それでは、どうぞ。
「ふんふんふふーん♪今日はルカくんとデート♪」
新年も明けて普段通りの生活戻りつつある今日この頃、とあるマンションの一室で1人の女性が鼻歌を歌いながら鏡を見てどの服を着るか選んでいた。
しかし女性は外見に見合わずな嬉しそうに笑みを浮かべながらである。それもそのはず、女性はまだ今日で年齢が18歳である。そんな女性は
そんなレイヤは今日は誕生日のためか、この後デートの約束があって尚且つ、その相手は自分が愛している幼馴染…京介なのだ。だからだろうか、今日着る服選びも気合いを入れているのだった。
時間をかけて彼女が選んだ今日着る服は、グレーのタートルネックのセーターに黒のパンツである。彼女の腕には上着として羽織るであろう黒の革ジャンがかけられていた。
「……よしっ、後は集合場所に行くだけだね」
着替え終わったレイヤは京介と予め決めていた待ち合わせ場所に行くだけであった。現在の時刻は9時30分手前…先日約束した集合場所である駅前までは近い上に集合時間は10時のため、まだ余裕があるが、大事なデートの日に遅刻する訳にはいかないので戸締りをして家を出ようとした。
しかしその時玄関からインターホンの音が鳴った。誰だろうと思ったレイヤは玄関に向かった。
「よう、レイ」
「ル、ルカくん⁉︎」
玄関の扉を開けると、そこには京介が立っていた。今の京介はグレーのタートルネックのセーターに黒のパンツといった服装をしており、防寒対策として黒のロングコートを羽織っていた。
「ど、どうしてウチに?時間までまだ時間はあるのに……」
「早く来ちゃってな。レイの家も近いから直接来たんだよ」
どうやら京介は遅刻せずに目的地に到着したのはいいが、早く来てしまったのだ。このまま待つのは身体が冷えると感じたようで、それならレイヤの自宅まで訪れた方が早いと判断したようだ。
「そう……それならもう少しで出かける準備ができるからもう少し待ってて貰えない?数分で終わるから」
「了解した」
そう言うとレイヤは一旦部屋の扉を閉めて外出の準備に取り掛かる。その間京介は外でレイヤが来るのを待っていた。そして数分後、準備の終えたレイヤが外に出てきた。
「お待たせルカくん。そろそろ行こう♪」
「嗚呼、もちろんだ」
そしてレイヤと京介は手を繋いでそのまま駅に向かうのであった。
2人がまず向かった場所は、ショッピングモールであった。此処には何度も訪れる事はあるが、今日は土日のためか多くの利用客で賑わっていた。
そんな中、京介達はデートを始めたばかりなので、最初はウィンドショッピングをしながら散策をする事にした。
「そういえばレイ」
「ん?何かな?」
ブティックで服を見ながら京介はレイヤに尋ねた。そんなレイヤも、頭に疑問符を浮かべながら返事をする。
「今日の君の服装、俺とほぼ似てるけどもしかしてペアルックを意識した?」
どうやら京介はレイヤの服装が自分と似ている事を気づいたようで、それについて指摘した。それもそのはず、2人の服装は上着を除けばほぼ似ており、上着のカラーリングも同じであるからだ。
「あ、もしかして気づいちゃった?実は『今日コレを着てくるだろうな』って予測しながらチョイスしたんだよ」
するとレイヤは特に否定する気もなくそのまま肯定した。どうやらレイヤは予測が出来る範囲で京介と服装を合わせてきたようだ。
「なるほど……なら一つ提案がある。俺と君でお互いの服をコーディネートするというのはどうだ?」
レイヤの答えを聞いた京介は、自分達がいるのはブティックにいる事を思い出した上に、ちょうど服装について話題を出してきたため、コーディネートをするという提案を思いついたようだ。
「なるほど……それいいかも♪」
京介の提案を聞いたレイヤは即座に了承した。そして2人はそのままお互の相手に着せる服選びを開始するのであった。
その後は店員のアドバイスを聞いたり服を手に取って服を着た後の姿を想像しながら、お互いに着せる服を見立てていった。
そして数十分後……
「これは……」
「見事にマッチングしちゃったね……」
服を選び終えた2人は、選んだ服を受け取り試着室で実際に着てみたのだ。しかし、その選んだ服というのは黒で統一されたジャケットに革のパンツである。唯一違うのはジャケットの下に着るトップスくらいだが、これも見事に色以外被ったのであった。
「やっぱり『コレは似合うかも』って想像しながら選んだ?」
「『やっぱり』って事はルカくんも?」
