オンラインゲームドラゴンクエストXを元に書き上げた小説です。

 今回勇者と盟友の話をどうしても書きたくなって久しぶりに書き始めました。

ネタバレも含みますが、どうしても私の知り合いの方々にドラクエXのストーリーの面白さを伝えたくてこのような形を取りました。


これを見てドラクエXに興味を持って頂けると凄く嬉しいです。

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勇者は困惑する

 盟友は……私の前からいなくなってしまった。

 

 

 

 先の魔王によるアストルティア侵攻の際に行方不明になっている。

 

 私もかの魔王と退治し大きな深手を負いながら辛くも侵攻を防いだけれど、そこで私の記憶の糸は途切れた。

 

 その後、私はすぐに回復したけれど……彼女は戻ってきていない。

 

 周りの皆は口を揃えてこう言う。盟友はこの世を去ってしまったのではないか……と。

 

 その言葉に私は絶望した。部屋に戻ると私は泣いた。涙が枯れ果てるまで泣き続けた。

 

 

 涙が枯れたその後に私は誓った。

 

 もう二度と誰にも負けない。

 

 これ以上悲しい思いをする人を出さないために。

 

 そして、彼女のために。

 

 私は魔王を倒す!

 

 

 それから私はすぐに王家の迷宮へ入り、長い……とても長い時をかけて修行を詰んだ。

 

 

 修行を終えた私は迷宮を出ると、魔界の方からとてつもなく強大な力が出現している事に気が付いた。

 

 急ぎ賢者ルシェンダ様の元へ向かいこの事を報告した。

 

 流石は賢者様。私よりもいち早くこの事に気づき事態の究明に当たっていた。

 

 私は提言し、嘆願した。これは大魔王が復活した兆しだと。そして、魔界へ赴き大魔王を打倒すると。……彼女のためにも……

 

 ルシェンダ様はそれを承諾してくれた。そして一緒に同行来てくれると。それは本当に心強い。

 

 

 その後私はすぐに他の仲間を集めるために各地へ赴いた。

 

 先ず訪れたのは、彼女の故郷でもあるエテーネ村。……ホントは彼女が帰ってきているのではないかと期待をしていたのだけれど、ここにも彼女はいない…… 。

 

 彼女の友人のシンイを訪ね今起きている事を話すと、快く承諾し彼も同行してくれることになった。

 

 このエテーネ村も魔族とは深い因縁があるとシンイは話してくれた。そしてふと、彼女もその事を私に話してくれた事を思い出した。

 

 

 それから転々とし、最後に訪れた場所は竜族の隠れ里。そこには以前ナドラガンドで彼女と一緒に戦ってくれていた竜族のエステラの姿があった。

 

 彼女にも今の現状を伝えると少し考え、彼女の方から同行させて欲しいと申し出があった。こちらからお願いしようとしていた事だからとても有難く心強い。

 

 

 それから数日が経ち準備を整えた私達は魔界へ乗り込むため先の戦いがあった場所、オーグリード大陸ゲルト海峡沖にあるガミルゴの盾島。

 

 そこには、アストルティアと魔界を結ぶ光の河というものがあるらしい。魔王や魔族がここから出現している事から間違いなさそうだ。

 

 封印を施されていた巨大な盾は破壊されていて奥に進めるようになっている。

 

 周りには戦いの痕跡が残っている。もちろんここから魔王軍が出現しているのだからそういった痕跡は残っていると思うけれど、それとは別に戦った形跡がある。

 

 もしかするとここで彼女は謎のピエロ男ピュージュや魔王と戦っていたのかもしれない。

 

 先に進もうとしていると、ルシェンダ様は封印の盾を見上げていた。何か想いを馳せているようだ。

 

 それからすぐに私達と合流し先へと進んだ。

 

 光の河を進んで行くと、巨大で何重にも折り重なる迷路上のダンジョンがそこにはあった。どういう仕組みかは分からないけれど、時折重力が反転し表から裏、裏から表へとダンジョンが切り替わるギミックが発動し行く手を阻んでいく。……が、ここには知恵者が揃っており難なくここを突破する。

 

 知恵では活躍出来ない私は戦いにてそれを補っていく。

 

 そうして行くうちに出口へと繋がる道にたどり着く。

 

 門を潜る前にローブマントに身を包み先へ進んだ。

 

