切り、踏み潰し。

 ラミィは、氷柱にして打ち砕き。

 

 ノエルはメイスで一発……

 

「ぐっ……!」

 

 触手に一撃を与えるとKは呻き声を上げ咄嗟に全ての触手を体内へしまい込む。

 唐突な撤退に、誰しもが驚く。

 

 そして、Kの顔を見て、更に驚く。

 

 Kの目に、初めて焦燥が滲み出ていた。

 これが本当に、フレアたちを苦戦させた者の有様か、と思えるほどの。

 

「奇しくも、ソナタのソレに囚われる」

 

 Kは数回後方に跳ね、距離を開く。

 そして、自身を大量の触手で覆った。

 

「分からんけど、弱点なんよね」

 

 ノエルは全力ダッシュで触手を殴りに行く。

 側にアキロゼもつき、後方にはラミィも控える。

 

「たぁっ!」

 

 ノエルがメイスを振り下ろす瞬間、全ての触手が消滅。

 空振ったメイスが力強く地面に打ち付けられる。

 コンクリートがひび割れる。

 

「あっ、逃げた!」

 

 そこにはもう、Kどころか、触手一つのカケラも残っていなかった。

 吹き抜ける、腐った黒い風が、臭い。

 イヤなニオイだ。

 

「しくじっちまったぁ」

 

 ノエルは気楽そうな声音でメイスを腰にしまいながら言った。

 アキロゼとラミィが周囲を警戒し続けている。

 

「多分もう居ないんじゃない?」

「なんで?」

「んー……勘」

「……でも、どっちにせよ、アレを野放しにしとくのはまずいんじゃ……」

「ん、激ヤバ太郎よ」

 

 Kがどこかで潜伏を続けている。

 そう考えただけで脳が焼き切れそうになる。

 

「でも、こっちから探すのは無理でしょ」

「そうだよね……」

「折角のチャンスだったけど……仕方なくないけど、仕方ない。スタジアム行こう」

 

 ノエルは落ち込んでも仕方ないと気持ちを切り替えスタジアムを指した。

 が、わためとフブキ同様、アキロゼがこの先の展開を説明し、ここで待機することが決まったのだった。

 

 





 どうも皆様、作者でございます。
 さあ、どうでしたか?
 今回でクラブを撃破、更にKとの激戦も突然の幕引き。
 しかしながら、代償を払った上でのこの結果はどちらかと言えば痛手。

 シオンの魔力がもはや虫の息。
 バカタレドラゴンズのかなりの負傷。
 かけた時間に対して、重要なKの取り逃し。

 この3つが今後どう影響するのか。

 次回は、スタジアム戦へ突入です。
 ロボ子さんの改造を終え、どんな闘いが幕を開けるのか。

 では、また。
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