どうやら2人が選んだ服は、お互いが『コレが似合うだろう』と考えたら奇跡的に被ったようだ。此処まで来ると奇跡という一言で片付けていいのか、幼馴染特有の勘が良くも悪くも働いたとしか考えられないのは気の所為だと信じたい。
しかしお互いがせっかく選んだ服なので、京介はレイヤ分も纏めて支払ってブティックを後にする。
「次は何処に行きたい?」
「そうだねぇ……」
その後は暫く散策してショッピングモール内のカフェでお茶をした後は、ショッピングモールを後にして、2人は今スクランブル交差点を歩きながら次に何処に行くか考えている最中であった。
ちょうどその時、2人の目の前にあるビルのモニターには2人組の少女達が写った。金髪を短く切り揃えた少女と茶髪をセミロングにした少女で、如何にもアイドル…という感じの2人組で、モニターに写った内容は自分達の曲のCMであった。
「嗚呼、
「最近人気だもんね。パレオもよく曲を聞くし、ますきも可愛いって言ってたよ」
モニターに目がいった京介とレイヤはCMに出ていた2人組について思う事があるように呟いた。
ちなみについ先程モニターに写った2人は
「でもなんでルカくんはアイドルとか人並みくらいしか知らないのに知ってるの?」
「透子に無理矢理聞かされてな……」
「ああ、なんとなくるか」
京介はそんな事に興味があるとは考えにくいと言うのはレイヤも承知しているが、本人の口から何故知ったかその経緯を言った。それを聞いたレイヤは納得したようだ。
「ちなみにルカくんはどっち派なの?パレオは初華ちゃん、ますきはまなちゃんって言ってたけど……」
「マスキとは気が合うな。俺はまなの方が好きだ」
「意外。初華ちゃんの方だと思ってたよ」
そしてレイヤは不意にsumimiはどちらの方を推しているか尋ねた。すると京介は迷う事なくまなだと答えた。レイヤも京介の好みはキュートよりクール寄りなのは知っているため、佇まいがそれの初華だと思っていたようで意外だと感じた。
「彼女の歌声を聞くと何処となく興味深いと感じた。そうだな……最初聞いた時は、まるで天使のような歌声だと思ったよ」
京介はまるで、まなの歌声を聞いた事があるかのような評価をしたのであった。その評価を聞いたレイヤは苦笑いしていた。
そしてsumimiのCMが終わると、今度はアニメのCMが流れてきた。そのCMは今日から放送されたカードゲームアニメで、京介も熱中している……ヴァンガードであった。
「そういえば今日はヴァンガードの新シリーズの初回放送日だったね。ルカくんは見た?」
「勿論見たよ。それに加えて録画もしてある」
「抜かりないね……」
CMが切り替わった影響か、話題もそれに伴い、sumimiからヴァンガードに舵を切った。レイヤはまず今日放送されたアニメの視聴の有無を尋ねると、京介は即座に見たと答えた。
「そういうレイも見た?」
「うん、見たよ。主人公の家族構成もルカくんと似てたからある意味では親近感が湧いたよ」
「経緯は違うけどな」
すると今度は京介もレイヤに対して先程の質問をする。レイヤもまた京介と同じで見たと答えた。
「せっかくだから……この後カードショップに寄らない?小学生の時にやったのだとスタンダードが違うから出来ないんだ。だから今のレギュレーションに合わせたデッキが欲しいんだけど、いいかな?」
ヴァンガードの話をしていたからか、レイヤはこの後カードショップに行かないかと提案してきた。
実はレイヤも京介に誘われてヴァンガードをプレイしていた経験はあるが、最後にやっていたのは小学5年生の時でブランクもある上にルール等も変わっているので実質初心者に近い。だからこれを機に新たにヴァンガードを始めようと決心したようだ。
「いいぞ。ちょうどこの近くに俺行きつけのカードショップがある。そこに行かないか?」
「うんっ!」
レイヤの提案を受けた京介も、それを受け入れた。その後は京介案内の元、彼曰く『行きつけのカードショップ』に行く事となった。
そこから歩いて数分後、目的地のカードショップに到着した。ショップ内に入ると、土日である事も相まって、2人とは年齢の近い人達を中心に店内は賑わっていた。
「結構人が来てるんだね……」
「土日や祝日は人は多く来るよ。あとは夏休みとか長期休みとかにも結構来るな」
客の多さにレイヤは店内を見渡しながら呟いた。一方の京介はこのカードショップに訪れる頻度が高いのか慣れた表情で説明する。
「それにしても、ホントにレギュレーションとか変わってるね……クラン制じゃなくて国家制になってるし、その国家自体名前も殆ど変わってる」