 門を通るとそこには……辺り一面瘴気が溢れていた。

 

 アストルティアでも瘴気が溢れているところはあるけれど、こんなに立ち込めているとは思っても見なかった。

 

 そして、そこには複数名の魔族が戦闘態勢で身構えていた。勇者一行だとバレたのかと思ったけれどそうではないようだ。向こうは私達を見て凄く驚いている。

 

 それもそのはず。アストルティアからやってくる物好きなどそうそういるはずがない。

 

 しかし、臨戦態勢になっているためどうしても戦いは避けられそうにない。

 

 そして戦闘が始まった。多分駐屯兵なのだろう。そこまで戦闘力は高くないようで、私だけで一掃してしまった。

 

 私達は倒れた駐屯兵に声をかけ大魔王が今どこにいるか聞き出した。魔族の1人が答えた。デスディオ暗黒荒原という場所に新しく大魔王城が設立されたと。そして、他の魔族達は口を揃えてこう答えた。現大魔王様は心優しくとても強い御方だと。……大魔王が心優しい……?私にはとても信じられなかった。今までの事を振り返ってみても魔王や大魔王にろくな奴はいない。だから私は彼らの言う事を信じない。

 

 駐屯所を後にした私達は教えられたデスディオ暗黒荒原に向け歩き始めた。嘘かもしれないし罠かもしれない。それでも私達は進むしかない。

 

 瘴気に満ちた荒野をただひたすらに突き進む。

 

 

 

 進んで…進んで……まだ進む……。

 

 

 

 

 どのくらいの時が経っただろうか……。色々な国を見てきた。

 

 途中女魔王の根城バルディスタという国を訪れた。そこで魔族達と争った。向こうから喧嘩を吹っ掛けて来たけれど、私の内にある言いようのないどす黒い塊。アストルティアで起きた事、彼女の事……色々な事が混じりあって弾けてしまった。彼女を追い込んだやつらがここにいるかもしれないと思うと怒りが沸き起こりいてもたってもいられなかった。

 

 そうして激しく戦闘を行っていると、この国の副官と名乗る男が現れた。アストルティアを襲った元凶の女魔王は今大魔王城にいると伝えてきた。これ以上被害を広げたくなかったのだろう。いけ好かない男だけど、嘘はついてないようだ。私達はすぐにその場を後にした。

 

 

 

 そして歩み続けた先にようやく大魔王城が見えてきた。遠くからでもその禍々しさが分かる。

 

 城門までたどり着いた私達は息つく暇もなくすぐに行動に出た。私は力を込めて門をこじ開けた。すぐに兵が出てくるがなぎ倒して行き正面の階段を上り扉を叩き破る。

 

 そこには、以前対峙した女魔王ともう2人魔王と思しき人物がいる。そして、その先で玉座に座っている漆黒の鎧と兜を纏った人物。あれが大魔王に違いない。

 

 前に出てきた女魔王が口を開いた。

 

 「……バルディスタに攻め入ったのは貴様らだな?おおかた敵討ちの類いであろう」

 

 その問いに私は頷いた。理由はどうあれ敵対していたことに間違いはない。

 

 「大魔王城までのこのこやってきたその蛮勇を讃え私が直々に相手をしてやろう」

 

 少し間を明け私も言葉を発した。

 

 「……長い……道のりでした。……命を賭した修行の日々も、魔界の深奥へのつらく厳しい旅も全てはこの時のため……」

 

 大魔王は前のめりになりこちらを見ている。

 

 「魔界を滅ぼし大魔王を倒す。……それこそが勇者の使命!」

 

 ローブを脱ぎ捨て私は名乗りを上げた。

 

 「我が名はグランゼドーラ第一王女にして、当代の勇者アンルシア!」

 

 「太古より続くアストルティアへの侵攻と非道なる破壊と殺りくの数々……もはや許す訳にはいきません!」

 

「決着をつけましょう魔王ヴァレリア。そして……災いの根源……大魔王!!」

 

 大魔王はこちらを見て少し驚いているような気がするが関係ない。

 

 「誰かと思えば……あの時のアストルティアの小娘か。大魔王に出ていただくまでもない。私に任せてもらおう!」

 

 魔王ヴァレリアはこちらを侮っている。そしてその言葉を皮切りに戦闘が開始された。

 

