歌姫伝承〜ホロの異能大戦ストーリー〜   作:炎駒枸

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75話 0番

 

 絶望でしかない。

 

 パワフルなころねが、機材破壊の段階で気絶しダウン。

 

 J戦での消耗により、あやめは全力が出せても、あと2発程度。

 しかも、覇気を解放し続けられない。

 

 ロボ子がAに捕まり、数撃受けたのち、地面へ投げ飛ばされ、大きな損傷。

 

 おかゆの力のネタがバレ、Aはこまめに電磁波で人の位置を探るようになった。

 

 ミオのタロットも、有用性の高いものはもう無い。

 

 あくあの莫大な魔力も、その他のメンバーの魔力も、シオンの憔悴により間も無く貯蓄の限界へ。

 

 そらの力は、先刻以来、如何なる仲間の危機にも発動してくれない。

 

 初めての手詰まり。

 絶望と死の淵。

 

 

 

 Aは、酷く暴れ回るでも無く、この場のメンバーを制圧。

 もはや、誰一人抵抗する素振りも、気力も見せず、地に伏し、壁に埋もれ、天を仰ぐ。

 

「根性が足りてないなぁ」

 

 圧勝を見せつけて、Aはため息をついた。

 周辺に転がる生存者たち。

 息はあれど、意識はないものばかり。

 

「早く事を起こして正解だったな」

 

 もう一年、準備期間を与えていたら、ホロメンが勝利していた可能性は十分にある。

 急いては事を仕損ずる、と言うが、善は急げ、とも言う。

 今回の作戦は、後者をとって正解だった。

 

「石は持ってなさそうだな……」

 

 片脚を持ち上げ、複数のホロメンに影を落とす。

 早期に芽を摘む。

 つまり、殺す。

 この場の誰がどうなるか分からない。

 

「悪いが死んでもらう」

 

 踏み潰されれば、ロボ子でもない限り、死は免れない。

 受け方によっては、原型を留めない可能性もある。

 

「ん――!」

 

 そこへ、突如三つの光が突入。

 振り下ろした脚に自ら潰されるように潜り込んだ。

 

「ダイヤモンドクリスタル」

 

 足の着地点中央に、巨大なダイヤの踏み台が現出された。

 いくら力自慢の巨大ロボも、ダイヤ結合を踏壊すほどの怪力はない。

 足裏と地面とに空間ができ、倒れたホロメンたちはギリギリ潰されない。

 

「ティンクルダスト」

 

 大量の小さな星屑が、辺りに転がる意識のないものを入り口へと引き寄せる。

 

「みんな! みんな! 生きてる⁉︎」

 

 飛んでくる仲間たちに声を張り上げ、意識覚醒を促すのは、かなた。

 

「一足遅かった!」

 

 テンポの悪さ故に防げなかった仲間の負傷。

 すいせいが苦い顔で巨大ロボの顔付近を睨む。

 側にはポルカもいる。

 

「意識あるのはどれくらい!?」

 

 すいせいがAから視線を逸らす事なくかなたに聞いた。

 

「3人くらい」

 

 かなたは感覚で答えた。

 反応のあったミオとロボ子とはあと。

 耐久面から、ころねとあやめの復帰は早めに見込める。

 

「今更何人増えようと、結果は変わらん」

 

 Aの腕がすいせいとポルカに向けられた。

 

「そんな訳あるか! お前だってどうせ疲れるだろうが!」

 

 すいせいは一切の躊躇を見せず、Aへ突撃した。

 ポルカは逆に、かなたの方へと退がる。

 

「かなたん、ここは任せて」

「うん」

 

 ポルカが怪我人の防護、かなたが残りの怪我人の回収と立ち回りの交代。

 すいせいは一人でAの気を引く。

 

「だめ……! 逃げないと……」

 

 ミオが腹を抱えてよろよろと立ち上がる。

 その目に揺らぐのは、圧倒的な差から芽生えるAへの恐怖心。

 ミオはたった二つ格下のQを仲間と撃破した。

 その上でこの表情。

 本能が告げる。

 QとAとの差は、たった二つの階級では埋まらない。

 存在する階級の最大がAであり、甘んじてそこに座している状態。

 

