R-type the endless danse   作:桜エビ

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R-typeはにわかに近いので、間違ってたらごめんなさい


本編
日暮れを見送る、永遠の子供たち


人類はかつてい滅亡の淵に追い込まれていた。

当時何処からやってきたかもわからない、凶暴なエイリアンの手によって。

その名はバイド―それはこちらを破壊侵食し、宇宙進出した人類の住処を次々と食い荒らしていった。

それを食い止め人類を救ったのは

 

汎用作業艇をベースとした、異相次元戦闘機。通称R戦闘機。

 

それで滅び切らなかったバイドは、幾度となく人類を襲い、そのたびにR-typeがそれを返り討ちにしていった。

人類は、滅びの危険に何度も晒され、ついにバイドの完全根絶を掲げた作戦【オペレーション・ラストダンス】を決行した。

最強のR戦闘機を求め開発チーム、Tame R-Typeを結成し、それに完成したそれをバイドの中枢へと送りこんだ。

 

そしてそれは功を奏し、それ以降人類はその手にある最強兵器であるフォースを除いてバイドを確認していない。

 

 

そう

 

人類は平和を手にした

 

 

 

 

 

 

 

はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

幾度となく滅びては復活してきたバイドが、今度こそ根絶できたか。

誰も断言はできない。奴らが滅んだかは悪魔の証明でしかない。

少なくとも中枢は撃破し、太陽系圏内のバイドの活動にトドメを刺したのは確からしいのだが。

 

そんな状態で、悪魔の兵器であるフォースとR戦闘機を手放せるか否か。

当然否である。

 

 

 

しかし、その兵器こそ、またバイド。

これを手放すことにより、完全根絶は成る。

 

そう考えるものも多かった。

 

傷だらけの地球には、それ以外にも多くの火種が多く存在していた。それは復興していってなお消えることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

『こちらクリアアイズ4。エアロファイター、状況知らせ。』

 

「―その呼び方はやめろと言ったはずだ。カシウス1、異常を視認せず。各種観測機器にも感なし。」

 

 

『異相次元すら何の波も経たない、平和そのものだよ。誤報じゃねぇか?』

『それだったら時間を返してほしいぜ。今頃レストランでクレアと楽しくやってたのにさぁ』

 

R-9E:MIDNIGHT EYEで早期警戒に出ているクリアアイズ4は本来今日は非番であった。

コパイロットで情報分析屋の彼に関しては、デートの予定があったらしい。

 

「墜とされて、明日そのクレアとかいう女に会えなくなるよりはいいんじゃないか?」

 

『うげ、冗談でも言うことじゃないぜ』

 

 

『―な、急に異相次元レーダーに感!当機から4時の方…ぐぁあああ!』

 

通信にノイズと悲鳴が入る。

クリアアイズ4が被弾した。早期警戒機としての性能からして、直撃をもらう位置の機体は探知できてなければおかしい。

つまり、なんかしらの妨害装置などで探知を阻害されて接近されたか。

まだ反応は生きてる。機体はまだ原型を保っているようだ。

 

「クリアアイズ4!状況報告!」

 

『敵波動砲が直撃、いや掠めた!航行に支障はないがレドームが壊れて再探知不能!最終位置をそちらに送る!』

 

「了解した。俺が向かうからとにかく下がれ。あと増援の要請を。」

 

自機レーダーでクリアアイズ4の後退を確認しながら、該当宙域に向かう。

 

そこにいたのはR-9C:WAR-HEADが3機。 少し前に亜空間潜航機能を追加され特殊強化戦闘機にバージョンアップされた機体だ。中央指揮官機はフォースも装備している

異相次元レーダー以外での補足はまず無理、そして今回、クリアアイズ4が見逃しているというヘマをしていなければ、異相次元レーダーにも映らない厄介な存在であると考えられる。

 

「…帰すつもりはない。」

 

さすがに連続しての異相次元潜航は無理のようだ。

その上こちらは俺の【R-9A2+:DELTA近代改修】この1機。

 