 魔王は油断している。目にも止まらぬ速さでヴァレリアの懐まで踏み込み剣を振るい薙ぎ払う。

 

「…ぐっ……きさ…まっ……!?」

 

 

「……代々の勇者と盟友たちよ。どうか私にチカラを」

 

 同時にもう1人の長髪の魔王も魔法で攻撃を仕掛けてくるが仲間が応戦し弾き返す。

 

「我が剣は、アストルティアのために!」

 

 力を溜めた剣を振るう。魔王は防御するが吹き飛ぶ。

 

 今度は赤毛の魔王が斬りかかってくる。……が、それをシンイがメラミで止める。

 

 「故郷を滅ぼされ同胞の命を奪われた怒りと絶望……とくと思い知っていただきますよ」

 

 気がシンイの方に向いている隙に今度は私から斬りかかる。1度目は避けられた。2激目は魔力を込め解き放つ。魔王は防御するがそれを弾き吹き飛ばす。

 

 「勇者……ッ!まさかこれほどまでとは……!?」

 

 すかさず私は言い放つ!

 

 「……大魔王!!……アストルティアの悲しみの歴史に今こそ私が終止符を打つ!」

 

 「大魔王……いざ勝負!!」

 

 そう言い放つと何故か大魔王は首を横に振り戦おうとしない。

 

 「まさか怖気づいたというのですか?もう逃げ場はありません。大魔王!今すぐ私と戦いなさい!」

 

 大魔王は横にいる一つ目の魔物に顔を向けゆっくりと立ち上がった。大魔王が前へ出てくると、倒れていたヴァレリアが起き上がってきた。

 

 「……やってくれたな。面白い。それでこそ勇者よ……!」

 

 ヴァレリアは魔力を放ち辺りを氷漬けにしていく。

 

 それを見たエステラは龍化し炎のいぶきでそれを止める。

 

 今度は長髪の魔王が巨大な魔物を呼び出し攻撃を仕掛けて来る。

 

 魔力を溜めていたルシェンダ様はイオグランデで応戦する。

 

 赤毛の魔王とシンイは激しくぶつかり合っている。

 

 「アンルシア姫!ここは私達にまかせて大魔王のもとへ!」

 

 シンイの掛け声に私は頷き大魔王の前に飛んだ。

 

 「大魔王……覚悟ッ!」

 

 大魔王が左手を上げ何かしようとした時、周りの爆風で1つ目の魔物がこちらに吹き飛ばされてきた。

 

 その魔物を斬りかかろうとすると、大魔王は割って入り私の剣を弾く。すぐに大魔王は一つ目の魔物に合図を送り後ろに下がらせる。

 

 そして戦闘が始まり激しく争う。剣を振り鎌で応戦。それを繰り返し、ぶつけ合うと次第に手の力が入らなくなったのか両者の武器が吹き飛ぶ。

 

 「くっ……!まだまだ!!」

 

 私は魔力を溜め地面に叩きつけその魔力を地面を這わせ大魔王に当てる。当たると同時に上に蹴り上げ、落ちてきた所を力を溜めた渾身の正拳突きを放つ。

 

 顔面に直撃し大魔王は玉座の前まで吹き飛ぶ。それと同時に兜も吹き飛んだ。

 

 私は前に出て、最後の一撃を放とうとすると、大魔王が起き上がり叫んだ。

 

 「待って!!アンルシア!」

 

 「…………ッ!」

 

 兜が剥がれその素顔を見た私は驚愕し、言葉が出なくなった。

 

 そこに居たのはずっと行方不明でどこを探しても見つからなかった盟友のショウだった。

 

 混乱した私は力が抜けてしまい後ろへ後ずさってしまう。

 

 その隙を見たヴァレリアはすかさず攻撃を仕掛けてきた。

 

 「ヴァレリア!待って!ダメ!!」

 

 ショウは私の前に立ち盟友の盾を展開した。

 

 私は膝を付きそれを見ている事しか出来なかった。

 

 そして、枯れたと思っていた涙が溢れてきた。

 

 「本当に…あなた……なの?ショウ……!」

 

 「でも……どうして…あなたが大魔王なの……?」

 

 正体が明らかになったショウは私たちに休戦を申し出ると、大魔王城の会議室に案内された。

 


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