歌姫伝承〜ホロの異能大戦ストーリー〜   作:炎駒枸

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第六章 デスゲーム編
87話 The game


 

 ホロライブ4期生、桐生ココが卒業した。

 

 1週間ほど、引き摺るものが多かった。

 だが、やがて心が頑丈になり、少しずつ、いつもの調子を取り戻す。

 

 そして、更に1週間が経過し、ホロメンはとある依頼に応えるべく、施設へ向かった。

 

 

 研究所のような施設に、全ホロメンとえーちゃんが集う。

 

「なんか……」

「分かる。みんな居るのに、欠けてる感覚」

 

 卒業から2週間。

 そろそろ心を立て直して、現実と向き合い、別の未来へ歩むと時。

 それでも、存在感の強い仲間が1人居ない状況は、強く響く。

 時々、その姿を探して首を動かしたり……。

 

「――」

 

 しかし中には、何も言わず、ただ依頼人を待つ者や、普段通りの談笑をする者もいる。

 これは、進歩――成長だ。

 決して薄情でも不仲でもなく、自分の在り方を確立しただけのこと。

 これが、革命により得た、強さ。

 卒業しても尚残り続ける、会長の存在。

 

 そんなこんな、待つ事30分。

 ようやく依頼人と思われる男性が、作業服を着て現れた。

 人を呼んでおいて大遅刻とは社会人として成っていない。

 

「いやぁ、申し訳ない。呼んでおいて遅刻してしまい……」

 

 自覚と謝罪があるだけ、マシだろう。

 メガネをぐいっと上げ、ホロメンを一瞥する。

 

「えー……全部で30名で、宜しかったですよね?」

「はい、この場にいるタレントは」

「おや、他にもいらっしゃるので?」

「そうですね、他の国にも数名」

「噂通り、随分と大所帯で」

 

 作業服の焼け跡や汚れの部分を数度払い、男性は咳払いする。

 

「今日はゲームの試遊会ですよね?」

「ええ、こちらにセットがありますのでどうぞ」

 

 心踊るような笑みで先導し、ゲーム機の並ぶ部屋へ誘う。

 扉を抜け、通路を抜け、地下の専用ルームに通される。

 そこには、人1人が収まるゲーム筐体がホロメンの数分用意されていた。

 

「席指定がありますので、ご注意して装置をセットしてください」

 

 その一言で皆真っ先に座席へ走る。

 アニメで見るような造りに興味津々。

 楽しげにその作りを分析してゲーム開始を心待ちに席へと着く。

 その際、頭には機材を装着。

 

「えーちゃんさんは私と共にマスタールームへ」

「はい」

 

 男性の案内で、えーちゃんはさらに部屋を移す。

 そのマスタールームとやらは、その名の通りゲームシステムを制御する部屋。

 様々な電子機器とコンピューターが設置され、ゲームを制御していると思われる。

 正直、機材に精通しているえーちゃんも意味不明な構造だ。

 何がどうなっているのやら……さっぱりだ。

 

「さて、それでは皆さんの準備完了を待ちましょうか」

 

 男性――ゲームマスターは微笑んだ。

 

 

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