「わぁぁぁぁぁ! ラキぃぃぃぃ!」
街の殆どが崩壊した聖都ラボナの朝に、頭を掻きむしったクレアの叫び声が響いた。
街の目立つ場所に、二人の人間が全裸で吊り下げられていた。
その体には盛大に落書きされていた。
ラキの背中には、いい男。
そして、なぜかもう一人吊り下げられた、思春期に差し掛かったくらいの少女の肉体をしたオリヴィアの身体には――。
覗き魔。
そう書かれていた。
クレアの主観で言えば、初めてラキと結ばれ。
気をやった瞬間テレサとの懐かしい思い出が蘇り、気持ちよく朝目が覚めるとラキが吊るされていた。
訳が分からなかった。
―――
――
―
「ぐへへ」
妖気操作の応用で、クレアとラキの情事を覗いていたオリヴィアだったが、クレアが気をやった瞬間に操作を誤った。
「あ、やべっ」
無駄に妖気を送ってしまい、あわやクレアが危ういことになりそうだったが、辛うじてセーフといった具合だった。
その時、オリヴィアの頭の中に、ガラテアの言葉が蘇った。
――下手をすれば、味方を覚醒させてしまうぞ。
宿屋の一角に、世界を覆うような強大な妖気が放たれた。
「……」
オリヴィアは逃げた。
しかし、5分ほどで、どこかで見たことのある顔に捕まった。
「こっちで会うのは、初めてだな? オリヴィア」
「あ、ははは。理事長、久しぶり。んで、なに???」
「……このすっとこどっこいが!!」
オリヴィアの記憶はここで終わっている。
―――
――
―
いやぁ、この間はお楽しみでしたね。
気が付いたら、時計塔に張り付けにされていたよ。
まぁ、なんだかんだ有ったけど。
本当にいろいろあったけど、全てが終わった。
私の身体は、元に戻らなかった。
きっと、止まっていた時間を、カティアたちが進めてくれたんだろう。
私は、そう思うようにしている。
戦士達は、元気にしている。
ミリアの主導で、大陸中の覚醒者が討伐されていった。
それでも、身体の限界を迎える子達はやっぱりいた。
戦士達には、妖気解放ご法度の法が敷かれ、金色の瞳を見ることは少なくなった。
みんながそれで長生きするなら、私はそれでもいいと思う。
そうそう、クレアの恩人は生きていたみたい。
人のいない僻地でひっそりと暮らしているらしい。
クレアやラキも、そちらに居を移すみたい。
少し寂しかったけど、会えなくなるわけじゃない。
最近、ミアータの精神が安定してきた。そして、私と全然遊んでくれなくなった。
まぁ、遊ぶって言っても、クラリスのおっぱいごっことかだったから、倫理的にどうなのって皆に殴られていたんだけど。
コブが減ったから寂しくねぇし。
ミリアは、大陸に残った妖魔や覚醒者を狩り続けている。
隻腕の騎士も一緒について行った。
ついでに、ラボナに囚われていたオルセも、組織の拠点を探し出すために連れていかれた。っていうか、生きとったんか、ワレェ!
ユマ達もついて行った。
ラボナに残っているのは、イライザやガラテアだけだ。
「ほんとに良いのか?」
「うん! お墓参りしなきゃね」
「早く帰って来いよ。お前の好きな鹿スープらしいぞ」
「分かった! マザーガラテア」
「誰が母だ」
私は戦士達の墓標をモノリスに突き刺して保存する事業に携わっていた。
この大陸を守った人たちを忘れてほしくなかったからだ。
その中には、カティアやオリヴィア、そしてサルビアだっていた。
皆のことは忘れない。
記憶と歴史を紡いでいく。
私は今日もこの世界で生きている。
何とか終わりました。
お付き合い下さり、本当にありがとうございました。
プリシラ戦では、書いていて何故か4,5回全滅しました。
強すぎでは……?
執筆していて思いましたが、原作のまとめ方は、終わりの美に溢れているなと思います。
私ではあの域に辿り着けませんでした。
何度かくじけそうになりながらも、無事に完結までこぎつけました。
皆様のおかげです。
本当にありがとう。
【以下、書ききれなかったこと】
・ルネ
四肢をもがれて救出され、両手両足が歴代No.1になったスーパーキメラになる予定だったが、尺の都合で帰らぬ人となった。
・タバサ
ミリア隊に所属できなかったため、生き残れなかった。
・リリィ
忘れてた。ごめんね。
・イースレイ
話のギミック化してしまった。
作者の技量不足……というか、いろいろ考えてたけど心が折れた。ごめんね。
・ダフ、リフル
尺の都合で端折られた。
原作通りにプリシラにやられた。
・アリシア、べス
もっと深堀したかったけど、できなかった。ごめんね。
・現役ナンバー
その後は特に戦争は起きなかった。
・ルヴル
完璧な半人半妖を目撃し、こいつはやべぇと逃げ帰った。しかし、よく考えると島から出ないので、まぁいいかと、組織崩壊と本国に報告した。
・いろんな人
3馬鹿の回想にチラリと出て来た人たち。
各世代の上位ナンバーだったが、話のピントがぼけるので没となった。
・消えた覚醒者達
尺の都合で、全て栄養源となった。
でも原作のエウロパの腕から刃を生やすシーンは一番好き。
・嬰児
精子と卵子が出会わなかった。
・作者
数年前の自身の思考トレースを強要された。
ちょくちょく頭がバグっていた。
オリヴィアっぽい地の分は、ぶっちゃけツライ日もあった。いや、やっぱつれぇわ。
完結したことで、様々な教訓を得た。
①酔って感想返しをしない。
②酔って発狂しない。
③酔って尿管結石にならない。
ありがとうございました!!