「あやめの本気でも通用しないんだよ、あの装甲」

「あやめ先輩の剣が……⁉︎」

 

 この場の誰よりも力を持つ存在の全力で無傷。

 なら……勝ち目なんてないじゃない。

 

「だからって見捨てらんないじゃん!」

 

 すいせいが綺羅星に立ち、Aの周囲を飛び回る。

 能力の性質上、攻撃の際には一時停止をする必要があるため、難しい。

 

 たまに、星が回転し、すいせいが逆さまになることがあるが、足は星から離れない。

 どうやら、能力使用時のすいせいには特殊な『重力』が働いているらしい。

 

「ハエのようで鬱陶しい」

 

 Aは両腕ですいせいに攻撃を仕掛ける。

 しかし、あと数センチの所で回避する。

 そんな小競り合いが十数秒……。

 

 かなたが怪我人の回収に成功。

 

「すいちゃん!」

 

 もういい。

 一旦逃げよう。

 

「逃すと思うか?」

 

 すいせいの方向転換を妨害するように、スタジアムの観戦席から余った鉄材が飛翔する。

 その瓦礫が綺羅星に衝突し、すいせいは落下する。

 しかし、そこは見事に新たな星を生み出して、転落死を回避。

 勢いに乗せて避難。

 

「帰り道がねぇって話だよ」

 

 機械に使用されていない鉄材たちが、全ての入り口を塞いだ。

 電磁結合の能力で固まり、生半可な力じゃびくともしない。

 

「しまった、道が!」

 

 退路を断たれ、前方には無敵。

 こちらの抱える負傷者は山ほど。

 

「空からは⁉︎」

「この人数を一度には運べない! 往復にしても、無防備になったメンバーが危ない!」

 

 肝心な時にシオンが使えない。

 瓦礫を破壊できる唯一の存在であるあやめも、まだ起き上がらない。

 

「動けるメンバーで戦うしかない!」

 

 すいせいの号令で動いたのは、かなたのみ。

 ポルカは負傷者の防衛役として。

 ロボ子、ミオ、はあとは……。

 

「できないよ……」

 

 完全に心が折れている。

 立ち向かうどころか、抗う事にさえ、恐れている。

 

「かなたん!」

 

 すいせいが、ロボの脚への砲火を指示。

 かなたは拳を握り、すいせいは星屑を無数に現出させる。

 

「うおぉりゃぁ!」

「ティンクルダスト!」

 

 かなたの全力ストレートから放たれる風圧砲。

 すいせいの星屑砲。

 生身で食らえば後方に吹き飛ぶ攻撃。

 しかしそれは、この巨体にしてみれば、そよ風にすらならない。

 

「お前らも、絶望しろ!」

 

 すいせいとかなたの背後から、瓦礫が突如飛んできた。

 死角からの強襲に、2人は成す術なく撃たれた。

 

「っ――!」

「はがっ!」

 

 かなたの左翼が損壊し飛行不全、更に肩や脚への強打で骨にヒビが入る。

 すいせいは、運悪く脇腹付近に鉄パイプが突き刺さり、吐血した。

 2人の意識は一瞬だけ、世界から隔絶された。

 

「放送したやつを恨んで死ね」

 

 確実に避ける手段と力を失った。

 そこを狙い、巨大な右の鉄拳。

 回避はできず、4人の手も間に合わない距離。

 

 2人の脳裏に走馬燈がよぎ――

 

「おりゃぁ!」

 

 可愛く勇ましい咆哮と共に、塞がれた退路の瓦礫が破裂する。

 開かれた道から現れる1人の仲間。

 

「あ?」

 

 Aの手が止まった。

 ある程度の硬度を誇る結合を突破され、少々気が揺れた。

 

「ごめん、みんな、大丈夫?」

 

 舞い降りた救世主、その名は、桃鈴ねね。

 ここへの集合を伝達した張本人。

 

「ねねち……」

 

 当てられる複数の絶望の目。

 心苦しい感情たちからの抑圧。

 折れた心の騒めき。

 

 たった一眼で、ねねは事態を把握した。

 考える事は、得意じゃない。

 でも、行動力は抜群だ。

 

「ねねが来たから、もう大丈夫!」

「…………」

 

