俺の霊圧は消えない   作:ディアブロー

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挟まれる……いったい何に?

祝10話です!

それと、オリキャラ?が出てきます。

執筆の励みになる感想と評価お待ちしております!



チャドが挟まれる……だと!?

 

 

 藍染惣右介の起こした反乱によって、尸魂界(ソウル・ソサエティ)は大きな打撃を受けてしまった。

 

 しかし、これはまだ序章にしかすぎない。

 

 大虚(メノス)と手を組んだ藍染の戦力は未知数。この戦いは、ここから先より熾烈化していくはずだ。

 

 そして、その戦いに人間も巻き込まれ……間違いなく騒動の中心となってしまうだろう。

 

「チャド、本当に頑張ったのう。

 おぬしと一護がいなければ、どうなっておったことか」

 

 茶渡泰虎と黒崎一護。

 

 藍染が関心を抱くこの2人は、間違いなく藍染との戦いに身を投じることになるはずだ。

 寧ろ、彼らこそが藍染に対抗する為の切り札になるかもしれない。

 

 チャドと一護をここまで導いた夜一は、そう確信している。

 

「夜一さんのおかげだ。

 夜一さんが鍛えてくれて、ここまで導いてくれたから俺達は朽木を助け出すことができた。全員生き残ることができた。

 本当にありがとう、夜一さん」

 

「おぬしは本当にイイ男じゃのう。

(儂も喜助と同じで、おぬし達に真実を隠しておったというのに…おぬしはそれに気付いておるはずなのに。

 やれやれ、儂はおぬしに本気で惚れつつあるかもしれんのう)」

 

 藍染の反乱から一夜明けた早朝。

 

 チャドは尸魂界(ソウル・ソサエティ)を救った恩人達にとそれぞれ用意された部屋で、夜一と共に疲れを癒している。一護や井上織姫、石田雨竜もそれぞれ個室を与えられているらしく、今はどうやら夜一が、いつの間にかチャドが眠っている布団の中に潜り込んでいたようだ。ちなみに、これはこれでチャドにとって最高のご褒美だろうが、これは夜一が自ら進んで行った行動で、ご褒美にカウントされることはない。

 

 昨日の出来事が錯覚だったかのように穏やかな朝だ。藍染との戦いは絶対に避けて通れないと確信しているチャドと夜一にとっては、まさしく嵐の前の静けさでもある。

 

「む

(し、しまったァ!()()()()がァァァ!!)」

 

「お?

 何じゃ…()()()()()()()()()が儂に当たっておるのぉ。んん?こんな朝早くから儂にいったいナニをしてほしいんじゃ?」

 

 チャドと夜一はこの騒動で強い信頼関係を結んだ。それは師弟関係のようなものでもあるが、それ以外にも……茶渡泰虎と四楓院夜一は、男と女としての関係を深めつつある。

 

 それを考えると、チャドと夜一にとってある意味では藍染はキューピッドのようなものなのだが、2人がそれを口にすることは決してないだろう。

 

「おぬしは本当に暴れん坊じゃのう。

 そこがまた魅力的なんじゃが」

 

「ッ──(手ッ、夜一さんの手が、()()に!!)」

 

 今は束の間の休息期間。

 

「ナ、ナニをしているのですか夜一様ァァァ!」

 

 天井裏から砕蜂が登場するほどに穏やかで、昨日までの慌ただしさが錯覚だったかのようだ。

 そもそも、護挺十三隊の隊長は暇ではないはずなのだが…。

 

「茶渡泰虎ァァァ!貴様のイチモツをここで斬り落として犬の餌にしてくれる!

 今すぐ私の()()()に差し出せェェェ!!」

 

 決して、皆が皆このようなわけではない。決して、無能の集団なんかではない。

 

 大切な者への想いを拗らせ、歪んでしまった結果。つまりは、これも藍染の影響なのだ。

 

「わ、わた、私がどれだけ…どれだけッ、()()()は夜一様に捧げたいと望み続けてきたと思っているのだ!?」

 

 チャド曰く、101年前に頭のネジも失った砕蜂。彼女は普段こそちゃんとしているが、夜一が関わるとポンコツに成り下がってしまう。

 

 これもまた、藍染による戦力削減なのだろうか…。

 

 チャドは思う。これを機に、失ってしまったネジを見つけ出してほしいと…。

 

 だが、事態はチャドの予想の斜め上を行ってしまう。

 

「砕蜂、何をしておるのじゃ…邪魔をしおって。

 そもそも儂らは女同士。儂にそっちの趣味はないぞ。

 それと、チャドのを目の前に差し出せと言っておるが、生娘のおぬしに耐えられるかのぉ?」

 

「へ?

 ひゃあああああ!?」

 

 夜一が布団を捲ると恐ろしくらいに反り立ち存在を強調したソレがそこにあった。それを目にした砕蜂は、生娘らしい奇声をあげてしまい、一瞬で顔は茹でダコのように真っ赤である。

 

「す、すすす、すぐにソレを仕舞えぇぇぇ!!

