わ き お じ !
もしも好感度が足りてしまったら。
二人で建築コラボをしていたフブキとわため。
夏が近づいたその日の陽光はやや激しめで、ブロック置きに精を出していた美少女たちにじっとりと汗をかかせていた。
「ふぅ……! わためぇー! 作業もけっこう進んだから、そろそろ休憩しよう!」
「あいあいー! 壁作りお疲れさまぁ!」
「ういういー。そっちも屋根作り、ごくろーであった!」
「やたー! ごくろーだぁー!」
フブキとわためはハイタッチをしながら合流し、日陰にいそいそと入り込む。セミの鳴き声が聞こえてきそうな暑さの中で、直射日光は既にギラギラと輝いていた。
風通しの良い日陰は、作業員たちのオアシスだった。そこでフブキは飲み物を取り出して一息ついたが、わためはチラチラとフブキを見やるばかり。
「んぐ……ぷはぁ……! くぅ~、汗をかいた後の冷えたスポドリってヤツぁ罪深いっ! 結局、こいつが一番うめぇんだ!」
「…………わき……」
「ん? どしたんだい、わため? 暑くて体調おかしくなっちまったかい?」
「フブちゃん、汗だく……」
「急に白上のことを言い出すねぇ。ああ、うん、そりゃあ今日は暑かったからね、汗ぐらいかくよ」
「…………おいしそう……」
「おいしっ……!? お、おかしくなっちまったのは別の部分だったかぁ~……!」
惜しげもなく腋を見せている美少女狐。くぼみを伝う青春の煌めき。わたおじ。
この要素が揃って起こる変態事案は、もはや必然だった。
「……フブちゃん! 今こそ、腋を嗅がせてもらう時だ!」
「どんな時だ!? そんなタイミングは一生――ハッ――それは、いつぞやのアレか!?」
『白上の腋のニオイを嗅ぐってことかい?』
『そうだよ』
「そうだぁ! ちゅっちゅも毎日してるし、好感度もアゲアゲ! そうなったら次はもう……腋しかねぇ!」
「ぬぇー……!? えー、やぁー、なんかさぁ、何もかもが間違ってる気しかしないんだけども……」
「間違っていても、突き進まなきゃいけない道もあるんだい!」
「無駄に覚悟が固いなぁ! そもそもさぁ……き、キスはまぁいいけど……そんな変態プレイにまで付き合うとは、まだ……」
照れくさそうに、人差し指同士をつんつんとぶつけ合うフブキ。まだまだ恋愛経験は薄く、ピュアな気持ちは穢れていなかった。
「まあまあ! ここはいっちょ、おじさんに嗅がせてみようや……!」
「いつになく押せ押せだな、わためぇ! 何がそこまでお前を駆り立てるんだ……!?」
「実は……さっきハイタッチしたとき、良いニオイがふわっと来て……もう、たまらんくて……!」
「きゃぁーんっ、もう嗅がれてたー!? やだよー、それは普通に恥ずかしいよー!」
顔を真っ赤にしたフブキがサッと脇を閉じ、手で胸を隠すように露出を減らした。
「やーん……油断してたぁ……! こんなに暑くなるなら汗止め塗っておけばよかったよ……!」
「汗止めなんて塗ったらニオイの純度が下がっちまうよ……! 自然体が一番だぁ!」
「ほ、本気なのか、わため……! ホントに、ヤるのか……わためぇ!!」
「フブちゃん……わためはもう、我慢できねぇよぉ!」
「わたおじがガチ覚醒した!? ちょっ、まっ――ひゃああああああ~っ……!」
腋嗅ぎ衝動に駆られたわためはフブキの腕を上げさせ、下着よりも厳重に隠されていた乙女の花園を開門させる。
その肉溝の下では、つぅ、と汗の雫が甘そうに伝って衣服を濡らす。わためが鼻息を荒くするほど、フブキの腋はつやつやに湿っていた。
「おほっ……おぉ~! フブちゃんの腋、めっちゃキレ~イ……! めっちゃケアしてるのわかるぅ!」
「そ、そうかい……? それは、良かったけども…………うん……」
女の子として、喜ぶべきか恥ずかしがるべきかを困惑するフブキ。その様子をよそに、わためは腋下に顔を近づける。