 威勢だけ……には見えない。

 張った胸が、見せつける背中が、掲げた拳が、輝かしい。

 

「みんな、諦めちゃダメ」

「ああ、お前か、放送してたやつは」

 

 Aのターゲットがねねへと移る。

 

「心が負けたら、立ち往生しちゃう」

 

 ……。

 

「ねねの長所は、諦めの悪さ」

「何を言ってやがる」

 

 ……。

 

「折れるな心。負けるな気持ち」

 

 …………。

 

 

「みんなの心はねねが引き受ける!」

 

 

 ねねが爆速で正面から突っ込む。

 無鉄砲すぎる特攻に、Aでさえ、肝を抜かれる。

 

「自殺願望か? 時間が稼げるとでも?」

 

 巨大な鉄の拳が、正面からねねを迎え撃つ。

 本気のころねが弾かれ、全力のあやめの攻撃で無傷の、あの凶器。

 それが今度は、生身のねねへ。

 

「不屈の精神。スーパーねねちパーンチ!」

 

 倒れた仲間を想う。

 絶望に打ち拉がれる仲間を想う。

 その苦しい心、挫折した精神。

 それは、ねねが受け取り、糧となる。

 

 これは、折れた心を力に変え、絶望に希望を見出す、不屈のヒーローの力。

 

 変哲のないねねのパンチと、ロボの鉄拳の、正面衝突。

 真っ向からの力比べ。

 

 ピシッと鉄屑の接合が軋む。

 ねねの華奢な腕が、全く後ろに押されない。

 

「これがねねの! 不屈の力だァァァァァァァ!」

「な……ぁっ!」

 

 次の瞬間、ヒビも裂傷も、全てが一瞬で拡大。

 Aの接合した巨大ロボの右腕が、肩から大崩壊して無造作に弾けた。

 

 大量の鉄の瓦礫。

 パイプ、土管、鉄骨、スポーツ用のあれこれ。

 それらが、ひしゃげて地面へと次々に飛散する。

 Aの支配下から、一時的に逃れた鉄具たち。

 

「……驚いた」

 

 偽りのない乾いた感嘆の声が響く。

 ねねの力を認め、『強敵』と認識したようだ。

 

「だが、俺の結合は電磁結合。何度壊れようと、再生する」

 

 形の悪い鉄材たちが、また召集される。

 

「あがぁぁっ!」

 

 すいせいに刺さった鉄パイプが体ごと引き寄せられ、全身を激痛が巡る。

 強引にパイプが吸われ、やがてスポッと抜け、血が噴き出る。

 そんな事も構わず鉄材が一点に集う。

 集まり、固まり、再び形成される似た形の右腕。

 

「俺の結合は大きいほどその硬度も増す。今のロボの硬さは、鉄の比じゃないぞ」

 

 再生が続くようでは、意味がない。

 魔力などの貯蓄量は、恐らくねねが劣る。

 なら、別の方法で落とすか……もしくは。

 

「ん、これは……?」

 

 たった今、Aが復活させた右腕に違和感を覚えた。

 結合が不完全状態にあり、右腕だけ硬度が弱い。

 鉄同士が密着しておらず、僅かな隙間ができている。

 いわゆる、欠陥。

 

「はあちゃまっちゃま〜」

 

 狂喜を見せるはあちゃまが、両腕を全力で引くと、右腕がまた壊れた。

 

「バカな!」

「糸を間に忍ばせたのよ! これでもう、くっ付けさせないわよ!」

 

 はあちゃまの目は、迷いも絶望も既に失せている。

 ねねの登場が、全員の心をひっくり返した。

 

「みんな、勝ちに行こう!」

 

 ミオの目に光が宿る。

 ロボ子の体が軋み、唸る。

 すいせいが、血を飲んで朦朧とする意識の中、立ち上がる。

 ポルカの苦笑が、着色される。

 かなたの拳と羽が、咆哮を上げる。

 

 倒れている者たちの心が共鳴する。

 

 全員の魂に、不屈が灯された。

 もう、この場の誰も、根負けしない。

 

「とおっ!」

 

 ねねが、先陣を切り、駆け出し跳躍。

 高く高くジャンプ……出来なかった。

 

「あれっ?」

 