次にレイヤは、シャップ内にあるカードが並べてられているショーケースを見ていた。その時カードのテキストにも目に入ったようで軽く目に通した結果、ジェネレーションギャップを感じていた。
「まあそれは追々と理解していけばいいよ。大方のスキルはクラン制とは変わらないから。それじゃあ実際にプレイして貰おうか。まずはこのルールブックに目を通してくれ。その間に俺は君のデッキを取り繕って来るから」
「分かったよ」
京介からヴァンガードのルールブックを渡されると、レイヤは早速それに目を通し始めた。ルールブックを読んでるレイヤを確認すると、ショーケースでカードを見ていたり、デッキ販売で実際にデッキを手に取りどのようなデッキ構築かを確認していた。
「(さてと、どれを使わせようかね……初心者だから軽めにいきたいけど、一応は経験有りだから普通のだとパンチが無いからな……うん?)」
一つ一つデッキを手に取りながら、どのデッキをレイヤに使わせるか検討している最中、京介は
「(……これならいいか)すみませーん」
デッキ内容を確認した京介はピンときたのか、店員を呼んでデッキを購入するという旨を伝えて、そのまま会計を済ませた。
「ほら。俺からの餞別だ」
「ありがとう、ルカくん」
デッキを購入した京介はそのままレイヤに渡した。デッキを受け取ったレイヤはすぐさまデッキの内容を確認した。
「このデッキって……」
「嗚呼。昔君が使ってたのと同じカードだよ。でも今レギュレーションに合わせてスキルとかが違うけどな」
レイヤは過去に一度見た事があるようですぐに理解できた。京介も予想通りの反応をレイヤがしてくれたのか笑みを浮かべていた。
「それならティーチングファイトと行こうか」
「ルカくんデッキはあるの?」
「勿論。『備えあれば憂いなし』だ」
「用意周到だね」
そういうと京介はコートの懐から一つのデッキケースを取り出した。この時レイヤは微笑むが、2人を知る友人知人の一部がこの場にいたら『何で持ってるの⁉︎』というツッコミが入るのは、また別の話である。
そして2人はすぐさま店内のファイトスペースに座ってティーチングファイトを始めようとした。
「ルカくんはどんなデッキを使うの?」
「見てからのお楽しみだ」
2人はデッキをシャッフルしながらファイトの準備を始める。その後はシャッフルを終えてデッキを所定の位置に置いた。
「それじゃあ始めようか」
「うん!」
「「スタンドアップ、ヴァンガード」」
その掛け声と同時に、レイヤの初レギュレーションのファイトが始まるのであった────。
「楽しかったね」
「勿論だ」
「でも勝利数ならルカくんに負けちゃったよ……」
「ブランクがあるから仕方ない。でもスジは結構良かった、おそらく過去に一度経験してるから体の方が多少追いついたんだろう」
ヴァンガードをプレイして数時間後、気づけば夕方になっていた。あの後2人は時間を忘れるまでヴァンガードに熱中していたようだ。カードショップを後にしたその後も、先程のファイトの話で盛り上がっていた。
「そうだ。レイ、この後時間はあるか?」
「あるよ。どうしたの?」
そして京介は不意にレイヤに予定の有無を確認した。レイヤもこの後は何も予定は無いので問題無いと返す。
「俺んち来ないか?夕飯ご馳走するよ」
「いいの⁉︎うん、行く!」
「勿論だよ」
その後は京介に夕飯のお誘いを受ける事となった。勿論レイヤも驚いたが、即座に了承した。京介も笑みを浮かべて、自宅までレイヤを案内するのであった────。
そこから数十分後、京介の自宅に到着した。その後は手を洗い、京介はキッチンに立って料理の支度を始め、レイヤはリビングにある椅子に座って京介が料理を作るのを楽しみに待ってた。
ちなみにレイヤも手伝おうとしたが、京介に『客人を動かせる訳にはいかないよ』と言われたので大人しく待つのであった。
そうなればあと問題点があるのは桜雪くらいだが……当の本人は、今日学校で生徒会の仕事に取り組んでいたのであった。しかも泊まり込みなので今日一杯…正確には明日の午後まで帰ってこないのだった。
フライパンを持って何かを焼く京介を見ながらレイヤは彼の料理する所を無言で眺めていた。
そして数十分後……
「お待たせ、レイ」
料理を終えた京介は料理を乗せたお盆を手に持ちながらリビングに姿を出した。そしてお盆をテーブルに置いた後は料理をそのまま並べた。
「わあ、美味しそう……!」
「結構奮発したからな」