(な、ななな、何だアレは!?あ、あああ、あんなに大きいモノなのか!?)」

 

 手で目を覆い隠しているが、手の隙間からチラチラと見ている砕蜂の反応は、恥ずかしいがそれが気になってしょうがない生娘らしき反応だ。

 

 藍染惣右介の反乱から一夜明け──この場所だけは恐ろしく平和である。

 

 

 

 

 

 ▪️▪️▪️▪️

 

 

 

 

 

 残念なことに、砕蜂のせいで夜一さんとの情事に至ることはできなかった。

 

 イイ雰囲気だったのだが、砕蜂のせいで全てが台無しである。しかも、砕蜂にまでアレを見られてしまうという…。生娘らしい反応は可愛らしかったが、少し恥ずかしくもあった。

 

 それから数日…。

 

「チャド様、おはようございます!!」

 

 朝起きたら、俺の隣に褐色隠れ巨乳の美少女がいたのだが……いったい誰だろう。護挺十三隊の死神ではなさそうだ。ただ、彼女からは懐かしい気配を感じる。いや、懐かしい気配と言うよりも、ここ最近まで身近に存在していたような…。

 

「あ、その顔は私が誰だかわかっていませんね!

 私ですよ!()()です!!」

 

 はて、彼女はいったい何と口にしただろう。

 

 俺はまだ夢の中にでもいるのだろうか…。

 

「正確には、崩玉の欠片なんですけどね!

 チャド様と離れるのが嫌で、私の一部(欠片)をチャド様の魂魄に転移させて融合したんです。えへ!!」

 

 どうやら夢の中でも、聞き間違いでもなかったらしい。俺は崩玉を強く求めるあまり、どうやら崩玉に気に入られてしまっていたようだ。しかも、俺の魂魄と融合している状況とは……俺はこれを喜んでもいいのだろうか…。

 

「えへへ、チャド様と一緒にいたくて、今は具象化してる状態なんですよ!!

 チャド様は褐色肌と巨乳、隠れ巨乳がお好きなようなので、その要素を全て取り入れて具象してみました!どうですか?」

 

 そして、彼女(欠片)は具象化して俺の目の前に現れたのだそうだ。しかも、俺の好み(望み)を全部取り入れた姿で現れた。

 

 ただ一つ、俺は崩玉にそんなことを望んだことないはずなのだが、つまりは心の声が駄々漏れだったのか、心の中を覗かれてしまっていたのか、とにかく恥ずかしい限りである。

 

 穴があったら入りたい。

 

「あ!

 私の姿はチャド様にしか見えていないので安心してくださいね!!」

 

 それはつまり、俺の私生活を四六時中この美少女に一方的に覗かれてしまうということ。俺にプライバシーはないのだろうか…。力を手に入れた代償は大きかったかもしれない。とは言え、やはり恩恵の方が遥かに大きいだろう。これくらいの代償で済んでいるだけマシなのかもしれない。寧ろ、好みど真ん中なので善しとしよう。

 

「私のことはお気になさらずに夜一さんをチャド様の女にされてくださいね!頑張って下さい!!」

 

 何より、甲斐甲斐しいメイドを得たような気分である。

 

 この日から、夜一さんとこの美少女(崩玉の欠片)に挟まれて寝る日々が始まった。何故か理由は不明だが、たまに砕蜂が潜り込んだりしてることもあるが、きっと夜一さんが目当てなのだろう。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 藍染の一太刀で腰から下を斬り落とされかけた一護も全快し、俺達が破壊してしまった瀞霊廷の復興も急ピッチで行われている。

 

 藍染の反乱によって尸魂界(ソウル・ソサエティ)は震撼し、隊長が3人も離反するという前代未聞の事態が起きたわけだが、今回の一件で瀞霊廷に大きな傷を残してしまったのは、藍染よりも俺達だ。

 

 瀞霊廷の至る所で、隊長、副隊長含む護挺十三隊の隊士達と戦い、建造物を破壊しまくってしまったのである。おまけに、歴史的建造物でもある双殛の磔架を粉々に破壊してしまった。恩人ということもあり、不問となったことに正直かなり安堵している。

 

 だから、俺に()()()など一切ないのかもしれない。

 

「あの日受けたおぬしの拳が忘れられんでのぉ。

 せめて、現世に戻る前にもう一度だけ戦ってほしいんじゃが」

 

「テメエが総隊長(ジジイ)に膝を突かせたっつぅ一護の相棒か。くく、イイ面構えしてやがるぜ!