数で上なら逃げる理由はない。

事前情報通りなら、目的はコロニーの急襲。それを押し通すつもりなのだろう。

その事前情報のせいでスクランブル気味に警戒任務に当たっていた。

ならば阻止せねば。

 

「当たらない、それでは。」

 

ヘッドオンの状態で、俺はスロットルを限界まで前に押し込み突撃。傍から見れば無謀な突撃に、三機のR-9Cは想定外と言わんばかりに、急いで中途半端な拡散波動砲を発射した。

 

それを俺は掻い潜り、敵に対し僅かに下に回り込みながら中央の一機に電磁機関砲を叩き込んだ。

あまりの速攻に反応できなかったのか、フォースでの防御も回避もできずにボディを穴だらけにされ爆散する。

 

左右の機体は爆炎に煽られ制御が一時効かなくなり、その二機の間を俺は攻撃を受けずに通っていく。

 

「じっとしすぎだ。」

 

急停止してのその場での旋回ではなく、速度を保ったまま円を描くように旋回する。

敵は速度ゆえに見失っていたこちらをようやくレーダーで再捕捉したのか、その場で反転してこちらを見る。

だが

 

「遅い。FOX5。」

 

俺は容赦なくミサイルを発射した。

光学センサを搭載したミサイルは、デコイ機能のないR-9Cめがけて突っ込む。

その場で反転したそいつは速度がなく、ミサイルを回避する速度を確保していなかった。

 

斜め上に回避しようとするが叶わず、その無防備な腹にミサイルが着弾。前後に両断された。

 

「2つ……」

 

残り一機になった敵に意識を向けるが、その機体は反転して撤退していく。

 

「…終わったか…」

 

『相変わらずすごいな…エースの名は伊達じゃないってか』

 

「まだ通信圏内にいたのか。遅いぞ。」

 

どうやら破損したレドームを緊急修理もでもしたのか、遠方でこちらの戦闘の様子を眺めていたらしい。

敵は撤退した。俺も早いところ帰還して――

 

『待て!ボギー1(敵機1)!いきなり圏内に突っ込んできた!速い…そっちに向かってる!』

 

急いで俺は操縦桿を引いた。

自分が死なないぎりぎりまでコックピットの慣性制御を、機体側の制御に渡す。

速度を殺さずに帰還しようとしていたがために、かなりの旋回半径を伴って旋回した。

それが功を奏し、直後に俺の居た宙域に放たれた稲妻が俺を捉えることはなかった。

 

「ライトニング波動砲…まさか…」

 

R-13T:ECHIDNA、それが機体の照合システムがはじき出した答えだった

幸いこの機体はライトニング波動砲のサーチ機能――範囲内にいる敵に向かって雷撃が飛ぶ――持ってない筈…とは慢心できない。

既に再開発、再研究が始まったR戦闘機達が以前の通りの性能とは限らないからだ。

 

もしそうなら、奴の攻撃圏内に入れば即撃墜が待っているということになる。こちらを捉える雷撃を目視で回避することなど物理法則からして不可能だ。

先程は砲撃に対して進行方向が垂直となり、範囲から急速に離脱できたから回避が出来た。しかし現在、対面して接近しあっている状態。

完全にヘッドオン(正面から撃ち合い)対決すれば撃墜される。フォースも装備しているため相討ちすら難しい。

 

「…俺だけがまともに相手できるってわけか。」

 

俺の悪い手癖【ドッグファイト】が、こんな形で生きるとは。

 

こちらに向かってくる敵R-13Tを尻目に、こちらはいっきに機首を上げて真上に上昇した。

敵はその動きに対して必死にこちらに食いつこうとして、こちらの現在位置に向かっている。こちらを先回りしたりといった行動ではない。

射程に入ればそれこそライトニング波動砲の餌食かもしれないが。好都合だ。

 

そのまま距離が近づくが、射程に入るか否というところで、俺は左に急旋回した。

敵は俺の進行ルートを少し通り過ぎたあたりでどうにか機体を持ち上げて、再び視界内にこちらを捉えようとしている。

俺はレーダーでそれを確認して、すかさず右に切り返した。

敵は再び正面に俺を捉え損ね、俺に続くように切り返しをする。

 