 勢いを誤り、前方にすっ転んだ。

 ずざーっと地を滑り、ダサく、みっともなく、転がる。

 

「ねねち! どしたの⁉︎」

「あはは……エネルギー切れた」

 

 ねねの力は一般ガールのそれに戻された。

 出鼻が挫かれる。

 ねねは早速戦力外へ。

 

「ふざけやがって」

「のあああ! タイム! ちょっとタイム!」

 

 突然の脅威の登場、そして喪失にAは呼吸を乱す。

 そしてまずは、と、転んだねねを踏み潰す。

 

 無力となったねねは慌てて起き上がり、両手でTの字を作って対抗。

 何の意味もない。

 無情に放たれる一撃。

 

「ん、なあああああああああああああい!」

 

 倒れていたはずのルーナが影に入り込む。

 威厳の力が発動し、ロボの脚が二人との接触寸前で停止。

 動かないもどかしさと歯痒さに、怒りが積もる。

 

「みんな、寝てんじゃねえ!」

 

 ルーナの語尾が消滅した喝入れ。

 たった一言で全員は奮起しない。

 けれど、数人くらい、起きろ。

 

「ぐおおおおっ! ティンクル、ダストー!」

 

 すいせいが、星に跨り、星々を従えて勝負を挑む。

 やはり狙うは顔面。

 操縦席を剥がせば、操作が困難になる、と踏んでいる。

 

「安直な方法で倒せると想うな!」

 

 アンバランスに残った左腕が、星屑を真っ向から弾いて向い来る。

 複数の星を飛ばした状態で、突然の方向転換はできない。

 「何もなければ」、すいせいは星ごと吹き飛ばされる。

 

「うっぐ……ま、任せた……」

 

 落ちた。

 

 星からその身を投げ捨て、星だけを真っ直ぐに向かわせる。

 ――否、違う。

 すいせいの背後に隠れていた。

 この人が。

 

「鬼神か!」

「覇気解放は、あと――一発」

 

 そう、こちらも倒れていた少女、百鬼あやめ。

 一つの愛刀を携え、流れる血と汗と付着した汚れを纏い、おまけに最大限の覇気を纏い。

 これが、ラストの一撃。

 これで覇気は、数日使えなくなる。

 けど!

 

「星ごと消えろ!」

 

 先程は効かなかった斬撃。

 片腕取れたらどうだ。

 前回でも、ピシッとしなりを与えた。

 これなら、どうだ!

 

 心の奥底から、力が溢れる。

 欠けたツノが痛む。

 血の流れの勢いが、増す。

 吹き出る汗が、増す。

 

「鬼神一刀流・大金星」

 

 巨大な星形の斬撃跡が、光として眩く残る。

 

 …………。

 

 ガジャァッ‼︎

 

 と、荒々しい崩壊音が耳と鼓動を襲う。

 なんと、あの左腕を、あやめが星形に斬り伏せた。

 攻撃が、通じた!

 

「こんなこと!」

 

 あり得ないと、思っていた。

 左腕の破壊で、硬度は更に低下する。

 それでも、鉄の硬さに上乗せの硬度。

 覇気の使えないあやめでは太刀打ちできない。

 まだ、Aを裸にできていない。

 

 せめて、あやめの通常を超えるパワーが必要だが……。

 

「かなたん、聖力は?」

「ごめん、本人に当てれないと意味がないの」

 

 怪力のメル、魔法師のシオン、ムキムキのアキロゼ、超人のココ。

 この4人はいない。

 いたとして、今の4人の力が通用するかも懐疑的。

 

 あやめは覇気の機能不全。

 ねねはエネルギーの枯渇。

 唯一パワー充分のころねは、まだ起き上がらない。

 

「誰か、すいちゃんを!」

 

 すいせいが、今の大胆な行動で完全に気絶した。

 出血が原因だ。

 あやめは着地できたが、すいせいはミオにキャッチしてもらった。

 

「規格外だ!」

 

 たった一人、ねねの登場で盤面がひっくり返った。

 A一人で盤石な状態を維持できるはずだった。

 もし、自分を退ける者がいるならそれは、歌姫だけだと思っていた。

 

「モルティステラ・ラグナロク」

 