 総隊長(ジジイ)が破壊できなかった盾ってのも面白そうじゃねェか!!」

 

 俺を待ち受けていたのは、すでに上半身裸のムキムキの老人(総隊長)と、すでに眼帯を外して全力全開で臨戦態勢の戦闘狂(更木剣八)という凶悪極まりない死神2人である。

 

 前に総隊長、後ろに更木剣八。

 

 挟み込まれて逃げ場なしである。

 

「おいジジイ。

 このガキと殺り合うのはオレだ。ジジイは縁側で大人しくお茶でもしてやがれ」

 

「ならん。

 茶渡泰虎と戦うのは儂じゃ。おぬしこそ少しは真面目に剣の修業をせんか。そんなんじゃから黒崎一護に敗北するのじゃ」

 

 バチバチと火花が散っていると錯覚してしまうほどに、強大な霊圧同士がぶつかり合っている。

 こんな殺伐とした、世界の終わりを思わせるほどの殺気(霊圧)に支配された空間で立っていられるだけ誉めてほしい。

 

『チャド様には私がついてますので大丈夫ですよ!!』

 

 それと頼むから崩子ちゃん(崩玉の欠片)、今だけは俺の力を上昇させないでおくれ。それをやってしまうと、事態はより混迷を極めてしまう。

 

「ハッ、もう二度と負けねェよ!

 それよりも、退かねェってならまずはテメエから殺ってやるぜジジイ!!」

 

「退くのはおぬしじゃ。

 大人しく退かぬというなら仕方ない。聞き分けのない小僧には、再び剣術というものを叩き込んでやろう」

 

「ハハハッ、上等だ!

 最強の死神は誰か…引導を渡してやるぜジジイ!!」

 

 こうして始まってしまった総隊長 VS 剣八。

 

 だが、俺としては好都合。脳筋2人は仲良く潰し合ってくれればそれでいい。俺はこの隙にここから退散。

 

「ジジイのあとはテメエだ!

 そこで大人しく待ってやがれ!!」

 

 俺はこの2人の執念を甘く見てしまっていたようだ。

 

「ハハハハハ!

 眼帯を外したオレの斬撃を防ぐか!?斬り殺しがいのあるガキだ!!」

 

 俺が逃げようとすると、刃こぼれの激しい斬魄刀で更木剣八が斬りかかってきやがった。正直、刃こぼれの激しいこんな刀で本当に斬れるのかと思ってしまうが、その油断が最後に繋がってしまうのだろう。どんな刀だろうと、たとえ木刀だろうと、更木剣八が手にしたら鬼に金棒。

 

 藍染の斬撃と比べても一切遜色のない斬撃だ。藍染が崩玉と完全に融合するまで戦いを避けようとしているというのも頷ける。更木剣八はこれで弱体化しているというのだから、本当に恐ろしいものだ。

 

「茶渡泰虎。

 おぬしの相手は儂じゃろうて…。

 

『一ツ目 撫斬』

 

 そしたら今度は、総隊長が全斬魄刀中最高の攻撃力を誇る焱熱系最強最古の"流刃若火"で俺を一刀両断しようと斬りかかってきやがった。今のは本気だった。我ながら、よく反応できたと誉めたいところである。

 

「さて、始めるとしようかのォ」

 

「くくく、最後まで立ってた奴が最強だ!」

 

 こうして、いつの間にやら三つ巴の戦いへと発展してしまった。

 

『チャド様!

 崩玉の一部(欠片)でしかない私は、炎を操ったり、冷気を操ったり、風や雷といった特殊能力をあなたが操れるようにして差し上げることはできません。しかし、あなたの魂魄の成長に合わせて、あなたの魂魄が成長すればするほど、私は無限に霊圧と霊力、それに耐えうる肉体を与え続けます!魂の成長は無限大で、肉体ではなく本人の意志次第!

 チャド様、あなたは決して歩みを止めないでください!!』

 

 つまり、俺にこのバケモノ2人と戦えと言っているのだろうか…。とんでもない無茶振りだ。

 

 俺の霊圧は、今まさに風前の灯である。

 

 






オリキャラ……オリキャラ?
崩玉の欠片が具象化……これってオリキャラ??
そもそも具象化って……斬魄刀かよ。
褐色隠れ巨乳の美少女。チャドの夢と希望が全て詰まっている。崩玉の美少女だから、名前は崩子(ほうこ)ちゃん。

甲斐甲斐しいけど、かなり無茶振りをしてくる子。

総隊長と剣八との三つ巴の戦いに、率先してチャドを送り込もうとするとんでもねぇ鬼畜。

崩玉の欠片が与える効果。
チャドに特殊能力を与えることは決してないが、魂魄の成長と共にチャドの肉体、身体能力、霊圧、霊力を無限に底上げしてくれる。魂魄の成長は本人の意志の強さに直結しており、経験を積むことも重要。
だからこそ、崩子ちゃんはチャドに経験を積ませようと死地に送り込んだ。

他に、怪我の治りが早かったり、霊圧、霊力の早期回復効果あり。織姫のように他者の肉体を元通りにさせることはできないが、自分のみなら可能かもしれない。チャドの場合は虚の力に近いから超速再生?

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