女の子の色香がたっぷり詰まったくぼみを間近で眺め、にんまりと頬を緩ませてから鼻を鳴らした。
「くんくん……ふんふん……んふぅ~……♡」
「は、鼻息がくすぐったいよ、わためぇ……! あ、ふぅっ……ひゃんっ……♡」
「ん、んっ……これは、芳醇な腋……! お花みたいな『香り』っていう感じじゃなくて……すん、すん……なんか、ミルクっぽいっていうか……お腹が鳴りそうな、クセになるニオイ……♡」
「ひっ――やだぁー! もうホントに恥ずかしいってこれェ! もう終わり、終わりだって!」
「む、ぐぐっ……ん、んんっ……♡ くんくん、すぅ~っ……♡ ぬぉ~……まだまだ、足りねぇ~……!」
腋を閉じさせない鉄の意思が、フブキの抵抗をがっしりとブロックする。
汗が溜まって、ふわぁっ♡ むわぁっ♡ と女の子のニオイが香る溝にぴったりと鼻頭を付けて、腋下で深呼吸を重ねた。
「すぅー……♡ はぁ~……うふ、はぁ……っ……♡ フブちゃんの腋のニオイ……缶詰めにしてぇ~……!」
「うるせぇええ変態わたおじぃいいいっ! はい、もういいよね!? おしまい! おしまいだから、さっさと白上の腋から出ていくんだ!」
「えー……? まだ帰りたくないなぁ……♪」
「かわいく言ってもだーめっ! ほらわたおじ、牧場にけぇれ、けぇるんだ!」
「いーやー♡ まだここに居るぅ~♡」
フブキは乙女の恥じらいを蹂躙する変態羊を押し出し、がっちりと腋を閉じようとする。
しかし、わためはフブキの身体に抱きついて離れない。ジャストサイズな乳房を事故気味に掴んで、むにむにと揉んでいた。
「フブキちゃんのおっぺぇもイイねぇ~……♡ やわっこくて、健康的なハリがある……♪」
「こ、こいつ……また白上の乳を……! あ、やんっ……♡ ちょ、っと……ん、んっ……♡ い、いい加減にしないと……怒るよ……!?」
「はぁ~い……。仕方ない、出るかぁ……ん、ちゅっ……♡」
「はぁ――あひぅっ!? ちょ、ちょっとわためぇ……今、白上の腋に何をした……!?」
「……ん、ぺろっ……♡ ふふふっ……フブちゃん、汗も甘じょっぱくておいしいねぇ……♡」
「おいしいねぇ~じゃないが!? ちょっとぉ、腋にキスなんて……いや、ええ~っ……!?」
(ふえぇ~……! わ、わための生温い感じが、まだ残ってるぅ……!)
柔らかい花弁のような瑞々しさが触れたところが、やんわりと湿って、人肌の温もりを強調してくる。
ヘンな汗をかいてしまったフブキは、居心地が悪そうに腋下を擦り合わせた。
ガードの下に隠れてしまった、お花畑の香りと青春の塩気。その味わいを惜しんだわためが口寂しそうにもにょもにょする。
「はぁ~……♡ 夏が来るのが楽しみだなぁ~……♡」
「……え? うん? わため、今……なんつった?」
「一番良いニオイがしそうな夏、また嗅がせてもらうから!」
「なんで次回開催が決まってんだ!? い、いやー……! な、夏場の腋はちょっと……汗の量とか、すごいことになってそうだし……」
「……フブちゃん…………夏のわき……だめ……?」
「は、くぅんっ!」
わためのうるうるな上目遣いが、オタクな狐少女を瞬殺した。
「わ、わためがそこまで嗅ぎたいなら……ちょ、ちょっとだけよ……?」
「わぁい! フブちゃん大好き~♡」
「ふにゃっ!? あ、暑いのに抱きついてくるのはヤバいって……! また汗をかいちまうよ……!」
「くんくん……♡ あ~、フブキちゃんの腋臭……たまらねぇ~♡」
「こ、コイツ……まさか腋を嗅ぐために……!? だからもうやめろってばぁ~! あとアイドルに向かって腋臭って言うのはホントにダメだかんな!?」
獣美少女たちが汗だくになりながら、ふたりっきりでくんずほぐれつ。初夏の風物詩にはもってこい。
その桃源郷の如き光景を、じっくり、たっぷりと眺めていた太陽はどんどん暑さを増していき――フブキの腋に、また新たな香水を滴らせたのだった。