まるで猛獣だ。

とにかく俺を必死に正面に捉えようと追いすがってくる。

だが、それが隙になる。

 

既に2回の切り返しの間、常に俺を正面に捕らえようとした敵は俺の前に押し出されるような状態(オーバーシュート)になりつつあった。

 

それはなぜか。

簡単なことで、俺は大きめに旋回したのに対し奴は最短距離で対応しようとした結果だ。同じ距離を飛んでるように見えるがそれは正面方向の話だけ。

スタートとゴールが同じでも、直線で行こうとすると最短となるが、蛇行した道を通ると距離が長くなる。同じ速度でそれぞれの道を行けば直線の道を通ったほうが早くゴールに着く。

やつは先にゴールに付いたせいで、後からやってきた俺からは背中が見えるような状態になっているのだ。

 

そんな状況に、俺は少し減速しつつバレルロールをすることで完全にやつを俺の前に押し出し(オーバーシュート)させた。

 

バレルロールも先程の原理と同じだ。

ドリルのような軌道は直線より当然ゴールまでの距離は長くなる。

 

急なバレルロール。その突然の大きな動きに対応できず、軌道変更をする間もない敵の後ろを完全に取った。

 

「もらった!」

 

俺の間合い。必殺の位置取り。

左右に振り払うような旋回で抵抗を続ける敵機に、容赦なく機銃の雨を浴びせる。

敵の数か所に被弾し、俺は勝ちを確信した。

 

それは、一種の慢心でもあった。

 

「っ、な!?」

 

敵は炎上して空中分解してもおかしくない機体に鞭を打つかのような、バカみたいな推力で一気に弾幕の雨を抜け出しながら旋回して、俺の側面を捉えたのだ。

慣性制御を完全に機体制御に回した自殺行為のマニューバだっただろうそれに、俺は驚愕せざるを得なかった。

勝利の予感が反転し、死神の鎌が振りかぶられたことを直感する。

 

「イジェクトッ!!!」

 

被撃墜は免れない。

そう確信した俺は、咄嗟にエンジンブロックを盾に脱出ポッドともいえる機首を射出した。

その直後、本体は機銃掃射とフォースシュートの直撃を受ける。

分解の後に粉砕、無残な状態になり爆発する。

 

その後敵の機体は辛うじて残った力で撤退を開始していく。

恐らくさっき撤退したR-9Cに拾われることになるだろう。

 

『おい、生きてるか!?機体シグナルが一瞬消えたぞ!おい!』

 

「無事だが、撃墜された。脱出ポッドを除いて機体を壊された。相手を戦闘不能に追い込めは出来たが。」

 

『マジかよ…エアロファイターを撃墜できる化け物が敵にもいたなんて…』

 

一応、俺はエースだ。

こんな戦場で7年戦い続けてる。

そして、独特な戦闘方法で撃墜数を重ねて、エアロファイターなるあだ名までもらった。

そんな俺が墜とされたと、周囲は絶望しているらしい。

 

「…勘違いしているようだが、今まで撃墜されなかったわけじゃないぞ。ベテランでエースなのは撃墜されても生きてるからだ。」

 

『そ、そうなのか…』

 

「だから、回収を頼む。酸欠で死ぬのは御免だ。」

 

味方は近い。

スリープモードを使うほどではないだろう。

コールドスリープの類なので、使ったら復帰に時間と労力がかかるので多用するべきではないと過去の被撃墜で学んだのだ。

 

にしても、さっきの敵機。

確かに強敵であった。

キャノピー越しに感じた異常なまでの殺気、闘志は只者ではないと直感が告げている。

そして最後の、殺意のみとなった、そう表現したくなるマニューバにはしてやられた。

 

アイツは一体なんだったのか。

そんな思考に意識を沈めながら、俺はコロニーの軍港まで曳航されていった。

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