テーブルに並べられたのはステーキやサラダ、パスタにケーキであった。美味そうに出来上がったそれらを見たレイヤは感嘆の声を上げた。料理を並べ終えた京介は、冷蔵庫からオレンジジュースを取り出し、テーブルに置いた。その後、事前に用意していたグラスにジュースを注いだ。
「ま、今日は2人っきりで夕食を楽しむ事にしようか」
「うんっ!」
その後2人はグラスを手に持ち乾杯をして夕食を始めた。その時今日の出来事とか昔の話、最近の話で花を咲かせる事となった────。
夕食を終えた2人が時間を確認すると、時刻は21時30分を差していた。夜分に何が起きるか分からないため、今日は京介の家に泊まる事となったレイヤである。
ちなみに京介の家には、万が一の為に、レイヤは勿論、ましろや瑠唯を筆頭としたMorfonicaのお泊まりセットが常備されているのはまた別の話である。
その後は、夕食後の後片付けを終えて、お互いに風呂や歯磨きを済ませると時刻は23時を過ぎていた。レイヤは翌日RASの練習もあるため、此処で消灯、並びに就寝する事となった。
「レイ。寝る前に少しいいか?」
「なに?」
ベッドに入る前に、京介は寝るのを一旦引き止めた。その後、机の引き出しからプレゼント用にラッピングされた、手のひらサイズの箱を取り出してレイヤに差し出した。
「渡すのが遅くなったけど…レイ、誕生日おめでとう。これは俺からの細やかなプレゼントだ」
「ルカくん……開けてもいい?」
「勿論」
プレゼントを受け取ったレイヤは京介の許可を取って箱の中身を確認した。中にはシンプルだが、シルバーの指輪2つ入っていた。
「ルカくん……!つけてもいい?」
「無論だ」
そういうとレイヤは指輪を1つ自分の薬指に嵌めた。その後は京介の手を取り、残りの指輪を嵌めるのであった。
「お揃いだね♪」
「そうだな。あとは喜んでくれて何より」
レイヤは先程指に嵌めた指輪を京介に見せるようにして微笑んだ。それに対して京介もレイヤに合わせるように微笑んだ。
「……ねぇ、ルカくん。私…もう1つ欲しいものがあるんだけど、いいかな?」
「欲しいもの?何かあるのか?」
するとレイヤは突然欲しいものがあると言い出した。京介は突然の事だが、何が欲しいのかレイヤに尋ねた。
そして……
「……んっ……」
「……⁉︎」
レイヤは京介に突然キスをした。普段のキスより長く、数分間続けたのであった。
「……ぷはぁ。実はルカくんが欲しいんだけど、いいかな……?」
そしてレイヤは唇を離すと、ベッドの上に座り込んで京介を誘惑してきた。最初は戸惑う京介であるが、今日はレイヤの誕生日であるためか断れなかった。京介はそのままレイヤをベッドの上に優しく押し倒した。
「嬉しいなぁ……」
「レイ。今日は寝かせないから覚悟しろよ?」
「もちろん♪」
そういうと京介はレイヤとディープキスをした。その後はお互いが肌と肌を合わせて、濃厚な一夜を過ごす事となった。
そして翌日、レイヤは若干寝坊するものの、RASの練習に奇跡的に遅れる事なく来れた。
その際、京介と一夜過ごした時に彼に付けられた首筋のキスマークを見られた事で、RASのメンバーに昨日の事が一気に露呈されたのだった。
ちなみにマスキングに揶揄われたり、パレオからは『お楽しみでしたね♪』と耳打ちされ、ロックとチュチュは初心な為か、顔を赤く染めて立ったまま気絶してたのはまた別の話である。
まずは読んでくださった方、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです!
レイヤの生誕記念回は去年計画していたのですが、デュエマの小説を執筆してたために一年持ち越してしまいました……すみませぬ。でも無事に投稿出来た事は良かったと思います。この調子でまた頑張っていきたいと思います。
2つほど告知があります。まず1つは投稿日の今日、私と今親交の深い作者さん…『咲野 皐月』様の新規小説の1話目が投稿されます。そのお話には私のもう1つのBanG Dream!の小説『迷子になるか、仮面を着けるか』のオリジナル主人公…
2つ目は……次回は2月14日に迷仮で祥子の生誕記念回を、19日にましろの生誕記念回を投稿予定です!楽しみにしてくれたら幸いです!
それでは、また次回!
【咲野 皐月様の新作】
『仮面と彩りの狂騒曲』
→https://syosetu.org/novel/334571/
【私のもう1つの作品】
『迷子になるか、仮面をつけるか』
→https://syosetu.org/novel/326730/
R-18の小説を……
-
投稿してください、お願いします!
-
しなくていいよ