 周囲の鉄を含む瓦礫が全て宙に漂う。

 はあちゃまは急いで糸を巡らす。

 二度と再生させないために。

 

「意味ないわよ!」

「お前こそ意味ねぇよ!」

 

 威勢よく構えるはあちゃまだが、Aは固より再生の意思などない。

 一度に結合できる量は決まっているが、電磁力での操作に基本限度はない。

 右腕の一部だったもの、左腕の一部だったもの、入口を塞いでいたもの、正しい位置にあったもの、役立たずのまま転がっていたもの。

 このドームの鉄という鉄全てが上空へと吸われるように集う。

 

 糸に引っかかったからと言って、はあちゃまが鉄材を操れる訳ではない。

 無作為に宙の鉄を絡め取り、上空で複雑に絡まり合う。

 そんな糸は、単純には操れない。

 

「まとめて砕けろ!」

 

 鉄屑の豪雨がスタジアム全域に降り注ぐ。

 飛来してくる鉄の数は膨大。

 散らばった配置の、満身創痍なメンバー。

 漏れなく防衛は不可能だ。

 このままでは、誰かしらが死んでしまう。

 

 

 幾度もの窮地は、幾度もの奇跡で、切り抜ける!

 

 

 キラキラキラッ、と閃光が頭上を吹き抜け、一直線に散々に弾ける鉄屑を吹き飛ばした。

 鉄材が、燃えたり、凍ったり、銃撃を受けたり、大砲を喰らったり、艶やかな光線に消されたり。

 方法こそ様々ながら、それらは纏まって一つの危機を退けた。

 

「次から次へと――‼︎」

 

 Aの視線――ロボの頭が、スタジアムの外へ向く。

 彼方から、飛んでくる、先程も見た海賊船。

 電磁波で感知すれば、そこには更に10名ほどが乗っている。

 

 

 宝鐘マリン。

 何もできないから、せめて格好つけている。

 

 大空スバル。

 武器庫から大砲を持ち出し、素手で投函。

 浮遊で一直線に飛び、鉄屑を粉砕した。

 

 夜空メル。

 天候操作で船の操縦。

 

 紫咲シオン。

 魔法陣から魔法的なビームを発射。

 鉄屑に風穴を開けた。

 

 癒月ちょこ。

 乗船中の負傷者の傷の手当て。

 ほぼ完治。

 

 獅白ぼたん。

 武器庫から大量に拳銃を持ち出し、目に見える鉄材たちをとにかく銃撃。

 必中なため、攻撃速度が速い。

 

 白上フブキ、雪花ラミィ。

 雪や氷を大量に放出し、鉄材を弾いたり、たまに凍らせたり。

 

 不知火フレア。

 炎の槍を投げ、鉄屑を吹き飛ばしたり、焼き払ったり。

 

 アキロゼ、白銀ノエル、桐生ココ、角巻わため。

 この距離では無力。

 近接に備える。

 

 

「皆さん! 来ましたよ!」

 

 良いところがなく、マリンは自慢の迫力で強調する。

 上空の鉄は全て場外へと吹き飛び、磁力操作の圏外へ。

 そして、船が到着する。

 

「全員降りろ!」

 

 スバルが乗船員に命令する。

 ただ一人メルは残して。

 マリン以外は指示に従い、華麗に場内へ着地する。

 

「ちょっとスバル先輩⁉︎ 何するつもりですか!」

「分かってんだろ! これが手っ取り早い」

「ダメダメダメダメ! 船長の大切な船なんですよ!」

「こっちの世界だから問題ねぇよ! 行くぞ。メル先輩!」

「ぎゃあああああああああああ!」

 

 巨大船、アクアマリン号。

 メルの暴風とスバルの浮遊で、大撃進。

 船首をAに突き付けて、勢いのまま、大突撃。

 

「やめろぉーー!」

 

 次の瞬間、巨大な二つの造形物が跡形もなく大破し、スタジアムは激震した。

 

 

 





 どうも皆様、作者です。
 さあ、今回でA戦も終了……?
 もしそうでも、どうやって現実へ戻るのでしょうか?

 スタジアムにいない4名に、ホロメンじゃない人たちもいます。
 その答えは次回。
 そして更に、最後の一人も……!
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